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日本格下げと法人企業統計(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/886.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 01 日 23:29:06: igsppGRN/E9PQ
 

日本格下げと法人企業統計
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52668002.html
2014年12月01日 在野のアナリスト


台湾の統一地方選で、与党国民党が大敗しました。国民党は親中で、中国による台湾戦略の転換も想定されます。これは日本にとってプラスであり、中台合同で東シナ海の圧力を強めてくる構図からの、脱却を模索できます。今はまだ統一地方選であり、総選挙を待たなければなりませんが、中台関係の変化をうまく捉えることが重要なのでしょう。

ムーディーズが日本国債をAa3からA1に、一段階格下げしました。理由としては1)財政赤字削減目標の達成可能性に関する不確実性の高まり、2)デフレ圧力の下での成長促進策のタイミングと有効性に関する不確実性、3)それに伴う中期的な日本国債の利回り上昇リスクの高まりと債務負担能力の低下、です。1)は消費税増税先送りに関するものですが、2)は安倍ノミクスそのものへの批判です。財政政策、金融政策をうったタイミング、その有効性が不確実というのですから、リセッションを意識される日本経済に対し、経済政策そのものへ疑義を唱えていることになります。

一方で「安定的」とし、日銀が量的緩和をつづける限り、国債市場にリスクがないとします。しかしこれはさらに日銀の出口戦略を難しくします。一方でムーディーズは赤字削減に向けて『一段の措置』を求めますが、それが上手くいかない場合、日銀は緩和をとめられない、そう判断せざるを得なくなります。今は量的緩和策はコストより利点が多い、としますが、いつそれが逆転するか? それが逆転する日がくるのか? そのときはもう終わりではないか、との懸念もあります。

今日の市場は、法人企業統計を好感しましたが、設備投資が5.5%増で、8日のGDP改定値が
上方修正されるという期待です。しかしプラス転換するほどではなく、また設備投資の大きな伸びは、製造業では金属製品がほぼ2倍、後は情報通信、電気機械とつづきます。非製造業では不動産業が大きく伸びる一方、建設業は大きな下落です。これらは公共工事の伸びに対応し、金属製品は建築資材の増産、建設業は設備投資よりも受注工事をこなす、といった背景を想定できます。

また売上高、経常利益ともに大きな伸びは建設業と建設資材関連、それにスマホ関連の情報通信ばかりで、日本経済の片肺飛行が深刻な状況になっています。安倍氏は地方への好循環、と述べますが、業種間でも格差が広がっており、横断的な広がりはありません。今日の党首討論でも、安倍氏は「安倍ノミクスがつづく限り、経団連が賃上げを約束した」と、とんでもない暴露をしていますが、政官財の癒着が懸念されるところであり、今後も政策による景気回復への期待は、政府と手をくんだところだけ、恩恵があるということになりそうです。

ムーディーズばかりでなく、他の格付け機関も、これから格下げの動きとなるでしょう。スタグフ懸念すら漂う日本に、財政という重い課題が突きつけられました。結局、公共工事のバラマキでも景気が浮揚しないと分かった今、新たな策が求められます。しかし各党の公約に目立った成長戦略はなく、さらに自民は公共工事の項目ばかりが並ぶ、そんな危機的状況にあります。

11月、日本の株式市場が上昇する中、実は日本向けの投信からは資金流出がおきていました。新自由主義の識者は株式をドルベースでみる必要はない、としますが、日本市場は6割以上が外国人投資家が売買しており、ドルベースで収益とならなければ資金の引き上げが起こる、、そんな市場なのです。今日は年初来高値をつけましたが、円安でほぼ説明がつく程度の上昇です。海外勢が評価を下げる日本市場、このままの政治体制でいくと、必ず崖に直面するという中で、日本でも選挙結果が、そうしたものの重要な判断材料ともなってくるのでしょうね。


 

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コメント
 
01. 2014年12月02日 00:58:41 : FLJq7vZpNg
何故ドルベースで経済を見る必要があるのかって?
簡単な話さ
海外市場が日本経済を評価する時はドルベースでの評価になるからだ
円が強ければ話は別だが今は円は弱い
海外勢は弱い円で経済を評価しても無意味と考える

02. 2014年12月02日 06:50:33 : jXbiWWJBCA

倉都康行の世界金融時評
市場が財政赤字問題を思い出す日

日本にとって「ラッキー」な状態はいつまで続くのか

2014年12月2日(火)  倉都 康行

 日本国債にとっての鬼門である海外格付け会社は、増税先送りの報道を受けて早速格付け見直し作業に着手し始めたようだが、長期金利は上がるどころか0.4%という超低水準でびくともせず、市場には0.3%や0.2%台への低下を予想する向きもある。マイナス金利が3カ月の短国から1年債へと延び、2年債までもマイナス金利となるに至っては、そんな予想も必ずしも強引とは思えなくなる。

 もっとも、壊れた市場の先行きを予想しても仕方がないかもしれない。日銀があれだけ国債を買いまくっていれば、市場機能が消滅するのも当たり前である。黒田総裁は未だに「流動性に問題は無い」と言い続けているが、10月末の追加緩和というサプライズにさえ反応しない国債市場において、円滑な売買が期待し得る流動性が保たれていないことは、もはや金融市場の専門家でなくても解るだろう。

国債不安はなぜ浮上しないのか

 これに対し、財政再建路線からの逸脱に日本の長期金利が反応しないのは、官民合計の負債水準の伸びが鈍化しているからだ、と分析する向きもある。公的債務のGDP比では日本が約230%と世界で断トツの首位であることは周知の通りだが、民間債務との合計で見れば約500%で、英国とほぼ同じレベルなのである。金融危機前は250%前後であったスペインやフランス、イタリアも、最近では350%近辺まで上昇してきた。米国も300%近くの水準にある。

 米国では家計や企業のデレバレッジが一巡して、再び民間債務が拡張方向に動き出している。欧州は銀行を中心としたレバレッジの修正ペースが遅い中で、公的債務もなかなか縮小しない。一方で日本では、公的債務は伸び続けているが民間債務があまり伸びないので、合計で見た増加ペースは欧米に比べて緩やかになっている。それが日本の債務問題への関心が薄れている要因だ、という解釈である。

 だが、その説明はこじつけのような気がしないでもない。国債不安とは、基本的に公的債務の問題から来る現象であるからだ。国債が売られても社債や株が買われる展開は十分に想定される。筆者も過去に、欧米市場で実際にそうした場面に何度か遭遇してきた。

 日銀の大量買入れによる需給構造以外に国債懸念が浮上しない別の要因として、むしろ財政赤字が今日の国際資本市場の視野外に置かれている、という状況を指摘してみたい。それは、日本にとって大変ラッキーなことであるが、その僥倖が来年以降永遠に続く保証がないことは、頭の隅に置いておく必要がある。

石油価格下落で財政赤字が懸念される国々

 金融危機といえば、サブプライム・ローン問題からリーマンショックまで米国の金融機関を主役とした激震が思い出されるが、その後、舞台を欧州に変えてギリシアなど南欧諸国の債務問題に世界が怯えた日々も忘れる訳にはいかない。米国は民間債務、欧州は公的債務の問題であった、と言って良い。

 ユーロ圏でPIIGSと蔑まれた国々の過剰債務への懸念も、ECBのドラギ総裁の「何でもやる」発言を契機として2012年秋以降沈静化し、資本市場は落ち着きを取り戻していった。日本の円安や株高の基調がそこを起点としたのは偶然ではない。アベノミクスはその絶好のタイミングに乗った現象であり、永続性を担保したものではなかったのだ。

 市場が財政赤字懸念から解き放たれたのも、その時期からである。株式市場はその後も何度か揺れを体験するが、その主因は米国の金融政策の路線変更や地政学リスクであり、債務問題ではなかった。財政問題はひとまず終わり、というのが市場のコンセンサスになったのである。そんな長閑なムードの中で、日本の増税先送りという深刻な問題が重要視されなかったのは、それほど不思議ではない。

 但し、債務問題がいずれ市場の中心的な話題に戻ってくることを止めることは出来ないだろう。先月本コラムに書いた石油価格の急落問題は、既にその気配を漂わせている。米国の新興エネルギー企業の債務不安に加えて、産油国の財政赤字への懸念が世界のクレジット市場に生まれているのだ。

 事実上のデフォルト状態にあるベネズエラに加えて、財政収支が均衡するのに必要な原油価格水準が高いイランやイラク、そしてルーブル急落に見舞われるロシアなどに対する不安は高まりつつある。また、ブラジルでは国営石油大手のペトロブラスの過剰債務問題は、同国財政問題に直結しかねない、と危惧する声も聞こえている。

 地政学上のリスクという面で言えば、ウクライナもデフォルトにかなり近い国だと言って良いだろう。今年の成長率はマイナス10%とも予想されており、経済は壊滅状態にある。IMFによる緊急融資プログラムで資金繰りを付けてはいるが、東部における親露派との対立解消にはほど遠く、軍事費は増える一方だ。

 IMFも、このままの状態で融資を継続することには難色を示し始めている。だがEUも米国も、口先での対露批判は勇ましいがウクライナへの資金援助には及び腰のままだ。恐らくは既存債務の削減・放棄など、デフォルトの現実性は高まっていくことだろう。

ギリシアでは緊縮財政反対派が台頭か

 上記の国々は、既に財政赤字問題が明瞭に認識されているので、サプライズは起こりにくいかもしれない。留意すべきは、まだ一部の市場懸念に止まっている二つの国の赤字問題である。まず、ギリシア問題を採り上げておこう。

 2012年に長期金利が40%台にまで跳ね上がってユーロ債務危機を深刻化させたギリシアは、7‐9月期のGDP成長率が域内トップの前期比0.7%となり、6年間にわたる暗い景気後退のトンネルを抜けて今年はプラス成長に復帰することがほぼ確実になった。2008年以降GDPの約25%を吹き飛ばした同国は、ユーロ離脱を何とか免れて、政府目標の0.6%成長を超えそうな回復基調を辿っている。

 その原動力となったのは観光業の急回復であり、同国を訪れる旅行客数は過去最高の2000万人を超える見通しで、旅行業界だけでなく小売業や運送業などにも弾みが付いた。また金融支援によるインフラ整備など、建設業における投資も増えつつあり、同国政府は2015年には2.9%成長という大胆な目標を掲げている。ユーロ不安は遂に消えた、という楽観論が出てきたのも不思議ではない。

 だが、その成長持続性に関して市場はまだ完全に信頼を置いてはいないように思われる。ECBによる追加緩和期待にフランスからオーストリア、アイルランド、イタリア、スペインまで多くのユーロ加盟国の長期金利は過去最低水準を更新し、ドイツの10年債利回りは0.7%台にまで低下しているが、ギリシアの長期金利は9月に6%台へ低下した後、8%台へと逆戻りしている。

 12月末に支援プログラムが終了するのに伴い、同国政府はトロイカ監視体制が解散して口うるさい人々が早くアテネから出て行ってくれることを望んでいるが、債務返済への道筋が明瞭でないと不信感を募らせるEUは、簡単にその希望を受け容れてはくれない。

 最終的な70億ユーロの融資資金への付帯条件でも議論が対立したままであり、ギリシアが嫌がる予備的な信用枠も、EUは必要だとの主張を譲らない。世論に訴える為に放った「明確な支援脱却」への方針は逆に世界の資本市場の不安を買うことになり、長期金利の再上昇という憂き目に会ったのである。

 その政治的な焦りの背景には、内政不安がある。2月に新大統領を選出する際、現政権が絶対多数を確保することは難しいと見られており、選挙となれば現在世論調査で大幅に差を付けられている、緊縮財政反対派の急進左派連合が台頭する可能性が高い。

 こうした状況になれば、ECBが何とか封じ込めてきた「ギリシア・リスク」が、再び頭を擡げることになるだろう。長期金利が10%台へと上昇すれば、景気回復シナリオにも危険信号が灯る。同国の財政再建計画が頓挫するリスクは、決して無視できないのである。

「ジャンク債クラス」と格付けされる中国地方都市も

 そしてもう一つの財政赤字問題が、中国の地方債務である。同国政府は、従来極めて不透明であった地方都市の債務状況を透明化する為、今年5月に12主要都市を対象として地方債の発行を解禁するパイロット・プログラムを公表した。公募債となれば当然ながら財務の信用力を判断する格付けが必要になってくる。

 中国ではいま不動産価格の低下が警戒され始めており、それと裏腹の関係にある銀行の不良債権問題が急速にクローズアップされてきた。不良債権比率の、銀行の公表する1%前後の数字と民間による10%程度の推計値との落差は、1990年代初期の日本を髣髴させる。その実体も恐らく「追い貸し」による隠蔽であることは確実だ。

 だが中小銀行の破綻は有り得ても、上場したとはいえ事実上の国営銀行である大手行を中国政府が破綻させる可能性はゼロに近く、徹底して支援する筈である。金融不安は中国共産党自身の首を絞めることになりかねないからだ。但し、貸し手の金融機関は資本増強で支援されるにしても、借り手の不動産業者や地方自治体の借入組織である融資平台の信用不安やデフォルト懸念は起こり得よう。

 中でも、財政実態の不透明な地方自治体は懸念材料だ。先般格付け会社のS&Pは、同国31都市の公表データに基づいてその債務に関する予備的な信用調査を行っている。FT紙に拠れば、そのうち15都市が投資適格に届かず「ジャンク債」並みの信用力と判定された、という。

 地域的に見ると、北東部の3都市のうち2都市、中部12都市のうち6都市、西部12都市のうち5都市が投機的格付けとなり、北京や上海など裕福な地域が多い東部でも2都市がジャンク債クラスの格付け、と診断されたようだ。

 中国政府は一斉に地方債発行を解禁するのではなく、信用力の高い地域から徐々に発行を認める段階的な措置を採るものと見られており、こうした予備的な調査が市場をいきなり動揺させることにはならないだろう。政府も、その対応にかなりの神経を遣っている。地方政府に対しては税制改革を含む財政再建を強く要請するなど、負債増にブレーキを掛ける姿勢をも見せている。

 だが、地方都市は今後もリファイナンスを含めた資金調達が不可避であり、社債発行が無理であれば従来通りシャドーバンキングでの調達法を継続利用せざるを得ない。その際にもはや「暗黙の政府保証」は使えない為、調達コストの上昇は避けられないかもしれない。

 それは、財政状態の客観評価という、避けては通れない市場正常化への道でもある。格付けは格付け会社の意見に過ぎないが、市場が忘れかけた財政赤字という材料を思い出す一つの契機にはなり得る。

国際経済のリスク要因は日本という指摘

 かくして、ベネズエラから中国に至るまでの一連の財政不安が、寝た子を起こす可能性がある。日本国債への不安である。冒頭に述べたように、現時点でそうした懸念を抱く向きは少ない。今回の総選挙の論点からも外れている。専門家の間でも、日本国債の問題が表面化するのはまだ数年先のことだ、と述べる人は少なくない。だからと言って、財政ファイナスの色彩が色濃くなってきた日本において、長期金利は急上昇しないと断定することは出来ない。

 今回の増税先送りに関する日本の主要メディアの報道は、どうもすっきりしない。それは、2期連続のマイナス成長という時期に増税することが如何に愚かであるか、という庶民的な意見に対抗しにくいからだろう。だがその批判は飽くまで一般論であり、異様な財政赤字を抱える日本経済に、そのような呑気な議論はもはや通用しないように思われる。増税先送りは、市場マグマを活性化させる契機になったのではないか。

 英中銀・カナダ中銀でエコノミストを務め、グリーンスパン元FRB議長の金融政策は危機的な状況を生み出すと警告した前BIS(国際決済銀行)アドバイザーのウィリアム・ホワイト氏は、財政再建の遅延による長期金利急騰の可能性に言及し、日本が「国際経済への深刻な脅威になり得る」と警告している。

 また2007‐8年の金融危機を的確に予測したことで知られるニューヨーク大学のノリエル・ルービニ教授も、世界の個人投資家の為にと銘打った資本市場見通しの中で、ユーロ圏経済、中国経済、地政学リスク、米国利上げ、そして日本経済を「2015年のグローバル・リスクの五要因」として挙げている。

 日銀が大量購入するから国債利回りは上昇しない、という言説はもっともらしく聞こえるが、流動性の無い資本市場ではどんな価格形成も有り得るという事実こそ、筆者が長い実務経験から得た貴重な教訓である。市場価格には本来、サプライズなど無いのだ。仮に日本国債に異変が起こるとすれば、それは「想定外」ではなく政府・日銀など当局者における油断や慢心の結果に過ぎない、と見るべきだろう。

このコラムについて
倉都康行の世界金融時評

日本、そして世界の金融を読み解くコラム。筆者はいわゆる金融商品の先駆けであるデリバティブズの日本導入と、世界での市場作りにいどんだ最初の世代の日本人。2008年7月に出版した『投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム』で、サブプライムローン問題を予言した。理屈だけでない、現場を見た筆者ならではの金融時評。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20141126/274315/?ST=print


03. 2014年12月02日 06:53:49 : jXbiWWJBCA


【第4回】 2014年12月2日 片岡剛士 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員]
首相の消費税再増税延期は正しい決断 日本経済はギリギリで踏みとどまった
――三菱UFJリサーチ&
コンサルティング主任研究員 片岡剛士
2014年11月18日に安倍首相は2015年10月から予定されていた消費税再増税を1年半延期し、2017年4月に行うことを明言した。筆者は安倍首相の決断を歓迎したい。 
なぜそう考えるか。理由は、8%へ消費税が増税された4月以降の日本経済の落ち込みが深刻であり、かつその後の持ち直しが極めて緩慢であるためだ。 
かたおか・ごうし
1972年愛知県生まれ。1996年三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。2001年慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程(計量経済学専攻)修了。現在三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部主任研究員。早稲田大学経済学研究科非常勤講師(2012年度〜)。専門は応用計量経済学、マクロ経済学、経済政策論。著作に『日本の「失われた20年」』(藤原書店、2010年2月、第4回河上肇賞本賞受賞、第2回政策分析ネットワークシンクタンク賞受賞)、『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書、2013年4月)、『日本経済はなぜ浮上しないのか』(幻冬舎、2014年11月)等。
なぜGDP成長率は予想外の
2期連続比マイナス成長となったのか
2014年4〜6月期の実質GDP成長率は前期比年率7.3%減と、97年4月の消費税増税直後の97年4〜6月期3.5%減を上回り、なお且つ東日本大震災直後の6.9%減を上回る悪化を示した。実質GDP成長率の落ち込みの主因は民間消費の大幅な落ち込みであり、民間消費の落ち込みをカバーすることが期待された設備投資や輸出も悪化した。 
そして下支えとしての役割が期待された5.5兆円規模の経済対策も、公共投資が微増に終わったことから十分な効果をもたらさなかった。実質GDPを構成する項目の中で主にプラスに作用したのは、売れ残りを反映した在庫の増加と民間消費を反映した輸入の減少であって、いずれも良い材料とは言えない。 
こうした中で2014年7〜9月期の実質GDP成長率は前期比年率1.6%減となった(図1)。駆け込み需要と反動減の影響を慣らした2014年1〜3月期と4〜6月期の実質GDP平均値に復帰するために必要な7〜9月期の成長率は3.9%であったから、政府が判断材料とした7〜9月期の実質GDP成長率の結果からは、予定通りのタイミングで再増税に踏み切る判断を下すことは困難だ。 
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実質GDPの中身をみると、5.5兆円規模の経済対策がようやく奏功して公共投資は前期比2.2%増となったが、民間最終消費支出は耐久財消費の減少は続いたまま、全体では前期比0.4%増と自律的な回復過程に入ったとはいえない結果に留まった。さらに、民間住宅投資も前期比6.7%減と14年4〜6月期の同10%減に引き続き低迷した。合わせて民間企業設備投資は14年4〜6月期の前期比4.8%減に引き続き同0.2%減と低下が続いた。 
輸出は14年4〜6月期の前期比0.5%減から上昇に転じたものの、その伸びは1.3%増と力強いものとはいえず、消費税増税の悪影響から民間主導の自律的な成長に復帰したと捉えることはできない。消費税増税によって2%底上げされ3%増となった物価上昇に賃金増が追いつかないこと、民間消費や住宅投資の落ち込みを民間企業設備投資や輸出の増加でカバーできなかったことが、支出停滞の長期化に影響していると言えよう。 
こうした中で2015年10月に予定通り消費税増税に踏み切ることを決めれば、たとえ再び駆け込み需要があったとしても、2013年の日本経済の成長に最も寄与した民間消費の増勢は回復しないであろうし、デフレ脱却の動きも頓挫する可能性が大であったろう。安倍首相の決断により日本経済はギリギリの所で踏みとどまったのである。 
再増税延期の決断後も
想定された「リスク」は生じていない
再増税をめぐる議論では、予定通りの消費税増税は国際公約であり、増税を延期すればわが国の財政健全化への信認が崩れ、長期国債の金利が急騰するといったリスクが指摘された。国際公約といった指摘は、消費税が内国税であって、増税の是非といった問題は他国が干渉できない国内問題であることに留意すべきである。また野田前首相も国会答弁にてカンヌG20首脳会議で消費税10%への引き上げを国際的に公言したことについて、消費税10%への引き上げができなければ総理が責任を取るという話ではないとの答弁をしている。以上から国際公約違反といった批判は詭弁である(詳細は拙著『日本経済はなぜ浮上しないのか』幻冬舎、を参照されたい)。 
そして長期国債の金利が急騰するというリスクについては、10月31日に「量的・質的緩和策」の強化に踏み切った日銀が、長期国債の買い取りをさらに強める事実、足元の長期国債の金利が0.5%程度と低位で推移している事実から考えても、急騰の可能性は限りなくゼロに近い状況であった。現に安倍首相により増税の延期が公表された11月18日の10年物国債の金利は17日と比較して0.031%ポイント「暴騰」(価格低下・金利上昇)して0.512%となった後、11月26日には0.447%まで「暴落」(価格上昇・金利低下)している有様である。 
つまり、再増税延期によって想定された「リスク」は全く生じていないということだ。原田泰氏が指摘するように( この程度で金利「暴騰」ですか?」WEDGE Infinity 「増税先送り)、消費税増税を延期したとしても、長期債務残高の対名目GDP比はほとんど違いがない。消費税増税を延期したら大変なことになっていると指摘していた人々の主張は的外れであったのである。
解散総選挙に関わる
メディアの指摘は的外れ
安倍政権は衆議院の解散に打ってでたが、筆者が気になるのはメディアの報道である。安倍首相は記者会見で、消費税増税を延期するという決断の是非と、また安倍政権で行っている経済政策について有権者の信を問うと述べた。消費税増税を延期するという政策変更について総選挙で信を問うとの表明については、既に野党においても意見が一致しているため、選挙で問うべき意味はないとの指摘もある。 
しかし解散風が吹く前の段階では自民党・公明党の内部ですら予定通りの増税に賛成する意見が多く、筆者も参加した「今後の経済財政等についての点検会合」においても増税延期の声は極少数であったことを考慮すれば、大義は無いとのメディアの指摘は間違いだ。 
また、メディアは物価上昇の主因を金融政策にあるとして批判するが、増税直前の2014年3月の消費者物価指数(生鮮食品除く総合)前年比は1.3%上昇、増税直後の2014年4月の前年比は3.2%上昇であったことからも明らかなように、3%台の物価上昇率の3分の2は消費税増税によるものである。 
緩やかな増加基調にある名目所得を超える物価上昇率の高まりによって、実質所得が大きく低下していることを問題にするのであれば、早すぎた消費税増税を断行したことこそ批判すべきである。なぜ金融政策への批判が強まるのか筆者には疑問であるし、有権者の判断材料として適切な視点をメディアが提供しているとは思えない。 
自民党は「重点政策2014」にて2015年度・2020年度の基礎的財政収支 (*)の目標(2015年度に2010年度比で赤字の対名目GDP比を半減し、2020年度までに黒字化する)を堅持することを表明した。当面の鍵となるのが日本経済の立て直しがどこまで進むかだろう。
日本銀行は10月末に追加金融緩和を打ち出したが、追加緩和の効果が民間消費や設備投資に反映されるまでには少なくとも半年程度はかかるため、当面の日本経済の下支えを行うには、早期に具体的な経済対策を策定・表明することが必須である。しかし、景気底上げの具体策は「重点政策2014」からは見えてこない。加えて、2020年度の黒字化目標の達成に向けた具体的な計画も来年の夏までに策定 するとなっており、先行きについては現状不透明な状況である。こうした点こそメディアは批判すべきではないか。
また公明党は軽減税率の導入に本腰を入れている。軽減税率は対象とする品目の選定をめぐり新たな利権が生じる可能性があり、軽減税率の導入により見込まれる再分配効果は大きいとは言えず、市場の価格形成をゆがめることにつながるといった問題点がある。2017年4月に10%への消費税増税が延期されたため、2016年1月から運用が開始されるマイナンバー制度を利用した給付付き税額控除の仕組みを導入することも可能だが、なぜこうした指摘ができないのだろうか。 
(*)財政収支から利息収入及び利払いを除いたもの。社会保障費や地方交付税などの政策的な経費を税収などでどれだけ賄えているかを示す指標。
民主党のマニフェストは
「デフレに戻す」と言っている?
対する民主党はどうか。公表されているマニフェストを見ると、GDPが二期連続マイナスとなったのは、野田前首相のもとで決定した消費税増税を予定通り行ったことが原因であって、これには民主党にも責任がある。GDPの二期連続マイナスを「アベノミクスの失敗」として問題視するのならば、昨年10月に安倍首相が消費税率の8%への引き上げを決断する前に、「消費税増税を強行すれば、日本経済はマイナス成長に陥る」となぜ反対しなかったのだろうか。 
アベノミクスの三本の矢に対抗して、民主党は経済政策3本柱を掲げている。1本目の柱「国民生活に十分配慮した柔軟な金融政策」というのは現政権が決定した2%の物価安定目標を諦め、民主党政権下の金融政策に回帰するということだろう。そうなれば、再び円高・デフレに逆戻りとなる可能性が高い。2本目の柱は、公共事業に傾斜した「バラマキ財政」から子育て支援、雇用の安定、老後の安心のために「生活の不安を希望にかえる人への投資」を進めるとのことだ。方向性は好ましいと言えるが、口あたりの良い政策を提案したものの、財源不足から消費税増税を決定した反省がどの程度踏まえられているのか疑問である。3本目の柱である「未来につながる成長戦略」に新鮮味はなく、与党と差別化されているとは思われない。 
財政健全化の方法は成長による税収増、歳出削減、増税の三つである。14年4月からの消費税増税によって消費税収は増えるかもしれないが、デフレ脱却の途上で増税を強行することで、想定外の景気後退という大きな代償を支払う羽目になることが再び立証された。昨年来の景気回復の動きを受けて14年度の所得税収や法人税収は当初見込みから上ブレしているものの、足元の景気悪化を反映して次年度の税収は落ち込む可能性もある。増税のみに拘泥することなく、一定の経済成長を確保しながら財政健全化を進めていくこと、そのために成長による税収増、歳出削減、増税という三つの手段をどう組み合わせていくかが今、問われている。 
日本銀行による2%のインフレ目標の実現が確実なものとなれば、名目GDP成長率は3%程度まで高まり、筆者の試算によれば消費税増税で見込まれていた税収分を確保することは可能であるし、2015年度の基礎的財政収支の目標も達成できる。当面の日本経済の課題は、デフレから脱却することで名目成長率3%以上を安定して達成することが現状のままで可能なのか、不可能ならば対案は何かということだ。是非こうした方向での議論が深まることを期待したい。 
http://diamond.jp/articles/-/63007 


04. 2014年12月02日 19:44:18 : jXbiWWJBCA

ムーディーズ:三菱東京UFJ、三井住友銀を「A1」に格下げ

  12月2日(ブルームバーグ):米格付け会社ムーディーズは2日、三菱東京UFJ 銀行や三井住友 銀行など5行の長期預金・債務格付けを「Aa3」から1段階引き下げ、「A1」にすると発表した。格付見通しは「安定的」とした。
発表資料によると、同社は「日本政府が銀行に支援を提供する能力は政府債務格付に最も的確に反映される」とし、1日公表した日本の政府債務の格下げ(「Aa3」から「A1」)が理由とした。ただ、日本政府が主要行を支援する意思は引き続き非常に高いとみている。
メリルリンチ証券の上田祐介チーフクレジットアナリストは、格下げの銀行への影響について「今の時点で大きなインパクトはない」とみている。しかし今後、S&Pが格下げで追随したり、ムーディーズがさらにレーティングを下げるようなら「デリバティブ市場の取引条件悪化や海外で債券を発行する際のコスト高のリスクがある」と指摘した。
格下げは、2行のほか三菱UFJ信託銀行、静岡銀行 、中国銀行 も同様に「Aa3」から「A1」に下げ、見通しは「安定的」とした。
ムーディーズは1日、日本国債の格下げ理由として「財政目標の達成と債務抑制に関する不確実性の高まり」、「経済成長に向けた政策の不確実性およびデフレ終息に向けての課題」、「政策の有効性および信頼性の低下が債務負担能力を低下させる可能性」を挙げた。
(格付け会社名を訂正済みです)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 河元伸吾 skawamoto2@bloomberg.net;東京 油井望奈美 myui1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net 平野和, 持田譲二
更新日時: 2014/12/02 18:49 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFXWA66JTSEA01.html

 

 


 
格下げでも株高・債券高、市場が意識する「官製相場」
2014年 12月 2日 16:10 JST
[東京 2日 ロイター] - 日本国債の格下げ発表から一夜明けた2日、日本株は続伸し、金利は低下した。株の先高期待や、低金利環境の継続予想が強いとはいえ、いわゆる「官製相場」が意識されていることが背景にある。悪材料に一段と鈍感になるマーケットに対し、「リスクが溜まりやすいのはこういうとき」と警鐘を鳴らす声も出てきた。

<日銀ETF買いへの「畏怖」心理>

日本国債が格下げされたにもかかわらず、日本株は底堅かった。2日の日経平均.N225は寄り付き直後は売りが先行したが、下げ幅は100円程度。下値が堅いとみるや押し目買いが入り、前場終値で3円安の水準まで下げ幅を縮小。終値では73円高まで上値を伸ばし、年初来高値を更新した。

米株は下落し、ドル/円もわずかとはいえ円高方向に振れている。利益確定売りが入りやすい環境だったが、押し目らしい押し目はほとんど形成されなかった。悪材料に反応しにくい強気相場の背景となっているのは、やはり「官製相場」への強い意識だ。

「日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買い、もしくはそうした買いを期待した投資家の押し目買いが入り、下支えしている。売り方も仕掛けにくいようだ」(SMBCフレンド証券・チーフストラテジストの松野利彦氏)という。

日経平均は、10月半ばの安値1万4500円から1万7600円台に約3000円上昇。予想株価収益率(PER)は16倍台まで高まっている。過熱感は強いが、ほとんど調整らしい調整をみせないのは、円安による企業業績の拡大期待や衆院選待ちのムードというよりも「売ったらやられる」(大手証券トレーダー)という市場心理だ。

日銀は11月に計6回、上場投資信託を購入した。11月は18営業日なので、3日に1回のペース。それぞれ1回380億円と2兆円規模の東証1部売買代金に対し、それほど大きいわけではないが、株価が下がったらまとまった買いが入るという投資家に与える心理的な影響は小さくない。

11月14日は、TOPIX.TOPXの前場終値が0.04%安とわずかな下落だったにもかからわず、日銀のETF買いが入ったことが話題になった。

日銀のETF買い予定は今年末までに3.8兆円、さらに来年は3兆円が上乗せされる。昨年の日本株の最大の買い主体は外国人投資家の15兆円だったが、2位は事業法人(その他法人含む)の6059億円だ。日銀買い入れの累計規模は小さくない。

今年、外国人投資家は11月第3週までの累計(現物・先物合計)で約2.1兆円の買い越しにとどまっており、日銀は今年、国内のみならず、内外で最大の日本株買い主体になる可能性がある。

また、GPIFの売買を経由しているとみられる信託銀行もこれまでの合計で1.7兆円の買い越しだ。日本株を押し上げているのは、需給的にこれらの買い主体に他ならない。

<リスクへの警戒感薄れる市場>

金利も低下した。格下げを受けて10年最長期国債利回り(長期金利)は一時、前日比2.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.445%を付けたが、その後低下に転じ、引けでは0.415%と0.5bpの低下となった。「やはり大量に国債を購入する日銀の存在が大きい。国債の流動性が乏しくなる中で、金利が少しでも上がれば、買う投資家が出てくる」(外資系証券)という。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、財政赤字の中期的な削減目標の達成可能性などについて不確実性が高まったとして、日本国債を格下げしたが、円債市場の強い地合いにほとんど影響を与えていない。国内銀行が日本国債を投げ売りするような状況にはならないとみられているためだ。

バーゼル規制における標準的手法でソブリン債のリスクウエートは、今回引き下げられた日本国債のA1格では、これまでのゼロ%から20%(A+からA─に相当)に引き上がる。

しかし、大手行に関してはバーゼル規制における標準的手法ではなく、内部格付手法を用いているとみられており、影響は少ない模様だ。

「日本の大手行は、内部格付手法を用いている。もともと日本国債のリスクウエートはゼロ%ではなく、もう少し高いとみられる。このため、格下げがあったとはいえ、いきなり20%にリスクウエートが跳ね上がることもないだろう。国債の投げ売りにつながるような状況ではない」と、BNPパリバ証券・チーフ債券ストラテジストの藤木智久氏は指摘する。

海外勢の動向を見ても、日本国債を多く保有するとみられる主体は中央銀行やファンド勢などだ。リスクウエートの変化に敏感に反応するとはみられていない。

とはいえ、消費再増税が先送りされても、日本国債が格下げされても、金利が上昇しないというのは、やはり異常な状態だ。財政規律の警告機能に欠陥が生じているとみられても仕方ないだろう。

「リスクがたまりやすいのはこういう状況だ」と、BNPパリバの藤木氏は警戒する。「低金利でほぼ無尽蔵にファンディング(資金調達)できる状況は、いつしかリスク感覚をまひさせてしまう。巨大な債務を抱えるようになったときに、何かのきっかけで長期金利が2─3%に上昇すれば、大きな損失を生じることになる」と指摘している。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JG0GW20141202


日本政府が詳細な財政健全化策を示すと楽観はせず=S&P
2014年 12月 2日 13:33 JST
[東京 2日 ロイター] - スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)ソブリン格付ディレクター(日本国債担当)の小川隆平氏は2日、ロイターの電話取材に対して、日本政府が詳細な財政健全化策を示すとは楽観していないと述べた。また政治力学が変化する可能性があり、将来の増税実施は不透明とした。

そのうえで、日本政府は成長促進に向けてやるべきことが数多く残されているとし、社会保障制度を給付と拠出のバランスをとって、より持続可能なものにすべきとの考えを示した。

また日銀の量的緩和に関しては、市場が安定しており懸念は現時点ではないとした。

(伊賀大記)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JG09120141202

焦点:増税延期で海外の厳しい目、格下げや低成長の背景に人口減
2014年 12月 2日 13:10 JST
[東京 2日 ロイター] - 政府が消費再増税の延期を決め、海外から日本国債の格下げや低成長予測など、厳しい評価が相次いでいる。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは日本国債格下げの理由として、財政不安と人口減など成長力への課題を指摘。経済開発協力機構(OECD)も低成長予測などの背景として、人口減を重視している。

民間調査機関の多くは成長率が2%に近づくと楽観論が支配的だが、この問題は2015年の大きなテーマに浮上しそうだ。

<増税乗り切るための構造改革に遅れ>

ムーディーズは1日、安倍晋三首相が消費税率10%への引き上げを延期したことを受け、日本国債の格付けを1段階引き下げた。その理由として、第1に挙げたのは財政目標達成への不確実性の高まりだが、第2の理由として、経済構造改革を通じた中期的な成長促進(アベノミクスの「 第三の矢」)を達成する政府の能力だった。消費税8%への引き上げに耐えうる成長戦略が不足しているとし、人口減などの構造問題を指摘した。

国内でも、従来から似た問題意識が提示されてきた。BNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は「大幅な円安にもかかわらず、輸出や設備投資が大きく増えていかないことの根本的な背景には、国内労働力の縮小があると考えられる」と分析する。

政府の推計によると、労働力人口は13年から15年にかけて201万人、2.5%も減少。15年から20年までの間にさらに341万人、4.4%減と、減少率は加速する。

こうした労働力人口の減少は、中長期的な成長力を示す潜在成長率の低下要因となり、成長の制約となる。成長を維持するには、これを上回る生産性上昇や設備投資が必要になってくる。

しかし、足元の潜在成長率は「0%台前半ないし半ば程度」(日本銀行推計)とみられ、OECDも同様の分析結果を示している。先進国では潜在成長率が低下傾向にあるとはいえ、米国の2%程度、欧州の1%程度に比べても、相当に低い。

<OECDも人口減を重視、低成長と財政リスクを指摘>

日本の財政や成長力への不安は、OECDの経済見通しにも表れている。OECDのランダル・ジョーンズ日本・韓国課長は、11月末に発表した日本経済の予測に際し「経済環境の好転からすれば、本来もっと高成長を予測できるはずだが、日本の最近の状況から、より控えめな予測となった」と指摘。景気が回復しても成長に限界がある、との見通しを鮮明にした。

OECDの見通しによれば、増税延期にもかかわらず15年を実質0.8%、前回予測から下方修正した。ロシア、イタリアに次ぎ20カ国の中で下から3番目だ。16年になっても1.0%とイタリアと並んで最下位に甘んじる。

経済環境好転の下でも、OECDが日本経済があまり成長しないとみているのは「人口動態が最大の理由」(ジョーンズ氏)となっている。

こうした低成長を回避するため、財政出動を行えば、基礎的財政収支均衡の実現をさらに困難にし、未曽有に高い公債残高水準に伴うリスクを高めるとして、日本経済は下押しリスクが優勢だと分析している。

<国内では楽観的成長見通し>

こうした海外からの厳しい目とは裏腹に、国内では増税延期で楽観的経済見通しが支配的だ。

11月末に公表された経済指標が、生産や雇用の改善を示し、法人企業統計が7─9月期実質国内総生産(GDP)の上方修正を示唆したことから、民間調査機関の間では、10─12月期の成長率は3─4%台を予測する声が浮上している。

来年以降の経済見通しも、10%への増税が延期されたこともあり、上方修正が相次いでいる。 消費の再度の落ち込みが回避され、大企業を中心に円安効果で企業の景況感や収益が高水準を維持、円安により輸出の数量効果もそろそろ表れ始め、賃金上昇との好循環を見込む声が増えている。

15年度は大和総研が1.8%、野村証券が1.6%、ニッセイ基礎研と農林中金総研が1.5%と1%台半ばから後半を予測しているほか、バークレイズ証券の2.0%といった見通しもある。16年度は野村証券が1.4%、農林中金総研が1.5%、ニッセイ基礎研究は1.8%を予測する。バークレイズ証券では2.2%とみている。2年続けて1%半ばから2%としっかりした成長が見込まれている。

国内では、労働力人口の減少に伴う供給力低下の影響は、海外ほど悲観的にとらえられていない様子がうかがえる。この点に関する見方の差が、今後のマクロ政策を考える上で、大きなギャップを生む要因となりそうだ。

アベノミクスでは、第3の矢として、女性や高齢者の労働参加の拡大などで労働力人口不足を乗り切ろうとしている。

しかし、その手法で本当に労働力人口の低下を補えるのか、見方はさまざまだ。OECDが突き付けている人口問題への取り組みは、供給制約の解消という課題と結びついて、衆院選挙後の政権にとって、喫緊の課題の一つとなりそうだ。

(中川泉 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JG07R20141202


05. 2014年12月02日 19:44:51 : jXbiWWJBCA

日銀の11月国債買入の平均残存年限は6.8年、一時的な目標割れか
2014年 12月 2日 18:41 JST
[東京 2日 ロイター] - 日銀が11月に買い入れを行った国債の平均残存年限(デュレーション)は6.8年程度となったもようだ。日銀が2日夕方に公表した11月28日時点の保有国債銘柄別残高をベースに市場筋が算出した。

日銀は10月31日の金融政策決定会合で、異次元緩和の拡大を決定。今後の年間増加ペースを30兆円積み増して約80兆円としたほか、買い入れの平均残存年限を7─10年程度と最大で3年程度延長した。11月の平均残存年限は、日銀が示した目標レンジの下限である7年を割り込んだことになる。

今回の保有残高に、11月27日に通告した「残存5年超10年以下」、「同10年超25年以下」、「同25年超」の買い入れ分(12月1日スタート)はカウントされていない。

また、日銀は11月28日、当面の長期国債買い入れ方針の見直しを発表。12月1日に通告した「同1年超3年以下」と「同3年超5年以下」の買入予定額をそれぞれ4500億円とし、従来の5500億円から1000億円減額した。

市場では「平均残存年限が7年を割り込むのは一時的で、12月は年限が延びてくるのではないか」(SMBC日興証券・金利ストラテジストの竹山聡一氏)との見方が出ている。

(星裕康)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JG0QW20141202


円・国債の利便性向上へ、日銀ネットの整備促進=黒田総裁
2014年 12月 2日 16:28 JST
[東京 2日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は2日、都内で講演し、日銀ネットについて、将来的に円資金や日本国債をいつでもどこでも受け渡しできるインフラ整備を図ると述べた。これが円の国際化を決済面からサポートすることにも資する、との考えを示した。

テーマは「決済システム発展の潮流と中央銀行の役割」。

総裁は決済システムを取り巻く環境について、アジアへの企業進出や日本の金融機関のビジネス展開が進むなど経済活動のグローバル化が進展しているほか、企業・家計の決済ニーズが多様化していると指摘。こうした幅広いニーズに的確に対応するため、「安全性を確保する一方で、効率性や利便性の向上を一層重視したサービスの高度化に向けて取り組むことが求められる」との認識を示した。

2015年10月から全面稼働する「新日銀ネット」では、稼働時間が午後9時まで延長される予定だが、それによって、1)取引先企業のアジア拠点と国内拠点間の当日中の資金の集中や配分、2)海外の清算機関への日本国債の担保の差し入れ、3)欧州市場における日本国債を担保としたクロスカレンシーレポ──などへの活用が期待できるという。

将来的には日銀ネットを海外の中央銀行などが運営する資金・証券決済システムと接続し、「円資金や日本国債をいつでもどこでも受け渡しできるインフラの整備を図っていく」と指摘。円滑で安全なクロスボーダー決済の実現によって「円資金や日本国債の使い勝手や担保効率の向上、ひいては民間金融機関の収益力の向上などにも繋がっていく」とし、「長年の課題である円の国際化を決済の面からサポートする」ことにも資する、との考えを示した。

また、全国銀行協会が進めている全銀システムの稼働時間拡大と、振り込みデータに商流情報を付加できる金融EDIの活用について「全銀システムの銀行間決済の場を提供する立場から、積極的に支援していきたい」と表明。

日本国債の決済期間は現在、約定日から2日後に決済する「T+2」となっているが、国際金融危機の教訓も踏まえ、翌日決済の「T+1」化に短縮する検討が進められている。総裁は、こうした取り組みも「サポートしていきたい」と語った。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JG0IT20141202


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