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ありのままを受け止め駆け抜ける者
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投稿者 金十字架 日時 2014 年 10 月 19 日 16:29:44: mfAWtS4GF8MpY
 


数年前、帰宅途中立ち寄った、とある道の駅で、
雨の中に佇むヒッチハイカーに声を掛けた事がある。
彼の手に持たれたスケッチブックには、「(隣県)」とだけ書かれてあった。

慌てて彼に声を掛け、本降りになる寸前に車へと、彼を中に誘導した。
一言二言交わしてすぐに車を走らせると、スコールのように土砂降りとなった。

助手席の足下に大きなバックを押し込め礼を言う彼。
ワイパーの先は帰宅ラッシュの渋滞である。

よく見れば、彼はまだ十代に見える、非常に美しい白人の青年だった。
私が天使に姿形を与えるなら、まさにこの姿態だろうというような。

独学らしいが、彼は割と丁寧な日本語を獲得して居り、
都内で数ヶ月間路上生活者となって居た事について話をし、私を驚かせた。
私はすぐにあれこれ話を始めた。
彼は日本縦断の旅のまっただ中だった。

取りあえず私の少ない持ち金を彼に渡し、電車での越境を提案した。
彼は一言目には申し訳無いと断ったが、私の頭では、それが正解だった。
そして、それが私のしたい事だと諭し、駅へと向かった。

一時間ほどで駅に着いた。
私を追って彼が人ごみの中駅舎の中に入ろうと明るみに行くと、
そこではじめて気付いてぎょっとした。
彼は裸足で歩いていた。
訊くと普段の生活からずっとそうであるらしい。

そしてどうやらこの地を抜けるには、時刻的にも料金的にも、
鉄道路線を諦めざるを得なかった。

今、彼の足にならなければならないドライバーが必要だと知ると、
とりあえず、つなぎ役を引き受けざるを得なかった。

彼をただ雨の降りしきる中に足止めさせることは出来なかった。
ヒッチハイクしやすい場所と、最低限、一泊できる雨宿り場所が必要だった。

予定には無かったが、そうなると考えても仕方が無いので、
更に家とは逆の方向へと車を走らせる事にした。
そこで、この、そこら辺にありふれていない彼の話を訊こうと考えた。

先ずは食事が必要だろうと思って軽食をとる事を進めると、
申し訳無いそぶりであったが拒まなかったので、
途中、コンビニで菓子パンか何かを買って手渡した。

私の頭は彼の裸足への疑問だった。
訊けば、彼は意図的にそうしているらしく、国はアメリカだと言っていた。
彼はアーミッシュかなんかなのだろうと思い、詮索の必要はなかった。

彼と私は考えが似通っているらしく、理想に互いに共鳴するものを持っていた。
時折、しきりに私の言う事に反応して、
「自分もそう思っている」、「すごい、すごい」と関心していた。

私と言えば、海外で、一人で、この歳で、
ヒッチハイクだけで日本を横断しようとしている彼に感心しきりだった。
更に裸足で。

トラッカーの停車場である道の駅に着くと、
予想通りそこは深夜でも室内に暖を取れるようでひとまず安心した。

それ以上何も応援してやれなかったが、彼のその後に興味が尽きることはない。
今、彼は自分の理想に向き合っていく先で、どんなものを身につけただろうか。

彼はこの国に来て何を見て、何を経験して行ったのだろうか。
しかし、彼ならば、どこに行っても、自身の理想の揺らぐ事は無いだろうと確信する。

何故なら彼は、彼の理想とするところと、その本質が常に一致しているからである。

彼は自分を見下げ果てない。
故に他者をも見下げ果てず、そしてその国や社会、
そこに属す人々をも見下げ果てる事は無いのである。

彼はすべてを受け止める。痛みも、そして喜びも。
そこに感じる感情のすべてに素晴らしさを見出す。

故に彼は間違わない。  

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コメント
 
01. 2014年10月23日 06:44:24 : UGRE39kcRc
なんか凄く、素敵なお話ですね☆

旦那も数年前、ヒッチハイカー(日本人ですが)拾ったことがあり、
そこから不思議な縁が拡がったことがあります。

彼が実際のアーミッシュだったかどうかは、なんとも言えませんが、
一応半分アメリカ人の私に言わせてもらえば(笑)
意外とアーミッシュにシンパしてるアメリカ人は、多いです。
もっと言えば、古き善きキリスト教徒以前の、ネイティブアメリカンに
共鳴、回帰(帰依)しようというムーブメントも、非ネイティブ(白人黒人等)
の中にも、確かに根強く存在しています。

恐らく、貴方の拾ったバックパッカー氏は、そんなピュアな回帰スピリット
溢れる好青年だったことは、貴方の直感に添うこととして想像がつきます。

むしろ日本人には、そういうタイプはかなりレアなのでしょうね。

最近とみに思うこと。

それは、感性というものこそが、
心身にとって尤も強力な免疫力なのではないかと云うこと。

雑感にて。

あらあらかしこ


02. 2014年10月26日 03:32:53 : UGRE39kcRc
貴方のお母様は、きっと表面的には(貴方が若いうちには)、
ださい、みっともない、田舎臭い、糠味噌臭い、みすぼらしいetc.,
とおぼしき方と映ったんでしょうね。

だか、本質は、まるで違った。

彼女は、スーパーハンデのある時代、地域の中で、
不条理と戦いながら、
貴方という天才を信じて…

自分は嫌われても、疎ましがられてもいい、貴方が世の中に
認められる為なら、

どう世間に、そして貴方に思われようとも、構わない

という利他精神で、尽くしてこられたのでしょう。

貴方も既にご存知だ。

私の脳裏に映った貴方のお母様は、
正に岸壁の母、

侠のなかの、美女たる侠です。

その想いだけは、決して捨てなさるな。


03. 2014年10月26日 03:54:18 : UGRE39kcRc
それはまた、ひょっとするとhence
更に幼かった頃の貴方に対する(結果随分経って成長した
貴方へ、をも繋がる)、
お父様の愛情にも云えることではあるまいか、と

ふと、思ったまで

blessings


04. 2014年10月26日 04:11:17 : UGRE39kcRc
愛された記憶、は
誰にでもあります。

…いや、思い出せること自体、結構レア

ひょっとすると神のもたらした、
奇跡かも知れない


05. 2014年11月02日 08:15:21 : q931E3NW4E
>Ugress

ありがとうございます。
背筋が伸びる想いが致します。

あなた様もどうか自愛に満ちた濃密な時間をお過ごしいただける様、祈って居ります。

先日は、見事な晴天でした。世間ではハロウィーン前夜ということになります。

その日起きてすぐに屋外を見ると、色づいた銀杏とポプラ並木が頭に浮かび、
他の事一切何も考える必要性を覚えず、がらりと予定を変えて戸外へと出ました。

我が家が二代目の飼い主となる、まだ日の浅い家族を連れての、
僅かばかりの遠出でした。

いつもは会話もままならない彼と、進む道の方向性を奪い合うだけなのですが、
今日行く街へは、まだ彼は未踏の体験だろうと考えると私の心も弾むもので、
その日は、出来るだけ彼の希望する方へ譲ろうと決め、行く先は彼に一任して、
こちらはこちらで希望通りに、自分の為のゆったりした時間を
ただ味わおうとだけ決めました。

そう決めたら後は、出来るだけ多く、深く、出会うものを味わい感じ尽くすだけです。

大袈裟な言葉にすれば、意向の違う相手と時間を共有しつつも、
出来る限り自愛に満ちた行動を取る事をそこに決意した訳です。

予定に無かった突然の遠出は、万事好調でした。

結局初めての場所では、彼は大人しく、私の手綱の先導に彼はついてきました。

なつかしの街の裏路地を通り抜けて、今は形も無い、
ここで遊んでいた頃のかつての街並を想いながら、
初めてそこを歩く彼と、新鮮な気持ちで散策する事が出来ました。

どこかに楠でもあるのでしょうか。私の無学さとは関わらず、
行く先々に立ち籠めるシナモンの芳醇な甘い香りに、至福の感情に至りました。

勿論お目当ての並木道をも歩きましたが、
期待した黄色のカーペットはまだ整っておらず、
まだ青みの残る銀杏のタワーと、
慣れれば香しい酸味の香りを知覚に焼き付けてきました。

帰りがけ、日溜まりに羽を休めた水鳥の群れに遭遇しました。

何も考えず歩を進ませ、思いあまって、
彼らの憩いの場所に立ち入ってしまった様なのですが、
随分と人に馴れていたようで、
彼らは私たちをさほど警戒する様子も無く受け入れてくれました。

私たちもそこで一時じっとし、ゆらゆらとランダムに変化し続ける水面を
まるで時間が止まったかのように眺めておりました。

大気の揺らぎがつくり出すさざ波と、水鳥たちの泳ぐ軌跡に描かれる引き波が、
幾何学的に織り重なって、無数の波の干渉パターンを作っています。

毎回私は、そこに永遠に留まって水面を眺めていたい、という気持ちに駆られます。
そうした気持ちに"なりたいが為にそこに行っている"と云うのが正しいのでしょうか。

波間に反射する強いきらめきに眼を細めて、
いつの日か、永遠のような時をこうして過ごしてみたいと考える私が居ます。

一度、餌をつけずに、釣り糸だけを垂らしてそこに座ってみたら?
と自身に問いかけますが、今はまだその余裕がないから楽しめないとだけ答えます。

本当にそうなのでしょうかね。
実はやってみたら案外面白く無いぞ、と想像出来ているのかも知れません。

この意識の中でのやり取りに、私の出したい結論はいつも先送りとなりますが、
その段階で、その楽しみはもう既に済んでいる事になっています。

つまり、永遠もまた刹那の中に納まるものなのかも知れません。

こうしてこの日、私は自分の行動に満足して帰ってきました。

予定を変えてでも、自由な時間を持つ事を"自分にゆるした"訳です。

元々のその日の予定は、あなたへの返信を書き上げるつもりで居りました。

あなたも最近、関心にあるところの「感性」について、
私なりの知見となるものを伝えておきたいと考えていたからです。

ですが、それはまた改めて、別途投稿の中でお届けする事にします。

その時はまた忌憚の無いご意見をお聞かせいただけたら倖いに存じます。


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