★阿修羅♪ > 経世済民92 > 680.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
“究極のエコ”水素カーは危険な賭け? トヨタ、ホンダらが販売に乗り出す次世代“燃料電池車”の不都合な真実(週プレNEWS
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/680.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 06 日 09:09:06: igsppGRN/E9PQ
 

「インフラ、燃料電池のコスト、耐久性、エネルギー効率などを考えても、燃料電池はいまだ開発途上の技術と言わざるを得ない」と指摘する舘内氏


“究極のエコ”水素カーは危険な賭け? トヨタ、ホンダらが販売に乗り出す次世代“燃料電池車”の不都合な真実
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150106-00041615-playboyz-soci
週プレNEWS 1月6日(火)6時0分配信


水素を燃料に電気を生み出し、排出されるのは「水」だけ、という燃料電池車。12月15日にトヨタが「MIRAI(ミライ)」を発売し、2015年中にはホンダも参入するという。

各メディアは盛んに“究極のエコカー”と報じるが、その未来にあえて疑問を投げかけるのが、本書だ。『トヨタの危機』著者の舘内 端(たけうち・ただし)氏に聞いた。

―タイトルが強烈ですね。

舘内 このタイトルは少し戦略的につけた部分があるのですが、僕がこの本で書きたかったのは自動車文明の危機、もう少し狭い意味でいうと「次世代車」をめぐる競争における「日本メーカーの危機」なんですね。

―しかし、トヨタはグループ全体での世界販売台数が1千万台を超えるなど絶好調です。また、いわゆる「エコカー」に関しても国内販売の約半数をハイブリッド車(HV)が占めるなど、次世代車では世界をリードしています。とても「危機」には見えませんが…?

舘内 僕が「危機」だと考える理由はふたつあります。ひとつはヨーロッパを中心とした自動車メーカーの「目覚め」です。 ヨーロッパでは地球温暖化を招くCO2の排出規制に関する意識が高く、この問題に市民、企業、政府が一体となって取り組む「炭素民主主義」といわれる土壌が育ちつつある。そうしたなかでヨーロッパの自動車メーカーは規制のルールづくりにも主体的に参加しながら、それに対応する形で着々と次世代車の準備を進めています。

もうひとつは、すでにアメリカとヨーロッパで導入が決まっている新たな規制への対応です。2018年からアメリカ・カリフォルニア州で導入される新しいZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制では、州内での年間販売台数4500台以上のメーカーに対し、排ガスゼロの自動車、つまり電気自動車か燃料電池車を一定数販売することを義務づけています。また、これまで暫定的に認められていたHVは新規定では認められないのです。

一方、EUが行なっている自動車メーカーごとの二酸化炭素排出量規制も今後、段階的に強化されることになっており、2025年には1km当たりの排出量が70gに規制されますから、トヨタもHVだけでの対応が難しくなってくるはずです。

―だからこそ、トヨタやホンダは“究極のエコカー”と呼ばれる燃料電池車を世界に先駆けて市場に投入し、将来の規制に対応するだけでなく、この技術で再び世界をリードしようと考えているのでは?

舘内 問題はそこです。トヨタもホンダもHVの次は燃料電池車という方針で、これまで次世代車の開発を行なってきた。しかし、燃料電池車が多くのメディアが言うように“究極のエコカー”なのかというと、現実はそうでもない。むしろ、実に多くの問題を抱えた、非常に危険な「賭け」だというのが僕の考えです。

―燃料電池車といえば、環境に優しい次世代車の本命というイメージが一般的ですが?

舘内 まず問題なのが、燃料となる水素です。水素は石油のように掘れば出てくると思っている人も多いのですが、地球上の水素はたいてい水(H2O)のようにほかの元素と結合した化合物として存在しています。そのため、そこから「水素」を取り出すためにはエネルギーを必要とします。その過程でCO2を排出することもある。

また、こうした水素の生産には巨大な施設が必要で、インフラとして十分な数の「水素ステーション」を建設するには莫大なコストが必要となります。当然、政府レベルで取り組まざるを得ないし、その社会的コストを誰が負担するのか? 当然、水素の価格に転嫁されることになるでしょう。

水素ステーションの建設費は、その場で水素を生産する「オンサイト型」で1軒5億円、ほかの工場で水素を生産する「オフサイト型」で1軒1億5000万円程度です。いずれも土地代金は含みません。

2020年には日本全国のガソリンスタンドの数が、現在の約3万5000軒から約2万5000軒に減るといわれています。仮に、これと同じ数の水素ステーションをオンサイト型で建設したとすると、費用の総額は約12兆5000億円にも上ります。一方のオフサイト型ですべて建設したとしても約3兆7500億円もかかります。

オフサイト型の場合は別に巨大な水素工場の建設が必要になりますから、その費用もかかりますし、重い高圧水素ボンベの輸送にもエネルギー消費と費用が発生します。

―燃料電池車の「エコカー」としての実力は現時点でどうなのでしょう?

舘内 JHFC(経済産業省の水素・燃料電池実証プロジェクト)がまとめた報告書を元に計算すると、1km走行当たりに排出する二酸化炭素は、電気自動車(EV)の52・5gに対して、燃料電池車は現状で144gから225gとガソリン車よりも多く、将来の進歩を勘案してもEVのほうがはるかに高効率です。

このように水素社会の実現に必要なインフラの規模や、高額な燃料電池のコストや耐久性、エネルギー効率などを考えても燃料電池はいまだ開発途上の技術だと言わざるを得ない。

地球温暖化対策など環境問題への対応が重要度を増すなか、次世代車の開発方針がメーカーの将来を大きく左右しますが、ヨーロッパの自動車メーカーはクリーンディーゼル、小排気量+過給機のダウンサイジング・ターボ、HV、プラグイン・ハイブリッド(PHV)、EVなど多様な次世代車の組み合わせで、来るべき新規制への対応を着々と進めています。

それに対して、トヨタやホンダは「HVから燃料電池車へ」という従来の方針に固執し、それ以外の技術、PHVやEVへの対応が遅れている。

多くの課題を抱える燃料電池車に企業の未来をかけることの危険性を、私は「ガラパゴス化」の危機と感じ、心から心配しているのです。

(構成/川喜田 研 写真/有高唯之)

●舘内 端(たけうち・ただし)
1947年生まれ、群馬県出身。日本大学理工学部卒。東京大学宇宙航空研究所勤務後、レーシングカーの設計に携わる。エンジニアの傍ら自動車評論を始め、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員をただひとり第1回(80年)から現在まで務める。94年に日本EVクラブを設立し、現在も代表を務める。電気自動車1充電航続距離世界記録保持者。著書に『ついにやってきた!電気自動車時代』(学研新書)、『エコカー激突!次世代エコカー開発競争の真実』(技術評論社)など

■『トヨタの危機』
宝島社 1280円+税
地球温暖化など環境意識の高まりから、今後、アメリカ・カリフォルニア州やヨーロッパで強まるクルマへの環境規制。そうしたなか、トヨタは走行中にCO2を排出しない燃料電池車を発売し、ホンダも2015年には投入予定だ。しかし、燃料電池車には電気自動車と比べて越えなければならない高い壁がいくつもある。自動車社会の未来を憂う著者が、“究極のエコカー”と呼ばれる燃料電池車の真実を明かす


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年1月06日 17:34:44 : FUtnN1arpo
巨大な水素工場は既に全世界に掃いて捨てるほどある。即ち製鉄所だ。ここではコークス炉ガスが副産物として生産されるが、これを水素ガスとして取り出すことが可能だ。
水素ガスを取り出さなくても二酸化炭素は発生するので、燃料電池車が普及したとしても、そのための専用の炉を建設しない限り、二酸化炭素が「増加」することは無い。
また、水を電気分解して水素を取り出せば二酸化炭素ではなく酸素が発生するのは中学生でも知っている。これは現在太陽光発電と組み合わせてシステムとする計画が進んでいる。
つまり、燃料電池車の普及で二酸化炭素が増えるなんてのは、何らかの意図により、(日本の)燃料電池車の開発を抑えようとするものではないか、との疑義する抱く。

02. 2015年1月06日 18:48:18 : FUtnN1arpo
>疑義する抱く

疑義すら抱く の間違いです。申し訳ない。


03. 2015年1月06日 21:44:21 : kmRrTQnpHg
太陽光発電で、海水を電気分解して水素を作ればよい、副産物は海に戻す、このあたりシステム化すれば、人類のエネルギー問題は解決できるのではあるまいか。
燃料電池車がこれ程早く開発されるとは、驚きである、期待する。

04. 2015年1月06日 23:04:49 : cT7W9An2Xs
特許『内燃機関の燃焼法』

05. 2015年1月07日 02:22:38 : YPrvneYR6s
「ものすごい英断」と驚きの声、トヨタ燃料電池車の特許無償開放
2015年 01月 7日 00:34 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0KF1F520150106&channelName=topNews#a=1
1 of 1[Full Size]
[東京 6日 ロイター] - トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が単独で保有する燃料電池車(FCV)関連の特許すべての無償提供を6日発表したことについて、日系自動車メーカー各社からは「ものすごい英断」(日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)の志賀俊之副会長)などと驚きの声が多く上がった。

FCVは燃料となる水素のインフラが必要になるため、台数の拡大が急がれている。トヨタは1社の努力だけでは限界があり、他社を巻き込むことで市場創造を加速したい考えだが、次世代エコカー戦略に対する自動車メーカー各社の思惑はさまざま。トヨタの狙い通り、実際に競合他社がトヨタの技術を採用するかどうかが注目される。

日本自動車工業会(自工会)の池史彦会長(ホンダ会長)は同日、自工会主催の賀詞交歓会で記者団に対し、「将来を考えると、燃料電池車はポテンシャルが大きい」とし、特許の無償開放は参加企業を増やし、燃料電池車分野で日本メーカーによる国際標準化がより進むとして「歓迎すべき動き」と評した。

日本メーカーはこれまで自前主義が多く、個社で技術を囲い込んだ結果、「ガラパゴス化して世界標準になりにくかった」と日産の志賀副会長は指摘。特許の無償開放によって「量が増えてコストが下がり、燃料電池が普及する。そうすればインフラがついてくる」と述べ、トヨタの判断は「非常に賢い」として拍手を送った。

自動車メーカーは通常、技術流出などを警戒し、特許は有償かつ提携先に限ることが多いのが一般的。トヨタにとっても、不特定の企業などに対して無償で特許を提供するのは今回が初めてで、異例の決断だ。

しかし、トヨタの特許技術を実際に使うかどうかを問われると、各社幹部らは「まだ中身がわからないが、現実はなかなか(難しい)」などと口が重い。電気自動車(EV)を推進している日産の志賀副会長も、自社としては「必要であれば」と述べるにとどめ、むしろ採用するのは海外メーカーだったり、「自動車メーカーよりもサプライヤーが使うのではないか」との見方も示す。

トヨタの技術を採用することはトヨタに事実上、次世代エコカーの本命とされるFCVの主導権を握られることにもつながりかねず、各社の慎重な姿勢が垣間見える。

また、FCVの開発には莫大な資金が必要なため、経営資源の少ないメーカーは「まだ取り組める段階ではない」(富士重工業(7270.T: 株価, ニュース, レポート)幹部)という。ホンダ、日産は開発を進めて一般向け販売を予定しているが、富士重やマツダ(7261.T: 株価, ニュース, レポート)などはFCV参入は未定だ。

FCVを着実に皆で心一つに進めていくことこそ、水素社会の実現、持続的成長につながる――。トヨタの豊田章男社長はFCVの普及加速に期待を込めるが、狙い通りに進むかどうか。


(白木真紀)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KF1F520150106?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民92掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民92掲示板  
次へ