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アベノミクス最後の賭け 日銀が予想外の追加緩和に円安・株高進む  木村 正人
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/415.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 31 日 19:05:05: igsppGRN/E9PQ
 

アベノミクス最後の賭け 日銀が予想外の追加緩和に円安・株高進む
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20141031-00040417/
2014年10月31日 18時54分 木村 正人 | 在英国際ジャーナリスト


■奇襲作戦

米連邦準備理事会(FRB)が29日、量的金融緩和の終了を決めたことから動かないとみられていた日銀の黒田東彦総裁が31日、市場に衝撃を与える最後の賭けに出た。

FRBの出口が確実になり、「来年半ばにも利上げ」の声も出る中、放って置いても円安→株高→円安が進み、安倍政権が浮揚するアベノミクス的展開が期待できると市場は考えていた。

そんな常識をくつがえすように、勝負師の黒田総裁は年60兆〜70兆円ペースで増やすとしていたマネタリーベース(資金供給量)を約80兆円まで拡大する奇襲作戦に打って出た。

FRBが引き締めに向かう中、日銀が緩和を拡大すれば、日本の円安・株高は一気に進む。

黒田総裁は追加緩和の理由について、2年程度で2%のインフレという「物価目標の早期実現を確かなものにするため」と強調したが、果たしてそれだけだろうか。

これは安倍晋三首相への強烈なメッセージだ。日銀は「異次元緩和」の追加アクセルを踏んだから、次は安倍政権が来年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げる番だ――。

経常収支の赤字転落は2016年という予測もあったが、昨年下半期と今年下半期の2半期連続で経常収支は赤字となった。国債を国内で消化できるのは早くて17年、遅くても20年ごろまでという声も出始めている。

だから「20年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化」するという政府目標が至上命令になっている。

■クロダノミクスの狙い

日銀は中長期国債の買い入れペースも現在の約50兆円から約30兆円増やして約80兆円にするという。平均残存期間もこれまでの7年程度から最大3年程度延長する。

新発国債だけでなく、既発国債もどんどん日銀が吸い上げていくことになる。

中央銀行がいわゆるプリンティング・マネーをする必要に迫られるのは、バブル経済が崩壊し、銀行や企業が負債を減らすバランスシート調整のサイクルに入ったときだ。

このときにいくら金利を引き下げても効果がないので、中央銀行が通貨と信用を供給してやらなければならない。しかし、金融バブル崩壊を1990年代に経験した日本の場合、企業や民間銀行は最初の「失われた10年」でバランスシート調整を終えている。

バランスシート調整が必要なのは国内総生産(GDP)の240%もの債務残高を抱えた日本政府なのだ。インフレになれば政府債務は軽くなる。長期国債を購入すれば長期金利の上昇を押しつぶせる。

日銀による国債買い入れで民間銀行の国債保有率を下げることができれば、将来発生するかもしれない金融危機リスクを縮小できる。

異次元緩和で時間を稼いでいる間に消費税増税、年金受給年齢や医療費の自己負担率などの引き上げで単年度の財政健全化を進める。クロダノミクスにはそんな隠れた狙いも込められていると筆者は考える。

■誤算

黒田総裁に誤算があったとすれば、世界金融危機後の円高で生産拠点の海外移転が進み、クロダノミクスで円安転換しても輸出量が増えなかったことだ。日本製品は国際競争力を失ってしまった。

福島の事故で原発再稼働の見通しが立たず、石油・天然ガスへの依存度が高まる中での円安は輸入コストを押し上げる。経常収支の赤字転落で、通貨安政策は日本にとってゼロサムどころかマイナスになっていることがはっきりしてきた。

それでもなお日銀が円安を促進しようとする理由は何かを考える必要がある。予想外の追加緩和について金融政策決定会合は賛成5、反対4に大きく割れた。

約130兆円の公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国内債券を現行の約6割から中長期的に35%に下げる一方、国内株式を25%に上げる見通しだ。

追加緩和による円安・株高に加えて、GPIFの運用見直しがさらに株価を押し上げるのは間違いない。問題は有権者が株価上昇に浮かれるか、消費税増税やインフレによる実質賃金の低下に痛みを感じるかである。

■デフレマインドの一掃

「このところ消費税率引き上げ後の需要面での弱めの動きや原油価格の大幅な下落が、物価の下押し要因として働いている」。黒田総裁は、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクの顕現化を未然に防ぐため、追加緩和は適当と判断した。

黒田総裁が指摘するように、国内にこびりついたデフレマインドを一掃する必要がある。価格引き下げ競争に狂奔し、若者や女性に過酷な低賃金労働を強いてきた国内サービス産業のデフレ構造をまず破壊しなければならない。

非正規雇用が拡大し、正規雇用との間に厳然たる格差が存在することも早急に解消すべきだ。デフレ脱出の大きなカギは、円安による輸入インフレではなく、賃上げ→消費拡大→賃上げの好循環を生むことだ。

中央銀行によるプリンティング・マネーは不動産や株式を所有する富裕層や外国人投資家を潤わせ、貧富の格差を拡大する危険性をはらんでいる。このため政府が富の再配分を行うことが必要になってくる。一方、高齢者に医療・社会保障の応分の負担を求めることも避けては通れない。

金融政策は株価や為替を一時的に動かすことはできても、一国の潜在成長率を向上させることはできない。長期的に潜在成長率を上げていくには構造改革に取り組むしかない。

安倍首相が首相官邸の株価チャートに一喜一憂するのではなく、極めて複雑で繊細な問題に果断に取り組むことを願っている。

(おわり)


 

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コメント
 
01. 2014年10月31日 19:21:29 : yBG3GAzvsY
一時的に株価が上がっても、要は企業収益がどうなるかである。世界経済が厳しく、アメリカだけが好調な中で、果たして日本企業が投資をして収益拡大を果たせそうか。国内商品の高付加価値化や不動産の値上がり分の消費拡大が進むのだろうか。とてもそうは思えない。

02. 2014年10月31日 19:37:05 : I1dXExxYp2
逆じゃないか。企業収益が上がれば株価も必然的に上がる。マネーゲームで株価が上がれば収益が増えるか?株価だけ上がっても仕方がない。大衆は株が上がれば浮かれ騒ぐ馬鹿だと思っているので株価つり上げには意味があると政治家などは思っている。だが今や大衆には浮かれるための資金も無いよ。

03. 2014年10月31日 19:54:31 : QKj2V8oUfM
>だが今や大衆には浮かれるための資金も無いよ。


あんたエエこと言わはる。

いくらカネ刷っても庶民の賃金は上がらない。

消費税が上がり、同時に物価も大幅に上がった。

正直、これまで通りの感覚で買い物をしてたら破産するような気になる。

特に子供を抱える家庭はそう思っているはずだ。

時機が過ぎたら消費の落ち込みは無くなるとは到底思えない。

金融緩和なんて言っているが、政府のえらいさんは経済=マネーゲーム

の感覚しかないと思う。



04. 2014年10月31日 19:56:42 : RlGsejr8vw
黒田日銀「バズーカ2」ってバズーカ砲の砲身が逆さ(あべこべ・・・安倍首相とは関係ありません)では有りませんか?
撒いたお金が外国に垂れ流しみたいなら、外国の購買力が上がってスタグフレーションしか起きないでしょう。
反対に向けたバズーカ砲ドドーンで哀れ庶民の生活と年金、医療保障が木っ端微塵。

05. エムゼット 2014年10月31日 21:14:31 : AeI21/IA33ZrU : 7BOqT2KtbA
黒だ日銀の狙いは、(FRBの指示で?)円を弱くしてドルを支えるのが目的。
これによりFRBは量的緩和終了を決定することができたのではないか。
しかし、日本国民がスタグレーションに苦しむ事などはどうでも良い事と思っている様にみえる。前日銀総裁は、真っ当に日本の国益を第一だったが黒だ総裁は米国の国益が第一の様だ。心は日本にあらずの御仁なのだろうか。曲がりなりにも国益に基づいて動くドイツが羨ましい。

06. 2014年10月31日 21:19:23 : Km03yQq64Q
最後の賭けでも何でもねえ

アメリカからヤレって命令されたんだよ

アベチンとクロチンはその命令に従っただけ

アメリカの命令だから

海外勢は追加緩和を事前に知っていた事になる

だから一度株価が下がった時に仕込んで

本日事前の情報どうり無事高値で売り抜けた

海外勢は高値で売り抜け

でも日本勢は高値でババを掴んだ

実際に起きたのはそういう事だ


07. 2014年10月31日 21:30:53 : jXbiWWJBCA

焦点:黒田日銀がQQE限界説に実力行使、期待転換へ本気度示す
2014年 10月 31日 20:36 JST
[東京 31日 ロイター] - 日銀が31日に断行した追加金融緩和は、円安進行の副作用や短期国債市場でのマイナス金利発生、目標達成時期の延期観測など現行の量的・質的金融緩和(QQE)をめぐってさまざまな限界説がささやかれていた中、レジームチェンジ実現に向けた日銀の本気度を実力行使で示し、先手を打った格好だ。

ただ、票決は5対4の僅差となり、今後の政策運営や市場との対話などに大きなリスクを背負う決断ともなった。

追加緩和決定後に会見に臨んだ黒田東彦総裁は、追加緩和の狙いについて「政策によって人々のマインドに定着したデフレマインドの抜本転換させる」と、昨年4月のQQE導入時を彷彿(ほうふつ)とさせる強い口調で宣言した。

導入から1年半が経過し、これまで総裁は「(QQEは)所期の効果を発揮している」「日本経済は2%の物価安定目標の実現に向けて道筋を順調にたどっている」など政策効果を繰り返し強調していた。

それだけに、突然の追加緩和に意表を突かれた市場では、急速に株高・円安が進行。黒田緩和第2弾は市場のサプライズを演出し、日銀の狙い通りの反応になったといえる。

もっとも、市場の中では総裁の強気発言の裏で、QQE限界説がささやかれていたのも事実。円安進行による原材料価格の上昇が中小企業や地方経済に与える影響に懸念の声が広がり、短期国債市場では、日銀による大規模な買い入れが需給をひっ迫させ、マイナス金利が頻発する異常事態が発生。物価目標達成が難しくなっても、日銀は追加緩和に躊躇せざるを得ない、との見方が増えていた。

また、QQE導入時に宣言した2年程度での物価2%達成の期限が視野に入る中で、消費増税後の景気低迷や原油価格の急落に伴う消費者物価の伸び悩みが次第に鮮明化し、市場では日銀が目標達成期間をいずれ延期するとの思惑も浮上していた。

こうしたQQE限界説の台頭は、「目標実現に強くコミットする」(黒田総裁)ことでデフレマインドの転換を目指す日銀には、看過できない事態。総裁は会見で「金融政策は為替レートを目標にやっているわけではない」「マイナス金利が特に問題あるとは思っていない」「2年程度を念頭にできるだけ早期にとの考えは変わらない」と、これらの思惑を一蹴。「政策余地は依然としてある」と市場の期待をつなぎながらも、今回の追加緩和で目標達成は可能と自信を示した。

総裁が指摘したように、今回の追加緩和がリスク顕在化を未然に防ぐ措置とはいえ、直前まで順調と繰り返していた中での追加緩和は、金融政策に対する予見性を後退させ、市場とのコミュニケーションに支障をきたす可能性がある。

また、もともとQQEに対して政策委員内でさまざまな意見があった中で、今回の採決では9人の政策委員の票数が5対4に分裂。今後の委員会の議論に禍根を残す懸念もある。

さらに追加緩和の効果が、昨年4月に打ち出したQQEのように劇的に出るのかどうか、市場の一部では懐疑的にみられている。QQEは、円安と株高で個人や企業の心理を好転させ、投資余力を高めることに貢献してきた。

ただ、今回の追加緩和で円安と株高が持続するのか、疑問の声が早くも市場関係者の一部から出ている。仮に停滞感が早めに出ると、物価2%の目標達成が難しくなるシナリオにはまり込む可能性もある。

また、黒田総裁は否定したものの、安倍晋三首相による12月に消費税再増税の是非の判断を間近に控えたタイミングでの追加緩和になった。財政再建の重要性を強調する黒田日銀の増税サポートとみられる可能性もあり、こうしたさまざまリスクをとった追加緩和の成否がこれから試される。

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IK12720141031


 

黒田日銀「バズーカ2」がさく裂、初日は前回同様の株高・円安
2014年 10月 31日 19:12 JST
[東京 31日 ロイター] - 日銀が予想外の追加金融緩和を決定し、市場は再び驚きに包まれた。31日の市場では「バズーカ砲」と呼ばれた前回の量的・質的量的緩和に匹敵する株高・円安をもたらした。ただ、黒田東彦総裁がこれまでの「強気の看板」を下ろしたともいえ、市場や家計の期待に働きかける力を疑問視する見方も出てきた。米国を除いた世界経済が減速感を強める中で、サプライズの余韻がどこまで続くか注目される。

<「続編」の初日は盛況>

映画などで「続編」が「オリジナル」を超える評価を得るのは容易ではないが、日銀が31日の決定会合で導入を決めた追加の金融緩和策は、初日のマーケット反応という点において「バズーカ砲」と呼ばれたオリジナルの緩和策に匹敵する効果を発揮した。

31日の東京市場で日経平均.N225は、米株高や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用比率見直しに関する報道などでもともと200円高水準にあったが、追加緩和が決定されると一時、875円まで上昇幅を拡大させた。

量的・質的量的緩和の導入が決定された昨年4月4日、日経平均は200円安水準から272円高まで上昇、トータルの上げ幅は472円となったが、今回の上げ幅は675円で単純に比較すれば前回を上回る。

ドル/円JPY=EBSは前回と同じ2円程度の円安をもたらしており、現時点に置いては「オリジナル」に匹敵する市場へのインパクトとなっている。

市場にサプライズ感が広がったのは、黒田東彦日銀総裁がこれまで強気な姿勢を崩してこなかったことで、今回の決定会合でも政策は現状維持になるとの見方が多かったためだ。だが、追加緩和のメニューの「ひと工夫」も好感されたようだ。

ETF(上場信託投信)を年間約3兆円、J−REITを同約900億円とこれまでの3倍増のペースで買うとし、「2倍」がキーワードだった前回を上回る緩和度合いを演出。ETF買い入れにJPX日経400.JPXNK400を連動対象に加えるとしたことも、日本株買いの材料となっている。

<実体経済への効果に疑問>

ただ、株高・円安トレンドの持続性に関しては、市場でも疑問視する声が少なくない。現在のQQE(量的、質的金融緩和)が、物価や経済に与える効果は乏しいとの見方がマーケット参加者の間でも強くなっているためだ。

実際、強烈な金融緩和策を1年半導入しても、物価はなかなか上昇していない。31日朝発表された9月全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)から、消費税率引き上げによる押し上げ分2%を差し引くとプラス1.0%にとどまる。

SMBC日興証券・日本担当シニアエコノミストの宮前耕也氏は「今回、追加緩和を決めたことは、ある意味、日銀が物価に対する強気の看板を下ろしたともいえ、市場や消費者の期待に働きかけるという量的緩和の最大の効果が、薄れるおそれもある」と指摘。今回の追加緩和によって、2年で2%という物価目標が達成されるかは疑問だとしている。

また、1ドル110円を超えるような円安には、日本だけでなく米国からも不満の声も強くなっている。「バズーカ1」のときのような円安全面賛成の雰囲気とは異なる。円安だけでは輸出が伸びないことも明らかになった。物価上昇と消費税に圧迫され、実質所得は依然マイナスだ。

昨年は世界経済の回復も、株高・円安のリスクオンを後押しし、日銀緩和だけでなくアベノミクスの追い風となったが、足元の欧州や新興国の景気は減速。米国だけが堅調さを維持しているが、先行きには不透明感も強い。国際通貨基金(IMF)の予測では今年、来年ともに世界経済は中立水準の4%成長の達成は難しい。

<アベノミクスに不信感も>

さらに市場では、今回の追加緩和が、消費再増税や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針変更に密接にからんでいるとの観測が多い。「GPIFの国債運用の減額を日銀が引き受け、次の増税を支援するという合わせ技だ」(JPモルガン証券 チーフエコノミストの菅野雅明氏)との観測が根強くささやかれている。

効果的な政策パッケージとして海外投資家が好感してくれれば、円安による輸入物価上昇や株高による資産効果が再び期待できる。しかし「消費再増税によって景気が腰折れするとみられてしまえば、海外勢は日本株を買わないだろう。デリバティブの巻き戻しや短期筋のショート巻き戻しが一巡すれば、頭打ちになってしまう」(中銀証券・本店営業部次長の中島肇氏)との懸念もある。

昨年4月4日の「バズーカ砲第1弾」は日経平均を1万2362円(4月3日)から1万5942円(5月23日)に3580円押し上げ、ドル/円は93円から103円に約10円円安が進行した。今回の「バズーカ2」がそれだけの効果を発揮できるかは、やはり海外投資家次第だろう。

海外投資家は昨年、現物株と先物を合わせて約15兆6500億円買い越した。その背景にはアベノミクスへの期待があった。しかし、金融緩和と財政政策で時間を稼いでいるうちに、成長戦略によって日本経済を成長軌道に乗せるというシナリオは、いまだ実現できていない。

シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、今回の追加緩和は、量的緩和という政策効果への懐疑論が強まるという世界的潮流の中で決定されたと指摘。「景気や物価へのインパクトが限定的なものにとどまるとすれば、今回の決定の金融市場へのインパクトも意外に短命に終わる可能性が否定できなくなる」との見方を示している。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IK0WA20141031

コラム:米利上げ「Xデー」は来年6月17日=鈴木敏之氏
2014年 10月 31日 16:57 JST
鈴木敏之 三菱東京UFJ銀行 シニアマーケットエコノミスト

[東京 31日] - 10月29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、俗に「QE3」といわれる証券購入プログラムの終了を決めた。金融政策正常化の次のステップである利上げ開始のタイミングは、2015年6月17日となる可能性が高いとみている。

ただ、あくまで正常化の御旗のもとでの利上げであり、経済にブレーキをかけるような大きな利上げサイクルにはならず、緩和継続の意思が強調されるだろう。それは、米金利が上がるからドル高・円安が一方的に加速するといった類いのトークを聞かされても、眉に唾をつけて慎重に点検しなければならないということである。

<強烈な緩和継続はもはや不適切>

振り返れば、2008年のグローバル金融危機は、100年に1度か2度かのイベントだった。世界的に経済活動が大きく失速し、米国では大手金融機関の経営も軒並み揺らいだ。この危機対応で、政策金利は実態上のゼロまで引き下げられ、それでも経済活動を押し上げるには不十分で、非伝統型金融緩和の手段が投入された。

実態上のゼロ金利を維持する方針を伝えることで緩和効果を狙う「フォワードガイダンス」、市中から証券を購入し資金を供給することで緩和効果を狙う量的緩和(QE)が実施された。恐慌の瀬戸際にあった状態では、こうした非常手段が必要だった。米連邦準備制度のバランスシートは、3度のQEによって4.5兆ドルまで膨れ上がった。これだけの対応をとっていたから、我々は世界的な大恐慌をみないで済んだという仮説を排除しきれない。

そして、時は流れた。米国経済は傷が癒えていない部分を抱える一方で、相応に成長しており、雇用も拡大している。株価も上昇した。明日、どこかの大企業が経営破綻する、あるいは大きなデフォルトがあるといった心配をしている人はいないだろう。この状態で、恐慌を回避できるようなパワーのある強烈な金融緩和を継続することは確かに妥当ではない。

どんな政策にも弊害はある。米国の非伝統型金融緩和政策の場合、今はさほど心配する必要はなくとも、金融不均衡、バブルを膨らませてしまうかもしれない。また、量的緩和の規模が大きくなるほど、何かの弊害を許容できなくなって撤退を迫られたときの負担も大きくなる。財政規律を損ねる問題も無視できない。

また、結果としてみると、量的緩和は資産価格を押し上げることで、経済を上向かせたが、もう株価収益率は割安とはいえない水準にまで達している。住宅価格は上昇しているが、勢いは鈍り始めている。すなわち、量的緩和は効果が弱まる可能性があるということだ。危機モードが和らいだ一方で、弊害が懸念され、効果も小さくなるかもしれないということであれば、こうした政策は解除して、フェデラルファンド(FF)金利で金融政策をとれるように正常化を図ろうという思いに行き着くのは、当局者として至極当然といえるだろう。

その第一段階は証券購入の停止で、2013年5月22日に、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)前議長の発言から始まった。それから1年半が経過して、証券購入は停止された。次はまず利上げをし、金利引き下げによる緩和余地を確保しようとするだろう。同時に、おそらくFRBが保有する証券の償還分の再投資が縮小され始めるか、停止もあり得るだろう。

<3月利上げの可能性が低い理由>

さて、そこで市場が関心を持つ利上げ開始時期であるが、筆者は前述した通り2015年6月16―17日のFOMCで決まる可能性が高いと考えている。

まず、9月のFOMC後に出された経済見通し(SEP)では、FOMCメンバーの大多数が2015年の利上げを予想している。例外は、おそらくミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁とシカゴ地区連銀のエバンズ総裁の2人だが、このうちコチャラコタ総裁は来年のFOMC投票権を持たない。すなわち、「2015年中の利上げ見送り」は、FOMCの決定とはならない。9月以降、米経済は失速してはいないので、他の大多数のメンバーについては、2015年利上げの見方を維持するだろう。

最初の利上げは、それなりに市場にストレスをかける可能性がある。その際には、周到な説明が必要だろう。記者会見のない会合で、利上げ開始というのは難しい。となると、「Xデー」は3月18日、6月17日、9月17日、12月16日のいずれかに絞られる。

繰り返すが、米国経済は資産価格の上昇で支えられたのが現実である。バランスシートの拡大が止まっても、経済拡大が続くかどうか、その見極めができる前の利上げは避けるのではないか。このため、3月18日の利上げ開始をメインシナリオにする必要はないと思う(ただ、今年の年末商戦が好調であれば、利上げの窓が開き、FOMCがその機を逃さないかもしれない)。

また、現時点で、金融政策の正常化に向けて利上げが必要であることは、SEPが示すFOMCメンバーの総意である。実務的準備も進められている。その利上げを1年も放置することなどできるだろうか。また、イエレンFRB議長は、完全雇用失業率を別次元でとらえたいかもしれないが、一般に使用される失業率(U3失業率)でみると、ゴールの失業率レベルに到達してしまう。実際に物価上昇が起きれば、FRBの信認が深刻に問われかねない。6月17日は、事実上の「タイムリミット」といえないだろうか。

<大きな利上げサイクルは期待薄>

ただ仮に筆者の見立て通りになったとしても、利上げへの道は平坦ではないだろう。10月29日のFOMCで、期待インフレ率の低下が認知された。今後、この動きをめぐって、米金融当局高官の発言が活発化しよう。

インフレ楽観論者は、市場のインフレ連動債と通常債の利回りから計算される期待インフレ率の低下は、ガソリン価格のせいとし、深刻視しないだろう。一方で、悲観論者(強いハト)は米国の物価形成に起きている異変に着目し、問題にするだろう。

いずれにせよ、消費者物価の押し上げ役は、帰属家賃など一部に限られていた。正常化の利上げは、経済的要請ではないのだ。結論を言えば、大きな利上げサイクルにはならないということである。

*鈴木敏之氏は、三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチのシニアマーケットエコノミスト。1979年、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。バブル崩壊前夜より市場・経済分析に従事。英米駐在通算13年を経て、2012年より現職。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0IK0CZ20141031


08. 2014年10月31日 22:52:20 : FnrjF8C1Cc
06さんのコメントが正しいような気がする。ちなみにKDDIの株価を見ていたら
昨日大引けに通常の3倍を超す40万株以上の買いが入って引けた。売り方の泣き泣きの買い戻しと思っていたら、信用の取り組は本日も前日とほとんど変わっていなかったか、あるいはむしろ更に信用売りが増えていたようだ。出来高も昨日は普段の倍以上の700万株超。日経平均同様KDDIも本日最高値で大引けまじか400円近く値上がりし結局325円高で引けたが、出来高は逆に昨日よりも少ない500万株位であった。

「海外勢は追加緩和を事前に知っていた事になる
だから一度株価が下がった時に仕込んで
本日事前の情報どうり無事高値で売り抜けた
海外勢は高値で売り抜け
でも日本勢は高値でババを掴んだ」・・・多分06氏の分析通りだろう。


09. 2014年10月31日 23:31:05 : Qk0z0gVGLY
貧乏人からは消費税でしぼりとって、小金持ちからは株で絞りとるか。

そして、日本の一般投資家は面白いように引っかかる。奴隷国家日本。

変えようにも選挙はイカサマ。どうしたもんか。


10. 2014年11月01日 03:05:16 : QBrYpzDGwo
  国債を大量に発行しなければならない財政状況にあって、それを引き受けるために金融緩和し、輪転機を回さなければならない。
   株高は気分の問題だけだろう。株価と金融緩和は今や全く無関係ではないか。というのは、結局のところ、国債を発行した政府にのみ資金が入り、市中銀行はそれを仲介し、日銀に持って行き、輪転機を回してもらって現金を受け取るものの、次期国債発行に備えて企業融資などには使ってはいられない。
   かくして、日本は未曾有の社会主義型となるものの、大きな政府として国民福祉に使用する訳ではなく、財務省に群がった米国を中心とする国防族ロビイストによってその殆どが軍事費として使用されるのではないか。
   米国を始めとする先進国が日本の金融緩和に対して全く批判的で無いのは、財務省を通じてマネーロンダリングされてドルになり、軍事費となって世界に還流するからではないのか。
   お陰で、世界中に武器、兵器が行き渡り、対外戦争やら内戦やら、どこからか入る武器、兵器という大人の玩具を使った戦争ゲームが、バーチャルを超えてリアルに展開しているというところだろう。

11. 2014年11月01日 10:25:45 : FbwMncaqfc
11月電撃解散総選挙の準備かな。

12. 2014年11月01日 22:22:23 : I2AE4GCNh2
黒田のせいでまともに一生懸命働いて貯金している国民の資産が対外貨でどんどん減ってくマネーゲームで勝つしか生き残れないのか
貿易収支は大幅ダウンだし誰が責任もつんだ まじめにセコセコ働いてる日本人の金返せ 

13. 2014年11月02日 19:50:26 : 5Jpvho4NgA
増刷した一万円札で世界の金持ちたちの意向に従う、ギャンブラー安倍。黒田。証券?の大バクチで、日々、生活必需品が次々と値上がりし、庶民の生活が成り立たなくなりつつある。悲劇的な戦時国債の乱発と同じだ。100%ろくなことは無い

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