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起業やビジネス、投資を巡る「神話」を疑え!―PayPalマフィアが語る成功の鉄則とは?(ダ・ヴィンチニュース)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/692.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 01 日 08:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』(ピーター・ティール/NHK出版)


起業やビジネス、投資を巡る「神話」を疑え!―PayPalマフィアが語る成功の鉄則とは?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141001-00004947-davinci-ent
ダ・ヴィンチニュース 10月1日(水)5時50分配信


 唐突だが、次の質問に頭の中で答えて欲しい。

「世間では『そんなのあり得ない』と思われているが、あなたが“実はそれが真実だ”と思っている重要な事とは何か?」

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 即答できるだろうか? 採用面接でこんな質問を必ずぶつけるというのが、本書『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』(NHK出版)の著者ピーター・ティール氏だ。決済サービスのPayPalの創業グループ「PayPalマフィア」(最近来日した、電気自動車テスラの創業者イーロン・マスク氏もその一人だ)のドンであり、シリアルアントレプレナー(連続起業家)の象徴的人物でもある。

 上に挙げた質問は、スタートアップ(創業)の際あるいはそこに加わるメンバーに対して、他者にはない視点を持っていて、且つそれを真実だと確信しているかを問うためのものだ。それは、突飛でユニークであれば良い、というものではない。そのアイディアが十分に実現可能であるか吟味されているかどうかも同時に問われているのだ。

 彼がスタンフォード大学で行った講義を収録した本書は、起業やビジネス・投資を巡って信じられている一種の「神話」を打ち砕くものになっている。例えば私たちはビジネスにおいては、個人間でも企業間でも「競争」があるのが当たり前だと思っている。しかし、ティールは「競争に無駄なコストを割くくらいなら、競争相手との合併への道を探り、そのために努力せよ」と説く。

 一例として氏が挙げるのが、MicrosoftとGoogleの競争だ。ブラウザや検索技術を巡って彼らが争っている間に、Appleが優れたプロダクトとコンテンツのプラットフォームを創り上げてしまい、その市場価値は両者を合わせたものよりも大きくなっていると指摘する。過当な競争は企業の利益と体力を削ぐだけで、それは資本主義の本来のあり方と実は最もかけ離れているという指摘は重い。

 先に挙げた一見突飛さを問われているような質問も、競争ではなく、誰もが見出していない場所(市場)で、ビジネス上の独占状態(これは悪い意味での寡占ではなく、言わばクリエイティブな独占状態を指す)を生むことを彼が重視していることを示している。そうすることによって、スタートアップはキャッシュフローを生むための時間を確保することができ、次の段階へと進むことができるというわけだ。

 1998年からITバブルの時代も経て、数多くの起業を投資家として支えてきた氏の指摘は的確で、いわゆる常識として私たちが捉えがちなキーワードも次々と論破していく。例えば最近持て囃された「リーンな成長」(小さな取り組みを漸進的に進めて事業を大きくしていく)も、スタートアップとしては、全く間違っていると手厳しい。自らが独占できる市場を見つければ、一気にそこに橋頭堡を築き、オセロのように最終的に(彼は先行者ではなく、この段階では後発であれとも説いているのは興味深い)大きな市場を獲得していくべきだと彼は主張する。

「破壊的イノベーション」という言葉も現在では間違って解釈されているという。確かにイノベーションのあとには旧来産業が破壊される結果がもたらされることもあるが、はじめからそれを目指してしまっては、生むべきではない敵対者、競争を生み、小さな市場での成功でさえ難しくしてしまう、というわけだ。かつて音楽業界と激しく敵対し、敗れ去ったナップスターが本書では例として挙げられているが、日本でも最近「破壊的イノベーション」という言葉が安易に使われている例を思い起こさせられた。

 そのほかにも、プロダクト重視の風潮に警鐘を鳴らしつつ、販売やマーケティングの重要性を指摘するなど、日本でも最近得てして軽視されがちなポリシーを、歴史や哲学、経済学も交えつつ、自身の経験も絡めながら、ロジックとエモーション両方に訴えかける内容になっている。平易な言葉で語られ読みやすいが、筆者もあたかも氏の講義を受けているかのように、1ページ毎に頷き、唸らされながら読み進めることができた。中心に据えられたテーマは起業だが、その本質はチーム作りから人生との向き合い方にまで通じるものだ。幅広い読者にお勧めできる一冊と言える。

文=まつもとあつし


 

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