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コラム:日銀緩和中毒が招いた財政規律の喪失=河野龍太郎氏
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/745.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 11 月 21 日 23:08:34: mY9T/8MdR98ug
 

河野龍太郎 BNPパリバ証券 経済調査本部長

[東京 20日] - 従来から筆者は、日本経済の中長期シナリオとして、次の4つを掲げてきた。1)デフレ回帰、2)4―5%の比較的モデレートなインフレ下での金融抑圧、3)10%程度の高インフレ下での金融抑圧、4)安倍政権が目標とする「2%潜在成長率・2%インフレ」の定着である。

高水準の公的債務を抱える中で、財政・金融政策によってデフレ脱却を目指せば、インフレ醸成後に財政従属に陥り、金融抑圧が不可避となる。つまり、インフレ率が上昇しても、財政への配慮から長期金利上昇を避けるために、ゼロ金利政策や長期国債の大量購入を止められず、結局、インフレ・タックスによって公的債務の圧縮を図ることになるというのが、アベノミクスがスタートした段階からの筆者の想定であった。

基本シナリオは2番目だが、1番目のデフレ回帰シナリオ以外はいずれもインフレ醸成後、金融抑圧が採用され、ゼロ金利政策や長期国債大量購入政策が継続される。4番目のハッピーエンドシナリオでも、内閣府が認めている通り、公的債務の対国内総生産(GDP)比の低下を可能とする基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字を確保することはできない。この場合でも財政調整を進めなければ、金融抑圧の採用が不可避となる。

また、デフレ回帰シナリオについても、デフレ下で公的債務がさらに積み上がり、財政調整も選択されないとすれば、最終的にはインフレ・タックスが不可避となる。デフォルトを避けようとすれば、理論的にも歴史的にも、公的債務の圧縮は財政調整かマネタイゼーションによるインフレ・タックスの二つの選択肢しかないのである。

従来、2番目の基本シナリオでは、アグレッシブな財政・金融政策の継続から完全雇用が定着し、2015年後半から賃金上昇を伴ったインフレ率の加速がスタート。長期金利急騰を避けるべく、日銀が本格的な金融抑圧を開始すると予想していた。国債価格支持政策による長期国債の無制限購入である。

しかし、長期金利が急騰する前に、日銀は10月31日の追加緩和によって、市中発行額の9割に達する長期国債の購入を開始した。これをもって、本格的な金融抑圧が始まったと解釈すべきだろう。

それゆえ、冒頭で述べた4シナリオの生起確率については、従来予想から以下のように修正した。まずデフレ回帰シナリオについては、35%から20%に引き下げ、代わりに2番目のマイルドインフレと3番目の高インフレのシナリオについて、それぞれ40%から50%へ、20%から25%へ引き上げた。安倍政権が望む「ハッピーエンド」である4番目のシナリオは、5%のまま据え置いた。

ポイントは、早期に金融抑圧が本格化したことから、想定以上に長期金利の上昇が抑え込まれ、実質金利のマイナス幅拡大によって、円安が一段と加速する可能性が高まったことである。詳しくは後述するが、来年後半には1ドル=130円に達する可能性もある。

また、長期金利が抑制されることは、これまで以上に財政膨張への歯止めが利かなくなることを意味する。消費再増税先送りもその現れだ。以下、日銀追加緩和と増税先送り解散後の景気シナリオを点検する。


<GPIFと日銀の協調PKO>

まず、生起確率変更のきっかけとなった10月31日の日銀追加緩和について論じておく。読者の中には、ゼロ金利制約に直面しているのだから、いまさら日銀がバランスシートを拡大させても、インフレ醸成にはつながらないと考える人も少なくないだろう。

しかし、確実に効果を持つ経路がある。マネタイゼーション政策だ。中央銀行ファイナンスによる追加財政を追求すれば、需給ギャップは改善し、インフレ醸成も可能となる。2013年度に日本経済が2.2%の高い成長を遂げたのも、そして消費税や円安の影響を除いてもインフレ率が1%程度まで上昇したのも、まさにヘリコプター・ドロップの効果だった。金融政策単独ではなく、マネタイゼーションというパッケージで政策を捉える必要があり、それが昨年取られた「アベノミクス・ラウンド1」の本質でもあった。

もちろん、この政策の主役は財政政策であって、金融政策は脇役である。マネタイゼーションにおける金融政策の効果は、政府支出の拡大がもたらす金利上昇圧力の吸収に他ならない。10月31日の追加緩和も、やはりヘリコプター・ドロップというパッケージで捉える必要がある(アベノミクス・ラウンド2)。

まず、今回の政策は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によるリスク資産購入を中央銀行がファイナンスすることと事実上、同じ効果を持つ。GPIFが保有する長期国債を売却し、その資金で株や外債、外株などのリスク資産の購入を増やす一方で、日銀がほぼ同額の長期国債を市場から購入し、金利上昇圧力を吸収する。一種の価格維持政策(PKO)だが、世界最大の公的年金を動員するのだから、マグニチュードが違う。アロケーション変更によるGPIFの海外債券・海外株式の購入額も20兆円近く増額され、規模は為替介入に匹敵する。

早晩、2014年度補正予算が編成されるが、結果的にそのファイナンスも今回の日銀の措置によって行われる。追加財政なしでは、15年度に日本版「財政の崖」が生じるため、その痛みの回避を目的に、消費増税が先送りされても補正予算が編成されるのである。さらに、増税先送りにもかかわらず、増税を財源に予定していた新規の社会保障関連支出の大半が実行される見込みだが、これらも既存の社会保障関連支出と共に、日銀が国債購入でファイナンスすることになる。

このように中央銀行ファイナンスによる政府支出が継続されることによって、すでにゼロ近傍まで低下した潜在成長率を多少は上回る成長が続き、失業率は低下する。すでに失業率は完全雇用の領域まで低下しているが、それが定着すれば賃金上昇が始まりインフレ期待は確実に高まっていく。原油価格の低下で、当初想定よりインフレ率の上昇は遅れているが、底流では労働需給の逼迫を背景に、インフレ率のトレンドを左右する単位労働コストが徐々に上昇し始めている。

デフレ脱却にマネタイゼーション政策が有効であるなら、なぜ、安倍政権以前は採用しなかったのか。それは、強い常習性を持ち、必要な時に止められないから、財政当局や金融当局が発動を躊躇(ちゅうちょ)してきたためである。仮に初期の目的を達し、総需要刺激策を手仕舞いしようとしても、麻薬中毒患者が感じるが如く強い痛みが経済に走る。しかし、マネタイゼーションを継続すれば、中央銀行が金利上昇圧力を吸収してくれるため、継続コストは全く感じられない。むしろ、つかの間のユーフォリアを感じることができる。

政策効果は徐々に小さくなっていくため、発動の頻度も高まっていく。これが、一度始めたマネタイゼーションを手仕舞することが困難な政治的理由であり、だからこそ「マネタイゼーションの誘惑」を遮断するために、先人は独立した中央銀行制度を確立したのである。中毒症、依存症はますます強まり、止めどない公的債務の膨張が続いていく。

公的債務が膨らむと、マネタイゼーションから抜け出すのはますます難しくなる。長期金利が上昇すると、利払い費が膨張し、財政危機や金融危機をもたらすためである。結局、国債購入政策やゼロ金利政策の停止どころか、テーパリング(緩和縮小)も開始できない可能性がある。

もちろん、最終的な帰結が本当にマネタイゼーションであるかどうかは、物価安定の観点から利上げが必要になった際に、日銀が財政への配慮によって、ゼロ金利政策や長期国債購入政策の解除に踏み切れないことを確認する必要がある。しかし、十分な財源もなく法人税減税が検討され、経済危機でもないのに、すでに法制化された消費増税が先送りされたのは、マネタイゼーション中毒が社会に広がっていることの証左ではないだろうか。


<金融抑圧が生む円安とインフレの悪循環>

さて、今回の景気シナリオ見直しでは、前述の通り、2番目の「4―5%のマイルドインフレ下での金融抑圧」と3番目の「10%程度の高インフレ下での金融抑圧」の生起確率をそれぞれ50%と25%に引き上げた。両シナリオに共通するのは、程度の差はあれ、スタグフレーションであるということだ。現実に、名目賃金は上昇しているが、インフレ上昇に追い付かず、実質賃金は減少している。

もちろん、2番目のシナリオのように、最終的に4―5%の物価上昇でとどまるのなら、資源配分の歪みも限られ、やむなしと言うべきかもしれない。財政調整が選択されないのだから、インフレ・タックスは必然である。ただ、3番目のシナリオにおいては、二桁インフレとなり、資源配分や所得分配は大きく歪み、経済は大きく混乱する。

両者の分かれ目となるのは、円安の進展度合いである。マイナスの実質金利に直面した預金者が大量に資金シフトを始めれば、円安が加速し、3番目のシナリオに近づく。過去20年も日本は名目ゼロ金利による緩やかな金融抑圧を経験してきたが、それでも実質金利は常にプラスであった。しかし、現在我々が経験しているのは、明らかなマイナスの実質金利であり、それは今後も継続し、マイナス幅は拡大していく。

従来は、2014年末に1ドル=115円、15年末に125円まで円安が進むと考えていたが、今回の追加緩和をきっかけに、15年後半には130円を目指すのではないか。16年には円安がさらに進む。来年後半以降は、もはや誰もが望まないような水準まで円安が進む可能性がある。

3番目のシナリオでは、150円を超えるような劇的な円安によって、二桁インフレが進むことを想定しているが、円安が当初の想定よりも進むと考えているため、今回、生起確率を引き上げた。インフレ加速が始まっても、財政危機を回避するため、長期金利の上昇を抑え続けると、実質金利のマイナス幅が拡大し、円安がさらに加速、インフレが高進するスパイラルに陥る。そうした状況を回避するため、日銀は長期国債の大量購入を継続したまま、オーバーナイト金利を引き上げるオペレーション・ツイストを余儀なくされる可能性がある。

その場合、日銀当座預金に対する民間金融機関への付利の支払いが嵩(かさ)み、損失拡大によって、債務超過に陥る可能性が高い。理論上は中央銀行が債務超過に陥っても、流動性供給などに支障はないのだが、3番目のシナリオでは、国債や国債を裏付けとする日銀券に対する疑念が生じているからこそ、劇的な円安が進むのである。だとすると、日銀が債務超過になること自体が、さらなる円安圧力につながるのではないか、心配である。

今のところ、筆者が3番目を基本シナリオとしていないのは、ほとんどの先進国の潜在成長率が下方屈折し、自然利子率が低下しているためである。最も堅調な米国ですら、政策金利や市場金利が大きく上昇することは想定されない。不幸中の幸いだが、先進各国とも低金利が継続するため、日本の預金者がマイナスの実質金利に直面しても、海外に資金の逃げ場はなく、当面は劇的な円安が避けられる。

とはいえ、2番目のシナリオに踏みとどまるには、極端なマネタイゼーションを阻止する仕組みが不可欠となる。歳出削減や増税などの財政調整が先送りされ続ければ、いずれはインフレと円安のスパイラルに陥る。

しかし、日銀の量的質的緩和によって財政規律はすっかり弛緩した。2020年の東京オリンピックを控え、今後も財政需要は底なしであり、政治的な財政膨張圧力に歯止めをかけることができるだろうか。財政膨張が止まらない一方、金融抑圧によって長期金利の上昇が抑えられ、実質金利のマイナス幅が拡大、円安が加速、気が付けば2番目のシナリオから3番目のシナリオへ移行していた、ということも十分にあり得る。

なお、デフレ回帰シナリオの生起確率を現在も20%と比較的高めに想定しているが、それは国内要因ではなく、主に海外からのショックを念頭に置いているためである。例えば、日本経済の完全雇用が定着する前に、中国経済がハードランディングするケースが考えられる。その場合、デフレに舞い戻る可能性が高まる。

また、潜在成長率の低下に直面する米国が、数度の利上げに耐え切れず、不況入りするケースもあるかもしれない。米金融緩和が再開すれば、量的緩和第4弾(QE4)の導入になると思われるが、それが急激な円高をもたらし、デフレが再燃する可能性がある。

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。


http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0J40F020141120?sp=true  

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コメント
 
01. 2014年11月25日 23:10:38 : jXbiWWJBCA

日銀、追加緩和時の議事要旨 賛成派「最大限の規模で」
2014/11/25 11:15 (2014/11/25 11:44更新)

 日銀は25日、追加金融緩和に踏み切った10月31日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。追加緩和に賛成した委員からは、政策の逐次投入と市場に受け取られないよう「可能な限り大きな規模を目指すべきだ」との声が多かった。一方、反対派は追加緩和しても「コストや副作用に見合わない」との懸念を示した。日銀の政策委員間で意見が大きく割れた決定だったことが改めて浮き彫りになった。

 日銀は10月31日、13年4月に黒田東彦総裁の下で量的・質的金融緩和を導入して以降、初めて金融政策を変更した。黒田総裁が追加緩和案を議長提案し、全9人の政策委員のうち賛成が5票、反対が4票と、薄氷を踏む多数決だった。正副総裁と宮尾龍蔵、白井さゆりの両審議委員が賛成。森本宜久、石田浩二、木内登英、佐藤健裕の各審議委員が反対に回った。

 追加緩和の理由は、急速な原油安に伴う物価上昇ペースの鈍化だった。多くの委員が足元の原油安を前提にすれば物価の押し下げが「来年度前半ごろまで続く」と指摘し、物価見通しは「下振れる」と語った。

 金融政策への賛否は割れた。追加緩和への賛成派は、物価上昇ペースの鈍化で「デフレ心理の転換が遅れるリスクが大きい」と指摘。「このタイミングで追加的な金融緩和を行うべきだ」との主張が相次いだ。

 賛成派の1人は、年末から来年にかけては「企業が事業計画を策定したり、賃金交渉を行ったりする重要な時期」だと強調。追加緩和で企業の脱デフレ心理を後押しする必要性を訴えた。

 黒田総裁は2年程度で2%の物価上昇率を達成できるとのシナリオが崩れれば、ちゅうちょなく追加緩和すると繰り返してきた。ある賛成派は、追加緩和しなければ「コミットメント(約束)をほごにしたと理解され、日銀の信認が大きく損なわれる」と強調した。

 一方で、反対派からは「追加緩和による効果は、それに伴うコストや副作用に見合わない」との慎重論が相次いだ。

 追加緩和で国債の大半を日銀が買い入れれば「国債市場の(取引が急減し)流動性を著しく損なう」との声が相次いだ。日銀が政府の財政赤字を補填する財政ファイナンスに陥ったと「実質的にみなされるリスクがより高くなる」との懸念も何人かの委員から上がった。

 追加緩和で円安が進めば「景気回復を下支えしてきた内需型の中小企業への悪影響が懸念される」と指摘した反対派委員もいた。4月の消費税率引き上げ分などを加味すると「物価は相応に上昇しているというのが家計の実感だ」との声も複数から上がった。

 議事要旨では政府からの出席者が財務相と経済財政相に連絡するため、追加緩和の採決前に約10分間、議事を一時中断していたこともわかった。

 議事要旨は、追加緩和の決定を巡って個々の委員がどんな意見を示したのかは明らかにしていない。「多くの委員」や「何人かの委員」など匿名化して会合で出た意見を紹介している。

 日銀は31日決めた追加緩和で、長期国債を買い入れるペースを従来より30兆円増やして年80兆円とした。上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の購入量は従来の3倍に増やすことなども決めた。
日銀緩和、主導はやっぱり総裁と副総裁 (2014/11/25 11:55) [有料会員限定]

黒田総裁、名古屋で講演 「来春の賃金に期待」 (2014/11/25 11:44)

日銀の追加緩和で円が下落首位(世界通貨番付) (2014/11/22 14:10) [有料会員限定]

蓄積する金利マグマ 日銀債券買い効果いつまで (2014/11/23 7:00) [有料会員限定]

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迫る1ドル120円、日本売りの虚実 (2014/11/21 6:00) [有料会員限定]

日銀の追加緩和「評価する」66% (2014/11/5 6:00) [有料会員限定]
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF25H09_V21C14A1MM0000/


02. 2014年11月25日 23:10:58 : jXbiWWJBCA

2014.11.25
日本銀行
政策委員会
金融政策決定会合
議事要旨
(2014年10月31日開催分)
本議事要旨は、日本銀行法第 20 条
第1項に定める「議事の概要を記載し
た書類」として、2014 年 11 月 18、19
日開催の政策委員会・金融政策決定会
合 で 承 認 さ れ た も の で あ る 。
公表時間
11月25日 (火) 8時50分 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は
含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。
引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 1
(開催要領)
1.開催日時:2014 年 10 月 31 日(9:00〜13:39)
2.場 所:日本銀行本店
3.出席委員:
議長 黒田東彦 (総 裁)
岩田規久男 (副 総 裁)
中曽 宏 ( 〃 )
宮尾龍蔵 (審議委員)
森本宜久 ( 〃 )
白井さゆり ( 〃 )
石田浩二 ( 〃 )
佐藤健裕 ( 〃 )
木内登英 ( 〃 )
4.政府からの出席者:
財務省 宮下一郎 財務副大臣
内閣府 前川 守 政策統括官(経済財政運営担当)
(執行部からの報告者)
理事 雨宮正佳
理事 門間一夫
理事 桑原茂裕
企画局長 内田眞一
企画局政策企画課長 正木一博
金融市場局長 山岡浩巳
調査統計局長 前田栄治
調査統計局経済調査課長 亀田制作
国際局長 長井滋人
(事務局)
政策委員会室長 吉岡伸泰
政策委員会室企画役 福永憲高
企画局企画役 渡辺真吾
企画局企画役 服部良太
企画局企画役 加藤 涼 2
T.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要
1.最近の金融市場調節の運営実績
金融市場調節は、前回会合( 10 月6、7日)で決定された方針(注)
に従って、長期国債の買入れ等による資金供給を行った。そのもとで、
マネタリーベースは 251〜260 兆円台で推移した。
2.金融・為替市場動向
短期金融市場では、金利は、翌日物、ターム物とも引き続き低位で
推移している。無担保コールレート(オーバーナイト物)、GCレポ
レートとも、0.1%を下回る水準で推移している。ターム物金利をみ
ると、短国レートは、本行の買入れオペが高水準となるもとで、投資
家が年末のデュレーション調整を目的とした短期国債の購入を前倒
しで行ったことなどを受けて、マイナス幅がやや拡大した。
長期金利(10 年債利回り)をみると、米欧の経済指標の予想比下
振れなどを受けたリスクオフの流れのなかで、0.4%台半ばまで低下
したが、海外金利と比べると低下幅は限定的なものとなった。株価(日
経平均株価)は、海外株価が下落するなかで、為替相場が円高ドル安
方向の動きとなったことも相まって、いったんは 14 千円台半ばまで
やや大きく下落した。その後は、堅調な米国企業決算などを背景に海
外株価が持ち直すなかで本邦株価も値を戻し、最近では 15 千円台後
半で推移している。REIT価格は、本邦株価下落等を受けて、幾分
下落したが、その後値を戻し、最近では前回会合時点と概ね同じ水準
となっている。為替相場をみると、円の対米ドル相場は、リスクオフ
の流れのなかで、日米金利差が縮小したことなどを受け、いったんは
105 円台まで円高ドル安方向に進んだが、その後は、リスクオフの流
れがやや一服したことで、円安ドル高方向の動きとなり、期間を通じ
てみれば横ばい圏内の動きとなった。この間、ユーロの対ドル相場は、
概ね横ばい圏内の動きとなった。
3.海外金融経済情勢
海外経済は、一部になお緩慢さを残しつつも、先進国を中心に回復
している。

(注) 「マネタリーベースが、年間約 60〜70 兆円に相当するペースで増加するよう金融
市場調節を行う。」3
米国経済は、民間需要を中心とした緩やかな回復が着実に続いてい
る。個人消費は、堅調な雇用増加が続いているもとで、引き続き堅調
に推移している。住宅投資は、緩やかな持ち直し基調が続いている。
輸出は、増加が続いている。こうした内外需の増加を背景に、生産活
動も、しっかりとした増加基調が続いている。物価面をみると、引き
続き落ち着いて推移している。
欧州経済は、緩やかな回復を続けているが、そのモメンタムは鈍化
している。個人消費は、緩やかな回復基調を続けている。設備投資は、
ドイツを中心に持ち直しに向けた動きが続いている。他方、輸出は、
このところ伸び悩んでいる。こうした需要の鈍化やマインドの慎重化
を背景に、生産活動の回復ペースが鈍化している。物価面をみると、
消費者物価の前年比は、コアベース、総合ベースともにECBの目標
(2%未満で2%近傍)をはっきり下回る低い伸び率が続いている。
この間、英国経済は、内需を中心とする回復が続いている。
アジア経済をみると、中国経済は、引き続き構造調整に伴う下押し
圧力がかかっているが、外需の改善や景気下支え策もあって、安定成
長を続けている。輸出は、欧米やアジア向けを中心に増加を続けてい
る。また、個人消費は、良好な雇用・所得環境を背景に安定した伸び
が続いている。一方、固定資産投資は、公共投資が引き続き堅調に推
移しているものの、不動産投資の伸びが鈍化しており、全体としては
緩やかな増勢鈍化が続いている。生産は、このところ伸びを僅かに鈍
化させている。この間、NIEsをみると、国毎のばらつきが残って
いるものの、米国向け輸出の増加を背景にやや上向いている。一方、
ASEANは、輸出や個人消費で改善の動きが続いているが、全体と
してみれば、成長モメンタムの鈍化した状態が続いている。インド経
済は、輸出や個人消費の持ち直しを背景に底入れしている。
新興国の物価面をみると、国・地域毎に区々の動きとなっている。
すなわち、消費者物価の前年比は、フィリピン、マレーシア、インド
ネシアでは、このところ低下している。韓国、台湾、タイでは基調と
して低水準で推移している。一方、ブラジル、ロシアでは、食料品価
格の値上がりなどから、インフレ率が上昇している。
海外の金融資本市場をみると、不安定な動きが一時強まり、足もと
の持ち直しの動きの中でもユーロ圏や新興国のリスク性資産の買い
戻しは緩慢で、神経質な地合いが残っている。国際商品市況をみると、
原油は需要・供給双方の要因から、下落基調が続いている。4
4.国内金融経済情勢
(1)実体経済
輸出は、振れを均せば横ばい圏内の動きとなっている。9月の実質
輸出は前月比プラスとなり、7〜9月の前期比も+1.6%と小幅なが
ら3四半期振りの増加に転じた。先行きの輸出は、海外経済の回復な
どを背景に、緩やかな増加に向かっていくと考えられる。
公共投資は、高水準で横ばい圏内の動きとなっている。先行きにつ
いても、当面、高水準で横ばい圏内の動きを続けるとみられる。
設備投資は、企業収益が改善する中で、緩やかに増加している。こ
の間、企業の業況感を月次でみると、やや慎重な動きもみられている
が、総じて良好な水準が維持されている。機械受注(船舶・電力を除
く民需)をみると、7〜8月の4〜6月対比は+3.8%と増加した。
先行きの設備投資についても、企業収益が改善傾向を続ける中で、緩
やかな増加基調をたどるとみられる。日本政策金融公庫による中小製
造業設備投資動向調査(9月)で、中小製造業の 2014 年度の設備投
資の修正計画をみると、4月の当初調査からはっきりと上方修正され、
2013 年度に続いて増加が見込まれている。
雇用・所得環境についてみると、失業率が緩やかな改善傾向をたど
るなど、労働需給は着実な改善を続けている。賃金面では、所定外給
与や特別給与が増加し、所定内給与も持ち直している中で、一人当た
り名目賃金は振れを伴いつつも緩やかに上昇している。こうした雇
用・賃金動向を反映して、雇用者所得の前年比上昇率は緩やかに高ま
っている。
個人消費は、雇用・所得環境が着実に改善するもとで基調的に底堅
く推移しており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響
は、ばらつきを伴いつつも全体として和らいできている。小売業販売
額(実質)をみると、4〜6月は大幅な減少となったが、7〜9月は
前期比で+3.0%増加した。月次でも8月、9月と2か月連続で前月
比増加となるなど、夏場の天候不順の影響剥落もあって、耐久財以外
の分野を中心に駆け込み需要の反動減の影響は和らいできている。大
型小売店の売上高(名目)をみても、夏場の天候不順の影響は8月下
旬から9月にかけて減衰し、反動減の影響も耐久財以外の分野を中心
に和らいできている。この間、耐久財についてみると、家電販売額(実
質)については、4〜6月に大きく減少したあと、7〜9月は増加し
たが、前期の落ち込み幅と比べると小幅にとどまった。旅行などの
サービス消費は、基調としては底堅い動きを続けている。先行きの個5
人消費は、雇用・所得環境の着実な改善が続くもとで、引き続き底堅
く推移し、駆け込み需要の反動の影響もさらに和らいでいくとみられ
る。
住宅投資は、首都圏の新築マンション販売で弱めの動きが続いてい
るなど、駆け込み需要の反動減が続いている。先行きについては、当
面、駆け込み需要の反動の影響が残るものの、雇用・所得環境の着実
な改善が続くもとで、緩和的な金融環境にも支えられて、次第に底堅
さを取り戻していくとみられる。
鉱工業生産は、耐久消費財や建設財などにおける在庫調整の動きも
あって、1〜3月に高めの伸びとなったあと、その反動から4〜6月
にはっきりと減少し、7〜9月の4〜6月対比も引き続き減少した。
先行きについては、駆け込み需要の反動の影響が次第に和らぐ中で、
緩やかな増加に復していくと考えられる。
物価面について、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベース
でみると、国内企業物価の3か月前比は、横ばい圏内の動きとなって
いる。9月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、+1.0%とな
った。先行きについて、国内企業物価は、当面、横ばい圏内の動きを
続けるとみられる。
(2)金融環境
わが国の金融環境は、緩和した状態にある。
マネタリーベースは、日本銀行による資産買入れが進捗する中、大
幅に増加しており、前年比は3割台半ばの伸びとなっている。
企業の資金調達コストは低水準で推移している。資金供給面では、
企業からみた金融機関の貸出態度は、改善傾向が続いている。CP・
社債市場では、良好な発行環境が続いている。資金需要面をみると、
運転資金や企業買収関連を中心に、緩やかに増加している。以上のよ
うな環境のもとで、企業の資金調達動向をみると、銀行貸出残高の前
年比は、2%台半ばのプラスとなっている。企業の資金繰りは、良好
である。この間、マネーストックの前年比は、銀行貸出の増加などか
ら3%程度の伸びとなっている。市場の指標などから算出される予想
物価上昇率は、やや長い目でみれば上昇してきているが、夏場頃から
は多くの指標で横ばいとなっている。 6
U.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要
国際金融資本市場について、委員は、一頃みられたリスク回避姿勢
の強まりは幾分後退しているものの、依然神経質な地合いが残ってい
るとの見方で一致した。国際商品市況について、大方の委員が、この
ところ原油価格が下落していることを指摘した。
海外経済について、委員は、一部になお緩慢さを残しつつも、先進
国を中心に回復しているとの見方で一致した。先行きについても、委
員は、先進国を中心に、緩やかな回復が続くとの認識を共有した。
地域毎にみると、米国経済について、委員は、雇用の改善を背景に
個人消費が堅調に推移する中、民間需要を中心とした緩やかな景気回
復が続いているとの認識で一致した。委員は、先行きについても、家
計支出を起点とする前向きな循環に支えられながら、徐々に成長率を
高めていくとの見方を共有した。
ユーロエリア経済について、委員は、緩やかな回復を続けているが、
そのモメンタムは鈍化しているとの見方で一致した。先行きについて、
委員は、債務問題に伴う調整圧力が残り、物価上昇率の低下傾向もみ
られるものの、個人消費の底堅さや輸出の増加などに支えられ、緩や
かな回復を続けるとの見方を共有した。また、委員は、緩やかなディ
スインフレ基調の継続に引き続き留意が必要であるとの認識で一致
した。
中国経済について、委員は、引き続き構造調整に伴う下押し圧力が
かかっているが、堅調な輸出や景気下支え策もあって、安定成長を続
けているとの認識で一致した。先行きについて、委員は、当局が構造
改革と景気下支え策に同時に取り組んでいく中で、幾分成長ペースを
鈍化させながらも、概ね安定した成長を続けるとの見方を共有した。
この間、複数の委員は、最近の中国経済の成長の勢い鈍化が世界経済
や国際商品市況に及ぼす影響について、注意が必要であると述べた。
新興国経済については、委員は、NIEsについては、国毎のばら
つきが残っているものの、米国向け輸出の増加を背景にやや上向いて
いるとの見方を共有した。一方、ASEANについては、輸出や個人
消費で改善の動きが続いているが、全体としてみれば成長モメンタム
の鈍化した状態が続いているとの認識で一致した。先行きについて、
委員は、国・地域毎に差は残るものの、先進国の景気回復の波及と、
緩和的な金融環境を受けた内需の持ち直しから、成長率を緩やかに高
めていくとの見方を共有した。 7
わが国の金融環境について、委員は、緩和した状態にあるとの認識
で一致した。委員は、マネタリーベースは日本銀行による資産買入れ
の進捗を反映して大幅に増加しており、企業の資金調達コストは低水
準で推移しているとの見方を共有した。委員は、企業からみた金融機
関の貸出態度が改善傾向を続けているほか、CP・社債市場では良好
な発行環境が続いており、企業の資金繰りは良好であるとの認識で一
致した。委員は、資金需要は緩やかに増加しており、銀行貸出残高は
中小企業向けも含めて緩やかに増加しているとの見方を共有した。
以上のような海外の金融経済情勢とわが国の金融環境を踏まえて、
わが国の経済情勢に関する議論が行われた。
わが国の景気について、委員は、消費税率引き上げに伴う駆け込み
需要の反動などの影響から生産面を中心に弱めの動きがみられてい
るが、家計・企業の両部門において、所得から支出への前向きな循環
メカニズムがしっかりと働いており、基調的には緩やかな回復を続け
ているとの見方で一致した。
輸出について、委員は、振れを均せば横ばい圏内の動きとなってい
るとの認識で一致した。設備投資について、委員は、企業収益の改善
が続いていることなどを背景に緩やかに増加しているとの見方を共
有した。雇用・所得環境について、委員は、労働需給が着実な改善を
続けるもとで、雇用者所得は緩やかに増加しているとの見方を共有し
た。個人消費について、委員は、雇用・所得環境の着実な改善を背景
に基調的に底堅く推移しており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需
要の反動の影響は、ばらつきを伴いつつも全体として和らいできてい
るとの認識で一致した。その一方で、多くの委員が、消費税率引き上
げが個人消費を下押しする影響は、駆け込みの大きかった耐久財や住
宅を中心に長引いているとの見方を示した。
鉱工業生産について、委員は、足もとの前月比はプラスとなった一
方、自動車などの耐久消費財や建設財を中心とした在庫調整の動きは
なお続いているとの見方で一致した。
物価面について、大方の委員は、消費税率引き上げ後の需要面での
弱めの動きや原油価格の大幅な下落が、このところ物価の下押し要因
として働いていると指摘した。多くの委員は、原油価格の下落の影響
などから、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、消費税率引き上
げの直接的な影響を除いたベースでみて、暫くの間、+1%前後で推
移するとの見方を示した。多くの委員は、現状程度の原油価格を前提
とした場合、前年比でみた物価上昇率への下押し圧力は、来年度前半8
頃まで継続することとなるため、物価見通しは7月の中間評価と比べ
て下振れるとの見方を示した。このうち何人かの委員は、こうした物
価面での下押し圧力が、予想物価上昇率に与えるマイナスの影響につ
いて懸念を表明した。現状の予想物価上昇率について、何人かの委員
は、全体として上昇しているとの認識を示した。別の一人の委員は、
やや長い目でみれば上昇傾向は続いているものの、消費税率引き上げ
の影響を除いたブレーク・イーブン・インフレ率など中長期の予想物
価上昇率を示す指標は8月頃から横ばいないし低下していると指摘
した。
V.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要
以上のような金融経済情勢についての認識を踏まえ、委員は、当面
の金融政策運営に関する議論を行った。
多くの委員は、原油価格の下落は長い目でみて日本経済にとってプ
ラスであるものの、このところの大幅な下落は、消費税率引き上げの
後の需要面での弱めの動きと合わせて、短期的には物価の下押し要因
として働いていると指摘した。そのうえで、短期的とはいえ、現在の
物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマ
インドの転換が遅延するリスクが大きいと述べた。これらの委員は、
こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、好転している期待形成のモメ
ンタムを維持するために、このタイミングで追加的な金融緩和を行う
べきであると述べた。このうち何人かの委員は、わが国では、長年に
わたってデフレが続いたため、予想物価上昇率の形成は、実際の物価
上昇率の動きに大きな影響を受ける傾向があり、ここで物価上昇の足
踏みが長引けば、影響が懸念されると述べた。このうち一人の委員は、
このことは、年末から来年にかけて、企業が事業計画を策定したり、
賃金交渉を行う重要な時期であることを踏まえると、特に重要である
と付け加えた。
また、何人かの委員は、日本銀行は、昨年4月に「量的・質的金融
緩和」を導入した際、「2年程度の期間を念頭に、できるだけ早期に」
「物価安定の目標」を実現するとのコミットメントを行っているが、
追加緩和を実施するに当たっては、デフレ脱却に向けた揺るぎない決
意を示すために、こうした考え方にいささかも変わりがないことをし
っかりと説明していく必要があると述べた。このうち一人の委員は、
日本銀行は、これまで、何らかのリスク要因によって見通しに変化が
生じ、2%の「物価安定の目標」を実現するために必要であれば、躊
躇なく調整を行うとの方針を繰り返し述べており、ここで政策対応を9
行わなければ、そうしたコミットメントを反故にするものであると理
解され、日本銀行に対する信認が大きく損なわれる可能性もあると述
べた。この間、別の一人の委員は、今回、追加的な金融緩和を実施す
ることによって、2015 年度下期には、2%の「物価安定の目標」の
安定的な達成が十分視野に入ると考えられ、そうであれば、その時期
には、出口戦略の議論が開始できる状況になる可能性もあると述べた。
また、一人の委員は、今回提案された追加緩和措置は、景気の前向き
な循環メカニズムが維持される中で、回復を後押しするものであり、
企業収益や雇用・賃金などに対してこれまで以上にしっかりとした効
果を発揮していくことが期待できると付け加えた。
この間、複数の委員は、もともと「量的・質的金融緩和」は、2%
の「物価安定の目標」を安定的に持続するために必要な時点まで継続
するものであり、オープンエンドの措置であることをしっかりと説明
していくべきであると述べた。
具体的な追加緩和の内容について、何人かの委員は、今回の措置が
人々のマインドに働きかけるものであることを踏まえると、戦力の逐
次投入と受け取られないよう、リスク量や副作用も勘案のうえ、可能
な限り大きな規模を目指すべきであると述べた。そのうえで、複数の
委員は、@マネタリーベースの増加ペースを年間約 60〜70 兆円から
約 80 兆円に拡大するとともに、A長期国債の買入れ額についても、
年間約 50 兆円から約 80 兆円に拡大することが望ましいと述べた。こ
のうち一人の委員は、このところ短中期金利が大きく低下する一方で、
やや長めのゾーンは相対的に高めであることを指摘したうえで、イー
ルドカーブ全体の金利低下を促すという「量的・質的金融緩和」の基
本的な狙いを実現するためには、短期国債買入れとのバランスや、長
期国債の買入れ平均残存期間などもあわせて検討すべきであると付
け加えた。この点に関し、何人かの委員は、資産買入れ方針は、金融
市場調節部署が金融市場の動向を踏まえてある程度柔軟に対応でき
るようにする必要があると述べた。また、複数の委員は、ETFおよ
びJ−REITといったリスク性資産の買入れについても、思い切っ
て増加すべきであると述べた。この間、委員の質問に対応して、執行
部からは、オペレーション面の対応可能性やリスク量などについて補
足説明を行った。
一方、何人かの委員は、現時点で追加的な金融緩和を行うことに慎
重な見方を示した。これらの委員は、先行きの物価見通しに対するリ
スクが大きくなっているとの見方は共有しつつも、経済・物価の基本
的な前向きのメカニズムは維持されており、現行の金融市場調節方10
針・資産買入れ方針を継続することが適当であると述べた。また、何
人かの委員は、追加的な金融緩和による効果は、それに伴うコストや
副作用に見合わないと述べた。追加緩和の効果について、何人かの委
員は、追加緩和によって金利は一段と低下すると見込まれるものの、
名目金利は既に歴史的な低水準にあり、実質金利も大幅なマイナスと
なっていることや、資産買入れの効果はその進捗とともに累積的に強
まる性質のものであることを踏まえると、経済・物価に対する限界的
な押し上げ効果は大きくないと述べた。また、期待への働きかけにつ
いて、何人かの委員は、「量的・質的金融緩和」は導入時には人々の
期待を変化させる効果を持ったが、追加的にこれを拡大しても、その
効果は導入時と比べてかなり限定的なものにとどまると述べた。この
うち一人の委員は、効果の持続性についても疑問があると付け加えた。
追加緩和のコスト・副作用について、複数の委員は、市場機能の一段
の低下を指摘した。このうちの一人の委員は、MMFやMRFなどで
運用難のリスクが高まる可能性があると述べた。さらに、複数の委員
は、一段の金利の低下が金融機関の収益や仲介機能に与える影響につ
いて懸念を示した。この間、何人かの委員は、年間約 80 兆円の増加
ペースで国債買入れを行うとなれば、フローでみた市中発行額の大半
を買い入れることになるため、国債市場の流動性を著しく損なうだけ
でなく、実質的な財政ファイナンスであるとみなされるリスクが、よ
り高くなると指摘した。また、一人の委員は、結果として円安が進め
ば、これまで景気回復を下支えしてきた内需型の中小企業への悪影響
が懸念されると述べた。
この間、人々のインフレ予想について、ある委員は、人々の行動様
式は、緩やかな物価上昇を前提としたものに着実に変わりつつあるこ
とを踏まえると、「量的・質的金融緩和」は、その役割を十分に果た
していると評価できるとしたうえで、月々の消費者物価の前年比に逐
一反応すべきではないと述べた。複数の委員は、帰属家賃を除いた消
費者物価の前年比は1%台後半で推移しており、消費税率引き上げ分
も考慮すると、物価は相応に上昇しているというのが家計の実感であ
ると述べた。この間、別の複数の委員は、2%の「物価安定の目標」
は、成長期待の高まりなどを踏まえて中長期的に達成すべきものであ
り、「2年程度の期間」に過度にこだわるべきではないと述べた。
先行きの金融政策運営の考え方について、多くの委員は、2%の「物
価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要
な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する、その際、経済・物
価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う11
との認識を共有した。
もっとも、一人の委員は、「物価安定の目標」を2年程度で達成す
るのが難しいとみられる中で、「量的・質的金融緩和」が長期間継続
される、あるいは極端な追加措置が実施されるという観測が市場で高
まれば、金融面での不均衡累積など中長期的な経済の不安定化に繋が
る懸念があるため、@継続期間を2年程度に限定し、その後柔軟に見
直すとの表現に変更すること、また、A物価安定目標の達成期間を見
直すことが適当であるとの見方を示した。この委員は、現在の物価上
昇率と予想物価上昇率は、需給ギャップがゼロのもとでの潜在成長力
に見合った水準に近いとの見方を示した。よって、現状では、追加緩
和よりも成長力を強化するための構造改革が、より重要な局面である
と付け加えた。
W.政府からの出席者の発言
金融市場調節方針の変更等に関する議論を踏まえ、政府からの出席
者から、財務大臣および経済財政政策担当大臣と連絡を取るため、会
議の一時中断の申し出があった。議長はこれを承諾した(12 時 31 分
中断、12 時 42 分再開)。
財務省の出席者から、以下の趣旨の発言があった。
 日本銀行による「量的・質的金融緩和」の導入から1年半余りが
経過したが、この間、大胆な金融政策を含む「三本の矢」の効果も
あり、日本経済はこのところ弱さがみられるものの、緩やかな回復
基調が続いており、また近年にない賃上げの動きも拡がっている。
本日の提案は、経済の好循環をさらに後押しし、持続的な経済成長
に繋げるための措置として、政府としても歓迎する。
また、内閣府の出席者からは、以下の趣旨の発言があった。
 わが国の景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基
調が続いている。先行きについては、当面弱さが残るものの、雇用・
所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって緩やかに回復
していくことが期待される。ただし、駆け込み需要の反動の長期化
や海外景気の下振れなど、わが国の景気を下押しするリスクに留意
する必要がある。
 政府は、第2回政労使会議において、賃金上昇の成果が出つつあ
ることを確認した。経済の好循環を拡大するため、賃金の水準と体12
系の両方の改善が必要である。賃金体系は、個々の労使間で決定す
ることが基本であるが、子育て世代や非正規労働者の処遇改善とい
った大きな方向性は、政労使で共通認識を醸成していきたい。また、
女性の力が発揮され、社会が活性化するよう、総理を本部長とする
「すべての女性が輝く社会づくり本部」を設置した。第1回本部で
は政策パッケージを決定した。また、関連法案を今国会に提出した。
地方創生についても、関連法の改正案を今国会に提出した。国家戦
略特区については、追加の規制改革事項を盛り込んだ改正法案を今
国会に提出する。沖縄県で第1回区域会議が開催され、指定した全
6区域で区域会議が立ち上がった。TPPについては、先日シド
ニーにおいてTPP閣僚会合が開催され、物品等の市場アクセス交
渉および知的財産等のルール分野の交渉をさらに進展させた。
 本日の金融政策決定会合での議論については、時宜を得たものと
考える。本日の議論を踏まえて、日本銀行が、引き続き2%の物価
安定目標の実現に向けて取り組まれることを期待する。また、金融
政策運営の状況や物価の見通しなどについて、引き続き経済財政諮
問会議等の場で十分に説明して頂きたいと思う。
X.採決
1.金融市場調節方針
以上の議論を踏まえ、議長から、委員の多数意見を取りまとめるか
たちで、以下の議案が提出され、採決に付された。
金融市場調節方針に関する議案(議長案)
1.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとお
りとすること。

マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加
するよう金融市場調節を行う。
2.対外公表文は別途決定すること。
採決の結果
賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、白井委員
反対:森本委員、石田委員、佐藤委員、木内委員 13
2.資産買入れ額の拡大および長期国債買入れの平均残存年限の長期
化に関する件
議長から、委員の多数意見を取りまとめるかたちで、@長期国債の
保有残高が年間約 80 兆円に相当するペースで増加するよう買入れを
行うこと、また、買入れの平均残存期間を、現状の7年程度から7年
〜10 年程度に延長すること、AETFおよびJ−REITの保有残
高が、それぞれ年間約3兆円、年間約 900 億円に相当するペースで増
加するよう買入れを行うこと、また、JPX日経 400 に連動するET
Fを買入れの対象に加える旨の議案が提出され、採決に付された。採
決の結果、賛成多数で決定された。
採決の結果
賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、白井委員
反対:森本委員、石田委員、佐藤委員、木内委員
Y.「経済・物価情勢の展望」に関する検討と決定
1.経済・物価情勢の展望
以上の議論によって決定された金融市場調節方針および資産買入
れ方針を前提としたうえで、「経済・物価情勢の展望」に関する議論
を行った。経済情勢の先行きの中心的な見通しについて、委員は、消
費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、
基調的には潜在成長率を上回る成長を続けるとの見方で一致した。そ
のうえで、従来の見通しと比べると、成長率の見通しは、駆け込み需
要の反動の影響や輸出の弱めの動きなどから、2014 年度について幾
分下振れるものの、2015 年度、2016 年度については、従来の見通し
対比、概ね不変との見方を共有した。見通し期間の景気の展開につい
て、委員は、2014 年度下期については、個人消費は、消費税率引き
上げに伴う駆け込み需要の反動の影響がしばらくは残るものの次第
に減衰し、雇用・所得環境の着実な改善が続くもとで、底堅く推移す
ると見込まれるとの見方で一致した。設備投資は、企業収益の改善や
金融緩和効果が引き続き押し上げに働くもとで、長年の投資抑制によ
る設備老朽化に対応した更新投資や、労働需給の引き締まりを受けた
省力化投資、為替相場の動きも踏まえた国内拠点の再構築などの投資
ニーズの高まりがみられることから、しっかりと増加するとの見方を
共有した。輸出は、海外経済が回復するもとで、為替相場の動きも下
支えとなり、緩やかな増加に向かっていくとの見方を共有した。201514
年度から 2016 年度にかけては、2回目の消費税率引き上げによる振
れは予想されるが、@緩和的な金融環境と成長期待の高まりを受けた
国内民間需要の堅調な増加と、A海外経済の成長による輸出の増加に
支えられて、前向きの循環メカニズムは維持され、潜在成長率を上回
る成長が続くと見込まれるとの見方で一致した。
消費税率引き上げの直接的な影響を除いて物価情勢の先行きを展
望すると、多くの委員は、消費者物価の前年比は、@当面現状程度の
プラス幅で推移したあと、次第に上昇率を高め、見通し期間の中盤頃、
すなわち 2015 年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高
い、また、Aその後、これを安定的に持続する成長経路へと移行して
いくとみられるとの見方を共有した。一方、一人の委員は、見通し期
間の「終盤までに」2%程度に達する可能性が高いとの見方を示した。
別の一人の委員は、見通し期間の中盤頃に2%程度を「見通せるよう
になる」可能性が高いとの見方を示した。さらに別の一人の委員は、
消費者物価の前年比は、今後も概ね現状程度の水準で安定的に推移す
る可能性が高いとみられるとの見方を示した。
委員は、こうした中心的な見通しに対する上振れ・下振れ要因につ
いても議論を行った。
実体経済の上振れ・下振れ要因として、委員は、@輸出動向に関す
る不確実性、A消費税率引き上げの影響、B企業や家計の中長期的な
成長期待、C財政の中長期的な持続可能性の4点を挙げた。
物価に固有の上振れ・下振れ要因として、委員は、@企業や家計の
中長期的な予想物価上昇率の動向、Aマクロ的な需給バランス、B物
価上昇率のマクロ的な需給バランスに対する感応度、C輸入物価の動
向の4点を挙げた。
2.「経済・物価情勢の展望」の決定
以上の議論を踏まえ、「経済・物価情勢の展望」の「基本的見解」
の文案が検討され、多数意見が形成された。
白井委員からは、物価見通しについて、「見通し期間の中盤頃に、
「物価安定の目標」である2%程度に達する可能性が高い」を「見通
し期間の終盤までに2%程度に達する可能性が高い」に変更すること、
を内容とする議案が提出され、採決に付された。採決の結果、反対多
数で否決された。 15
採決の結果
賛成:白井委員
反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、
石田委員、佐藤委員、木内委員
佐藤委員からは、@物価見通しについて、「次第に上昇率を高め、
見通し期間の中盤頃に2%程度に達する」から「見通し期間の中盤頃
に2%程度を見通せるようになる」に変更すること、A第1の柱の中
心的な見通しについて、「2%程度の物価上昇率を実現し」から「2%
程度の物価上昇率を目指し」に変更すること、を内容とする議案が提
出され、採決に付された。採決の結果、反対多数で否決された。
採決の結果
賛成:佐藤委員
反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、
白井委員、石田委員、木内委員
木内委員からは、@予想物価上昇率の見通しについて、「中長期的
な予想物価上昇率は上昇傾向をたどり、「物価安定の目標」である2%
程度に向けて次第に収斂していく」から「中長期的な予想物価上昇率
も安定的に推移する」に変更すること、A物価見通しについて、「当
面現状程度のプラス幅で推移したあと、次第に上昇率を高め、見通し
期間の中盤頃に2%程度に達する」から「今後も概ね現状程度の水準
で安定的に推移する」に変更すること、B先行きの金融政策運営につ
いて、「2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に
持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。
その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、
必要な調整を行う」から「中長期的に2%の「物価安定の目標」の実
現を目指す。そのうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集
中対応措置と位置付け、その後柔軟に見直すこととする」に変更する
こと、を内容とする議案が提出され、採決に付された。採決の結果、
反対多数で否決された。
採決の結果
賛成:木内委員
反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、
白井委員、石田委員、佐藤委員 16
議長からは、会合における多数意見を取りまとめるかたちで、「基
本的見解」の議案が提出された。採決の結果、賛成多数で決定され、
即日公表することとされた。また、背景説明を含む全文は、11 月1
日に公表することとされた。
採決の結果
賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、
石田委員
反対:白井委員、佐藤委員、木内委員
白井委員、佐藤委員、木内委員は、上記の各議案で示した理由によ
り、反対した。
Z.対外公表文(「「量的・質的金融緩和」の拡大」)の検討
以上の議論を踏まえ、対外公表文が検討され、多数意見が形成され
た。これに対し、木内委員から議案の提出があり、以下の2つの議案
が採決に付されることとなった。
1.木内委員案
木内委員からは、多数意見の対外公表文案における先行きの政策運
営方針に関する記述について、「日本銀行は、2%の「物価安定の目
標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、
「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢につい
て上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う。」から、「日
本銀行は、中長期的に2%の「物価安定の目標」の実現を目指す。そ
のうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位
置付け、その後柔軟に見直すこととする。」に変更する内容の議案が
提出され、採決に付された。
採決の結果、反対多数で否決された。
採決の結果
賛成:木内委員
反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、
白井委員、石田委員、佐藤委員 17
2.議長案
議長からは、対外公表文(「「量的・質的金融緩和」の拡大」<別紙>)
が提案され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会
合終了後、直ちに公表することとされた。
[.議事要旨の承認
議事要旨(10 月6、7日開催分)が全員一致で承認され、11 月6
日に公表することとされた。
以 上 18
2014年10月31日
日 本 銀 行
「量的・質的金融緩和」の拡大
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下の措置を決定
した。
(1)マネタリーベース増加額の拡大(賛成5反対4)(注1)
マネタリーベースが、年間約80兆円(約10〜20兆円追加)に相当す
るペースで増加するよう金融市場調節を行う。
(2)資産買入れ額の拡大および長期国債買入れの平均残存年限の長期化(賛成5反
対4)(注2)
@ 長期国債について、保有残高が年間約80兆円(約30兆円追加)に相当す
るペースで増加するよう買入れを行う。ただし、イールドカーブ全体の金利低
下を促す観点から、金融市場の状況に応じて柔軟に運営する。買入れの平均残
存期間を7年〜10年程度に延長する(最大3年程度延長)。
A ETFおよびJ−REITについて、保有残高が、それぞれ年間約3兆円(3
倍増)、年間約900億円(3倍増)に相当するペースで増加するよう買入れ
を行う。新たにJPX日経 400 に連動するETFを買入れの対象に加える 1

2.わが国経済は、基調的には緩やかな回復を続けており、先行きも潜在成長率を上
回る成長を続けると予想される。ただし、物価面では、このところ、消費税率引き
上げ後の需要面での弱めの動きや原油価格の大幅な下落が、物価の下押し要因とし
て働いている。このうち、需要の一時的な弱さはすでに和らぎはじめているほか、
原油価格の下落は、やや長い目でみれば経済活動に好影響を与え、物価を押し上げ
る方向に作用する。しかし、短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場
合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある。日
本銀行としては、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、好転している期待形成の
モメンタムを維持するため、ここで、「量的・質的金融緩和」を拡大することが適当
と判断した。

1
CP等、社債等については、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する(従来通り)。
別 紙19
3.今後も、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的
に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経
済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う 2(注3)。
以 上

(注1)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、白井委員。反対:森本委員、石田委員、
佐藤委員、木内委員。反対した委員は、これまでの金融市場調節方針を維持することが適
当であるとした。
(注2)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、白井委員。反対:森本委員、石田委員、
佐藤委員、木内委員。反対した委員は、これまでの資産買入れ方針を維持することが適当
であるとした。
(注3)木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量
的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対
多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、
森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)。

2
「量的・質的金融緩和」は、こうした方針のもとでオープンエンドで実施している。現在の
金融市場調節方針および資産買入れ方針を継続した場合の本年末のバランスシートの見込み
および今後の各項目の年間増加ペースは別紙のとおり。 20
日本銀行のバランスシートの見通し
(単位:兆円)
13年末
(実績)
14年末
(見通し)
今後の年間
増加ペース
マネタリーベース 202 275 +約80兆円
(バランスシート項目の内訳)
長期国債 142 200 +約80兆円
CP等 2.2 2.2 残高維持
社債等 3.2 3.2 残高維持
ETF 2.5 3.8 +約3兆円
J−REIT 0.14 0.18 +約 900 億円
その他とも資産計 224 297
銀行券 90 93
当座預金 107 177
その他とも負債・純資産計 224 297
(別 紙)
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2014/g141031.pdf


03. 2014年11月26日 00:45:56 : jXbiWWJBCA

GPIF:国内債初の50%割れ、日本株8年ぶり水準−7〜9月

  11月25日(ブルームバーグ):世界最大の年金基金の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )は、運用資産に占める国内債券の割合が9月末に初めて50%を下回った。国内株式は株価の上昇を主因に同月末時点での上限18%を超え、8年半ぶりの高水準を記録した。
GPIFが25日午後に公表した今年度第2四半期(7−9月)の運用状況で明らかになった。9月末の国内債残高は64兆9282億円で、構成比は49.61%と前身の年金資金運用基金として積立金の自主運用を始めた2001年度以降で最低。過去最高だった08年12月末の75.90%から26ポイント超も下げた。国内株は過去最高の23兆8635億円。構成比は18.23%と06年3月末以来の高水準となった。
外国債券の残高は15兆8863億円。構成比は12.14%に上昇した。外国株式は22兆7828億円で17.41%。外債と外株は残高、構成比がともに最高を更新した。運用資産額は130兆8846億円。昨年末の128兆5790億円を上回り、比較可能な01年度以降で最高を更新した。自主運用開始以来の累積収益額は41兆2860億円に達した。
政府と日本銀行が経済活性化と2%インフレを目指す中、GPIFは将来の金利上昇で評価損が生じる恐れのある国内債偏重の見直しやリスク資産拡大で収益向上を求める圧力に直面。10月末には基本ポートフォリオを内外の株式と債券が半分ずつで、国内資産が6割・外貨建て資産が4割という分散型に変えた。7−9月の運用状況はGPIFが新資産構成に向け、発表前から動き出していたことを示している。
BNPパリバインベストメント・パートナーズの清川鉉徳取締役運用本部長は、9月末時点の資産構成について「国内債の比率が少し少ない印象だが、大きなサプライズはない」と指摘。資産構成の変化の「時間軸についてGPIFからの発表がないので、判断は難しいが、国内株式の買い余力はある」と語った。
収益率は2.87%
7−9月期の運用収益は3兆6223億円で収益率は2.87%。国内外での株高や円安を背景に2四半期連続で増え、08年度以降の四半期ベースでは6番目の高水準となった。国内株の収益額は1兆2892億円で、収益率は5.78%。外債は8108億円で5.51%、外株は1兆1779億円で5.64%。国内債は3152億円で、収益率は0.53%にとどまった。
GPIFは10月末の基本ポートフォリオの見直しで、国内債の構成比を従来の60%から35%に下げる一方、内外の株式は12%ずつから25%ずつに、外債も11%から15%へ引き上げた。5%だった短期資産の区分は廃止。まだ実績公表のないインフラ投資やプライベートエクイティ(PE)、不動産をオルタナティブ(代替)投資と定義し、案件の特性に応じて各資産に区分し、全体の5%を上限とした。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 野原良明 ynohara1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2014/11/25 17:15 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFL0G36S972W01.html


プライマリーバランス目標は国際公約、何が何でも実現を=経団連会長
2014年 11月 25日 16:55 JST
[東京 25日 ロイター] - 経団連の榊原定征会長(東レ (3402.T)会長)は25日の定例会見で、2015年度のプライマリーバランス(PB)赤字半減、2020年度の黒字化という目標は国際公約であり「何が何でも実現してもらわなければならない」と述べ、財政再建を進めることを強く求めた。

これまで経団連は、消費再増税は予定通り2015年10月に実施するべきと主張してきたが、安倍晋三首相の延期決断を受け「重い決断と受け止めている。決断を尊重したい」とした。ただ、国内外の信任を得るためにも、財政再建への道筋はきちっと示す必要があると指摘した。

一方、金融市場の動きや20カ国・地域(G20)首脳会談などを踏まえ「消費増税延期は国際社会からも一定の理解を得られた。デフレ克服、経済成長優先の決意が国際社会で受け入れられた」とし、金利上昇懸念については「比較的軽微にすむのではないか」との見方を示した。

榊原会長は「デフレからの脱却について着実に改善の方向に動いている」とし、アベノミクスの成果を評価した。総選挙では、各党が経済政策をしっかりと示してほしいとしたほか、今後、経済界としては、収益拡大を雇用拡大・賃金拡大につなげていきたいとした。

(清水律子)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J90KF20141125


コラム:英国の投資家・企業を襲う政治の大混乱=カレツキー氏
2014年 11月 25日 16:17 JST
アナトール・カレツキー

[21日 ロイター] - 英国は過去5年間、欧州大陸の混乱をよそに政治および経済の安定した国という地位を謳歌してきたが、もはやそうではなくなった。

今後英国は欧州で最も政治的に予測不可能な国になる公算が大きい。今年9月、スコットランド独立の是非を問う住民投票の実施という形で初めて登場してきたこのリスクは、20日に行われた下院補欠選挙でキャメロン首相の与党・保守党が敗北したことで確かなものになっている。

しかし英国の安定が失われたことは、まだ資産価格、とりわけポンド相場には織り込まれていない。英国の経常赤字と財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は欧州最大であるにもかかわらず、ポンドはなお2008年以降の最高値近辺で推移している。

英国は来年5月7日に結果が定かでない総選挙を控えているが、大半の投資家や企業は依然として、政治的な不確実性が経済状況に及ぼす影響は限られるかのように行動している。こうした自己満足的な態度は以下の3つの理由から誤りだと思われる。

1つ目は、総選挙後に英国には議会で多数派を形成できるような単一の政党もしくは連立勢力が存在しなくなり、文字通り統治不能になる恐れがあることだ。現段階の世論調査では、保守党も労働党も自由民主党と連立を組んだとしても過半数議席を確保できない見通しとなっている。

保守党と自民党、あるいは労働党と自民党の連立が多数派になれないわけは、以前は泡沫政党とみなされてきた勢力の躍進にある。現有6議席のスコットランド民族党(SNP)は、主に労働党の議席を奪う形で20─50議席に増える見込み。反欧州連合(EU)の英独立党(UKIP)も十数議席を獲得する勢いがある。これに対して自民党は、現有56議席を半分程度に減らすのはほぼ確実視されている。その結果、多数派の連立政権を樹立するには、民族主義的な政党を含めて3─4党が組むことが必要になる。

SNPが連立に加わる条件としてもう1回スコットランド独立を問う住民投票を実施するよう求めるのは間違いない。UKIPは英国のEU離脱を主張するとみられる。労働党もしくは保守党がこうした条件に同意するとは想像しがたい。

これはつまり、議会で多数派を形成できない政府が生まれる可能性を意味する。欧州大陸では議会少数派の政権はかなりなじみがあるとはいえ、英国議会で多数派を築けなかった政府というのは1974年のハロルド・ウィルソン首相の下でのほんの短い期間があるだけだ。このとき英国政治に大混乱を引き起こした。

2つ目の理由は、選挙後の歩み寄りで何とか複数政党の連立や少数派政府が誕生したとしても恐らく1年か2年で崩壊してしまうとみられる点だ。次期首相が再びキャメロン氏か、それとも労働党のミリバンド党首になっても、まったく論争の余地がない政策しか議会で通過させることができない短期的なつなぎ役しか果たせなくなるとみられる。

2016年のある時点、ないしは遅くとも17年には、野党勢力が主要な問題で不信任案を可決して政権を倒すのはほぼ確実。これにより、議員の任期は5年という建前にもかかわらず新たな選挙を余儀なくされるだろう。

来年誕生する政府が1年か2年でなくなることがほとんど確定しているという状況は、3つ目の最も厄介な問題を生み出す。16年か17年の総選挙では明らかにEU懐疑主義的で、英国のEU離脱を約束する政府が誕生する可能性が大きい。

現在の保守党と自民党の連立を継続するのはほぼ不可能。保守党が予定するEU離脱をめぐる国民投票に自民党は反対しているためだ。そうである以上、キャメロン首相は来年の総選挙で単独過半数を獲得するか、SNPやUKIPなどと連携するしか新政権を樹立できないかもしれない。保守党の単独過半数獲得は、足元の世論調査からすると問題外であり、景気回復の結果として保守党の支持が跳ね上がるという事態が起きるには時間がなくなりつつある。

SNPとUKIPに支持された保守党政権というのはよりあり得る選択肢だが、この連立を結びつけるのはEUの加盟条件に関する国民投票となり、その条件というのは残りの欧州諸国にはとうてい受け入れがたい内容になりそうだ。

UKIPがそうした交渉不可能な条件を課して英政府にEUと加盟問題の協議をさせようとするのは自明であり、SNPも戦術上の理由から同調するとみられる。SNPは英国のEU離脱を問う国民投票をやるなら、すぐにそれに続けてスコットランドの英国からの独立を問う住民投票を実施すべきだと主張するだろう。そして親EU派が多いスコットランド人が英国からの独立に賛成するのはほとんど決まったも同じだ。こうして英国の国家政体はすっかり解体され、混沌へと陥ってしまう。

もしも来年の総選挙で労働党と自民党の連立政権が生まれたなら、逆説的に英国のEU離脱はもっと可能性が高まる。両党ともEUにとどまる方針を表明しているが、両党による基盤の弱い政権は企業の信頼感低下に見舞われ、ポンド危機を招く恐れもある。このため保守党と民族主義政党の連立よりもさらに総選挙が実施される公算が大きくなる。

一方、保守党が来年もし野党に転落すれば、キャメロン氏が党首の座を追われ、より強硬なEU懐疑派が後釜に座るのは自明だ。その場合は、人気が高く大衆迎合的なロンドン市長のボリス・ジョンソン氏が新党首になるだろう。このケースなら16年か17年の選挙では、保守党とUKIPの連合が恐らくは地滑り的勝利を収める。その後速やかに行われる国民投票で新政権にEU離脱交渉に動くお墨付きが与えられる確率が高くなる。

もちろんこれらのすべてのシナリオには、数々の「もしも」や「しかし」が付随している。今から17年までの間には、きっと多くの政治的に予想外の事態が起きる。結局のところは、先のスコットランドの住民投票で示されたように英有権者の本能的な警戒心が広がって、英国はEU内にとどまる可能性も十分にある。

だが最終的に何が起ころうとも、これから来年5月の選挙まで半年で政治的混乱が生まれるのはほぼ避けられない。その後に再び混乱と統治不能の時期が訪れて、次の総選挙と17年のEU離脱を問う国民投票へとつながっていく。

英国の投資家と企業は自ら列をなして波乱への道を求めようとしている。

(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*アナトール・カレツキー氏は受賞歴のあるジャーナリスト兼金融エコノミスト。1976年から英エコノミスト誌、英フィナンシャル・タイムズ紙、英タイムズ紙などで執筆した後、ロイターに所属した。2008年の世界金融危機を経たグローバルな資本主義の変革に関する近著「資本主義4.0」は、BBCの「サミュエル・ジョンソン賞」候補となり、中国語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語に翻訳された。世界の投資機関800社に投資分析を提供する香港のグループ、GaveKal Dragonomicsのチーフエコノミストも務める。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKCN0J90HB20141125

世界経済、英中銀の想定を上振れる可能性=フォーブス委員
2014年 11月 25日 23:54 JST
[ロンドン 25日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀、BOE)金融政策委員会(MPC)のフォーブス委員は25日、海外経済はMPCの基本予想よりも強く推移し、英経済に想定ほど悪影響が及ばない可能性があるとの認識を示した。

フォーブス氏は7月に委員に就任した。

同氏は議会で、 最近の海外経済指標の一部は改善しており、英国経済への悪影響が和らぐ可能性があるとの見解を示した。

同氏は自身の見解がMPCの平均的な見解と若干異なるとしたうえで、「世界経済、とりわけ米経済がわれわれの基本予想よりもやや強く推移するリスクが顕在化する可能性がやや高いとわたしはみている」と述べた。

フォーブス氏はまた、賃金に関する最近のデータは、賃金の低迷が「峠を越した」可能性を示していると指摘。ただ、英経済が予想を上振れ、あるいは下振れするリスクは多く存在するとした。

BOEのカーニー総裁は同じく議会の財務委員会で、世界経済の見通しは悪化し、地政学的リスクは増したとの認識を示した。

BOEのカンリフ副総裁は財務委員会への年次報告で、英国のインフレ率がさらに低下するリスクを懸念していると表明。10月のインフレ率はほぼ5年ぶりの低水準を付けている。

カンリフ氏は、「金利はすでに事実上の下限にあり、インフレ率は目標を下回っているため、想定外のインフレ圧力の高まりよりも、インフレ率が再び下振れするリスクについて懸念している」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J91KR20141125


ECBバランスシートの規模拡大、目標ではなく予測=仏中銀総裁
2014年 11月 25日 16:08 JST
[東京 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのノワイエ仏中銀総裁は25日、バランスシートの規模に関するECBの見解について、目標ではなく予測だと説明した。それでもECBが追加緩和を行う場合に、量的な限界はないことを示す強力なシグナルだと指摘した。東京での会合で述べた。

また、バランスシートについて言及することがインフレ期待を高めることに寄与すると語った。

ECBのドラギ総裁は、バランスシートを現在の2兆ユーロから2012年3月時点の3兆ユーロ程度に拡大させる意向を示している。

ノワイエ総裁は、必要であれば低インフレに対処する追加策を講じるとのECB方針をあらためて表明したが、アナリストらの間では、ECBがユーロ圏の政府債を購入しない限り、バランスシートは予想通りには拡大しないのではとの懸念が高まっている。

同総裁は、ECBは引き続き、責務の範囲内で非伝統的追加措置を講じることにコミットしていると語った。

また、現時点でECBは政府債を購入していないと述べ、ECBがユーロ圏のどの国の利回りが低下するべきか選んでいる印象を与えることになるからだと説明した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J90CP20141125


ドラギ総裁が緊急性訴え、副総裁は来年を示唆−12月議論白熱か

  11月24日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は21日、「できるだけ迅速に」インフレ率を回復させる決意を表明し事態の緊急性を強調したが、1週間後の28日にはその認識の正しさが確認される見込みだ。
28日発表される11月のユーロ圏インフレ率 は2009年以来の低水準に並ぶと見込まれている。12月4日の政策委員会で追加策を求める議論が高まる要因になる見込みだ。
ドラギ総裁の発言がECBによる国債購入の観測をあおり、24日のスペイン、イタリア債利回りは過去最低まで低下した。一方、政策委内にはドイツやオランダ、オーストリアといった量的緩和(QE)懐疑派がいるほか、コンスタンシオ副総裁も来年に入って検証するまでは追加措置を控える可能性を示唆した。
ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によれば、11月のインフレ率は0.3%の見込み。10月は0.4%だった。
クレディ・アグリコルのエコノミスト、フレデリック・デュクロゼ氏(パリ在勤)は「11月のインフレ率が少しでも」予想以上に「低下すれば、ECBは12月の行動に追い込まれる可能性がある」と指摘。「一方で、予想外の上振れがあれば、時間的な余裕が生まれる」と付け加えた。
コンスタンシオ副総裁は22日フィレンツェでの講演で、ECBのバランスシート拡大ペースが資産購入プログラムによって期待通りに進んでいるか「来年第1四半期に検証する必要がある」と指摘。「そうなっていなければ、別の選択肢を検討する必要がある」と述べている。
原題:Draghi Urgency for ECB Action Gets Final Reality Check: Economy(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:パリ Mark Deen markdeen@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net Craig Stirling, Zoe Schneeweiss
更新日時: 2014/11/25 02:30 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFJJQV6JTSE801.html

豪ドルが一段と下落すれば経済成長を支援=中銀副総裁
2014年 11月 25日 18:54 JST
[シドニー 25日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中銀、RBA)のロウ副総裁は25日、豪ドルが一段と下落すれば経済成長を支援するだろうとの見方を示した。経済関連の夕食会イベントで述べた。

副総裁は、豪ドルが下落すれば主要な輸出品目となっている資源価格の下落の影響が相殺されると指摘。「一定の調整(豪ドル安)がみられているが、ファンダメンタルズに関するわれわれの評価が正しければさらに(調整が)みられるだろう」と述べた。

副総裁は、国内経済は鉱山ブームの減速を背景に困難に直面していると強調。ただ、人口拡大やアジアとの結びつきの強さ、豊富な天然資源を列挙し、将来に対する自信を示した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J90UM20141125

中国人民銀、第4四半期指標見極めて追加策検討=政策委員
2014年 11月 25日 22:27 JST
[北京 25日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員会メンバーの陳雨露氏は25日、人民銀は第4・四半期の経済指標を見極めた上で、追加的な利下げと緩和策について検討するとの考えを示した。

同氏は北京で行われた経済・財政に関するフォーラムに出席。人民銀の決定は日本と米国の金融政策に左右されるとの見方も示した。

前週の利下げについては、金融政策の変更を意味するものではないと述べた。

人民銀は21日、2年ぶりとなる主要政策金利の引き下げを発表。これを受け、人民銀はこの日の公開市場操作で14日物オペの利回りを引き下げている。

(Reporting By Rumi Shiohara)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J91E820141125



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