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中国、高リスクの小口金融商品「余額宝」が低所得層に爆発的普及 高まるバブル崩壊懸念(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/135.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 8 月 28 日 07:49:05: igsppGRN/E9PQ
 

中国、高リスクの小口金融商品「余額宝」が低所得層に爆発的普及 高まるバブル崩壊懸念
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140828-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 8月28日(木)6時0分配信


 7月18日、中国国家統計局は6月の新築住宅価格指数が主要70都市のうち、80%近い55都市で前月比減になったと発表した。前月は35都市で下落したが、これを上回る結果となった。

 中国では現在、不動産バブルの崩壊が急速に広がっている。当然、不動産を買う人や企業は銀行でローンを組んでいるため、担保価値の下落により返済困難に陥る可能性も高くなる。もちろん、銀行でローンを組めなかった人は非正規のルートによる高金利ローンを受け入れるしかない。いわゆるシャドーバンキングだ。

 シャドーバンキングとは預金を貸し出す商業銀行業務とは異なり、資金を預金以外の方法で集める。金利規制が厳しい中国における迂回融資の一種といえる。いわゆる「理財商品」とはその資金調達の手段であり、主な買い手は、企業や個人の富裕層だったといわれている。理財商品で集められた資金は、怪しげな不動産プロジェクトなどに貸し出されていた。不動産バブルが崩壊すれば当然元本も金利も返ってこない。しかし、仮にそうなっても被害を受けるのはあくまで一部の人々であり、ダメージは限定的だといわれていた。

 確かに、不良債権が証券化され世界中の金融機関にばらまかれていたサブプライムローン危機(2008年)に比べれば、危険は少ないように思える。しかし、これまで富裕層しか手を出さなかった理財商品が小口化やオンライン取引化により貧困層にも幅広く普及し始めたらどうなるだろうか。

●アリババ「余額宝」が爆発的普及

 実際に13年6月、アリババ・グループは「余額宝」というサービスを開始した。1口1元(約17円)から始められるオンライン理財商品の登場であった。一般的にPayPalなどのオンライン決済口座には、決済で使い切れなかった資金が滞留している。アリババはこの資金に目をつけた。少額の資金でも、大量に集めて金額が大きくなれば、金融機関と交渉して法人向けの大口定期預金を設定することができる。法人向け大口定期預金は、中国国内において金利が自由化されている商品だ。アリババは資金繰りに困った銀行と交渉して、市場金利よりもやや高めに金利を設定することもできる。

 例えば、6%の金利で大口定期預金を設定し、余額宝の利用者には5%の金利を払ったとしよう。単純計算で1%の利ザヤ(スプレッド)を稼ぐことができる。資金量が100億円なら1億円、1兆円なら100億円の利益をアリババにもたらすことになる。

 実際の余額宝の金利は変動制である。金利は開設以来右肩上がりに上昇し、今年1月上旬には6.76%に達した。その後は、徐々に右肩下がりとなり、8月13日時点の金利は4.176%となっている。それでも、中国の大手銀行の金利は当局によって規制されており、普通預金金利は0.385%、1年物定期預金でも3.3%なので、預金者にとっても余額宝のほうがかなり有利な条件だ。余額宝は少額投資に対応し、金利が高く、すべてオンラインで決済できる手軽さから、これまで理財商品を買えなかった若者や低所得者の間で爆発的にこのサービスは普及した。しかも、余額宝のHPによれば、アリババはこの商品が「元本保証」であり、「いつでも引き出し自由」であり、「金利が毎日支払われる」と謳っている。

 余額宝の口座数はたった1年で1億アカウントを突破し、預金残高は5500億元(約9兆円)を超えている。これは、日本の常陽銀行(水戸市)や七十七銀行(仙台市)など上位地方銀行に匹敵する金額である。仮に1%の利ザヤを稼いでいるのであれば、年間の利益は900億円にもなる。

●余額宝のビジネスモデル

 このビジネスモデルのポイントは金利規制である。前述の通り、中国の商業銀行は当局の許可なしに預金金利を引き上げることはできない。また、預金の一部は金利が低い中央銀行の準備預金に強制的に預けさせられるため、預金者向けに無理な高金利を設定すれば逆ザヤになってしまう。このような制度上の問題に加え、昨年6月の上海短期金融市場における金利の暴騰というマクロ要因の存在も大きい。中国人民銀行による急激な金融引き締め策により上海の銀行間取引市場で金利が高騰し、一時13%というサラ金並みの状態に陥ったことは記憶に新しい。大きくは報道されなかったが、中国の4大銀行のATMで一時的に預金の引き出しができなくなるなどの異変がソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通じて日本でも知られることとなった。取り付け騒ぎ寸前といった状況であったことは間違いない。

 余額宝のサービスが始まったのは、ちょうどこの時期である。中国人民銀行が資金を出し渋る中、余額宝が民間商業銀行の資金不足を補うという点に目をつけたのがアリババのすごいところだ。昨年6月以降から年末にかけて資金不足の状況が続いたため金利が高騰し、銀行間で資金を融通し合う際の取引金利が5〜6%を超える場合もあった。そのため、余額宝もこれに合わせて大口定期の金利を高めに設定することが可能であり、結果的にそれが小口の出資者にも高いリターンをもたらしたのである。

 しかし、このような状態は永遠に続くものではない。今年3月に入り、市場の資金需要が一服すると、余額宝の金利は急落した。もともと銀行間取引金利に連動した商品であるだけに、資金が余ってくれば即座に金利も下落する。しかし、前述の通り、それでも金利は4%台を維持しており、銀行の定期預金よりは魅力的だ。

 中国のインフレ率は、公式発表によると3%弱とされている。定期預金の金利はこれとほぼ同等なので、銀行に預けても実質的に資産は増えない。中国のインフレ率の統計は信頼性が低いので、中国国民が生活実感として感じているインフレ率はこれよりも高いことが想像される。そうなると、余額宝への熱い思いは、しばらく冷めることはないかもしれない。

 しかし、儲かるビジネスには必ず競合が現れる。アリババに遅れること4カ月、インターネット検索大手の百度(バイドゥ)は、子会社の百度金融理財を通じて理財商品「百賺」の販売を開始した。また、今年1月、中国版Twitterと呼ばれる「微博」を運営するテンセントはファンド会社4社と提携し、資産運用プラットフォーム「理財通」のサービスを始めた。さらに、これらネット預金の急増に対抗して、中国の国有4大銀行は、預金者がアリババなど民間口座に振り込める1日の上限金額を相次いで引き下げる措置を講じている。

●突然破綻のリスクも

 さて、余額宝の人気はどこまで続くのだろうか? オンライン金融商品同士の競争が激しくなり、利回りが大きく低下した際に取り付け騒ぎなどは発生しないのだろうか? 現時点では、アリババなどの信用だけでここまで成長してきたが、大量解約に対する備えがどの程度できているかというのは、アリババの情報開示から判断するしかない。ちなみにこれらのサービスは政府の銀行監督行政の枠外にあるらしく、規制や検査などはまったく受けてない様子である。

 余額宝では集めた金の92%を大口定期預金で運用し、残りの8%は解約に応じる際の準備金として積み立てているようだ。しかし、わずか1年で急成長したものが、1年で突然破綻しない保証はどこにもない。この8%という準備率が十分なものなのかどうかは誰もわからない。ちなみに、日本においては、このようなオンライン金融商品は出資法第2条の「預り金」禁止に抵触する可能性がある。仮に開業する場合は、金融庁による規制と監督を受けることになる。

 4月末現在で、中国のオンライン金融商品の資産規模は1兆7500億元に達した。これは実に国家予算の2割近くの金額だ。今年2月にはアリババが新たな保険理財商品を発売した。この商品の予定利回りは7%で、運用期間は1年。2月14日に発売を開始したところ、わずか数分で完売し、8億8000万元(約146億円)を売り上げたそうだ。

 果たして、中国のオンライン小口投資バブルはいつまで続くのだろうか。

上念司/株式会社「監査と分析」代表取締役


 

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