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スイス「安全通貨の乱」 介入終了に市場動揺
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF16H0Z_W5A110C1EA2000/
2015/1/16 23:04 日経新聞
世界の金融資本市場は16日、スイス国立銀行(中央銀行)が前日に突如打ち出した無制限の為替介入政策の終了決定で大きく揺れた。スイスフランが対ユーロで急上昇した影響で、円相場も急激な円高・ユーロ安となり、輸出採算の悪化懸念で株安につながった。「スイス・ショック」は一時的との見方が強いが、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和観測などで市場は金融政策の一挙手一投足に敏感になっている。
スイス国立銀は欧州債務不安が広まった2011年から、自国通貨スイスフランの急上昇を抑えるため、通貨ユーロに対して1ユーロ=1.20スイスフランを上限として無制限に為替介入してきた。主要国中銀としては極めて異例の通貨高対策で、ユーロ安が進んだため介入時に買い入れたユーロに含み損が発生していた。
スイス国立銀の15日の介入終了は「市場の誰も予想していなかった」(クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏)ため動揺が広がった。大きく売られたのはユーロだ。
無制限介入によってスイスフランが実勢相場よりも割安だったため、ユーロ売り・スイスフラン買いが殺到し、ユーロはスイスフランに対して30%も下落した。ユーロは対ドルや対円でも引きずられるようにして全面安となり、16日の東京市場では円相場が対ユーロで4円近く上昇して一時1ユーロ=135円を上回った。上昇幅は約1年ぶりの大きさだ。
対ユーロで急激に円高が進んだため、欧州向け輸出の採算が悪化するとの懸念が浮上した。株式市場では輸出企業株を中心に売られ、日経平均株価は下げ幅が一時500円を超えて1万6600円を割り込む場面があった。欧州で積極的に事業展開するヤマハとソニーの株価は5%下げた。
震源地であるスイスでも、時計メーカーなど輸出企業の株価が大きく下落した。スイスは金融市場が安定して世界的な優良企業も多かったが、スウォッチグループの株価は15日に16%も下落し、ロシュなど医薬品企業の株価下落も目立った。株価だけでなく、同国の10年物国債利回りは0.06%まで急低下し、日本(0.24%)を下回る史上最低の金利をつけた。
市場の動揺を増幅したのは、震源地が「安全通貨」とされるスイスフランを管理するスイス国立銀だったためだ。08年のリーマン・ショック以降、主要国中銀は国債だけでなく住宅ローン担保証券や社債などリスク性資産まで買い入れて、市場を立て直してきた。スイスの突然の政策変更は「中銀の政策をどこまで信用できるか市場が不安になった」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏)。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が15日のテレビ番組で「私に連絡がなかったのは驚きだ」と苦言を呈するなど、政策当局にも動揺が広がった。
もっとも市場では、スイス・ショックによる為替相場や株式市場の混乱は一時的との見方が強い。HSBCグローバル・アセット・マネジメントのビル・マルドナド氏は「米景気は減速せず、世界経済は正常化する。欧州や日銀の追加金融緩和も見込まれ、資金が縮小する懸念も小さい」と指摘する。16日の為替市場ではスイスフランの上昇が一服し、対ユーロでも横ばい圏内だ。
市場は今月下旬に開くECB理事会や日銀の金融政策決定会合を注視する。ECBが量的緩和を決定するなど中銀が市場を支える姿勢を示せば、再び株価は緩やかな上昇基調に戻るとみる。
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