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高インフレ時代は永遠に去ったのか(週刊東洋経済)
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投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 28 日 07:45:05: igsppGRN/E9PQ
 

高インフレ時代は永遠に去ったのか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140928-00048337-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 9月28日(日)6時0分配信


 高インフレ時代は永遠に去ったのか。低成長で債務過多ながら富の適正分配を求める強い圧力がある今日、インフレが消滅したのか、単に休眠状態にあるのかは重要な問題だ。確かに各国中央銀行で大幅な制度改善があったため、高インフレに対する強力な防御壁が築かれた。が、中銀が業務を遂行しているマクロ経済環境が結局、その中銀の信頼性の大きな判断材料となる。

 1990年代前半、年間インフレ率はアフリカで40%、中南米で230%、経済移行期の東欧で360%だった。80年代初期、先進経済諸国のインフレは平均10%近かった。今日、多くのアナリストは高インフレを机上の空論扱いしている。が、それは間違いだ。

 金融危機に至る数年間は、グローバル化と技術進歩のおかげで中銀が確実に成長と低インフレを実現することは容易だった。が、70年代はそうではなかった。生産性が停滞し、物価が上昇し、中銀はスケープゴートにされた。

■ 高まる物価不安定リスク

 金融当局は古風なケインズ主義的マクロ経済モデル──インフレと低金利のまま経済を成長させられると思い込ませる──を使って政策を実行していた。今日、中銀当局者はそれほど純朴でなく、人々はもっと情報を持っている。が、一国の長期インフレ率は依然として政治的な選択の結果であり、選択が困難になるにつれて物価の不安定リスクが高まる。

 新興諸国はインフレ消滅から程遠い。国際通貨基金(IMF)の2014年4月の世界経済見通しでは、13年のインフレ率はブラジルで6.2%、インドネシアで6.4%、ベトナムで6.6%、ロシアで6.8%、アルゼンチンで10.6%、ベネズエラでケタ外れの40.7%などだった。

 そもそも、先進経済諸国と新興諸国を分ける線はどこだろうか。たとえば、ユーロが存在せず、ユーロ圏南部諸国が自国通貨──イタリアのリラ、スペインのペセタ、ギリシャのドラクマなど──を維持していたら、インフレ状況は米国やドイツに近かっただろうか、それともブラジルやトルコに似ていただろうか。

 おそらく、その間のどこかに違いない。そして、欧州の周辺諸国は中銀の制度的な改善の恩恵を受けていただろう。が、政治的な構造が抜本的に異なる形で進化したと考える理由は特にない。ユーロ圏南部諸国の人々は、北部諸国が物価安定にコミットしており、反インフレ的な信頼度の高い通貨が手に入るとわかっていたので、ユーロを受け入れた。

 ユーロは得ばかりに見えたが、実際はそうでなかった。インフレ面での信頼の向上は、債務への信頼の低下で相殺された。もし欧州の周辺諸国が自国通貨を持っていたら、債務問題がすぐにインフレ高進に姿を変えていた公算が大きい。

 私は、米国や日本のような経済で、すぐにインフレが戻るとは論じていない。米国労働市場の需給が引き締まってきており、また米国連邦準備制度理事会(F
RB)のイエレン議長が最大限の雇用の重要性を強調したが、近い将来の高インフレリスクはほとんどない。

■ インフレ抑制を維持できる保証はない

 それでもなお、より長期的には、生産性の低成長の持続、高水準の債務、政府による格差削減を求める圧力などの逆境に直面した場合、インフレ抑制を維持できる保証は、どの中銀にもない。

 インフレが休眠しているだけだと認識すれば、変動為替相場の国で債券が自国通貨で発行されるかぎり債務過多で恐れることなど何もない、という見方がばかげているとわかる。イタリアがリラのままだと、人々が債券の換金に殺到するおそれはずっと小さくなる。しかし、イタリアは依然として統治に大きな問題を抱えているので、インフレ率がブラジルやトルコのようになり、債務問題が物価上昇につながることは十分にありうる。

 反インフレ政策は、物価安定と整合性のあるマクロ経済的、かつ政治的枠組みの中だけで奏功しうる。インフレが消滅していないのは確かだ。

(週刊東洋経済2014年9月20日号)


 

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