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10月4日に御嶽山で再び山体膨張を観測!噴火の恐れも!気象庁「変化を注視」
http://www.asyura2.com/14/jisin20/msg/211.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 05 日 16:34:05: igsppGRN/E9PQ
 

10月4日に御嶽山で再び山体膨張を観測!噴火の恐れも!気象庁「変化を注視」
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4082.html
2014/10/05 Sun. 14:49:00 真実を探すブログ



9月27日に噴火した御嶽山で再び噴火の兆候を捉えました。気象庁によると、10月4日夜に御嶽山の山頂付近で山が僅かに膨張しているのを観測したとのことです。ただ、膨張幅は極わずかで、前回のような大規模な噴火に繋がる可能性については「分からない」とされています。気象庁は「今後の変化を注視」と述べ、今後も御嶽山の監視を強化する方針です。


一時期よりは火山性地震の数も減ったようですが、依然として平時の数倍も活発な地殻変動が続いています。噴火というのは突発的に起きることも有るので、大きな噴火が発生する可能性もゼロでは無いです。台風の影響で救援隊も活動を停止しているため、大きな噴火があってもこの前みたいな犠牲者が大量発生する事は無いと思いますが、当面は火山活動に警戒が必要だと言えます。


☆御嶽山、わずかに膨張…気象庁「変化を注視」
URL http://www.yomiuri.co.jp/science/20141004-OYT1T50104.html
引用:
気象庁は4日夜、御嶽山の山頂付近にある傾斜計の変化から、山がわずかに膨張していると発表した。
 噴火直前にも同様の現象がみられたが、同庁火山課は「今より大きな噴火につながる変化かどうかは、現段階では分からない。今後の変化を注視している」と話している。


 同庁によると、4日午後1時頃から、山頂の南東約3キロに設置している傾斜計に、噴火後初めて変化が表れた。噴火の7分前に確認された膨張の規模と比較すると、「100分の1程度」(同庁)という。
:引用終了


☆噴火警報・予報: 御嶽山
URL http://www.jma.go.jp/jp/volcano/forecast_03_20140928193003.html
引用: 
火山名 御嶽山 噴火警報(火口周辺)
平成26年9月28日19時30分 気象庁地震火山部
**(見出し)**
<御嶽山の火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)を切替>
引き続き火口から4キロメートル程度の範囲で大きな噴石と火砕流に警戒
<噴火警戒レベル3(入山規制)が継続>
:引用終了


☆台風接近 御嶽山のふもとの村が対策会議 NHKニュース


☆御嶽山噴火 噴火から1週間がたった4日の動きをまとめました。(14/10/04)


☆御嶽山噴火 「水蒸気爆発」の可能性 気象庁、現地で調査(14/09/28)


 

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コメント
 
01. 2014年10月05日 17:09:36 : 6XgI1CI95s
御嶽山、噴火4時間半前の火口の様子 登山者が撮影
朝日新聞デジタル 10月5日(日)10時34分配信

御嶽山に上がる白い煙=9月27日午前7時半すぎ、野上元男さん撮影
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141005-00000009-asahi-soci.view-000


 御嶽山の噴火が始まった9月27日。噴火の約4時間半前に、火口付近から白い煙が出ていた様子を当時、山頂にいた横浜市都筑区の野上元男さん(66)がカメラに収め、朝日新聞横浜総局に提供した。

 煙が出ていたのは山頂にある神社から南に数百メートル下の場所。野上さんは山岳グループの仲間1人と26日から登山を開始した。その日は山荘に泊まり、翌27日朝に登山を再開、午前7時半ごろ山頂に到着した。南の向こうに白い煙が出ているのを見つけ、撮影した。登山者約20人がいたが、揺れなどもなく、危険は感じなかったという。

 野上さんらは間もなく下山。車で帰る途中の午後1時ごろ、初めて御嶽山の噴火を知った。

 「写真は記念のつもりで撮ったもの。煙が噴火の予兆だったのか、それとも御嶽山の日常の様子なのかはわからない」と野上さんは話している。(小北清人)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141005-00000009-asahi-soci


02. 2014年10月06日 15:51:43 : w3M1BHSquE
今頃になって “予知”したって、何の意味も有りません 完全なる後出しです
わざわざ今の御嶽山に登ろうなんて人は、救助隊は別として いる訳が無いでしょう。

03. 2014年10月07日 00:31:44 : FfzzRIbxkp
岐阜方面にお住まいの方、空間放射線量の測定をお願いします。

噴火の映像が、核爆発っぽいという 噂が流れております。

線量が高ければ被ばく防護をしてください。


04. 2014年10月07日 11:08:35 : nJF6kGWndY

いずれにせよ予知など当てにしないことだ

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20141006/272170/?ST=print
秋も台風直撃、天気予報も行政もアテにならない時代が来た

広島県安佐南区の土石流災害は回避できた?

2014年10月7日(火)  山根 小雪

 今週は10月だというのに、強い勢力を持った台風が上陸。各地で激しい雨が降っています。ここ最近の豪雨災害が頭をよぎり、テレビなどでもさかんに土石流災害への注意を呼びかけています。
 2011年には、紀伊半島を台風12号が通過した際、未曾有の豪雨が襲い、河川の氾濫や山体崩壊をともなう激甚な土石流災害により多くの犠牲者が出ました。2013年には、台風26号による集中豪雨で土石流災害が伊豆大島で起き、2014年に入ってからも7月9日に長野県木曽町で土石流災害が発生、9月24日には名古屋市の名古屋駅地下鉄駅が集中豪雨により水没状態になりました。
 なかでも、広島県安佐南区では74人の死者を出す土石流災害が発生しました。局所的な豪雨が土石流災害を引き起こし、アパートが丸ごと流されるなど、これまでの常識では考えられないような被害を引き起こしたことは記憶に新しいと思います。
 巨大豪雨による水害とさらには山が崩れる土石流被害の頻発。日本の気象に、一体、何が起きているのでしょう。豪雨災害から自分の身を守るにはどうしたら良いのでしょうか。
 そこで、『利己的な遺伝子』(リチャード・ドーキンス著)の訳者で日本における進化生態学の草分けの一人であると同時に、NPO法人鶴見川流域ネットワーキング、NPO法人小網代野外活動調整会議で都市河川の鶴見川や三浦半島小網代の森の保全活動を長年続け、国や地方公共団体の環境関連の専門委員を数多くこなしてこられた岸由二慶應義塾大学名誉教授に、豪雨災害から身を守るための術を教えてもらいます。
(聞き手は山根 小雪)
先生、今夏の豪雨は本当に凄まじかったですね。青空が見えていたかと思うと、30分後には真っ暗になり、まっすぐ歩くことができないほどのゲリラ豪雨が降ったりします。夏の夕立なんて可愛い物ではありません。たぶん多くの人が、突然の豪雨に見舞われる経験をここ数年、何度もしていると思います。これって、やはり「地球温暖化」の影響なんでしょうか。

岸:個々のケースについて明確に言及することはできませんが、温暖化の影響とみて間違いないですね。温暖化で対流圏の含水量がどんどん増えていますから。今後ますます局所的に未曾有の豪雨が降る確率は高まります。対流圏の含水量がさらに増えたところで、大気が上空で極端な寒気にあおられれば、想像を超える豪雨が降るでしょう。そして、局所的で深刻な土石流災害を誘発します。

 日本では未だに「温暖化懐疑論」がメディアをにぎわせることがありますが、先進国の中で「懐疑論」がこれほど横行して、それに行政がふらふらするような国は日本だけかもしれませんよ。化石燃料の大量消費による二酸化炭素(CO2)などの排出の結果、温室効果が起き、地球全体の平均気温が上がり、さまざまな気候変動を起こしている、というのは、科学の常識だと私は思っています。

気候変動によって、なぜこれほどまでに凄まじい雨が降るのでしょうか。

岸:「雲のでき方」が変わったんです。局所豪雨は、基本的に積乱雲ができたときに起きます。急速に積乱雲が発達すると、その下で雨が降る。ところが近年の局所豪雨では、唐突に積乱雲が次々と列状になって発生しているケースが多いのです。積乱雲は雨を降らせながら移動しますが、列状に積乱雲ができると、通り道にあたった場所には継続して局所豪雨が続くわけです。その結果、短時間にひとつの場所に大量の雨が降り注ぐ。今回の広島県安佐南区で起きた豪雨災害も、このパターンでした。


岸 由二(きし・ゆうじ)氏
慶應義塾大学名誉教授
1947年東京生まれ。横浜市立大学文理学部生物学科卒業、東京都立大学理学部博士課程修了。理学博士。進化生態学、流域アプローチによる都市再生論、環境教育などを専門とする。鶴見川流域、多摩三浦丘陵など首都圏のランドスケープに沿った都市再生活動の推進者としても知られる。著書に『自然へのまなざし』(紀伊國屋書店)『いのちあつまれ小網代』(木魂社)、『環境を知るとはどういうことか』(養老孟司との共著、PHPサイエンス・ワールド新書)、訳書に『利己的な遺伝子』(ドーキンス、共訳、紀伊國屋書店)、『人間の本性について』(ウィルソン、ちくま学芸文庫)、『生物多様性という名の革命』(タカーチ、監訳・解説、日経BP社)、『足もとの自然から始めよう』(ソベル、日経BP社)、『創造』(ウィルソン、紀伊國屋書店)、『「流域地図」の作り方』(ちくまプリマー新書)など多数。
岸:悩ましいのは、今どきの局所豪雨は、従来の天気予報では「予測」できないことです。今まで雲がなかったところに突然積乱雲が次々と発生し、数十分後には豪雨が降り注ぐケースが少なくない。こうした豪雨は全国どこでも起きています。今年に関して言うと、土石流災害に見舞われた広島市のみならず、京都府福知山市や兵庫県丹波市、高知県高知市などでも凄まじい雨が降りました。

行政からの避難勧告はもっと早くできなかったのか?

広島市のケースでは、行政からの避難勧告が遅かったという批判もありましたよね。一方で、気象の専門家は、岸先生がおっしゃるように、今回のような局所豪雨は直前まで予測不可能と言っています。避難すべきかどうか、どうやって判断したらいいのでしょう。

岸:残念ながら、いまの天気予報やインターネット上の気象情報などから、深刻な被害が発生するかどうかを予測することはできません。広島市安佐南区のケースでも、広島市が事前に避難勧告を出せたかといえば、無理だったのかなと思っています。

 予報は時間雨量1mmだったのに実際は100mm近い雨になりました。これでは行政も対応しようがありません。行政対応の不備ばかり注目するのではなく、今まで通りの行政のやり方では対応できない時代になったと考えた方がいい。

そうなんですか……。ではどうすればいいんですか?

岸:実はひとつ、予測できる方法があるんですよ。知りたいですか?

知りたいです! 先生、教えてください。

岸:地形です。自宅のある場所がどんな地形のどこなのかを、自分がいまいる場所がどんな地形のどこなのかを、まず理解すればいいのです。

地形ですか……。今回の広島市の土石流災害では、地形じゃなくて地質が原因だ、と報道されましたよね。「崩れやすい真砂土(マサ土)できた土地だから、土石流災害が起きたんだ」と。

岸:マサ土というのは、花崗岩が風化してできた砂の土壌のことですね。でも、昨年の大島の土石流災害のときには、「火山灰の地質だったから、崩れやすくて土石流災害が起きた」と報じられていたでしょう?

あ、たしかに。

岸:もちろん、地盤の地質によって、土石流災害がより発生しやすい、逆に発生しにくい、という傾向はあるでしょう。でも、それは本質的な話ではなりません。相対的にはマサ土は崩れやすい。でも、一定以上の豪雨に見舞われたら、どんな土壌の土地だろうと土石流は起き得るし、水害は発生してしまうのです。

 重要なのは、地質以上に地形なのだと私は思っています。山間の土石流災害にしても、河川氾濫にしても、名古屋で起きた地下鉄駅の水没にしても、水害は地形によって起きるのです。じゃあ、その地形とはなにか。「流域」です。

「流域」?

岸:そう、流域です。今の日本で起きている水害は、「なに」で起きているか。天から降ってきた大豪雨によって起きます。でも、「どこ」で起きているか。それは、それぞれの場所が属している「流域」の地形で起きているのです。

土石流災害が起きる場所は「流域」で説明できる

岸:今回の広島の土石流災害の写真、テレビやウェブのニュースでご覧になっているでしょう。あの写真を見ると一目瞭然です。土石流災害が発生しているのは、すべて山の斜面に広がっている「流域」の出口に当たる部分です。アットランダムに「山崩れ」が起きているわけではないのです。

流域の出口ですが……。そもそも「流域」って、どんな地形のことなんでしょう?

岸:水は必ず高いところから低いところに流れます。そして流れ落ちる水は地面のより柔らかいところを削りながら流れます。雨が降って地面に落ちてきた雨水はこの2つの法則に沿って、地面を削り、低い方へ低い方へ流れ、川になって、その川がどんどん合流して最後は海にたどり着きます。こうやって雨水が削ってできた地形が「流域」です。

 山に降った雨は、斜面から谷へと落ちて川に流れ込みます。山の一番高いところをつないだ「尾根」に囲まれたエリアに降った雨は、すべてこの谷を走る川に流れこみます。尾根の向こうは別の流域になります。自然の地形のほとんどは、このように流域がパズルのように組み合わさってできています。土地は、ほとんどの場合、雨水がつくった「流域」のかたちの中に収まっているんです。

 今回の広島の災害は、山の斜面の、100ヘクタールにも満たない小さな流域が山から平地にひらかれる扇状地のような場所で起こっています。土石流災害が起きた扇状地のような場所は、原理的に考えれば、大雨がふれば必ず水と土砂が集まる場所です。そこに人が集住していなければ、土石流は大雨に対する流域の自然な反応であって災害にはなりません。しかしそこが居住地になっていれば、豪雨の規模に応じて、大きな土砂流がおき、限度をこえれば大災害になる。自然のメカニズムでいえば、当然のことなのですね。

とはいっても、そこで災害に遭うのはやっぱり困ります。たとえば、大規模な河川の河川敷に住んでいれば、降雨量が多かったときに川の水が増水して浸水被害が起きるというのはイメージできます。でも、広島市安佐南区の土石流災害のケースは河川のそばというよりも、水の流れていない山沿いの場所ですよね。どうして、ああいった場所で、流域の考え方で土石流災害の説明ができるんですか?もうすこし説明していただけませんか?

岸:普段、川が流れているところだけが流域というわけではありません。川にまでならなくても、雨が降ったら水が流れる道筋、沢筋ができますよね。この小さな流れにも流域という考え方は応用できます。このように小さな流れに雨の水が集まる範囲を仮に「小流域」と呼びましょうか


広島県安佐南区の土石流災害は「小流域」で起きた。黄色の線は尾根筋で、この内側が小流域。線内に降り注いだ雨はすべて真ん中の谷に集まり、土石流を引き起こした。(写真:読売新聞/アフロ)
 先ほども話しましたが、皆さんは今回の災害現場の空撮、ご覧になっているでしょう。改めて広島県安佐南区の空撮を見てください。土石流災害は、住宅に密接した山がアットランダムに崩れているわけじゃないのがわかりますね。いずれも、山から谷にかけて土砂が流れ落ち、谷筋から扇形に広がる扇状地の入り口にあたる部分にあった住宅が押し流されています。

 これは、まさに山を刻んだ小さな水の流れに雨水の集まる範囲、つまり「小流域」の、谷間から扇状地で起きています。
先ほども話しましたが、水は低い方へと流れます。この山で降った豪雨は、尾根筋から谷へと斜面を一気に流れていきます。雨が緩やかならば、森林の根に支えられた土壌にしみ込んだ水は地下をゆっくり流れますが、豪雨の場合は、地下にしみ込むだけじゃなく地表を一気に水が流れます。その水はすべて一番低い谷へと流れ込み、最後は出口にあたる扇状地に流れ出ます。

 流域は尾根で区切られて入れ子状になっています。大流域の中に中流域、中流域の中に小流域が組み合わさっています。広島の土石流災害は、小流域で発生しています。大規模な河川の氾濫などは大流域でのお話です。複数の小流域から流れでた水が集まって中流域に、中流域から流れ出た水が集まるのが大流域です。

なぜアパートを丸ごと流すほどの土石流ができるのか

小流域に豪雨が降ったとして、水がジャーっと流れてくるのならば理解できるような気がします。なぜ、アパートが丸ごと姿を消すほどの土石流が発生するのですか?

岸:まずは小流域の形が問題ですね。小流域が上流域に広い集水面積をもち、下手で絞られる形をしていると、豪雨の際、たくさんの水があつまって、下手で激流になり、土石流災害にもなりやすい。さらにエリア内の山林が荒廃していると水が流れ出るだけでなく、森林ごと崩れて土砂が流れていて、大きな土石流になってしまう。

え、森があったら「木の保水力」で土砂が流れ出ないんじゃ?

岸:それは大いなる幻想です。木々が保水力を持ち、土石流災害を止めるためには、こまめな森林管理が不可欠なんです。日本の山林の多くは1960年ごろまでは薪炭林として利用したり、材木として切り出されてきました。つまり人間が山林を管理していたんです。間伐をし、枯れ木や倒木があれば山から下ろしていました。ところが、高度経済成長期を迎えると、山林は燃料としても木材としても利用されなくなってきました。日本の森の大半は、この50年、ろくに手入れをしていません。日本の森のバイオマスは縄文時代以来、一番大きくなっているのではないでしょうか。

 そうなると、山の中はどうなっていると思いますか? 自然の姿に戻って豊かになっているというのは間違いです。木々が重なりあい、地表に光が届きにくくなりますから下草も生えなくなります。また、密集した木々は大きくならなくてモヤシ林状態だから保水力も土を掴む力も欠けている。ちょっとした雨で土砂が流れやすくなっているし、豪雨が続くと森ごと崩れる恐れさえでてきます。さらに、大小の枯れ木が倒木となって小流域に散乱しています。これが問題です。

 雨による水の流れによって、倒木は沢筋に押し出されます。谷筋に集まる倒木や枯れ枝は、雨のたびに集まって階段のように積み重なっていきます。この倒木の山が天然の、しかしとっても脆弱な砂防ダムのように機能しはじめます。ちょっとの雨の場合は、倒木が水の流れをせき止めて、下へ流れていかなくなるのですが、豪雨のときには、倒木が積み重なってできた小さなダムでは、雨水の流れをせき止められなくなります。そうなるとどうなるか? 斜面に溜まった倒木や土砂によるミニダムが決壊して、一気に流れ出ます。

ちょっと怖くなってきました……。

岸:倒木や土砂による小さなダムは、斜面に複数できていることが多いものです。決壊したミニダムは、次々に勢いをまして、その下にあるミニダムを決壊させます。倒木と土砂がミニダムを崩壊させながら谷へ向かって滑り落ちていきますから、物凄いスピードと破壊力を持った土石流になるわけです。

 広島でも、大島でも、被害の発生した小流域では、このようなことが起きたのではないかと想像されます。次々とミニダムを決壊させて勢いを増すカスケード型の崩壊は本当に怖いんです。

 ちなみに、米国の研究者が土石流の先端を追いかけて撮影したムービーを公開しています。これを見ると、流れの先端は倒木や石だらけだということがわかります

この動画を見ると、最初に流れ出るのが倒木や枯れ木を大量に含んだ水だということがよくわかりますね。流域の面積も土石流災害の規模に効いてくるんですか?

岸:その通りです。例えば、3.6ヘクタールの広さの流域の場合、時間雨量100mmの雨が降り続くと、やがて1秒あたり1㎥もの水が流れ出る規模の洪水がおこる計算になります。カスケード型の崩壊でこれが増加されれば、秒数十㎥、いや100㎥規模の洪水・土砂流が谷の出口を襲う可能性もあるのではないか。これではコンクリートの住居も吹き飛ぶでしょう。

 3.6ヘクタールといえば決して巨大な谷ではありません。日本中、どこにでもある小さな谷です。そんな小流域が大規模土石流災害の発生源になる。温暖化豪雨時代、森林管理不在時代は、そういう時代になってきたということです。

小さな谷が深刻な土石流災害を起こす時代になった

岸:安佐南区のケースでも、土石流災害が起きたのは、いずれも小流域の出口です。災害を起こした小流域の面積は、奥行き1km足らず、幅300〜400mほどの規模です。面積にして数十ヘクタールの小流域ですね。ここに時間雨量100mmを超える豪雨が降り続いたのですから、まだデータを見てはいませんが、流れ出た洪水の量は1秒当たり数百㎥の規模になっていたのかもしれません。

岸:一昔前は、これくらいの規模の小流域でこれほど激甚な土石流災害は起きなかったのかもしれません。狭い地域に、こんなに雨が降ることはなかったからです。1時間あたり100ミリを超えるような雨が増えたがゆえに、小流域での土石流災害がますます大きな問題になってゆく。日本は土地の7割近くが山林です。読者のみなさんの住宅が、どんな地形のもとにあるか。どんな流域のどんな場所に位置しているか。その流域の規模や形に、ぜひ関心を向けてほしいのです。

国や自治体が作成している土砂災害の「ハザードマップ」は参考になりませんか?

岸:役に立つと思います。どんどん利用するべきですね。ただしそれと同時に、流域という視点を、忘れないことです。

 行政の発行するハザードマップは、災害を起こす流域という地形、場所を明示せず、想定される被害だけを行政地図に落としてあるのが普通です。土砂災害が起きる原理を示していませんし、可能性の度合いもわかりません。豪雨のレベルに一定の想定をおいて、それに対応する想定被害だけを記しています。

 こういうタイプの情報を使いこなすためには、基本的な原理を知っていることが前提です。自分の住んでいる場所の流域情報を基本的な防災情報として入手できるようになれば、各々で対応することも可能になってきます。ただ、まだ国や自治体は、流域という考え方を防災に取り入れてはいません。市民が独自に広めていかないとだめなのだろうと思いますね。流域の規模や形は等高線の描かれた地図を見れば判別できますから、ぜひ自宅周辺の流域を確認してみてください。


等高線の描かれた地図を見れば、小流域の地形は誰でも判別できる。そして、上流に手入れをしていない山林がある急峻な小流域の出口では、豪雨によってどこでも土石流災害が起きる恐れがあると認識すべきだ。(出所:日本地図センターのデータを基に編集部作成)
つまり、温暖化で激甚な豪雨が珍しくない時代になった以上、自分の身は自分で守らないといけないということですね。そのためには、土石流災害が起きる仕組みを理解することが欠かせないのですね。

岸:豪雨の発生は突然ですから、行政の避難勧告などに頼るのも厳しい。局所豪雨が降ってきたら、自分で判断して逃げることが必要です。そのためには日ごろから、どんな流域の、どんな場所に住んでいるか。言ってみれば、流域という考えに基づく「住所」をしっかり自覚することが大切です。

 安佐南区の災害が起きた八木地区の地名は「八木蛇落地悪谷」でした。豪雨があれば、大量の土砂の流れ落ちる流域であると、昔の人は良く知っていたのでしょうね。自分の住んでいるところが危ないとわかったら、地域住民で協力して裏山の森の手入れをするなどというのも良い対応かもしれません。谷に溜まっている倒木の処理をするだけでも、きっと被害を小さくすることができますよ。

このコラムについて
ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。


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