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LIXIL、伝統的日本企業に欧米流経営導入、なぜ“まれな”成功例に?海外事業急拡大(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/570.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 24 日 07:23:15: igsppGRN/E9PQ
 

LIXIL、伝統的日本企業に欧米流経営導入、なぜ“まれな”成功例に?海外事業急拡大
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140924-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 9月24日(水)6時0分配信


●洗浄便座メーカーの怠慢

 前回連載で触れたように、外資系企業の経営経験が長かった筆者は、思わぬ経緯で日系企業トップに就くやいなや戦い始める前に放逐されてしまったわけだが、日米の企業文化の差をモノともせず輝かしい実績を上げているのが、藤森義明LIXIL社長だ。

 日本を初めて訪れた旅行者からよく聞かれる感想が、「日本のトイレは〜」というものだ。「あんな素晴らしい体験はなかった」と、例外なく激賞する。以前ではこのような感想を聞かされて、日本人の清潔へのこだわりに誇りを感じていた。しかし、十年来同じ感想を繰り返し聞くたびに、次第に不快に思うようになってきていた。それは、「この業界のリーディング・メーカーは、一体何をしているのだろう」ということだ。日本メーカーが生産・販売する洗浄便座の特性を整理すると、次のようになる。

(1)一つの商品が、多くのマーケットにまったく出回っていない。つまりそのマーケットでは新製品である。もしくは存在しているのに販売されていないので「未製品」というべきか。
(2)商品に対する限定されたモニタリングでは、素晴らしい評判である。
(3)価格帯が参入障壁とは思われない。少なくとも欧米では抵抗感のない商品として迎えられるだろう。ただし、都市による水道事情がある程度の障壁となる可能性もある。
(4)マーケット規模は無限であり、普及しているのは日本だけ。

 こんな状況で、日本を訪れる観光客が十年一日のごとく「こんなものは母国では体験したことがない」と言い続けているのは、TOTO、INAX、そしてパナソニックなど、大手洗浄便座メーカー各社の罪悪ともいえるほどの怠慢だと感じてきた。

 ところが、INAXを傘下に収めるLIXILグループが近年、海外進出を加速させている。同社の14年度の売上高予測は1兆7600億円であるが、海外売上高6500億円を目指している(同社中期経営計画よる)。12年度の海外売上高実績は2620億円なので、2年の間に2.5倍となる速度だ。実は14年度の海外売上高予測には、米国のトップ衛生陶器会社であるアメリカン・スタンダードなどいくつかの大型M&Aによる分として3250億円を見込んでいる。成長の時間を大胆に購入しているのだ。15年度には3兆円を目指しているグループ売上高のうち、1兆円を海外事業が占めると中計は掲げている。同社の場合、成長はまさに海外で加速するのだ。

●日本の大メーカーを振り回す、ウェルチの秘蔵っ子

 このようにグローバルで大胆な戦略が展開されるようになったのは、藤森義明氏が11年に社長兼CEOに就任してからのことである。日商岩井(現・双日)から米カーネギーメロン大学に留学して経営修士号(MBA)を取得したのが1981年なので、筆者のそれより2年早い。帰国して96年にGEへ転職。2005年には日本GE会長に就任するが、25年間をGEで過ごした、いわゆる「外資族」といってよい。

 日本企業から外資系のトップへ転身という点では、前回連載で取り上げたベネッセホールディングス会長兼社長の原田泳幸氏と同様なキャリア・パスを歩いてきた。原田氏はアップルコンピュータ(現アップルジャパン)代表から日本マクドナルド社長へ転籍したタイミングから、稀代の個性派経営者といわれる米アップル創業者のスティーブ・ジョブズとの接触はそんなに深くないように見受けられる。

 しかし、藤森氏はGEで20世紀最大の経営者と称賛高いジャック・ウェルチ元会長からの評価と薫陶を受けて育ってきた経営者だ。01年には米GE上級副社長に就任している藤森氏は、ウェルチとの体験を次のように語っている。

「十数年にわたってウェルチに鍛え上げられました。これは本当に強烈な体験でしたね。若い頃にウェルチから刺激を受けたことが、私の基本的な考え方を形成していると思います。」(11年12月14日付人事情報サイト「jin-jour」記事より)

●欧米的な企業文化を伝統的な日本企業へ持ち込み

「外資族経営者」が伝統的な日本企業に招聘されると、企業文化アレルギーを引き起こすケースが多い。異質なものが組織のトップに就くのだから当然だ。その組織アレルギーにより、筆者の場合は早々に排除されてしまったわけだ。

 一方、藤森氏は果断に欧米的な企業文化をLIXILグループという伝統的な日本の大企業に持ち込んだ。同氏が振り返る。

「全体として大規模のコスト削減を行い、収益性を高めるには別なやり方をする必要があると考えた。そこで各事業会社の社長をすべて部長にし、一つの会社にした。」(13年1月18日付経営情報サイト「GLOBIS.JP」より)

 これは組織改革でもあるが、藤森氏のヘゲモニー確立セレモニーともいえる。これが通れば、その後は旧来の重役たちは藤森氏に楯突くことはできない。こうしてリーダーシップを確立してから、同氏は次々と矢を放った。

「LIXILには強いブランド、強い商品があり、様々な分野で業界のNo.1、No.2のシェアを握っている。しかし残念ながら、いずれもあくまで日本国内の話だ。ジャック(・ウェルチ)は常々『世界でNo.1、No.2でなければ、クローズするか売るかだ』と言っていた。そうしたマインドを企業カルチャーとして埋め込む必要があった。ちなみにこれはいきなり断行したわけではなく、3年ぐらいをかけ、まずは執行役員の半数程度を“外様”にするところからやった。野村證券やファナック、三洋電機など異分野の人材を入れ、そのトドメとして組織形態を変え、一気に会社のカルチャーを変え、コスト構造もきれいにし、世界に打って出よう、ということで船出した」(同)

 周到にして果断、このように藤森氏は伝統的な大企業を大変革して、LIXILにグローバル化の道程を歩み始めさせているのだ。このままLIXILグループを3兆円、5兆円規模の企業に育て上げれば、孫正義氏や柳井正氏などと並ぶ「平成の大経営者」の道を上り詰めていくかもしれない。創業家が存在する日本の伝統的なメーカーで、外資出身の経営者が辣腕を振るっているのは痛快だ。藤森氏の経営を刮目してみていきたい。

 ちなみに、今回みてきたような藤森氏が主導するLIXILの成長は、住生活グループと称していた当時に外部から、それも外資畑の藤森氏を招聘、抜擢した元会長で創業家の潮田洋一郎氏の功績によるところが大きいが、それはまた別の機会に書きたい。

 上場会社でも外部から経営者を招聘しようとして苦労している会社も多いが、次回連載ではその事例や実態を紹介したい。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役


 

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