3. 2015年9月16日 17:16:44
: OO6Zlan35k
>阿蘇山で心配なのは過去“経験”のある『カルデラ噴火』別に、阿蘇に限らないから、ここだけ心配したところで意味は無い http://www.geocities.jp/outdoors7909/Caldera/Caldera.htm 巨大カルデラといえば、阿蘇山しか知らなかったので、意外に思って調べてみたら出るわ出るわ。 鹿児島近辺だけで、5つ以上の巨大カルデラが知られていることが分かってきました(九州を中心に調査しましたので、九州がらみのカルデラが一番情報密度が濃くなっています)。 その調査の過程で、巨大カルデラが出来る際の噴火の規模と被害についても次第に分かってきました。 近年では雲仙普賢岳や有珠山、三宅島などが深刻な被害を発生させていますが、巨大カルデラの噴火は、付近の文明の存続そのものを左右し、場合によっては地球規模の気象を変えてしまうほどのものだそうです。 たとえば、巨大被害の発生したカルデラで有名なものでは、現在では鹿児島県南の海中に眠っている「鬼界カルデラ」があげられます。このカルデラから噴出した火山灰は、「鬼界アカホヤ」と呼ばれ、大分県でも50cmもの火山灰層を作り、遠く東北地方や朝鮮半島でも火山灰層が見つかっているそうです。発生した火砕流は対岸の鹿児島県まで押し寄せ、その到達範囲は100kmに及びました。100km といえば、東京で噴火が発生した場合、埼玉、神奈川、千葉県の全域が入り、北は宇都宮まで火砕流が到達する規模です。6300万年前に発生したこの「日本で一番新しい」巨大カルデラ噴火では、当時の九州の縄文文化が壊滅的な打撃を受けています。 有史以前、九州全土を焼き尽くした阿蘇4噴火をはじめとして、日本列島では想像を絶する規模の巨大噴火が繰り返されており、巨大カルデラはその巨大な規模の災害の跡を物語っているのです。 その規模に圧倒された結果がこのページとなりました。 当ページでは、そういった被害を引き起こした可能性のある日本国内の巨大カルデラを集めました。噴火に相当する火山灰や火砕流の堆積層が分かったものについては、それも併記してあります。また、噴火規模を示す噴火マグニチュードなども、少しでもその規模を想像できる手がかりとなるように、出来る限り併記するようにしました。 楽しんでいただければ幸いです。 ※用語 カルデラ:(主に)火山を起源とする窪地状の地形で、その成因に爆発カルデラ・陥没カルデラ・侵食カルデラがあります。このうち、侵食カルデラは火口が水などの浸食によって広がったもので、爆発規模とは関係なく発生するため、このページでは極力取り上げないようにしました。 テフラ:火山灰などによる堆積物の層。広い範囲で見つかるものを「広域テフラ」といいます 火砕流:火山噴火の際に、火山灰や火山礫、熱風などが一塊になって山腹を駆け下りることがあります。規模によっては、遠く100km以上の範囲に到達することがあり、極めて大規模な災害につながります。 噴火マグニチュード:噴火規模をあらわす指標のひとつで、火砕流・火山灰などの噴出量で噴火規模を定義するものです。数式は下記。 M(マグニチュード) = log m(噴火物質量) - 7 M がマグニチュード、m が噴火物の質量(kg)です。やってみるとわかりますが、阿蘇4噴火のような噴火マグニチュード8.4を達成するためには、気が遠くなるほどの質量が必要です。自動計算機(?)を準備しました。こちらから。
※注記 火砕流の発生もしくは広域テフラ(テフラは、火山灰などによる堆積物層)の形成を伴う(=巨大被害が発生した可能性のある)爆発カルデラ及び陥没カルデラを主にピックアップしました。 形成時期は、噴火の開始ではなく、カルデラの形成時期を記してあります。 広域テフラの確認は堆積層名に★をつけてあります。 対応火砕流が確認されている場合は、堆積層に対応火砕流を記載してあります。 堆積層と火山の形成時期が一対一で対応するものについては、堆積層形成時期を省略しています。 広域テフラの堆積時期をもって形成時期としたものもあります(支笏・屈斜路など)。 複数情報をつき合わせて作成しているため、噴火年代などにぶれがあります。そのため、本来同じタイミングの堆積物が異年代となっているなどの可能性があります。これは備考として注記しました。 ■北海道の主要カルデラ▲ ・洞爺カルデラ - 形成時期:9万〜12万年前 - 場所:北海道。洞爺湖が相当。有珠山や昭和新山は外輪山に出来た火山にあたる。(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層:洞爺(とうや)★ - 参考情報:Encarta「火山灰」(形成時期・堆積層)
・支笏カルデラ - 形成時期:3万1000〜3万4000年前 - 場所:北海道。支笏湖周辺が相当。(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード:7.2(第1火砕流) - 堆積層:支笏(しこつ)第1★・第1火砕流(4万1000年前) - 備考:支笏第1テフラと第1火砕流の発生時期が同一時期? - 参考情報:Encarta「火山灰」(形成時期・堆積層)、現代都市への火山の危険 ・摩周カルデラ - 形成時期: - 場所:北海道。摩周湖周辺(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層: - 備考:屈斜路カルデラの東に隣接 ・屈斜路カルデラ - 形成時期:3万〜3万2000年前 - 場所:北海道。屈斜路湖周辺(地図) - 規模:約26×20km - 噴火マグニチュード:7(第1火砕流) - 堆積層:クッチャロ庶路(しょろ)★・第1火砕流(4万年前)・クッチャロ羽幌★(10万〜13万年前)などがあり - 備考:クッチャロ庶路と第1火砕流は同時期? - 参考情報:火山学者に聞いてみよう(規模)、現代都市への火山の危険、Encarta「火山灰」(形成時期・堆積層)・「屈斜路湖」(相当湖沼) ・阿寒カルデラ - 形成時期:20万年前 - 場所:北海道。阿寒湖周辺(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層: - 備考:屈斜路カルデラの南西に隣接 - 参考情報:Encarta「阿寒湖と雄阿寒岳」、阿寒湖-成り立ちと由来 ■東北の主要カルデラ▲ ・十和田カルデラ - 形成時期:55万年前以降 - 場所:青森県と秋田県の県境。(地図) - 規模:十和田湖に相当。 - 噴火マグニチュード:6.7(八戸・大不動火砕流)など - 堆積層:八戸火砕流(1万5000年前)・大不動火砕流(3万年前) - 備考:青森県全域に何度も火砕流の被害を与えた跡が残っている。 - 参考情報:現代都市への火山の危険、十和田湖について
・田沢カルデラ - 形成時期: - 場所:秋田県・岩手県県境中部。田沢湖周辺が相当(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層: - 備考:地形から見てカルデラであると思われるが、該当する噴火は分かっていない(参照:Wikipedia)。隕石説と火山説の双方があるが、決め手が見つかっていない(参照:火山学者に聞いてみよう) - 参考情報:火山学者に聞いてみよう、Wikipedia「カルデラ」 ・鬼首カルデラ - 形成時期:第四紀(25万年前? 170万年前?) - 場所:宮城県玉造郡荒雄岳を中心とする(地図) - 規模:直径約10km - 噴火マグニチュード: - 堆積層:下山里凝灰岩・池月凝灰岩 - 参考情報:5万分の1地質図幅「岩ヶ崎」地域の火山層序: 第三紀火山岩類及び鬼首カルデラを起源とする火砕流の噴出年代 ・鳴子カルデラ - 形成時期:第四紀(4.5万年前および7.3万年前) - 場所:宮城県北端(鳴子近辺)(地図) - 規模:直径約7km - 噴火マグニチュード:6〜6.4 - 堆積層:荷坂凝灰岩・柳沢凝灰岩 - 参考情報:鳴子火山における後カルデラ期の水蒸気爆発、5万分の1地質図幅「岩ヶ崎」地域の火山層序: 第三紀火山岩類及び鬼首カルデラを起源とする火砕流の噴出年代、火山学者に聞いてみよう ・花山カルデラ - 形成時期: - 場所:宮城県北端 - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層: - 備考:鬼首カルデラからの火砕流堆積物に覆われており、詳細不明。地質学的調査によって始めて確認できる古いカルデラのひとつ - 参考情報:火山学者に聞いてみよう ■関東の主要カルデラ▲ ・榛名山 - 形成時期:1200年前? - 場所:群馬県・榛名山頂の榛名湖が相当(地図) - 規模:東西約3km、南北約2kmのカルデラ - 噴火マグニチュード:4.8(渋川熱雲) - 堆積層:渋川熱雲(1200年前) - 備考:「巨大カルデラ」というにはやや小規模か? - 参考情報:"榛名山頂のカルデラ," Encarta(R)、現代都市への火山の危険
・箱根カルデラ - 形成時期:5万年前 - 場所:箱根芦ノ湖周辺が該当(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード:6.1 - 堆積層:東京火砕流 - 備考:5万年前の噴火では、火砕流が藤沢付近まで到達 - 参考情報:Wikipedia 記述(形成時期・備考)、現代都市への火山の危険 ・八丈島東山 - 形成時期:2万5000年前 - 場所:東京都・八丈島(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード:5.5程度? - 堆積層: - 備考:「デイサイト質マグマの噴火活動がたびたび起きています.特に2万5000年前に火砕流(軽石流)を噴出するやや規模の大きな噴火が起き,山頂部に カルデラができたと考えられています.火砕流の体積は侵食分を考慮すると数立方km程度で,九州や北海道のカルデラ形成にかかわる火砕流よりは小さなものです.」(火山学者に聞いてみよう) ・明神カルデラ - 形成時期: - 場所:明神礁の北部海中(地図) - 規模: - 堆積層:周辺海底に軽石の堆積が確認 - 備考:海底カルデラであることから詳細不明 - 参考情報:火山学者に聞いてみよう ■甲信越・北陸の主要カルデラ▲ ・御岳山 - 形成時期: - 場所:岐阜県(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード:6.6 - 堆積層:御岳第1★(8万年前) - 備考:広域テフラの存在から、大規模な噴火が想定されているが、対応するカルデラは発見されていない。 - 参考情報:Encarta「火山灰」。カルデラ破局噴火の発生頻度
・穂高岳 - 形成時期:170-180万年前 - 場所:長野県(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層: - 備考:火砕流の存在は古くから知られていたが、対応するカルデラの場所が確認されたのは最近である。 - 参考情報:火山学者に聞いてみよう ■山陰の主要カルデラ▲ ・三瓶山 - 形成時期: - 場所:島根県(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード:6.7 - 堆積層:三瓶木次(さんべきすぎ)★(8万年前) - 備考:広域テフラの存在から、大規模な噴火が想定されているが、対応するカルデラは発見されていない。 - 参考情報:Encarta「火山灰」。カルデラ破局噴火の発生頻度
・大山 - 形成時期: - 場所:鳥取県(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード:6.9 - 堆積層:大山倉吉★(4万3000〜5万5000年前) - 備考:広域テフラの存在から、大規模な噴火が想定されているが、対応するカルデラは発見されていない。 - 参考情報:Encarta「火山灰」。カルデラ破局噴火の発生頻度 ■九州の主要カルデラ▲ ・猪牟田(ししむた)カルデラ - 形成時期:90万年前・100万年前 - 場所:大分県九重山北方(地図:埋没しているため、地形不詳) - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層:アズキ火山灰(今市火砕流)(90万年前)・ピンク火山灰(耶馬溪(やばけい)火砕流)(100万年前) - 備考: 埋没したカルデラ。150km向こうまで火砕流が到達するほどの巨大噴火を起こした形跡がある(耶馬溪火砕流)。阿蘇山や姶良カルデラに匹敵する噴火が発生した可能性がある。 - 参考情報:火山学者に聞いてみよう ・千々石カルデラ - 形成時期: - 場所:長崎県南東部、島原半島北西部。橘湾が相当。(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード: - 堆積層: - 備考: 南東部の橘湾岸の千々石断層群(ちぢわだんそうぐん)から判明。 - 参考情報:Encarta「愛野町」 ・阿蘇カルデラ - 形成時期:7万年前 - 場所:熊本県(地図) - 規模:直径17km 〜 25 km - 噴火マグニチュード:8.4(阿蘇4) - 堆積層:阿蘇4★(これ以前にも阿蘇3★(10万5000〜12万5000年前)などがあり) - 備考:阿蘇4火砕流は「鹿児島県を除く九州全県と山口県を高温の熱風で飲み込んだ」(参考:現代都市への火山の危険) - 参考情報:現代都市への火山の危険 ・加久藤カルデラ - 形成時期:30万〜32万年前 - 場所:宮崎県南部。霧島の北西部(地図) - 規模:姶良カルデラよりやや小さい? - 噴火マグニチュード: - 堆積層:加久藤(かくとう)★ ・小林カルデラ - 形成時期:50万年前 - 場所:宮崎県南部。小林市北西部を中心。加久藤カルデラに隣接(地図) - 規模:直径18km程度 - 堆積層: - 噴火マグニチュード: - 備考:1980年重力異常と周辺の火砕流の存在などから発見された。 - 参考情報:火山学者に聞いてみよう ・姶良(あいら)カルデラ - 形成時期:2万2000年前 - 場所:鹿児島県。桜島を南端の外壁とする。(地図) - 規模:錦江湾北部は姶良カルデラによって形成。 - 噴火マグニチュード:8.3(入戸火砕流) - 堆積層:姶良Tn★・入戸火砕流(2万8000年前) - 備考:姶良Tnテフラと入戸火砕流の発生時期は同一である可能性? - 参考情報:現代都市への火山の危険 ・阿多カルデラ - 形成時期:8万5000年前 - 場所:鹿児島県薩摩半島南端部〜錦江湾南部(地図) - 規模:姶良カルデラよりやや小さい? - 噴火マグニチュード: - 堆積層:阿多★(8万5000年前)・阿多鳥浜★(23万〜25万年前) ・指宿(いぶすき)カルデラ - 形成時期: - 場所:鹿児島県錦江湾南部。長崎鼻・知林ヶ島などをカルデラ壁とする。 - 規模:錦江湾南部は、指宿カルデラによって形成。 - 噴火マグニチュード: - 堆積層: - 備考:「指宿カルデラ」は阿多カルデラの別称? ・池田カルデラ - 形成時期:5000年前 - 場所:鹿児島県薩摩半島南端部。阿多カルデラの内側に位置する。池田湖に相当(地図) - 規模:直径5km程度 - 堆積層: - 噴火マグニチュード: - 参考情報:Encarta 「池田湖」(形成時期) ・鬼界カルデラ - 形成時期:6300年前 - 場所:鹿児島県南沖合いの海中。硫黄島・竹島を北側のカルデラ壁とする(地図) - 規模: - 噴火マグニチュード:8.1 - 堆積層:鬼界アカホヤ★(6300年前)・幸屋火砕流(鬼界アカホヤと同時期)・鬼界葛原(かつはら)★(7万5000年前) - 備考:鬼界アカホヤは東北地方や朝鮮半島でも見つかっており、極めて巨大な規模の噴火であったと想定される。九州の縄文人は壊滅的な打撃を受けたと想定されている。日本で起きた最後の「カルデラ破局噴火」 - 参考情報:Encarta「火山灰」他
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