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就活後ろ倒し骨抜きか インターンシップとリクルーターによる“青田買い”急増の実態(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/317.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 08 日 07:38:05: igsppGRN/E9PQ
 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140908-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 9月8日(月)6時0分配信


 2016年卒の学生の争奪戦が早くも始まっている。といっても会社説明会や就活サイトによる応募ではない。主役はインターンシップである。

 経団連は13年9月に「採用選考に関する指針」を発表。16年度入社以降の採用選考活動から、広報活動は大学生が卒業年度に入る直前の3年生の3月1日以降、選考活動は4年生の8月1日以降とする後ろ倒しを要請した。きっかけとなったのは安倍晋三首相の動きだ。13年4月19日、経団連、経済同友会、日本商工会議所の代表に「採用広報は大学3年生の3月から、採用選考は4年生の8月から」に、それぞれ後ろ倒しするように要請。これを受けて経団連も、採用選考活動早期開始の自粛を決めたのである。

 従来は経団連の「倫理憲章」の規約に賛同した会員企業が誓約書に署名する形で規制されてきた。今回は会員企業すべてを対象とする「指針」に替えたが、罰則もなく、拘束力があるわけではない。しかも経団連自身はこれまで採用活動の後ろ倒しに消極的な姿勢をとってきた経緯がある。仮に建前上、日程は守ったとしても、果たしてどこまで実効性があるのか疑問視する声もある。

 その一つが、近年にないインターンシップの増加だ。 今年の16年卒学生を対象にしたインターシップは昨年を上回る。「リクナビ」など大手就活サイト3社のインターン募集掲載企業数は延べ4645社、前年の1.6倍に達している(6月1日時点、エン・ジャパン調査による)。

 とくに大手企業の増加が目立ち、たとえば三井物産も08年から中断していたインターンシップ制度を15年2月に8年ぶりに再開。昨年9月に約50人のインターンシップ生を受け入れた双日は一挙に拡大し、9月、11月、15年1月の計3回実施し、受け入れ枠を昨年の3倍に増やす予定だ。

●インターンシップが“青田買い”の場に

 インターンシップが事実上の“青田買い”の採用活動の場と化しているのが実態だ。インターンシップには(1)1〜2日の短期の企業広報型(事実上の単なる会社説明会)、(2)職場体験型(5日程度のアルバイトの雑務を行う)、(3)採用前提型(2週間〜1カ月の長期体験)の3つがある。とくに(3)は採用に有利に働くが、選考によって絞られる狭き門となっている。その仕組みについて、広告会社の人事課長はこう語る。

「受入枠が限られるので書類選考で選別するが、ほとんどの企業が大学名で選考するのが一般的。地方の有名大学の場合は、都内の宿泊代プラス交通費・食事代と日当を支給する。これをAコースとすれば、Bコースは宿泊代を支給しないなど学生をランク付けする会社もある。とくに有名大学の研究開発を専攻している学生はメーカーで取り合いになっている。夏のインターンシップで内々定を出すか、次の秋冬にもう一度参加するように誘いかける企業もある」

 実際にインターンシップを実施すれば、社員をメンターとして学生に張り付けるなど職場に負担を強いることになり、大量の学生を受け入れることはできない。おのずと書類選考で特定の有名大学に絞られることになる。その中でこれはと思う学生がいれば、なんとかしてつなぎとめようとするだろう。仮に学生に内々定を出しても、来年10月の内定式までつなぎとめるには時間も相当長く、内々定を辞退する学生が増えることも予想される。

●リクルーター制も活発化

 そこでOB・OGが学生と個別に接触するリクルーター制を導入する企業が増えると見られている。住宅関連企業の人事課長は「来年8月の選考開始まで、どれだけ多くの学生と接触するかが勝負になる。当社はリクルーター制度を取り入れていなかったが、導入を検討している最中だ」と語る。リクルーター制とは、入社年次の若い社員が、学生を説得するための研修を受講後、人事部の手足となって母校の社員と接触するというもので、採用活動の一種である。

「人事部によるリクルーターへの研修では、『仕事は大変だが給与はいいよ』『かわいい女性が多い』というアピールポイントなど、学生に『入社したい』と思わせるためのノウハウが伝えられる。インターンシップで優秀と見なされた学生に対しては『人事部に紹介されて』と言って接触する。あるいはゼミや研究室、サークルを訪問し、めぼしい学生にアタックする。リクルーター1人に10人程度の入社志望者獲得をノルマにしている企業もあり、学生の情報は人事に逐一報告される」(建設業人事課長)

 さらに、タイミングを見てリクルーターが学生に「うちに来る気があれば、人事部もあなたを欲しいと言っている」という“半内々定”を出す場合もある。これも学生をつなぎとめるための方法だが、「あくまでもリクルーターが言ったことにして、人事部が言質を与えることはしないようにリスクを回避することが重要」(同)と語る。

 しかし、インターンシップの受け入れやリクルーター制を導入できる企業は限られる。お金や人員をかけられる大手企業ほど有利になり、中堅・中小企業はそこまでの余裕はない。

 中堅IT企業の人事部長は「有名企業はインターンシップやリクルーターを通じて学生をつなぎとめて、選考解禁日の8月1日にはほとんど大勢が決まっているのではないか。大手の選考が一段落するのに年末までかかり、年明けの決算期ごろにようやく中小企業の採用が決まるか、予定数を確保できない恐れもある」と嘆く。

 売り手市場の中で学生の大企業志向も強まっているが、結局、今回の採用選考の後ろ倒しで得をするのは大手企業と一部の有名大学の学生だけということになりかねない。

●就活戦線、早くも長期化の様相

 採用選考活動の早期化に対しては、もともと大学関係者から「学業を阻害する」という批判があった。安倍政権も学業に専念する時間の確保や海外留学がしやすい環境整備の観点から早期化自粛を成長戦略(日本再興戦略)に盛り込んでいる。

 ところが同じ成長戦略の中には就職ミスマッチを改善するために「インターンシップの活用の重要性等を周知し、その推進を図る」と明記している。もちろん、入社後の離職率を少なくするための就業体験の必要性を指摘したものだが、企業にとってはせっかく学生と接触できる機会であり、採用につなげたいという思いがある。

 文部科学省もこの点を憂慮し、インターンシップを採用につなげることのないように17年ぶりに指針を改定し、解禁前の採用活動の自粛を求めている。また経団連も「指針の手引き」で次のように明記し、「インターンシップに際して取得した個人情報をその後の採用選考活動で使用できない」と次のように注意している。

「インターンシップは、産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するものであり、社会貢献活動の一環と位置づけられるものである。したがって、その実施にあたっては、採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行う必要がある」

 しかし、これを額面通りに受け取る企業は少ない。広告業の人事課長は「夏も含めて秋、冬もインターシップを開催することにしている。そのために迷惑をかける職場を説得し、日当を含めた多大なコストもかかる。それでも優秀な学生を確保できなかったら役員会で責任を追及されることになる。覚悟を決めてやるしかない」と語る。

 政府や経団連の思惑を超えて、16年卒の就活戦線は早くも長期化の様相を呈している。

溝上憲文/労働ジャーナリスト


 

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