こちらから日本のリニア問題を見ていると、JR東海と言う民営企業のために国を挙げて反対意見を封殺しているように見える。当方は国鉄からJRへの移行を経験したが、国鉄を潰す代わりに現在継続中の青函トンネルと瀬戸大橋の工事が終了すれば、今後は鉄道大規模プロジェクトは行なわないと再三に亘って聞かされたものである。それがJRへの移行から数年後には、もう整備新幹線の話が出ているのである。自民党支配体制に邪魔な国労組合員を排除するのが目的だったのだろう。この国労に対して、こちら阿修羅でも非難する投稿があった。しかし、国労を弱体化させて自民党の宿敵がいなくなったことが、今日の自民党の暴走政治につながっていることを日本国民は自覚すべきである。

話は脱線したが、リニアで南アルプスを串刺しにするトンネルを掘るようだな。JR東海も自民党政府も甘く考えているのだろう。既に前例として、スイスのアルプスを貫く鉄道用トンネルがある。しかも、全長57kmの新トンネルを現在、建設中だ。

ゴッタルドベーストンネル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB

●このトンネルの完成は遅れていて、現在のところ2017年に完成して2018年から供用開始のようだが、これに負けられん ! などと自民党政府は考えているのではないか。自民党政府は新幹線等、高速鉄道の海外への売り込みに力を入れているが、トンネル建設技術もセットにしているのだろう。

だが、上の記事にもあるように、南アルプスは活発な造山運動を続けており、トンネルなど掘ろうものなら、ひびが入って大規模漏水が起こり、下手すればトンネルが水没してしまう危険もある。上越新幹線の大清水トンネルがそれで、何とか完成したが工事費は大幅に膨らみ、国鉄の財政を更に圧迫したのである。それで財政非常事態宣言まで行なわれた。

このリニア建設については、とてもじゃないがJR東海の財政力では不可能である。これより遥かに大きかった国鉄ですら、上越・東北新幹線、青函トンネル、瀬戸大橋で財政崩壊しているのである。このため、いずれ国税が投入されるなどと推測されているが、だったらJR東海を経営破たんさせて再国有化するしかない。これが国鉄改革の精神から逸脱するといっていたのは、どいつだ。葛西本人じゃないか。

葛西よ、JR東海は国鉄じゃないんだぞ。東海道新幹線はあるものの、在来線は熱海と米原までしかないのだ。一地方の交通を担当するだけの会社なのだ。それなのに、何で分相応を超えたことをするのだ。分割民営化で敵を追放し、イエスマンばかりになって、異を唱える者がいなくなったから、もはや葛西の暴走を食い止める人がいなくなった。まるで戦前の軍部の暴走と同じである。リニア建設は、軍国主義復活と同じだ。それは歴史の評価を待つまでもなく、最初から破綻が約束されている。

葛西は国鉄の頃から、貨物部門と仲が悪かった。貨物は機関車だから、線路を傷めると言ってな。それはJRになってから、ますますエスカレートした。中央西線に今なおEH200が入線できないのも、葛西の妨害のお陰だ。機関車の進化と言うか、鉄道の進化に邪魔をする葛西の態度は、日本の鉄道の未来を暗くしている。当方が見切りをつけて出て行ったから、ますます横暴になっているようだな。

リニアは今後、どうなるか。多分、途中で建設が中断されるだろう。東京をはじめとする首都圏、東北地方の放射能汚染が深刻化しており、人がバンバン死にはじめる2016年に建設人員、建設費が確保できなくなり、建設中断になる。そして、そのまま放置。かくして葛西帝国は崩壊するのである。奇しくも国鉄からJRに移行してから30年を前にした時期である。

東海道新幹線の老朽化についても、部署は違うが同じ国鉄内にいたから、うっすらと聞いていた。その東海道新幹線の維持だけでも大仕事である。それなのにリニアに手を出す。やっぱりイエスマンばかりになった暴走組織のなれの果てか。