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「円安株高はアベノミクスと無関係」(EJ第3948号) Electronic Journal
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/715.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 07 日 07:38:05: igsppGRN/E9PQ
 

「円安株高はアベノミクスと無関係」(EJ第3948号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/411867997.html
2015年01月06日 Electronic Journal


 アベノミクスについて書いた本はたくさんあります。このテー
マを書くとき、どの本を選ぶか迷ったのです。そこで、ジュンク
堂池袋店に行き、椅子に座って時間をかけて本を選択した結果、
次の3冊を中心にして書くことにしたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 1.片岡剛士著/『日本経済はなぜ浮上しないのか/アベノミ
   クス第2ステージへの論点』/幻冬舎刊
 2.伊東光晴著/『アベノミクス批判/四本の矢を折る』
   /岩波書店刊
 3.服部茂幸著/『アベノミクスの終焉』/岩波新書1495
―――――――――――――――――――――――――――――
 アベノミクスに関する書籍は、アベノミクスを肯定的に受け止
めるものと批判的にとらえるものに分けられます。タイトルを見
てもわかるように、「2」と「3」は後者です。それも「2」は
アベノミクスというよりも安倍政権を明確に批判しているのに対
し、「3」はアベノミクスを「日銀と政府の物語」としてとらえ
それに騙されてはいけないと説いています。つまり、批判本です
が、感情的に批判しているわけではないのです。
 アベノミクスを肯定的にとらえる本はたくさんあります。その
なかにあって「1」は、あくまで豊富な実証データに基づいてア
ベノミクスを客観的に検証している点が好感が持てます。そして
その方向性の正しいことは認めています。ここまでのEJの記述
は、主として「1」に準拠しています。
 これら3冊の本には「消費税増税」について際立った違いがあ
ります。それは、「1」と「2」が消費税増税についてはほとん
ど言及していないのに対し、「3」は2つの章を設けてその悪影
響について述べています。つまり、「3」は、アベノミクスの方
向性については是とするものの、消費税増税は余計であり、延期
すべきであると説いています。
 偶然ですが、「1」と「2」の著者──伊東氏と服部氏はいず
れも京都大学の出身であり、「3」の片岡氏は慶応義塾大学商学
部の出身です。年齢的には伊東氏は88歳、京都大学名誉教授で
あり、雑誌『世界』の論客の一人です。服部氏は50歳台であり
現在福井県立大学経済学部教授です。これに対し、片岡氏は40
歳台で、三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策
部主任研究員です。
 これら3氏の所論を参考にしながら、アベノミクスを検証して
いくことにします。第1次安倍政権が発足したときからアベノミ
クスがスタートしたと考えると、アベノミクスは、丸2年が経過
したことになります。
 しかし、2013年と2014年は、状況はまるで異なるので
す。2013年は、アベノミクスの成否がそのままあらわれた年
ですが、2014年は、4月に消費税増税が行われており、増税
のダメージがモロにあらわれた年であるからです。
 消費税増税は、アベノミクスがはじまる前にその実施が決まっ
ており、常識的に経済政策としては、増税をアベノミクスに含め
て考えるべきではないのです。本来であれば、安倍首相は経済弾
力条項を使って3%の増税こそ延期すべきだったのです。
 しかし、法律通りに3%の増税を決断したことによって、1〜
3月の駆け込み需要と、4〜6月の実質GDP成長率の大幅な落
ち込み、7〜9月期と10〜12月期のマイナス成長と、アベノ
ミクスは表面上は失敗に終わっています。しかし、円安と株高は
10月の追加緩和もあって、2014年も大きく伸びています。
 したがって、アベノミクスを批判的にとらえる向きは、消費税
増税を含めてとらえますが、真にアベノミクスの成果を検証する
には、2013年の成果を中心に見るべきです。
 伊東光晴氏は、2013年の円安と株高はアベノミクスには関
係がないと次のように断言しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 株価上昇も円安も安倍政権の経済政策がもたらしたものであろ
うか。財政出動一つをとって見てもよい。安倍政権の三本の失の
うちの一つ、人からコンクリート、つまり南海トラフ地震の被害
予想220兆円と、首都直下型地震の被害予想112兆円のため
の対策費、10年間で200兆円の公共投資、国土強靭化政策は
いまだ動いていない。私は株価の上昇も円安も別の要因に基づく
ものであると断言できる。          ──伊東光晴著
      『アベノミクス批判/4本の矢を折る』/岩波書店
―――――――――――――――――――――――――――――
 伊東氏は、株価については、2012年11月13日から上昇
に転じ、2013年5月7日には1万4180円になり、リーマ
ンショック前の水準に達していますが、黒田東彦氏が日銀総裁に
就任したのは2013年3月20日のことであり、異次元金融緩
和を宣言した金融政策決定会合は4月4日のことなのです。つま
り、政策が決定するはるか以前から、株価の上昇は起こっている
と伊東氏は主張しています。
 服部茂幸氏も伊東光晴氏とほぼ同主旨のことを次のように自著
で述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 リフレ派の主張にしたがい、安倍晋三首相がデフレ脱却のため
に日銀による無制限の金融緩和を訴えたのは首相になる前の12
年11月のことだった。直ちに株価上昇と円安が進行した。13
年3月にはリフレ派の黒田東彦が日銀総裁、岩田規久男が日銀副
総裁に就任した。4月にはリフレ派の主張にそって、異次元緩和
が始まった。(中略)皮肉なことに、異次元緩和が始まると、日
本経済は失速した。きっかけは5月23日の株価大暴落である。
その後時期によって多少の違いはあるが、全体的には株価上昇も
円安もストップした。13年後半の経済成長率も低迷している。
 ──服部茂幸著/『アベノミクスの終焉』/岩波新書1495
―――――――――――――――――――――――――――――
            ─── [検証!アベノミクス/30]


≪画像および関連情報≫
 ●高度成長期の幻想にとらわれる安倍首相/浜 矩子氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
  「安倍政権の経済政策はアベノミクスではなく、『アホノミ
  クス』です」。浜氏は挑戦的な言葉でこう切り出したうえで
  「問題点は大きく分け3つあります。それは、@『成長』に
  とらわれすぎている点、A人間に対する関心が少ない点、B
  金融政策がお粗末な点です」と指摘した。「成長」にとらわ
  れすぎているとは、いったいどういうことだろうか。浜氏は
  次のように表現する。
  「アベノミクスは、高度成長期の幻想にとらわれすぎている
  のです。今の日本経済の問題は、成長がないことではなく、
  むしろ再分配がうまくいっていないこと。つまり、貧困・格
  差こそが、一番の政治的課題なのです。日本の『相対的貧困
  率』は16%(2009年)ですが、我々のような洗練され
  た経済環境にある国家にとって、この数字は高すぎます。た
  とえばデンマークは6%(2010年)程度です」。ここで
  浜氏が指摘している「相対的貧困率」とは、国内の所得格差
  に注目する指標で、国民の所得中央値の半分以下の所得しか
  ない人の割合だ。OECDによると2010年のOECD平
  均が11・1%、アメリカは17・4%、フランスは7・9
  %となっている。         http://bit.ly/13S9Vx6
  ―――――――――――――――――――――――――――



 

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コメント
 
01. 2015年1月07日 09:13:01 : nJF6kGWndY

>異次元金融緩和を宣言した金融政策決定会合は4月4日のことなのです。つま
り、政策が決定するはるか以前から、株価の上昇は起こっている

この手の投機の先読み性を無視した議論は、いつでもあるが

なぜ今ユーロが安くなっているのかすら理解してないのだろう


>円安株高はアベノミクスと無関係

数百兆円分も日銀が国の借金(国債)を引き受けたが、今の円安や脱デフレ、雇用増、24年分ぶりの税収増とは無関係だと言いたいのかな

だとしたら無税国家が実現できるな


またバブル崩壊後の日本と違い、リーマンショック後の巨額のBS不況は、

FRBの巨額のQEによって短期間で終了しQEと比例してドルや失業率は低下していき

日本や欧州よりも先に震源地では出口に向かってドルは再び強くなっているようだが、どう解釈するのかな


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