★阿修羅♪ > 経世済民92 > 262.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「日本の大バーゲンセール」状態の超円安はいつまで続くのか(nikkei BPnet)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/262.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 14 日 00:17:25: igsppGRN/E9PQ
 

「日本の大バーゲンセール」状態の超円安はいつまで続くのか
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141209/427608/?ST=business&P=1&rt=nocnt
2014年12月10日 伊藤元重「瀬戸際経済を乗り切る日本経営論」 nikkei BPnet


 円レートが1973年以来の安値であるという。円の実質実効為替レートで見た数値によるものだ。今回はこの点について考察してみたい。

■円が40年以上前と同じ最安値とはどういうことか

 1973年と言えば、日本が変動相場制に移行した年で、この年の円ドルレートは300円台であった。

 戦後直後から1971年まで、円ドルレートは1ドル=360円という固定レートを維持してきた。ところが、この年に米国のニクソン大統領が金とドルの交換停止を決め、金ドル本位制は崩壊した。それでも、日本や欧州の通貨を切り上げて、なんとか固定相場制が維持された。円ドルレートは308円に切り上げられたのだ。しかし、それから2年後にこの固定レートも維持困難になり、日本は変動相場制に移行した。その年が1973年である。

 円ドルレートは現在、120円前後で推移している。それが40年以上前の300円前後のレートと同じであるというのはどういうことか。そう疑問を持つ読者も多いだろう。実質実効為替レートの意味を説明する必要がある。

 実質実効為替レートとは、二つの作業に基づいている。一つは、円といろいろな通貨の間の為替レートの平均をとるという作業だ。日本との貿易額などをウエートにとって、円と多通貨との平均的な為替レートの動きをとる。もう一つは実質化の作業で、各国の物価の動きを計算の中に入れるという作業だ。

 実質為替レートの動きとは、名目為替レートと呼ばれる通常のレートを物価調整したものだ。この点については、この連載の中で以前説明した。日本の産業の競争力や貿易収支などの変数は、名目為替レートではなく、物価を考慮に入れた実質為替レートに影響を受ける。

■「日本の大バーゲンセール」が起きている

 具体的な例で説明しよう。かりに名目で100円から90円に円高になったとしても、それが日本の物価下落によってもたらされたものであるなら、実質で見た円ドルレートには影響がない。円高になった分が、賃金や物価が下がった分によって打ち消されるなら、産業の競争力などには変化がないからだ。

 さて、現在の1ドル=120円前後の状況が、1ドル=300円前後であった1973年の時期と、実質実効為替レートで見た円レートの水準でほぼ同じであるということはどういうことなのだろうか。二つのことが大きく影響している。一つはこの10年以上、日本がデフレを経験したことだ。日本の物価が諸外国に比べて大きく低下したことで、実質レートで見た円は名目レート以上に円安に動いているのだ。

 そして、もう一つはドル以外の通貨の動きだ。かつては多くの国がドルとリンクした固定相場制を採用していた。しかし、現在では多くの国は変動相場制となっている。この間、多くの通貨はドルに対して通貨価値を上げている。したがって、円から見れば、円ドルレートよりは多通貨に対する実質実効為替レートの方が円安になっているのだ。

 これだけ低い円レートであるので、「日本の大バーゲンセール」が起きているといってよい。海外から来る人は、日本の物価が非常に安いと感じているに違いない。また、日本から輸出される商品は、海外で非常に強い価格競争力を持つようになっている。自動車メーカーなどは史上最高の利益を上げている。

 問題はこうした超円安がいつまでも続くのか、それともどこかで円高に反転するのかということだ。この点について考えてみるためにも、実質実効為替レートの動きについてもう少し詳しく検討する必要がある。

■1995年までは実質実効為替レートが円高方向に動く

 円の実質実効為替レートの動きを見ると、大きな波を描きながら動いていることが分かる。為替レートは短期的にも大きく変動する。これに対して物価は粘着性があり、通常は短期的に大きく変動するものではない。そこで名目為替レートの大きな変動に応じて、実質実効為替レートも同じような動きをするのだ。

 ただ、そうした変動を取り除いてみると、トレンドの動きが見えてくる。戦後から1995年頃までは、円の実質実効為替レートはずっと円高方向に動いてきているように見える。この間には1971年までは360円で名目の円ドルレートが固定された時期も含まれている。固定レートの時には名目レートは動かないが、日本の物価や賃金が諸外国よりも高くなっていくことで、実質レートが円高に動いている。1971年以降は、物価や賃金というよりは名目の円レートが円高に動くことで、実質レートも円高傾向を続けてきたのだ。

 1995年まで戦後ずっと円高方向に実質実効為替レートが動いたのは、戦後の日本の経済発展と無関係ではない。日本の経済力や産業の競争力が高まってきたことが、実質実効為替レートが円高に動いていったことの原動力となっている。

■日本の産業の競争力が落ちていることが背景にある

 残念ながら、1995年以降は、実質実効為替レートは円安方向に、その変化の方向を変えたように見える。大きな波を繰り返しながらの動きであるので、明確なトレンドがあるというわけではないが、1995年を円高のピークとして、その後は波を描きながら次第に円安方向に動いているのだ。そして現在は、1973年の水準にまで円安になってしまっている。

 こうしたトレンドが見られるのは、日本の成長率が下がっていることと無関係ではない。日本の産業の競争力が落ちていることが、円安ということに反映されている。そしてアジアをはじめとして米国以外の多くの国の産業競争力が強くなっていることが、円ドルレートで見える以上に実質実効為替レートで見た円が安くなっていることの背景にある。

 バブル崩壊の時期あたりをピークに、日本の経済力が相対的に落ちていることは否定できない事実だ。そして、それが実質実効為替レートに反映されているとすれば、円安になっていることもおかしくない。

 しかし、現在の為替レート水準はあまりにも円安である。現在の日本の産業力が1973年当時と同じようなレベルであるとは考えにくい。どこかの時点で、円高方向への修正が起きると考えるのが自然だろう。ただ、どこまで円高への修正があるのかは分からない。

■足元は円安の流れ、だがどこかで転換点も

 市場での為替レートの動きは、実質実効為替レートの動きを無視しているかのようだ。市場関係者はどこまで円安が進むのかに関心が強い。円安方向の動きしか見ていないようである。米国での金利上昇の流れ、日銀の大胆な金融緩和姿勢、日本の貿易収支の赤字など、多くの経済指標が円安方向の流れを示しているからだ。

 私は日ごろ大学で、「素人は為替レートを名目で見るが、プロは実質で見なくてはいけない」と教えている。産業の競争力や貿易動向などは、実質レートに依存するからだ。名目為替レートだけでなく、物価や賃金の動きを見る必要があるということだ。

 ただ、政府内のある為替の専門家が言っていた。「そうはいっても市場を動かしているのは素人ですから」、と。これはなかなか鋭い指摘だ。日々の為替レートの動きは、実質レートとは関係ない世界であるのだ。「1ドル=120円ぐらいの水準は、これまでの経験から見ればたいした円安ではない。円はもっと安くなってもおかしくない」というような見方を持っている市場関係者は結構多いはずだ。

 こうした勢いで当面は円安の流れができている。ただ、貿易や産業の動きは、実質レートで動かされるということを忘れてはいけない。過去40年間でもっとも円安になることで、「日本の大バーゲンセール」が始まっている。海外から日本に来る人は、名目レートの円安と、日本の物価が安くなっていることのダブルで超円安を感じている。日本から海外に輸出される商品も、名目レートの円安と賃金が下がった両方の恩恵で強い価格競争力を持っている。

 こうした大バーゲンセールをいつまでも続けることができるかどうか、冷静になって考えてみる必要がある。当面、円安の流れが止まりそうにも見えないが、どこかの時点でこの流れが大きく変わるかもしれない。そうした転換点も視野に入れておく必要があるだろう。

伊藤元重(いとう・もとしげ)
東京大学大学院経済学研究科教授

伊藤元重  現在、「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」メンバー、財務省の「関税・外国為替等審議会」会長、公正取引委員会の「独占禁止懇話会」会長を務める。著書に『入門経済学』(日本評論社)、『ゼミナール国際経済入門』『ビジネス・エコノミクス』(以上、日本経済新聞社)、『ゼミナール現代経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。近著に『流通大変動―現場から見えてくる日本経済』(NHK出版新書)がある。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年12月14日 00:28:42 : xqQfG5kTuk
>海外から日本に来る人は、名目レートの円安と、日本の物価が安くなっていることのダブルで超円安を感じている。
>こうした大バーゲンセールをいつまでも続けることができるかどうか、(中略)そうした転換点も視野に入れておく必要があるだろう。

あんたも安倍や麻生と同じく、庶民への影響は他人事かい?!
伊藤元重  財務省の「関税・外国為替等審議会」会長さんよ!

庶民の国富が「大バーゲンセール」になった原因の追求はやらんのか?
 


02. 2014年12月14日 12:33:16 : DKhwYBOUus
ここ数年の不思議な現象は、日本が危機に陥ると円高になるということ。
3年前の東北大震災とそれの伴う福島原発の事故、最近の日本国債格付が下がった時、本来なら円安に振れるところが円高になった。

この経済理論に反する理由の解説は未だ見聞きできない。

持論を言わせてもらえば、悲観的気質を持つ日本人が思っているよりも日本の経済力は対外比較で強いと海外は考えているのではないか。
そして貿易に供する品目を見れば第一次産品を除けば殆どを日本国内で作ることができ、仮に30年前の1ドル240円にもなれば、自動車、電機を始めとするかって世界を席巻してきた商品の輸出は再び世界一になる。

それ故に海外は日本の円安を望んでおらず、隙あれば円高に誘導したいと狙っている。だから大災害や国債格付の下げ等の突然の事態で混乱する日本の隙をついて円高にしているのではないかと思う。

原油と円の対ドル価は不思議に反比例しているので、そろそろ原油が損益分岐点に近づいているので、金融緩和とか関係なく、そろそろ円安トレンドは終了すると考えている。
金融緩和により円が垂れ流しになり円の価値低下と言う意見があるが、資金需要がなく日銀当座に還流しているので言われるほどではない。


03. 2014年12月14日 15:19:16 : I1dXExxYp2
買い手が満足するまでだろう。

04. 2014年12月14日 18:29:22 : RQpv2rjbfs
莫大な借金が解消できない限り円安は続く、そして借金を解消する手段は尽きている。
消費税は思うに限界税率に達している、つまりこれ以上税率を上げても税収は伸びない。

今後は限界税率に達していない部分の増税をするか、予算の縮小か、破綻宣言をするか、あるいは破綻宣言を外国からされるかなどがある。一番可能性が高いのは破綻宣言を国際市場にされることだろう。円安はその前兆だ。


05. 2014年12月15日 10:28:41 : 5aI56T6iSI
日本にはエコノミストが居ない、と言えるのでは
次のデータを見て頂きたい(2013年のデータ)
  日本:対外純資 産              325兆円(世界1位)、「GDP(PPP)/人」(世界22位)
    中国:対外純資 産              207兆円(世界2位)、「GDP(PPP)/人」(世界93位)
 ドイツ:対外純資産       192兆円(世界3位)、「GDP(PPP)/人」(世界15位)
    米国:対外純資産     赤字 ▲482兆円(世界最低)、「GDP(PPP)/人」(世界 6位)
▼日本の対外純資産は世界ダントツに膨れ上がっている、しかるに「GDP(PPP)/人」は低迷、赤字ダントツの米国に比べてみて下さい

日本企業は従業員の能力に見合う賃金を払っていない、だから対外純資産が膨れ上がり円高になっている
次を参照下さい
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/895.html


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。) ★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民92掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民92掲示板  
次へ