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日立、「英国1兆円高速鉄道」の次に狙うもの 現地生産も始まり欧州大陸進出へ歩を進める(東洋経済)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/826.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 12 日 08:52:05: igsppGRN/E9PQ
 

         笠戸島から英国へ向けて出荷される車両


日立、「英国1兆円高速鉄道」の次に狙うもの 現地生産も始まり欧州大陸進出へ歩を進める
http://toyokeizai.net/articles/-/57730
2015年01月12日  富田 頌子:東洋経済 編集局記者


鉄道車両がクレーンで吊り下げられ、工場構内からゆっくりと港へ向け運ばれる。日立製作所の笠戸事業所(山口県下松市)の従業員が大勢でその様子を見守る中、船に積み込まれた。日立の交通システム社社長の正井健太郎氏は「世界市場に向けた大きな出発点」と感慨深げに語った。

日立は1月7日、英国の大規模プロジェクト、都市間高速鉄道車両置き換え計画(IEP)用の鉄道車両の出荷式を行った。笠戸事業所から船で神戸港へ運ばれ、大型船に積み直しを行った後、今月20日頃英国へ向け出発。英国には3月に到着する予定だ。その後、車両の復元作業を行って、走行試験用の各種測定器などを搭載し、4月から乗務員の訓練を兼ねた走行試験を開始する。

■英国で大型案件が続く

IEPは2012年7月に日立が英国から獲得した大型案件だ。13年7月の追加受注分を含めて合計866両の車両製造と27年半にわたるメンテナンス事業を総額57億ポンド(約1兆円)で受注した。2009年に優先交渉権を獲得してから出荷するまでに6年間が経過した。笠戸事業所で76両が製造され、残りの790両は現在建設中の英国北東部のダーラム州の工場で製造される。英国の工場は今年夏頃に竣工し、2016年には生産を開始する。

日立はIEPより前、05年にはロンドンと英仏海峡トンネルを結ぶ高速鉄道CTRLを受注し、納入した実績がある。この時は国内で製造した車両を英国まで運んでいた。日立の鉄道事業にとって現地工場で本格的に生産するのは初めての試みだ。正井氏は「(今後は)現地の車両は現地で製造する。このIEPからそのポリシーでスタートする」と述べ、基本的には現地で生産し、足場を築いていく方針を示した。

2014年10月にはエジンバラ〜グラスゴー線(予定)の近郊車両、234両70編成と長期保守契約の優先交渉権を獲得するなど、英国での大型案件が続く。だが、日立にとって英国は欧州進出の足掛かりに過ぎない。正井氏が「英国でビジネスの基礎や地位を築きつつある。英国の工場をベースとして欧州大陸にビジネスを進出させたい」と話すように、日立が次に狙うのは鉄道車両の置き換えが多く見込める欧州大陸だ。

■欧州大陸進出へ向け、買収交渉中

ただ欧州にはすでに鉄道ビッグ3(仏アルストム、加ボンバルディア、独シーメンス)が足場を築いており実績も数多くある。欧州大陸に基盤を作るにはM&Aで規模を拡大させる必要もある。日立は現在、イタリアの防衛大手フィンメカニカとの間で、その傘下にある鉄道信号のアンサルドSTSと車両事業のアンサルドブレダの買収に向け交渉しているとみられる。

車両から電装品、保守の技術を持つ日立が、次に欲しいのは利益率のよい信号だ。信号といっても単純なものではなく、列車間隔を調整し、運行管理なども行う。アンサルドSTSの買収によって、同社が持つネットワークや技術を生かし、規模拡大を狙う。買収が成功すれば、現在の鉄道事業の売上高約1700億円が4000億円以上になり、2倍以上の規模に膨らむ。

2014年末にも買収結果が出るとの観測もあったが、結果はまだ出ていない。英国で鉄道案件を次々と獲得し、欧州で存在感を発揮しているだけに買収が実現すれば欧州大陸でのビジネスが進むことは間違いない。


 

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コメント
 
01. 2015年1月12日 12:37:36 : 9RQWRqU7tg
世界の鉄道車輌ビッグスリーと言えば、ボンバルディア、シーメンス、アルストムだが、これらは欧州に多数存在していた鉄道車輌メーカーが生き残るために集中合併劇が行なわれた結果であり、これには各国政府の強力な介入が不可欠であった。

ボンバルディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2

●本社はカナダだが、鉄道車輌部門はドイツにある。

ボンバルディア・トランスポーテーション
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

●ここの鉄道車輌部門は、自動車大手のダイムラーからアドトランツを買収している。アドトランツは、スイスのアセア・ブラウン・ボベリの機関車部門と、ドイツのAEGの機関車部門を、当時多角化を進めていたダイムラー・ベンツが買収した企業。ダイムラーが方針転換で鉄道車輌部門を売却したのである。アセア・ブラウン・ボベリの機関車として有名なのが、戦前に日本鉄道省(JGR)が購入したED54形。最高速度120km/hで、当時の日本で100km/h以上が出せる乗り物は、三井財閥の三井家が所有するスポーツカーと、このED54形だけと言われた。

シーメンス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%B9

●ドイツの高速鉄道ICEを手がける。日本との関わりは、神戸川崎財閥と深い。富士電機は、シーメンスとの合弁会社。川崎重工も、船舶部門はドイツのマン社からディーゼルエンジンを導入したり、航空機では同じドイツのハインケルと提携した。蛇足だが、戦前に神戸の富豪がドイツのテレフンケンの蓄音機を購入していたそうだ。

アルストム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A0

●TGVで有名だが、かつては国営企業Compagnie Générale d'Électricité (CGE) であった。1986年にアメリカITTの欧州撤退に伴い、そこの欧州部門を丸ごと買収したものの、巨大化しすぎて競争を阻害するとして欧州連合から分割を勧告され、1991年に通信部門のアルカテルと分割。アルカテルはその後、アメリカのルーセントと合併している。

アルストムはその後、イタリアのフィアットの鉄道車輌部門を買収、合併している。

★これら欧州ビッグスリーは、欧州諸国が政府主導で業界再編を行なった結果、成立したものである。鉄道車輌を購入するのは、各国政府や下部組織だ。彼らは自分たちの産業を死守するために、よそものの鉄道車輌を購入しない傾向にある。欧州にとっての「よそ者」とは、イギリスだ。

かつてEEC時代。フランスのドゴール大統領が、イギリスのEEC加盟申請を頑なに拒否し続けた。欧州大陸から見て、イギリスやアメリカのアングロサクソン勢力は「よそ者」であるとの認識が強く、彼らはむしろ陸続きのロシアに親近感を抱いている。アメリカ主導のロシア経済制裁をフランスがやめたがっているのも、これらの意識が背景にある。

●日本においてヨーロッパと言うと、大抵イギリスが一番に連想される。幕末の薩摩・長州連合軍を支援したのはイギリスだし、明治新政府も日本の近代化はイギリスに範を求めた。手前味噌で恐縮だが、日本の鉄道は幕末にイギリスに留学した井上勝先生が創設されたのである。日本にとって外国とはイギリスのことなのである。

日立がイギリスのみならず、イタリアに足場を築こうとしているのは、イギリスだけでは欧州大陸への本格参入が難しいことが分かったからだろう。イタリアも伝統的に鉄道車輌が強かったが、最近ではフィアットの撤退により勢いが弱まっている。ここに日立が参入してイタリアの鉄道車輌メーカーを盛り立てていけば、イタリア経済に多大な貢献をすることになる。

イタリアの鉄道車輌は、自動車でも有名なジウジアーロ氏設立のイタル・デザインが関与したものが多く、これが日本国内製造の車輌にも採用されることを望む。特にシートの出来が秀逸である。


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