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HIVは本当にエイズの原因か?」(日本医事新報No.3619(平成5.9.4日))(解説付き)   西岡昌紀
http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/362.html
投稿者 西岡昌紀 日時 2014 年 12 月 01 日 18:24:14: of0poCGGoydL.
 

HIVは本当にエイズの原因か?」(日本医事新報No.3619(平成5.9.4日))(解説付き)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/7664917.html


12月1日は「国際エイズ・デー」です。


この日に当たって、今から21年前の1993年(平成5年)、日本医事新報No.3619(平成5.9.4日)に掲載された私(西岡)の一文(「HIVは本当にエイズの原因か?」)をお送り致します。


御存知の方もおられると思ひますが、私(西岡)は、現在、「定説」とされる「エイズ=HIV感染」説に強い疑問を抱いて居る論者です。

この一文は、その私が、「エイズ(AIDS)の原因はHIVと言ふウィルスであり、他には何も無い」とする1980年代から今日まで「定説」として語られて居る主張について、実は、多くの科学研究者が疑問や批判を唱えて居る事を指摘した私の一文です。


以下(点線以下)にお送りするのは、この一文の全文ですが、以下の点について御留意下さい。

(1)この文章は、日本医事新報でMEDICALESSAYSと言ふジャンルの一文として掲載された文章ですが、この文章は、同誌による約10か月の査読を経て掲載された物ですので、実質的には、論文です。エイズに関する論文を私が読み、レビューした物です。


(2)私がこの文章(論文)を執筆したのは1992年(平成4年)の秋の事です。従って、あくまでも、1992年当時の知見に基づいて書かれた物です。又、この文章で述べられる私自身の見解も、1992年当時の物ですが、「エイズ=HIV感染」とする現在の「定説」についての私の疑問は、基本的には、今も同じです。


(3)ただし、この文章(論文)には、書き足りなかった論点が多々有ります。「エイズ=HIV感染」説への疑問、反論の論拠は、この文章で私が指摘した点以外にも多々存在します。


(4)文中、漢数字を算用数字に書き換えて居ます。


(5)この文章(論文)で述べられた見解は、全て、私(西岡)個人の物であり、いかなる組織、団体も無関係です。


私にこの一文を書く事を、そして、日本医事新報に寄稿する事を提案して下さった原田正純先生(故人)に、この場を借りて深謝の言葉を申し上げます。

原田先生の御冥福をお祈り致します。


2014年12月1日(月)

西岡昌紀(内科医)

   


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(以下本文)


HIVは本当にエイズの原因か?(日本医事新報 No.3619(平成5.9.4日)70−72ページ)

西岡昌紀(にしおかまさのり)

[はじめに]


 1981年にアメリカで、男性同性愛者及び麻薬常習者に免疫不全が多発している、という報告がなされて12年の時が経つ(1)(2)(3)。これらの患者に見られる日和見感染やカポジ肉腫を一括して、「エイズ(後天性免疫不全症候群)」という新しい疾患概念が提唱され、1983年に患者体内から発見されたレトロウィルスが、その原因とされるに至り(4)(5)、今日知られる「エイズ」の概念が定着したことは、周知の通りである。
 多少の混乱を経て、Human Immunodeficiency Virus(HIV)と呼称されるに至った新しいレトロウィルスがエイズの原因であるとする考え方は、既に「定説」と言って良い程定着しており、特に我が国においてこの見解が疑われることは皆無に近いのが現状である。(「エイズ」及び「HIV感染」は同義語として使われている)
 しかしながら、この約10年の欧米医学雑誌を注意深く検索してみると、驚くべきことに、「エイズ=HIV感染」とする現在の「定説」に疑問を投げかける論文が多数発表されているのである。しかも、それらの論文は、Lancetなどの一流学術誌上に発表されており、同誌のLettersなどを読むと、そのような「エイズ=HIV感染」とする現在の「定説」に対する疑問、批判を支持する医学研究者が次第に増えつつある、というのが筆者の印象である。
 筆者はもとよりエイズの専門家などではなく、大それた見解を述べられる者では毛頭ない。しかし、およそ2年前ほど前からこの疾患(エイズ)に関心を持ち、エイズについての過去12年間の主要な医学文献を読み直す過程で、前述のようにHIVをエイズの原因とする現在の定説に疑問を投げかける英文論文が意外にも多数存在することに気付いた、少数の一人であろうとは考えている。
 浅学の輩である筆者が、「エイズ=HIV感染」という現在の定説に疑問を投げかける、それらの主張の当否の判断を下すことは、あまりに困難であるが、一つだけ指摘出来ることは、我が国の医師及びマスメディアが海外医学界におけるこのような論争に余りにも無関心でいるということである。
 その当否については色々な見解があり得ようが、海外で「エイズ=HIV感染」という定説に疑問を投げかける研究者が多数存在するという事実だけは、我が国の医師たちも知っていなければならない筈である。その意味で、1990年代に入ってからも、アメリカやイギリスの研究者の間から「エイズ=HIV感染」説に対して疑問が投げかけられ続けていることを知らない医師が多い我が国の現状に筆者は驚きを抱いている。
 エイズの原因は「定説」が言う通りやはりHIVなのか、それともこの「定説」は修正を必要としているのか?現状では我が国の医師たちの大多数がこのような問いに対し「何を馬鹿な」という反応しか示さないことは百も承知である。しかし、繰り返し強調するが、アメリカやイギリスの少なからぬ医学研究者が、「エイズ=HIV感染」というこの定説に疑問を投げかけ続けているのである。一人や二人ではない。彼らの論文は末尾に示すが、それらの論文が前述のように、Lancet他一流学術誌に今も載り続けている。言い換えるなら、Lancet他の学術雑誌が「エイズ=HIV感染」という「定説」への異論を、1990年代においてもアクセプトし続けているのである。
 そうした論文の内容は多彩だが、その多くは、「エイズ=HIV感染」というような単純な考え方では、この疾患(エイズ)についての様々な疫学的事実を説明出来ないと主張している。即ち、アメリカやイギリスで「エイズ=HIV感染」説に投げかけられている疑問または批判の多くは、疫学的視点に基づいたものなのである。
 これら批判者たちの主張の当否は、読者諸兄は末尾に示すそれらの論文を読み、判断されるに委ねることとし、ここでは敢えて愚見を述べず、ただ彼らの批判の要約を試みたい。その当否は別として、このような主張の論文がLancet等に多数発表されている事実を読者はどう考えるであろうか?以下それらの異論の要点、根拠と論者の名を示す。

[1]


 AIDS(後天性免疫不全症候群)という疾患概念が成立して間もない1983年、Lancet同年7月9日号において米国カリフォルニア大学医学部の微生物学者及び病理学者であるJay.A.Levy とJohn.L.Ziegler は、連名の論文で、エイズはそれ自体が免疫不全者にしか感染しない日和見感染であり、一方、エイズ患者のカポジ肉腫は免疫学的監視の破綻によってではなくむしろ免疫系が刺激された結果発生するのではないか、という仮説を発表した(6)。
 Lancet誌上にこの論文が載ったのは、Montagnierらがリンパ節腫脹と衰弱を主訴とする33歳の白人同性愛男性からエイズの「病原」らしいレトロウィルスを発見したという論文(4)が、SCIENCE誌上に発表された直後であるが、Levy とZieglerはエイズが感染症であることは認めながら、エイズの病原体は既に免疫機能が障害された人々にしか感染しないという仮説を発表したのであった。
 即ち、彼らは、今日の「定説」が病原体(HIV)の感染が免疫不全を生じるとするのとは逆に、既に何か他の原因で免疫不全に陥っている人だけがエイズの「病原体」に感染するのであって、男性同性愛者の場合頻回の性交渉と高率な薬物乱用が免疫機能を障害した結果、その「病原体」の日和見感染を受けるのではないかと考察したのである。同様に麻薬などの常習者、血友病患者、6ケ月から12ケ月以下の乳児も、免疫機能が不全状態にあるため、その(エイズの)病原微生物による日和見感染のリスクを持つが、免疫機能が正常な健常人にとってその微生物は無害な筈だと、同論文(6)は述べている。
 エイズそれ自体が、実は日和見感染だとするこの仮説は、「レヴィーとジーグラーの仮説」と呼ばれており、その後、特にLancet誌上でこれを支持する論文、投書が多いことに驚かされる。この仮説を支持するならば、少なくとも「HIV単独ではエイズにならない」と主張するのと同じことだからである。


[2]


 エイズの「出現」とは別に、既に1970年代から、麻薬常習者に免疫不全が見られることがアメリカで指摘されていた(7)。1980年代に入ってからは、エイズと「無関係」な論文の中で、麻薬が人間の免疫系、特にリンパ球の数や機能に大きな影響を与えることが詳細なin vitroの研究を含めて報告されている(8)(9)(10)。即ち、麻薬は免疫不全を生じるもう一つの重要な原因であり、エイズが出現したアメリカは、周知の通り多くの麻薬常習者をかかえる社会であった。
 事実、「エイズ」を最初に報告した筆者たち(1)(2)(3)の1グループMasurらは、その原著(2)の中で報告した患者たちの免疫不全の原因は一体何なのかと自問し、麻薬をも可能性の一つとして挙げてはいるが、麻薬による免疫不全者にカリニ肺炎が発生したことはないという理由で、これを否定している。
 このように、「原因不明の免疫不全」であった筈のエイズは、既に原著の段階から、中毒などの感染症以外の原因の可能性が排除される形で、「原因究明」が進み、患者体内からの新たなウィルスの発見(4)、その新しいウィルスがエイズ患者体内から高頻度で発見されること(5)などにより現在の定説、即ち「エイズ=HIV感染」の定着を見るに至っているが、原著の著者達(1)(2)(3)が麻薬などによる免疫不全の可能性をかくも容易に否定してしまった理由には不明瞭な点がある。
 原著の評価は読者に委ねるが、そもそもエイズはアメリカの男性同性愛者と麻薬常習者に発生した疾患であったにも拘らず、この二つの危険因子(男性同性愛および麻薬等の常習)それ自体の免疫機能に及ぼす影響が、十分検討されて来なかったことを批判する論文は少なくない(11)−(15)。特に、エイズ「出現」から10年近くが経っても、欧米からのエイズが余りにも麻薬常習者にばかり発生し続けているという疫学的事実は、この批判に拍車をかけ、(12)(14)(15)麻薬その物がエイズにおける免疫不全の原因だと主張する論文さえ出現している(14)(15)(16)。
 この主張の急先鋒である米国カリフォルニア大学のDuesbergは、HIV陰性のヘロイン常習者でも「エイズ」と同様のリンパ球数変化が起きていることを指摘し、エイズに「特有」とされるリンパ球数変化は何ら「特有」ではないとして、「エイズ=HIV感染」説に疑問を投げかけている(15)。


[3]


 エイズの症状として強調されるカポジ肉腫は、どうして男性同性愛者に多発するのだろうか?「エイズ=HIV感染」説は、この問いに全く答えていない。ところが、男性同性愛者のカポジ肉腫について、我が国(日本)では殆ど知られていない疫学的事実が存在する。それは、アメリカの男性同性愛者が肛門性交に際し、括約筋弛緩作用を持つ亜硝酸アミル(俗称poppers)を高率に常用していることで、この亜硝酸アミルの連用はカポジ肉腫を発生させることが指摘されている(17)。
 日本では関心が少ないが、カポジ肉腫はHIV陰性の男性同性愛者にも発生しており(18)、米国の男性同性愛者におけるカポジ肉腫の多発は、HIV感染が原因だと考えるよりも、亜硝酸アミルの中毒作用として考える方が合理的だとする主張がある(15)。これに対してはBeralらの反論があるが、その反論者もHIV以外の未知の微生物がカポジ肉腫の原因ではないかと、この論文の中で述べている(19)。これも「エイズ=HIV感染」説へのもう一つの批判と言えよう。


[4]


 血友病患者の「エイズ」に関しては、血友病の患者はHIVに汚染された血液製剤を輸血されてHIVに感染し、HIV感染の結果免疫不全に陥ったという説明が信じられて来た。しかし、驚くべき盲点と言うべきであろう。この命題に派コントロール(対照)群との比較が全くなかったことが、指摘、批判されている(15)。
 即ち、HIVに汚染された血液製剤(凝固因子)が原因だとしながら、それではHIVに汚染されていない血液製剤(第8因子)の投与が、血友病患者の免疫機能に、どのような作用を、どれ位の頻度で与えるか?言い換えれば免疫不全がどれ位の頻度で生じるかは、最近まで不明だったのである(15)。
 この点に関して、1985年以降、スコットランドの複数のグループからの報告が相次いでいる(20)(21)(22)。即ち、スコットランドは、1980年代前半、血友病患者のHIV感染が低率だったのであるが、複数のグループが血友病患者を長期間観察した結果によれば、実は血液製剤(第8因子)の投与自体が血友病患者にとっては免疫不全の危険因子なのであり、HIV感染の有無は問題ではないと言うのである(20)(21)(22)。
 これらの著者達の内、エジンバラのLudlamらは、自分達のデータは前述の「レヴィーとジーグラーの仮説」(4)、即ち「エイズ」それ自体が実は既に免疫不全状態にある者だけに起こる日和見感染だとする考え方を支持するものであると、はっきり述べている(20)。これは、HIV感染は免疫不全(エイズ)の原因ではなく結果であると主張するのと同じであって、「エイズの原因はHIV」とする現在の定説に対する公然の批判である。Lancetにおいては、このように「定説」を批判する見解が実に多く、驚きに値するほどである。


[おわりに]


 以上に要約した通り、英語論文では「エイズ=HIV感染」という「定説」への疑問または批判は驚くほど多く、「エイズ(後天性免疫不全症候群)」とHIV感染の相関関係は認めながら、因果関係が逆ではないかとする論者が多い。即ち、「HIV感染が免疫不全(エイズ)を起こすのではなく、免疫不全がHIV感染を引起こすのではないか」というのが、これら批判者たちの主張の最大公約数と言えよう。
 筆者は、エイズの専門家ではないので私見は控えるが、我が国の臨床医の多くが関心を払っていない、アメリカやイギリスでの「エイズ=HIV感染」への疑問または批判は、決して「奇説」などと言って片付けられるものではない。それどころか、広がりつつあるというのが筆者の印象なのである。
 我が国の医師たちの多くは、欧米医学界でのこのような「エイズ=HIV感染」説に対する疑問、批判の多さに気付いていないようであるが、その当否の判断はともかくとして、関心は払われるべきではないだろうか?特に、最近波紋を投げかけている「HIV陰性エイズ」の解釈において、上に述べた批判者達の見解は重要な意味を持つ筈である。以下の英文論文を読者自らお読み頂ければ幸いである。

[参考文献]
 

(1)Gottlieb et al:N.Engl.J.Med,1981,305;1425-30.
(2)Masur et al:N.Engl.J.Med,1981,305;1431-38.
(3)Siegel et al:N.Engl.J.Med,1981,305;1439-44.
(4)Barre-Sinousi et al:Science,1983,220;868-871.
(5)Popovic et al:Science,1984224;497-500.
(6)Levy&Ziegler:Lancet,1983,ii;78-81.
(7)Brown et al:Arch.Intern.Med,1974,134;1001-06.
(8)Wybran et al:J.Immunol,1979,123;1068-70.
(9)McDonough et al:J.Immunol,1980,125;2539-40.
(10)Donahoe et al:Ann.NY.Acad.Sci,1987,496;711-21.
(11)Stoneburner et al:Science,1988,242;916-19.
(12)Weber et al:BMJ,1990,301;1362-65.
(13)Stewart:Lancet,1989,i;1325.
(14)Duesberg:Proc .Natl.Acad.Sci.USA,1989,86;755-64.
(15)Duesberg:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1991,88;1575-79.
(16)Duesberg:Res.Immunol,1990,141;5-11.
(17)Goedert et al:Lancet,1982,Feb 20;412-16.
(18)Friedman-Kien et al:Lancet,1990,335;168-9.
(19)Beral et al:Lancet,1990,335;123-28.
(20)Ludlam et al:Lancet,1985,ii;233-36.
(21)Madhock et al:Impaired cell mediated immunity in haemophiliacs in the absence of infection with human immunodeficiency virus.BMJ.1986,293;978-80
(22)Simmonds et al:Lancet,1991,338;1159-63.

http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/7664844.html
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(日本医事新報 No.3619(平成5.9.4日)70−72ページ)


追伸:分かり易く書いた積もりですが、難しいと思はれた方は、こちらをお読みください。
           ↓
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/4915609.html


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