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(回答先: がん保険料「半額」でも割高 試算でみる負担感：郵便局専用アフラック：普通のがん保険料はバカ高ということ？！ 投稿者 あっしら 日時 2014 年 10 月 13 日 18:10:21)
医療保険を考える前に 意外と手厚い公的保障［日経新聞］
2014/10/11 7:00
お昼寝から目覚めた鯛奈ちゃんは、迎えに来たお母さんと一緒に帰っていきました。残った藤志郎と新衣紗、鯛吉は保険談議を続けています。話は、死亡保険から医療保険へと移っていきました。
大学で金融を勉強中の初野新衣紗（はじめの・にいさ＝上）と父の藤志郎（とうしろう＝中左）、利子（りこ＝中右）、隣に住むファイナンシャルプランナー・税理士の有賀鯛吉（ありが・たいきち＝下）
とうしろう 保険と言えば医療保険もあるよね。契約内容は忘れたけど、私も入っていたはずだ。
たいきち 民間の医療保険は病気やけがをしたときの入院や手術費用などをカバーする保険です。保険料を払い込んで「入院１日当たりいくら」「手術１回当たりいくら」という形で給付金を受け取ります。終身と定期があるのは死亡保険と一緒です。
にいさ 鯛奈ちゃんのパパやママは、医療保険をどう考えているのかな？
たいきち 家に帰ったら医療保険のアドバイスもしてあげようかな。それはさておき、新衣紗ちゃんも鯛奈も、生まれたときから医療保険に入っていることを知ってた？
にいさ ……？
とうしろう 私は入れた覚えがないぞ。
たいきち 答えは公的な医療保険です。新衣紗ちゃんも鯛奈も、藤志郎さんと兄貴のそれぞれの被扶養者として、赤ちゃんのときから保険給付を受けているはずです。新衣紗ちゃんの場合、今は病院で健康保険証を見せて治療を受けると窓口で払うのは医療費の３割です。残りの７割は藤志郎さんの会社の健康保険組合が負担しているんですよ。
とうしろう でも万が一、治療が長引けば、いくら３割でも費用がかさむだろう？
たいきち １カ月の医療費が上限を超えると、超えた金額を払い戻してくれる「高額療養費制度」があります。年齢や所得で計算式は異なりますが、70歳未満で一般的な所得の人が１カ月に100万円かかった場合、窓口で払うお金は30万円ですが、計算式に当てはめると……。
にいさ 答えは８万7430円で〜す。
たいきち これが自己負担の上限額になります。申請すれば差額の21万2570円が戻る仕組みです。
とうしろう ふ〜ん。意外と手厚いんだな。
たいきち 健保組合の中には「付加給付」といって、高額療養費制度に独自に給付金を上乗せしているところもあります。その場合はさらに自己負担が減ります。
とうしろう だったら、そんなにお金は必要ないのでは？
たいきち 高額療養費の対象は保険がきく治療だけです。入院した際の食事の一部負担金や差額ベッド代などは対象外です。保険のきかない先進医療を受ければ、その部分の技術料は全額自己負担になります。生命保険文化センターの調べでは入院時の自己負担は10万円以上20万円未満が最も多く、平均で約23万円という数字が出ています。
にいさ 民間の医療保険はこの自己負担分を補う商品と考えればいいのね。
たいきち まずは高額療養費制度や、病気やけがで働けなくなったときの収入減を補填する傷病手当金といった公的保障、そして健保組合の給付の仕組みといった勤務先の保障・福利厚生を調べましょう。そのうえで必要なら医療保険に入るといいでしょう。預貯金で備えるという選択肢も併せて考えたいですね。
にいさ どんなときに加入や見直しを考えるのかな？
たいきち 結婚や出産、家の購入といったライフイベントの際や30歳、40歳など節目の年齢で加入したり、見直したりするケースが多いようです。一家の生計を担う大黒柱が倒れた場合は治療費がかかるだけでなく収入が途絶える可能性もあります。特に傷病手当金がない自営業など国民健康保険の加入者は、より必要性が高いといえます。
とうしろう 私も50歳になって健康に不安を感じるよ。
たいきち 医療保険など病気入院に備える生命保険に加入している人は７割以上というデータがあります。とはいえ、むやみに加入すると使えるお金や貯蓄が少なくなるので注意が必要です。
とうしろう 入院や手術なら何でも保障してくれるの？
たいきち 保険会社が決めた条件を満たす必要があります。検査入院や人間ドックなどは対象外。入院日数のカウントの仕方も商品によって異なるので要注意です。手術も美容整形など治療を目的としないものはダメ。これらは約款に書かれているので、必ず確認しましょう。
にいさ 最近は入院日数も減っているんでしょう。
たいきち これまで医療保険は加入の際に「入院１日につきいくら」という「入院日額」が注目されてきました。ファイナンシャルプランナー（ＦＰ）の八ツ井慶子さんは最近の傾向について「入院日数の減少で入院日額の意味合いが低下している。そこで入院日額に給付倍数（10倍、20倍など）を掛けた手術給付金などをしっかり確認して選びたい」と話しています。
にいさ そういえば大学の先生がこの前、白内障の手術をしたんだけど医療保険からお金が出て、手術などの費用を全部差し引いても、お釣りが出たと聞いたよ。
とうしろう そんなこともあるのか。
たいきち これまで払った保険料との見合いもありますし、手術でつらい思いもしたわけですから、その点を割り引いて考えた方が……。
■大黒柱は加入の必要性高く
社会保険労務士 池田直子さん
家族の中でも生計を担う人は医療保険の必要性が高いといえます。保有する資産の多さにもよりますが、治療費を賄うだけでなく、働けなくなった場合の生活費を補填する意味でも手厚い保障を考えたいです。見落としがちなのは生計を補助するためにパートで働く妻。妻の収入がないと生活が厳しいなら、医療保険に加入することが大事です。
妻の分は特約という夫婦セットの保険に入っている人もいます。夫が先に亡くなったり離婚したりと夫婦関係に変化が起こる可能性を考えれば、１人ずつ入った方がよいでしょう。医療保険は次々と新しい商品が出ています。時間がたてば加入する側の支払い能力や保険に対する考え方も変わっていきます。老後まで考えて入るのではなく、短期間での見直しや保険代わりにお金を積み立てるというのもいいでしょう。
http://www.nikkei.com/money/features/37.aspx?g=DGXMZO7791259003102014PPE001
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