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グローバル化により無意味化進む国家と企業 資本再生産を妨げる、効率の悪い“乗り物”に(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/190.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 19 日 09:17:35: igsppGRN/E9PQ
 

グローバル化により無意味化進む国家と企業 資本再生産を妨げる、効率の悪い“乗り物”に
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141019-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 10月19日(日)6時0分配信


 前回連載では、

(1)Beyond boundary(これまでの境界や常識は通用しない)
(2)Acceleration(変化は加速度的に速くなる)
(3)Leverage(小さな力で大きなものを生み出せる)

という3つのキーワードが、情報通信技術の発展を核とする技術革新と結合・融合し、加速化する現在のグローバル化(ハイパーグローバリゼーション)がもたらすパラダイム転換を示唆することを解説した。

 そもそも、グローバル化とは、技術と資本による世界のネットワーク化によるTransaction cost(取引費用)の大幅な抑制であるということができるが、現在進行しつつあるデジタル化を核とするハイパーグローバリゼーションは、取引費用の飛躍的な低減を可能とし、それが上記の3つの大きな変化をもたらしたとえいる。

 冷戦の終結後、資本や生産財【註1】の国境を越えた自由な移動が可能となり、Singularity(技術的特異点)に向かって指数関数的に高度化する技術と結合・融合し、取引費用を劇的に抑制することを可能とした現在のハイパーグローバリゼーションの下では、国家が、自国民を定義・特定し、自国民に有利な決定を実行することは極めて難しくなってきている。

●資本再生産の観点からの、国家と企業と個人の意味合いの変化

 例えば、ある国で外国資本による企業の買収を規制すれば、その国の企業の力は落ち、その国に海外からの投資が行われなくなるので、結果的には、短期的に自国企業としての存在を守ったとしても、その国の労働者を守ることには必ずしもならないということである。もはや、国家がその専権性を振りかざして国民を守ることは難しくなりつつあると考えるべきであろう。

 言い換えれば、資本のグローバル化、すなわち、資本や生産財が自由に世界を移動できる状況の中で、資本の再生産には、もはや国家は重要ではなくなりつつあるといえるのではないか。

 ハイパーグローバリゼーションの中で、資本の再生産の効果的・効率的乗り物は、国家から企業、企業から個人に移行しつつある。資本にとって、生産の手段を支配できなくなった国家は、もはや効果的かつ効率的な資本の再生産の乗り物ではなく、それどころか、むしろ巨大化した権益装置である社会福祉国家は、足を引っ張るコスト要因になりつつある。ちなみに社会主義の崩壊は、国家により生産の手段を独占しようとする試みの最終的な失敗を意味する。

 金融バブルを繰り返すことがわかっていても、つまり、経験的に、経済を成長させるマネーストック(日本銀行を含む金融機関全体から、経済全体に供給されている通貨の総量。通貨残高ともいう)の増加につながらないことを承知で、マネタリーベース(日銀が供給する通貨)を増やす金融緩和(量的緩和はその最終手段である)を繰り返えし、バブルを招くこと以外に策を持たない国家は、もはや資本の主人ではない。かつてのようにマネタリーベースを増やすことがGDPの成長とは相関しないのが現実である。

 また、巨大な財政赤字を抱える国の国債の信用が、多国籍企業の信用に劣るケースも普通に散見されるのが現実である。国際的銀行規制は、銀行の国債保有比率を引き下げるという国家の権威の一層の低下容認に向かっている。また、ビットコインの出現は、国家の最後の専権事項である貨幣発行さえも脅かされる可能性を示唆している。このように資本に見放されつつある国家に、どれほどの力が残るのかは疑問である。

●意味をなさなくなる企業の規模……重荷となる大規模組織

 そして、冷戦の終了によって資本と生産財の自由な移動がグローバルに一気に可能となり、国家に代わる効果的・効率的な資本再生産の乗り物としての重要性を急速に増してきたのが、国に代わって生産の手段を支配してきた企業である。しかし、2000年代のハイパーグローバリゼーションが、所有と利用を分離し、生産活動を行う上でオープンかつ低コストで活用できるプラットフォームを急速に充実かつ進歩させつつある中で、これまで意味を持っていた企業の規模(生産手段の規模が大きいことが効率のよい資本の再生産を意味した)が意味をなさなくなりつつある。逆に、ただの大きな組織を持つ官僚化した企業は、資本の再生産効率の悪いものとなりつつある。

●さらに、資本からみて無意味化しつつある企業

 冒頭のBeyond boundary、Acceleration、Leverageの3つのパラダイムシフトをもたらす、急速にデジタル技術革新と結合・融合する現在のグローバル化の下にあっては、競争力を向上させるという観点において、効率と同時に効果が重要な要素となっていることは明らかであろう。価値の源泉は個人の知識(アイデア)にあり、価値の具現化に組織規模が意味をなさないどころか障害になりつつあることを考えると、資本から見れば、さらに進んで、企業は効果性の高い資本の再生産の乗り物でもなくなりつつあるかもしれない。

 ドナルド・サル教授が指摘するように、大きな企業組織は、「積極的惰性(Active inertia)」【註2】が強く、環境変化に適応しようとしないので、変化の頻度、程度、速度のすべてが高まる不確実性の高い経営環境の中で、効果的・効率的な資本再生産の乗り物ではなくなりつつある可能性がある。それを理解している企業は、生き残るためにグローバル化を志向し、創出価値の強化(資本再生産の効果性の強化)と組織効率の向上を一層強く志向することとなる。その中では、日本の企業であることをやめる企業も出てくる可能性もある。企業は、企業間の競争という短視眼的な視野ではなく、これまでの企業組織という存在そのものが、資本からみて無意味化しつつあるという大きな流れを認識する必要がある。

 グローバル化をした企業も、現時点ではどこかに本社を置く必要はあるであろうが、それは、より有利な税制などの選択の結果としての一時的かつ便宜的なことであり、グローバル化適応した企業は、世界で何が起こっているかを見て行動するのであって、本社を置いている国家のことを考えて行動することはない。

 この観点で、日産自動車と異なり日本という国を意識した発言を繰り返すトヨタ自動車が、オペレーションではなく、組織体として真にグローバル化に適応できるかは興味のわくところである。そして、現在のハイパーグローバリゼーションがもたらすBeyond boundary、Acceleration、Leverageは、企業のライフサイクルを短くすることにもなる。

【註1】英語ではIndustrial goodsといい、材料・部品などの「流動資本財」、道具や機械などの「固定資本財」、保守・修繕に用いる「備品・サービス」の3つに分けることができる。
【註2】Donald N. Sull, Revival of the Fittest:Why Good Companies Go Bad and How Great Managers Remake Them, Harvard Business School Press (2003)

小笠原泰/明治大学国際日本学部教授


 

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コメント
 
01. 2014年10月19日 10:44:20 : b5JdkWvGxs
グローバリゼーション は19世紀の帝国主義そのものだろ

資本主義の最終段階で、この後にくるのが共産革命


02. 2014年10月19日 11:15:01 : aQq0UGoaxY
Eテレの白熱教室でマヌケ学生を相手に嘘くさいことを吹き込んでいた明治大学の小笠原泰ですね。
書いてくれるのなら、ハイパーグローバリゼーションがもたらすグローバル金融詐欺やグローバル・ダブルスタンダードや根こそぎハゲタカのことが良いのに、翼賛偽学者の限界やね。

03. 2014年10月19日 12:20:59 : pQlWYKwovE
グローバリゼーションのために暗躍する糞完了こそが、日本の一般庶民の生活水準を低下させる最低の売国奴集団だ。
平成に入ってから、こいつらのやることなすことアメリカに利することばかりであり、一般庶民に対しては何一つ良くなることをしていない。搾取のみである。

こいつら糞完了売国勢力を追い出し真っ当な国にしようと、鳩山・小沢が心力を注いだが、激しい抵抗に遭い、それまで以上に糞完了たちが望む属米強化・庶民切捨て中央集権体制で、日本と言う国はガタガタになったのである。

本来なら、庶民の生活を考えると円高は非常に好ましい傾向だ。例えば1ドルが1円になれば、10万円のアメリカ産パソコンが1000円で買えることになる。
油だってアメリカから、「10倍高く買いましょう。」と恩を売って買い取ってやっても1/10の値段で済むのである。

これのどこが気に入らないのか、安倍・黒田という売国奴たちは、円安ターゲットとか言い出して、この2年間ですでに100兆円もドブに金を捨てながら、外国から購入する物を高い値段で買い取るように仕向けている。

この結果、国内の一般企業は、外国から購入する原料が高騰したため、販売価格を据え置きにしておくことが出来なくなり、値上げに踏み切り、消費税増税と相重なって一般庶民のフトコロを直撃している。

庶民が物を買い控えるようになったため、益々日本の経済力は低下し、国内の企業は金が回らなくなり、失業者(非正規労働者も含む)は増大し、路頭に迷う人たちが多出する結果となった。

全てはグローバリゼーションを標榜する糞完了、糞政治屋、糞グローバル企業のエゴのためだけであり、一般庶民には全くガンとしか言いようのない売国奴連中である。

イザナギ景気越えの2002〜7年までの景気を謳歌したという人間は、地方に住む私の周りにはいない。
糞完了、糞政治屋、糞グローバル企業およびその関係者以外で、イザナギ景気越えの美酒に浴した人は、いったい何人ぐらいいるのだろうか?
 


04. 2014年10月19日 15:13:41 : rqUeL5DjTw
資源再生産、資源利用効率にはふれず資本再生産、効率とか、自国民を定義・特定しすることが極めて難しいとか、真にグローバル化に適応できるのは本社を置いている国家のことを考えて行動することはないとか、グローバル通貨を発行しているFRBの金融経済政策に従うことが企業の生きるすべであると受け止めた。

しかし、
ドルを発行しているFRB(連邦準備制度理事会)は民間の銀行であり、
米国民間有力銀行のカルテルである。
変動相場制の現在でもそのドルが世界の基軸通貨である。

他国が他の通貨を買う場合ドルを介して購入する。
自国通貨 → ドル → 他通貨と二度の手間がかかる。
石油はもちろん他の輸入品もドルでしか買えないし売れない。もしアメリカがドルとの交換を拒否すれば、国際金融機関を通じての取引は停止する。
アメリカはしばしばこうした金融制裁を発動する。


日本も自国製品をアメリカに売る場合、ドル建てで売る。
逆にアメリカの製品を買う場合も、ドル建てで買う。
アメリカにお金を貸すときも、全部ドル建てである。
逆にアメリカからお金を借りるときも、全部ドル建てである。

アメリカ以外の世界の国々は他通貨に直接介入することができないが、
ドルだけはどの通貨にも直接介入することができ、
ドルの量を増減させたり、ドルの金利を上下させることによって世界中の為替レートを左右でき。株式や債権市場を左右することができる。

株主利益を最優先する米国民間銀行の集合組織体であるFRBは、
民主主義=経済的自由主義であるとの思想を掲げ流布し、自由貿易、金融経済、民営化、規制緩和などを提唱し、そのようになっている部門もある。

今以上米国主道のグローバル化が進展すれば、歴史をかけ紆余曲折ながらも築き上げつつある社会の中での公的部門の比率を減少させドル取引の多国籍民間部門企業の役割を増大させながら基軸通貨ドルをより強化させることになり、
各国国家の通貨は国内インフラや資源や製品の分配道具の意味合いから、
各国国家を通じドル配下となり、税金はFRBの思惑通りになる金融商品の
基になる資源を徴収する道具になってしまうように思う。


05. 2014年10月19日 23:51:48 : cvmFnkl1dA
>03 ここにも円高デフレ白川真理教信者が… 鳩山はリフレ派なのに…

超円高の放置により、人件費が高騰し、雇用が海外に移転しまくったことは無視。

超円高の放置により、価格競争力が低下し、町工場が潰れまくったことも知らん顔。

「例えば1ドルが1円になれば、10万円のアメリカ産パソコンが1000円で買えることになる。」

アメリカの製造業は海外に流出しまくっていて、Made in USA パソコンなんてほとんどない。

だいたい、円の独歩高でもスーパーの円高還元セールなんてほとんどなかったのに無茶な話…

『油だってアメリカから、「10倍高く買いましょう。」と恩を売って買い取ってやっても1/10の値段で済む』

石油メジャーはそれほど甘くない。リーマン・ショック以降の超円高でも石油は安くならなかった。


06. 2014年10月20日 07:19:46 : pQlWYKwovE
>>06
私が円高デフレ白川真理教信者なら、君は偽ユダヤ礼賛隷米グローバリストか。

>超円高の放置により、人件費が高騰し、雇用が海外に移転しまくったことは無視。
>超円高の放置により、価格競争力が低下し、町工場が潰れまくったことも知らん顔。

まさしく糞完了、糞政治屋、糞グローバル企業の狙いどおりじゃないか。
国内だけでみれば全然そんなことにならない。糞グローバル企業の言うがままに動くからそういうことになるのだよ。
本来なら糞グローバル企業の暴走を制止し、中小企業を保護するのが官僚、政治家の務めだろうが。

>アメリカの製造業は海外に流出しまくっていて、Made in USA パソコンなんてほとんどない。
例え話が分からんのか?

>石油メジャーはそれほど甘くない。リーマン・ショック以降の超円高でも石油は安くならなかった。
偽ユダヤ礼賛隷米グローバリストの本領発揮だな。何故そうなるのかが分かっていてもそれを批判できないところが、偽ユダヤ礼賛隷米グローバリストたる所以だよ。
もう世界は、ドル詐欺に付き合いきれなくなり、中露をはじめとしてドルを無視した通貨体制に入ろうとしている。
いつまでも偽ユダヤの商売が続くと夢を見ているつもりかね?
君もそろそろ目を覚ましたらどうなんだい。


07. 2014年10月20日 10:39:39 : npY8PwSJ8A
グローバルという理解不能な言葉を駆使して国民をだまし続ける官僚、そして頭の悪い政治家。グローバル化という言葉の意味を丁寧に説明してほしい。現代日本を発展途上国に次元を戻す官僚の、言葉巧みな策略とは、要約すれば、アメリカの奴隷化を意味している。日本の官僚は奴隷化がお好きなようで。

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