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日本が性教育の「後進国」になりつつあるのをご存じですか 染矢 明日香
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投稿者 BRIAN ENO 日時 2019 年 2 月 27 日 07:31:11: tZW9Ar4r/Y2EU QlJJQU4gRU5P
 


日本が性教育の「後進国」になりつつあるのをご存じですか
中学校で「性交」の語は使用禁止?

染矢 明日香

NPO法人ピルコン理事長


プロフィール


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説明すること事態が不適切?

2018年3月、東京都内のある区立中学校で行われた性教育の授業が不適切だとして、自民党の古賀俊昭都議が都議会で質問し、それを受けて都教育委員会は、関係者への調査・指導を進めるという答弁を行いました。

では「問題」とされた、その授業は、どのようなものだったのでしょうか。

それは、中学3年生を対象に、「思いがけない妊娠をしないためには、産み育てられる状況になるまで性交を避けること」とした上で、避妊について伝えたものでした。授業の事前アンケートでは、「高校生になったらセックスしてもよい」と答えた生徒が44%いたことをふまえ、高校生になると中絶件数が急増する現実や、コンドームは性感染症を防ぐためには有効だが、避妊率では9割を切ることなどを取り上げたと言います。

その中学校がある地域では、10代での思いがけない妊娠・出産や、そこからつらなる貧困の連鎖も目の前の現実として悩みの種になっており、高校に進学しても、すぐに中退してしまうケースなどもあったことから、生徒と保護者のニーズに応じて、この授業を実施したものだったといいます。

しかし、都教育委員会では、この授業について、「性交」「避妊」「人工妊娠中絶」といった言葉を使って、こうした内容を説明した点が 「中学生の発達段階に合わない」 とし、課題があったと指摘しています。

つまり、これらの言葉が「中学校の保健体育の指導内容を定めた、国の学習指導要領にない」という理由で、「中学生の発達段階に合わない」というのです。

また、「学習要領を超える内容は事前に保護者全員に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別やグループ指導を実施すべき」であるとして、すべての区市町村の教育委員会に「再発防止」を周知する、ともしています。

いかがでしょうか。みなさんは、この授業を「不適切」だと感じますか?

困っているのは子どもたち、という現状

筆者は、性の健康教育についての講演や勉強会、情報発信を行う非営利団体・NPOピルコンの代表です。

外部講師として依頼を受け、中学校でも性教育講演をさせていただくこともあるのですが、実際、学校側から「性交」「避妊」という言葉を使わないように、とリクエストを受けることもあります。その場合は、「性交」ではなく、中学校の保健体育の教科書にも載っている「性的接触」という言葉を使うのですが、「性的接触は避けよう」とだけ伝え、具体的な避妊方法は扱わないことで、子どもたちが将来、思いがけない妊娠や性感染症を防げるか、不安に思うこともあります。


[写真]中高生に向けて講演する筆者(提供:染矢明日香氏/ピルコン)中高生に向けて講演する筆者(提供:染矢明日香氏/ピルコン)

というのも、中絶を経験した女性の避妊の状況を調べた調査(2007〜2008年度厚労科研、876名の中絶患者への調査)では、その約半数が「避妊をしていた」と答えている実態があるからです。なぜ避妊をしたつもりなのに、思いがけない妊娠に至ったかといえば、膣外射精を避妊法として使ったり、コンドームを使用したけれど、その使い方が間違っていた、という事例が少なくありません。

私自身も、講演依頼を受けた高校の生徒を対象に、性の知識を問うアンケートを行ったところ、「膣外射精は有効な避妊法である」(答え:×)、「月経中や安全日の性交なら妊娠しない」(答え:×)などの避妊についての質問の正答率は3割程度にとどまりました。

ピルコンが行っているメール相談では、「生理がきません。まだ高校生で妊娠していないか不安です。将来の夢もあるので学校を辞めるわけにもいきませんが、だれにも相談できません」といった妊娠不安の相談は、日々届きます。「正しい性の知識がないために子ども・若者たちが困っている」という現状をまざまざと感じているのです。


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55432

「バッシング」で劇的に後退した日本の性教育

では、日本の性教育の課題はどのようなところにあるのでしょうか。それは現在に至るまでの、性教育を取り巻く歴史から、垣間見えてきます。

日本の性教育の歴史を振り返ると、1980年代のエイズ・パニックをきっかけとして、若者に性の知識を教えなければならないという意見が強まり、1990年代になって「性教育ブーム」が起こりました。

1992年は「性教育元年」とも呼ばれ、学習指導要領が改訂・施行されて、小学校段階から「性」を本格的に教えるようになりました。また、教育現場では性教育の研究授業が盛んにおこなわれました。子どもや保護者の要請も受けて、現場でさまざまな工夫がなされ、発展し始めた日本の性教育ですが、2000年代初めに状況は一変します。

「性教育バッシング」が湧き起こり、日本の性教育の発展はストップし、萎縮してしまったのです。そのきっかけとなったのは2003年、都立七生養護学校(現・七生特別支援学校)で行われていた性教育を、冒頭で触れた古賀俊昭都議ら一部保守系の都議が中心となって問題だと指弾し、メディアも「過激な性教育」とセンセーショナルに取り上げた結果、七生養護学校に関わる教育関係者が都の教育委員会によって処分され、その後も性教育バッシングが続く状況になってしまったのです。

翌2004年、都教育委員会は「性教育の手引き」を改訂し、小・中・高いずれの学習指導要領でも、そもそも「性交」は、子どもに理解させることは困難であるからとして、授業で示すことさえせず、中学校の保健体育でもコンドームの装着の方法を取り上げないなどと強調しました。さらに、このバッシングを受けた動きは国レベルにまで広がり、文科省の定める学習指導要領でも都教委の「手引き」同様、中学校で「性交」「セックス」は扱わないことになり、中学校保健体育の教科書では、「性交」ではなく「性的接触」という言葉を使うこととなったのです。


(Photo by iStock)(Photo by iStock)

その一方で、ことの発端となった七生養護学校へのバッシングを主導した古賀都議ほか計3名の都議、および都教育委員会は「教育の自主性を阻害」するなど「不当な支配」を行ったと裁判所に認定され、原告である教員らに賠償金を支払うこととする判決が確定しています(2009年東京地裁判決、のち東京高裁。2013年、最高裁で教員らの実質的な勝訴が確定)。

さらに、その裁判の過程で、「学習指導要領は、おおよその教育内容を定めた大綱的基準であり、記載されていない内容を子どもたちに教えることが、ただちに違法とはならない」という点が確認されたのです。

ところが、その事件にかかわった、まさに同じ都議と都教育委員会が、2018年の今、中学校における性教育に、またしても「学習指導要領にない」と言って「待った」をかけていることには、驚きを禁じえません(なお、都教育委員会の『性教育の手引き』は、2004年以来、一度も改訂されていません)。

結論:「性教育が『寝た子を起こす』ことはない」

性教育で具体的な内容を教えることを拒絶する人々は、どのような理由で、そうした教育を問題視するのでしょうか。日本では、よくその理由として、「性教育によって子どもたちが性的な関心を増したり、性行動が早まるのでは」という「寝た子を起こす」という現象がある、という主張がなされます。

当然ながら、こうした懸念は、日本でだけ指摘されてきたものではありません。そこで、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、実際、「寝た子を起こす」現象が起こるのかという点について、WHO(世界保健機関)などとも連携しながら、世界中の性教育の調査を行っています。その結果、「包括的な性教育」は、若年層の性行動を早めることはないばかりか、性行動をより慎重化させると結論付けられたのです。

「包括的な性教育」とは、性をセックスや出産のことだけでなく、性を通して人との関わり方や相手の立場を考えることも含めた性教育です。

包括的性教育では、科学的に正確な情報を幼少期から文化・年齢に応じて与えながら、子どもたち自身が考え、また様々な考え方にふれることが重要なポイントとされています。具体的には、

・社会の中で、どのように自分の性・ジェンダーのあり方を選ぶのか
・自分がいつ、だれと性行為を持つか、どのような避妊法を使うか
・いつ子どもをもち、どのような家族をもつか
・自分と相手を大切にするためにはどうしたらよいのか

など、子ども・若者が自分で考えて決められる力を育むことが目的とされています。性を肯定的にとらえること、そして必ずしも一つの正解があるわけではなく、多様なあり方が存在することを前提とするという考え方に基づくものです。

2009年、ユネスコは、効果的な性教育の指針として『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(http://unesdoc.unesco.org/images/0018/001832/183281e.pdf)を発表。2017年には、日本の性教育研究者により日本語訳(http://www.akashi.co.jp/book/b297731.html)も出版されました。欧米だけではなく、韓国、台湾、中国といった東アジアの国々でも、この『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』が求める包括的な性教育に向けて、性教育の制度的基盤を整えつつあるといいます。

ところが、日本の文科省は(いえ、ほとんど日本の文科省「だけは」と言ってもいいでしょう)、いまだに性教育を積極的に推進する姿勢を示していません。一般的に、日本は高い教育水準にあると言われますが、こと性教育に関しては「最後進国」として世界に取り残されつつある状況だと言っても過言ではありません。


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55432?page=2

性教育とは逆に進む「性情報の日常化」

日本の子ども・若者たちが、正しい性の情報を与えられず、避妊などの知識も定着していない一方で、若者が触れる性情報の情報源を調査してみると、「友人」「インターネット」からの情報が多くを占めており、しかもインターネットの割合は年々増加しています。(日本性教育協会編『「若者の性」白書 第7回 青少年の性行動全国調査報告』(2013年)より)。

私自身も、中学校の生徒たちから、「SNSを使っていたらHなマンガの広告が出てきた」「友達同士のLINEグループでエロサイトのURLが送られてきた」といった声もよく聞きます。たとえ授業で「性交」「避妊」という言葉を使わなかったとしても、インターネットやスマートフォンが普及した今、中学生でも簡単に性情報を目にしたり、調べることができるのです。積極的に性への関心を持っていない子でも、自分が意図しないところで性情報に触れてしまったり、性的な関心を向けられることもあるでしょう。SNSを通した10代の性被害も年々増加しています。

「性教育で『性交』という言葉を使うと、寝た子を起こす」などという主張は、現実を見れば、ほとんどあり得ないものです。


(Photo by iStock)(Photo by iStock)

刑法では、「性行為に同意する能力がある」とみなされる年齢(性的同意年齢)は、13歳とされています。それならば、性行為の仕組みや影響について伝えるのも、同じ13歳頃からというのが、大人の側の責任であるように思わざるを得ません。

子どもたちが不正確なネットの情報を信じ込んだり、フィクションとして作られたAVを、リアルな性の手本と思い込んで学んでしまう前に、性行為がもたらすリスクや、その防ぎ方、性行為における同意の重要性や、パートナーとの対等な関係性を学ぶ機会が必要ではないのでしょうか。「AVを教科書にするな」「それは間違っている」とだけ大人が言ったとしても、では何が正しいのかを示さないのであれば、結局、誤った知識だけが子どもたちの中に吸収されていってしまいます。

読者の中には、「この筆者は、こんな当たり前のことを、なぜ今取り立てて主張しているのか」「正しい性の知識が必要なことなんて、当然じゃないのか」と思われた方も多いでしょう。実際、日本家族計画協会が2014年に実施した第7回「男女の生活と意識に関する調査」(有効回答数 1134 人、16歳〜49歳男女対象)では、「性に関する事柄で15歳までに知るべきこと」として、「セックス(性交渉)」(71.9%)、「避妊」(60.7%)、「人工妊娠中絶」(74.0%)が多くの声を集めており、中学段階で性交について扱うことへの反対派はマジョリティではないようです。

しかし、現在の日本の性教育は、多くの人々の意識とは乖離した状況にあるのです。読者は、ご自身の感覚に照らして、どう感じるでしょうか? 自分の子どもが、中学校を卒業してなお、一度も「性交」という言葉を使って「避妊」の具体的な方法について習うこともなく、この現代の情報化社会に放り出されるとしたら、それは「素晴らしいこと」だと思いますか。それとも「恐ろしいこと」だと思いますか。

日本の性教育をアップグレードしよう

筆者が行っている性教育講演では、初めは恥ずかしがってニヤニヤしたり、そわそわしている中高生たちも、私が経験談を語り、性が人生に関わる大切なことだと伝える中で、次第に真剣な表情に変わっていきます。

子どもたちの知識は飛躍的に上がり、「聞けて良かった」という感想が9割近くにのぼっています。「知ることができてよかった」「もっと正しい知識を身に着けたい」という声が多く挙がります。子どもたち自身の中に、ニーズはあるのです。

また、地域が立ち上がった、自治体単位での性教育の成功事例もあります。秋田県では、県教育委員会と医師会が連携し、中高生向けの性教育を行った結果、それまで大きく全国平均を上回っていた10代の中絶率が、10年で大幅に下がりました。このような地域での成功事例から学び、もっと広げていく動きも必要でしょう。

「性教育は家庭でするべき」という考えもありますが、現実には、家庭環境に難しさがあったり、親に経済的・精神的な余裕がない家庭の子どもほど、家庭での居場所のなさなどから、より性のトラブルに巻き込まれやすい状況もあります。家庭環境に左右されず、義務教育課程の中で、すべての子どもが性について正しく学べる権利を保障することが大切だと思います。

子どもたちを守るために必要なのは、「性」を遠ざけることではなく、適切に性についての正しい知識を学ぶ機会です。2018年に再び湧き起こった「性教育バッシング」に直面した今こそ、私たち一般市民の側から、時代の流れや、10代の若者の実態に即した、本当に意味のある性教育を求めて、声を上げていくときではないでしょうか。

▼「中学生に健康と安全のための包括的な性の教育を!」オンライン署名キャンペーン
https://www.change.org/adachi-karada

▼あなたの性教育についての意見をぜひお聞かせください!
https://goo.gl/j8vUMQ

参考:教科書にみる世界の性教育(橋本紀子・池谷壽夫・田代美江子編著、かもがわ出版)
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ka/0947.html

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55432?page=3

 

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