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[医 出づる国]揺らぐ信頼(4)能力どう評価 患者も目磨く 「名医」を疑え
http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/594.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 7 月 19 日 06:21:29: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: [医 出づる国]揺らぐ信頼(3)密室の精神科病棟 口閉ざす患者 人権おざなり 投稿者 あっしら 日時 2015 年 7 月 19 日 06:18:32)


[医 出づる国]揺らぐ信頼

(4)能力どう評価 患者も目磨く 「名医」を疑え

 その医師は「名医」と呼ばれるにふさわしい経歴と実績を誇っていた。


「スター的存在」

 難しい手術で積極的に腹腔(ふくくう)鏡を使い、200件以上の手術を手掛けた。専門分野の著作があり、ニュース番組でも取り上げられた。同じ分野の外科医は「学会ではスター的な存在だった」という。

 2008年から14年にかけ、腹腔鏡手術を受けた患者11人が短期間で死亡した千葉県がんセンター(千葉市)。このうち8人は、この医師が執刀医だった。

 手術の多くは難易度が高い保険適用外で、倫理審査委員会の承認も得ていなかった。「手技への自信から腹腔鏡下での止血にこだわった」「専門分野への介入の困難さが、病院としての対応が遅れた原因」。県の第三者検証委員会による報告書からは、本人の過信や周囲がモノを言えない雰囲気が浮かぶ。元同僚は「名声が高く、病院も止めることができなかったのではないか」と話す。

 患者や家族にとって、どこで、どんな治療を受けるかは最大の関心事だ。信頼度の物差しは従来、症例数とされてきた。ただ後を絶たない医療事故には、豊富な経験と技術を持つ「名医」が関わるケースも目立つ。

 卵巣がんの患者団体「スマイリー」(東京都三鷹市)には、医師の対応に不信感を抱いた会員の相談が舞い込む。科学的根拠に基づき考えられる最良の治療を「標準治療」と呼ぶが、「標準治療が実施できていない病院も少なくない」(片木美穂代表)。「私の感触ではこの方法が効く」と強引に別の治療を進めたり、「その製薬会社は嫌い」との理由で古い薬を処方したりするベテラン医師もいる。

 生命倫理に詳しい京都大病院の佐藤恵子・特任准教授は「豊富な専門知識を持つ医師に対し、専門外の医師は声を上げにくい」という。千葉県がんセンターでは、医師や看護師らが対等な立場で情報を共有する「チーム医療」も機能していなかった。腹腔鏡手術に詳しく、技術認定医の資格を持つ関西労災病院(兵庫県尼崎市)の加藤健志・下部消化器外科部長は「経験豊富な医師にもチームとして監視の目を光らせる体制が必要」と話す。


診療の過程重視

 医師の能力を見極め、評価するにはどうすべきか。

 国立病院機構は10年から、グループ143の病院から診療情報を集め、87の指標を公表する。患者数や死亡率など変動しやすい結果でなく、診療の過程を重視する。自己流の手法にこだわる医師も多いが、岡田千春・病院支援部長は「他病院のデータとの違いを知ることで標準治療の質を底上げしたい」と話す。

 患者と医療者の交流を手掛ける民間企業「患医ねっと」(東京都文京区)は4年前から毎月、患者と医師の関係などを話すサロンを開く。延べ600人近くが参加した。鈴木信行代表は「患者が医療に深くかかわってこそ質の高い医療につながる」と信じる。

 名ばかりの名医ではなく、本当に良い医者を育てるためには、患者側の目を磨くことも欠かせない。

[日経新聞7月15日朝刊P.1]
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[医 出づる国 Q&A]
(4)情報共有で納得の治療 患者が主体的に方法選ぶ

 質の高い医療の実現には、医師と患者が正しい情報を共有することが欠かせない。病院側の積極的な情報開示とともに、患者側も治療の決定プロセスに積極的に関わる姿勢が求められる。

 Q 情報提供にはどんな仕組みがあるか。

 A 医師が患者に診療内容を十分に説明し、同意を得る「インフォームドコンセント」が基本だ。患者の権利を求める米国の社会運動を受けて日本でも徐々に浸透し、1997年の医療法改正で理念が明確に規定された。主治医と異なる医師に意見を求める「セカンドオピニオン」は2006年度の診療報酬改定で、主治医に紹介状を書いてもらう場合の情報提供料が保険適用となった。

 Q セカンドオピニオンの利用状況は。

 A 厚生労働省が昨年12月から今年1月、患者5千人を対象に実施した調査によると、セカンドオピニオンを利用したことがある患者は22%。ただ利用した患者の86%は「役に立った」と答えている。近年は「セカンドオピニオン外来」を設置する医療機関も増加している。がん治療に関しては、厚労省に指定された全国約400のがん診療連携拠点病院に「がん相談支援センター」があり、外来を設けている病院などの情報を得ることができる。

 Q 課題は。

 A 医療事故を繰り返さないためにも、いかに普及させていくかが今後の課題だ。認知度が高まっている割にはセカンドオピニオンの利用者は少ない。診療ではなく「相談扱い」のために患者の自己負担となることや、主治医との関係悪化を懸念して利用をためらう人も少なくない。医療技術の進歩で治療の選択肢が広がる中、医療者側、患者側の双方が納得できる医療を選択する手段として認識する必要がある。

[日経新聞7月15日朝刊P.34]

 

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