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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第108回 日銀インフレ目標2%の矛盾(週刊実話)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/819.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 11 日 21:26:15: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第108回 日銀インフレ目標2%の矛盾
http://wjn.jp/article/detail/7997980/
週刊実話 2015年1月22日 特大号


 意外かも知れないが、日本は他国と比べた相対的な数値で見ると、「輸入大国」でも何でもない。日本の輸入依存度(財の輸入÷名目GDP)は17%程度('13年)、主要国の中ではブラジル、アメリカに次いで低い。

 とはいえ、我が国が「エネルギー輸入大国」であることは間違いないのである。2011年の福島第一原発の事故を受け、我が国ではLNG(液化天然ガス)と原油の輸入が急増した。結果、我が国の鉱物性燃料の輸入は、全体の三分の一の水準に至っている。

 すなわち、我が国の物価や経済は、原油価格やガス価格の変動の影響を受けやすいのである。LNGの価格は、基本的には原油価格に連動するため、原油先物の価格が上がれば、日本の消費者物価は「輸入物価上昇」の影響で引き上げられる。逆に、原油先物が下がれば、「輸入物価下落」の影響を受け、消費者物価は引き下げられる。

 もちろん、「食料(酒類を除く)とエネルギーを除く消費者物価指数」すなわちコアコアCPIであれば、エネルギー価格変動の影響をある程度は排除できる。ところが、日本銀行のインフレ目標はコアコアCPIではなく、「生鮮食品を除く消費者物価指数」すなわちコアCPIで設定されているのだ。

 結果、様々な「矛盾」が噴出し始めているのである。

 改めて「消費者物価指数(CPI)」について解説するが、我が国の消費者物価指数には、主に三つの種類がある。

◆CPI(総合指数):エネルギーや生鮮食料品など、日本の需給関係と無関係に価格が変動しがちな商品を含む消費者物価の総合指数。
◆コアCPI(生鮮食品を除く総合指数):生鮮食料品を除いた消費者物価指数。エネルギー価格の影響を受ける。
◆コアコアCPI(食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数):天候や外国の影響を受けやすい食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く消費者物価指数。実は、グローバルで「コアCPI」といえば、この指標のことを示す。なぜか、日本銀行だけ「グローバルなコアCPI」を「コアコアCPI」と呼び、オリジナルな「コアCPI(生鮮食品を除く総合)」という指標を用いている。

 12月22日、黒田東彦日銀総裁がNHKのインタビューで、最近の原油価格の大幅な下落について、短期的に物価を下押しするものの、今後、景気や物価を押し上げると語った。日銀のインフレ目標はコアCPIで設定されているため、原油価格(エネルギー価格)が下がると、下落圧力を受けることになる。

 ところで、そもそも現在の日本政府及び日本銀行の物価に関する「政策目標」とは、何であろうか。インフレ率を引き上げることそのものではない。インフレ目標を設定することで、消費や投資を促し、「国民の所得」を安定的な増加に持っていくことだ。

 国民の所得が増えない中、物価のみが上昇すると、実質賃金が下落してしまう(そうなっている)。実質賃金の下落は国民の「貧困化」である。インフレ目標をコアCPIで設定していた場合、国民が貧困化する中、原油価格の上昇で「インフレ目標2%達成」という事態が普通に起きえる。何しろ、コアCPIは外国から輸入するエネルギー価格を含む物価指数なのだ。

 当たり前だが、外国から輸入する原油の価格が上昇し、それを日本の事業者が消費者物価に「そのまま上乗せ」した場合、日本のGDP(所得)は一円も増えない。増えるのは、日本に石油を輸出した外国のGDPになる。輸入とは、日本のGDPにとって控除項目なのだ。

 (1)日本の原油輸入1リットル100円+日本のガソリン販売1リットル(消費)150円
 (2)日本の原油輸入1リットル200円+日本のガソリン販売1リットル(消費)250円

 (1)と(2)において、日本のGDPはそれぞれ幾らになるだろうか。答えは、両方とも同じ50円だ。GDPとは「付加価値」の合計であり、売上の合計ではないのである。そして、日本の付加価値が拡大しなければ、日本国民の所得は増えない。

 「日本国民の所得拡大」を目的にするべき日本政府や日本銀行が、エネルギーを含むコアCPIでインフレ率を測っている時点で、奇妙極まりないのだ。

 外国から輸入する原油価格上昇でコアCPIが上昇しても、日本国民の所得が増えているとは限らない。むしろ、エネルギーコストの上昇は国民の可処分所得を減らし、内需を縮小させる方向に機能する。

 というわけで、黒田総裁の認識「原油安が景気や物価を押し上げる」は、認識として間違っているわけではないのだ。問題は、その場合は、国民の可処分所得を増やす原油安が「コアCPI」を押し下げるため、日銀のインフレ目標達成を困難にするという、意味不明な環境が生じてしまうことである。

 日本銀行は、早急にインフレ目標の「定義」を、コアCPIからコアコアCPI、あるいはGDPデフレータに変更するべきだ。さもなければ、原油安で国民の可処分所得が増え、実質賃金のマイナス幅が縮小する(縮小するだろう)環境下において、日銀のインフレ目標達成がどんどん困難になるという、訳がわからない状況に至るだろう。

三橋貴明(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。


 

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コメント
 
01. 2015年1月11日 22:01:31 : yWjH0Oetv2
仮に物価に於ける人権費が50%。
残り50%がそれ以外として、そのうち輸入品の物資やエネルギーが半分、つまり全体の25%とした場合、1ドル100円より20%の円安の120円なら物価はそれだけで20÷4で5%上昇する計算になる。
それで物価目標2%と言う事は、国内の人権費や国内の原材料費がマイナス数%になる事くらいは「シモジモ」の人間でもわかる。
つまり今の15〜20%の円安を容認しながら、物価目標2%、と言っている事自体が、「人権費つまり実質どころか名目収入をマイナス数%(実質ならもっと)にする事」を「目標に、或いは容認」している事を、殆どメディアや学者他、誰も言わないのは「世の中おかしな頭の人だらけ」と思わないのか。

02. 佐助 2015年1月11日 23:05:01 : YZ1JBFFO77mpI : 439YTZK3Rc
今の政治経済の指導者では,世界恐慌は避けて通れない

一国の景気循環は、長期の景気下降期には、三年半前後の景気の山と一年前後の谷の長さが反転し、山は一年前後しか回復することができない。
長期の景気上昇期は、山が三年半前後と長く、谷は一年前後と短い。そのため、「不景気の時こそ先行投資せよ」と思考し行動する経営者が成功をおさめることができた。だが、スーパーバブルによる長期の景気下降期には、この経験則は全く通用しない。そして自殺や飢餓や失業や倒産から逃れられない。

そして慣習期の商品にあぐらをかき、市場拡大のインパクトのある商品を開発できなかった企業は、縮小&倒産は避けられない。90年代の失われた10年を、激烈な輸入と店舗拡大競争によって成長した流通企業と不動産企業は、借金が売上を上回る。そのために、その縮小スピードを、景気の縮小速度より遅延させれば、倒産消滅は避けらない。

今の政府日銀には何も見えない,世界信用収縮恐慌を発生させる世界基軸通貨の交代は見えない。そして、迫りくるバブル崩壊のインジケーターの足音が振り切れるタイミングも予知できない。そして国民が貧困化しても金持ちが裕福なら,それでよしとする。だが今回の猛嵐は,金持ちも貧乏人も古今未曾有のバニックを体験する。そして政府日銀は明治の政府と同じ過ちを繰り返します。国民はとんでもない指導者に巡り合ったものだ。あきらめることだ。


03. 2015年1月12日 03:32:52 : 7x9WqA1m7p
>>01

言いたいことは判るが、1ドル120円になったのは2014年11月のサプライズ的な追加緩和の結果であって、黒田が総裁就任時に目標に掲げた物価上昇率2%との直接の関係は無いと思う。黒田は財務省国際局出身で為替については素人ではないから、現実的なレベルは1ドル105±10円で、120円は歪み過ぎであることも承知しているはずだ。金融市場では人為的な歪みはそのうち必ず(時によっては暴力的に)矯正されることも。

黒田が総裁に就任した時の消費税率は5%で、10%まで上げる法律は施行されていたから、それだけでも名目CPIを稼げると踏んだのだろう。そもそも消費税額をCPIに含めること自体が(消費税率を爆上げしたらCPIも自動的に跳ね上がるわけで)異常だとは思うが、誰もそのことに異論を唱えない。消費税導入前は物品税が含まれていたからなのか(だとすれば消費税率3%で計算すれば良いと思うが)誰か教えて欲しい。

黒田は典型的な東大出身の官僚であり無謬性を最優先する。『見通しが甘かった』と頭を下げることはプライドが絶対に許さない。黒田が公言したのは『インフレ率2%達成』であって、名目賃金については何も語っていない。つまり、黒田にとっては国民経済なぞ眼中に無く、名目CPIが全てなのだ。

日本国民にとって現下の最大の問題はマスコミの健全性が完全に消失したことだ。まともな経済学者やアナリストが1人もいないのではなく、声を上げる機会を奪われているに過ぎない。民主主義の根幹が揺るいでいるわけで、非常に危険である。昭和初期もこうだったのかと思う。


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