★阿修羅♪ > 自然災害20 > 872.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
日本の火山活動:「大規模噴火の準備段階」入りの可能性も―東京大学地震研の中田節也教授に聞く(nippon.com)
http://www.asyura2.com/14/jisin20/msg/872.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 29 日 16:57:30: igsppGRN/E9PQ
 

日本の火山活動:「大規模噴火の準備段階」入りの可能性も―東京大学地震研の中田節也教授に聞く
http://www.nippon.com/ja/currents/d00197/?pnum=2
2015.09.25 nippon.com


■これまで静かすぎた日本の火山


―日本の火山の噴火が相次いでいる。現状をどうみるか。


まず火山活動を見る視点から話したい。火山の噴火には規則性がある。小さい噴火はしょっちゅう起こっている。だが阿蘇山のカルデラをつくるような巨大噴火は、1万年に1回起こるぐらいだ。噴火がしばらくなくても火山の活動が止んでいるのではなく、いつかはそれをカバーするように噴火することになる。


噴火の規模を示す火山爆発指数(VEI)という指標がある。噴出した火山灰の量で爆発のエネルギーを知ることができる。0〜8までスケールがあり、数字が1つ増えると噴火のエネルギーは10倍違う。


指数4クラスは大噴火、5や6のクラスを巨大噴火と呼んでいる。日本の場合、5は1000年に数回、4は30年に1回起きてもおかしくないとされる。ところがこの数百年間、日本の火山は静かすぎた。5は1730年ぐらい(樽前山の噴火)を境に、ここ300年ぐらいない。一桁小さい指数4の噴火は1929年の北海道駒ケ岳以来ぱたっとない。


だから火山はその分のエネルギーをいつか噴火して取り返すということになる。そういう目でみる必要がある。本当に警戒しなければならないのは、4とか5のクラス。そろそろ起こる時期に来ているのではないかと、火山学者は注意してみている。


■「活動期に入った」とはまだまだ言えない


一方、日本で今起こっている噴火は、阿蘇山が指数1で、規模としてはすごく小さい。去年の御岳山も指数1だ。この小さいレベルの噴火を多く観測しても、日本の火山が「活動期」に入ったとはまだまだ言えない。


ただ、小さい噴火の回数は数十年前と比べて、確かに2014年ぐらいから増えてはいる。そういう意味では、徐々にだが、大規模な噴火が起こりやすい準備段階には入ったかなという気はする。


東日本大震災(2011年3月11日)以降に活発化した主な火山


2013年11月 西之島(小笠原諸島) 継続的に噴火し、新しい島が出現(継続中)
2014年6月 草津白根山(群馬県) 火口周辺に噴火警報
2014年8月 口永良部島(鹿児島県) 新岳で小規模噴火
2014年9月 御岳山(長野県) 水蒸気噴火で登山客らが犠牲に。死者・行方不明者63人
2014年11月 阿蘇山(熊本県) 中岳第1火口で小規模噴火を開始
2014年12月 吾妻山(福島、山形県境) 火口周辺に噴火警報
2015年4月 蔵王山(山形県) 火口周辺に噴火警報(6月に解除)
2015年5月 口永良部島(鹿児島県) 新岳で爆発的噴火。全島民が避難
2015年6月 浅間山(群馬、長野県境) 山頂火口でごく小規模の噴火
2015年6月 箱根山(神奈川県) 大涌谷でごく小規模な噴火。入山規制など
2015年7月 雌阿寒岳(北海道) 火口周辺に噴火警報
2015年8月 桜島(鹿児島県) 急激な山体膨張により周囲に避難勧告(噴火未遂)。その後,小規模噴火の繰り返しに戻る。
硫黄島(小笠原諸島) 断続的にごく小規模な噴火確認
2015年9月 阿蘇山(熊本県) 中岳第1火口から再噴火。入山を規制



ただ、小さい噴火の回数は数十年前と比べて、確かに2014年ぐらいから増えてはいる。そういう意味では、徐々にだが、大規模な噴火が起こりやすい準備段階には入ったかなという気はする。


■18世紀の20年足らずで、16000人が火山災害の犠牲に


小さい噴火でも、場合によっては非常に大きな犠牲が出ることが火山災害の特徴だ。
18世紀以降に日本で起きた主な火山災害


年 火山名 犠牲者数
1721 浅間山 15 噴石による
1741 渡島大島 1,467 岩屑なだれ・津波による
1779 桜島 150以上 噴石・溶岩流などによる。「安永大噴火」
1781 桜島 15 高免沖の島で噴火、津波による
1783 浅間山 1,151 火砕流、土石なだれ、吾妻川・利根川の洪水による
1785 青ヶ島 130〜140 当時327人の居住者のうち130〜140名が死亡と推定され、残りは八丈島に避難
1792 雲仙岳 15,000 地震及び岩屑なだれによる。「島原大変肥後迷惑」
1822 有珠山 103 火砕流による
1856 北海道駒ヶ岳 19〜27 噴石、火砕流による
1888 磐梯山 461(477とも) 岩屑なだれにより村落埋没
1900 安達太良山 72 火口の硫黄採掘所全壊
1902 伊豆鳥島 125 孤立して全島民死亡。
1914 桜島 58〜59 噴火・地震による。「大正大噴火」
1926 十勝岳 144 融雪型火山泥流による。「大正泥流」
1940 三宅島 11 火山弾・溶岩流などによる
1952 ベヨネース列岩 31 海底噴火(明神礁)、観測船第5海洋丸遭難により全員殉職
1958 阿蘇山 12 噴石による
1991 雲仙岳 43 火砕流による。「平成3年(1991年)雲仙岳噴火」
2014 御岳山 63 噴石、火砕流などによる
(気象庁資料などを基に作成)


過去の日本では1779年から1792年のわずか20年足らずの間に火山災害が相次ぎ、人口の少ない当時でも1万6000人以上の人が犠牲になっている。これを見ると逆に、それ以降の日本の火山はいかに静かな状態だったかということが言えると思う。


■地震と噴火の関連、はっきり証明されてはいない


——東日本大震災の地震が、火山活動に与えた影響についてどう考えるか。


皆さん「関連がある」と思うだろうし、実際にそうかもしれない。だが、地震と火山活動の関連性はそれほどはっきり証明されてはいない。特に有名な例が1707年の、富士山の「宝永噴火」。これは宝永地震の49日後に始まった。だが、因果関係はなかなか証明できない。火山のマグマが揺さぶられても、それが噴火につながったという例はほとんどない。


例えば、4年前の東日本大震災発生後、東北地方を中心に20の活火山で一斉に地震活動が高まった。ところが、それらはまだどこも噴火していない。富士山の直下でも3月15日に地震が起きたが、噴火することはなかった。 “噴火する気のない火山”をいくら揺さぶってみても噴火はしないということなのだろう。



インタビューの中で、火山活動の規則性について説明する中田節也教授


■最近の噴火は東北から離れた火山


地震が噴火を引き起こす別の原因として、断層が地震で動くとマグマの入っている地殻のひずみが解放され、マグマにかかる圧力が変わって、マグマの中に含まれている揮発性の成分が気泡として分離して発泡し、マグマだまり全体の中の圧力が高まって噴火につながるというシナリオがある。


このケースだと、もう今までに噴火が起こっていてもいいのに、少なくとも去年までの3年間はほとんどなかった。実際に噴火したのは地震からだいぶ離れた御岳山や西之島、阿蘇山など。それだけ遠ざかると、地震の影響はほとんどない。数十メートルの断層のずれが、ひずみとして九州まで及ぶことはほとんどない。


本当に地震が噴火を引き起こすのかと言えば、疑問に思う。宝永噴火は、その時の富士山が“噴火したくてたまらない状態”にあったから地震に誘発されたと考える。


■日本全体の地殻が異状?


——“噴火したくてたまらない火山”というのは、ある程度分かるのか。


三宅島や有珠山は、数十年に1回は噴火しなければすまない火山だ。下からマグマが入ってきて、たまりにある程度のマグマが蓄積されると押し出されて噴火する。そういう規則性のある山がある。このような場合、マグマを放出した後にいくら地震で火山を揺さぶっても噴火にはつながらないだろう。


富士山の場合は、もう300年以上も噴火していないので噴火の規則性はなかなか分からない。だが、大地震がこれまで何度も起きている中で、地震が直接噴火につながったと考えて良いのは富士山の宝永の時だけだ。青木が原に溶岩が流出した「貞観噴火」(864−866年)は貞観地震と関係あるように見えるが、噴火は地震の5年前に起こっている。


客観的に見れば、東日本大震災の1か月半前に噴火した霧島山(新燃岳)を含め、九州地方では噴火が多くなっている。大地震に結びつけるというよりも、大地震が東北で起きたぐらいに「日本全体の地殻がおかしくなっている」、「ぎゅうぎゅうプレートで押されており、地震も火山噴火も起こりやすくなっている」、こういう解釈の方が理解しやすい。


■富士山は異常なし、地震活動も低下傾向


——富士山が「いつか必ず噴火する」と聞くと非常に心配だ。富士山の現状は?


あまり変化していない。火山の場合は何を観測しているかと言うと、まず地震活動、地殻変動、それから電磁気。これは、高温の流体が上がってくると電気の通りやすさが違ってくる。温度やガス成分などだ。この中では、やはり地震活動と地殻変動がとらえやすい。


地殻変動は、これまでGPSを使っていたが、最近は衛星から観測した結果を解析するようになった。3次元の地形の情報を、例えば1か月後、2か月後のものと比較して、どこが膨れているか、へこんでいるかが鮮明に分かる。そのため噴火の前の地形の変化が、ものすごくよく分かるようになった。(今年6月の)箱根山の場合、これまでGPSでは絶対無理だった、100メートル四方ほどの小さな範囲でも地形の変化が見てとれた。


あらゆる場所を細かくカバーでき、日本のあらゆる火山のデータが手に入るようになった。だから、異常があればすぐ分かることにはなっている。桜島とか富士山はずっと見続けられている。


富士山は3.11の地震の影響で、やや地震回数が多い状態が続いていた。しかし、3.11の以前にほぼもどっており、それ以外の異常は見つかっていない。一般的に、規模が小さくても噴火の前には必ず山の状態が変化するので、注意深く監視さえしていれば異常はキャッチできる。


ただその変化が噴火の前日にあるのか、1週間前か2か月前かというのは分からない。その判断が難しいところだ。観測機器が貧弱だった昔とは違い、何の変化もキャッチできないまま噴火するというケースは現在では考えにくい。


聞き手・文:石井 雅仁(編集部)
写真:大谷 清英(制作部)
バナー写真:鹿児島県・口永良部島の新岳から立ち上る噴煙=2015年5月29日午前、住民撮影(時事)






 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年9月29日 18:09:18 : nJF6kGWndY

>18世紀の20年足らずで、16000人が火山災害の犠牲

1783 浅間山 1,151 火砕流、土石なだれ、吾妻川・利根川の洪水 が大きく、
特に
1792 雲仙岳 15,000 地震及び岩屑なだれ の被害が特別に大きかったのが原因だな


>規模が小さくても噴火の前には必ず山の状態が変化するので、注意深く監視さえしていれば異常はキャッチできる

ただし、いつ、どの程度の噴火が起こるかなどは予測できるものではない


今後も、そこそこ大きい噴火は当然、起こるだろうが

大きいのが居住エリアの近くで起こり、洪水や地震、火事などと連動するかどうか、

迅速・適切に避難・対処できるかどうかで被害の大きさは決まる


2. taked4700 2015年9月29日 20:13:20 : 9XFNe/BiX575U : 7pLQHICuew
火山噴火に必要なのは多分次の3つ。

1.地下深くからのマグマの上昇。または火山直下のマグマだまりへのマグマの供給。

2.地殻のゆるみ。特に火道を形成している地殻の緩み。

3.マグマだまりが地震によって揺さぶられ、気体が発生して、マグマが上昇していくこと。

約1000年前の貞観噴火の時には1が卓越していて、つまり、海洋プレートの沈み込み活動が活発化していて、これだけで火山噴火が起こった。フィリピン海プレートがどんどんと沈み込み、大陸プレートの間での摩擦や、沈み込みの時に巻き込んだ海水が地下の高熱で水蒸気になり、これが上昇してマグマを押し上げた。だからこそ、青木が原樹海を作るほどの大量のマグマを噴出する噴火になった。

現在は、2011年の地震で地殻が緩み、先にマグマだまりの容積が大きくなってしまっていて、地下からのマグマの供給が増えてもまだ火道を上昇するほどマグマが溜まっていない。しかし、今後、首都直下地震や東海地震が起こることはかくじつであるため、一気にマグマだまりが揺さぶられ、その結果、大規模噴火に至る可能性が高い。このシナリオであれば、噴火はマグマはあまり吹き上げず、火山灰を大量に吹き上げる形式になる。


3. taked4700 2015年9月29日 20:17:35 : 9XFNe/BiX575U : 7pLQHICuew
東京大学地震研の中田節也教授は、結局、首都機能分散をしなくてもいいと言っているように思える。しかし、仮に九州で地震活動が活発化するにしても、富士山や浅間山での噴火がないとは言えず、東京一極集中は避けた方がいい。

首都機能分散は首都直下地震の歴史から見ても必要で、東大と最高裁と霞が関だけ残して、他は地方に分散してほしい。東大と霞が関と最高裁はなにか迷惑機関という感じさえする。


4. 東方三博士 2015年9月30日 12:41:35 : zpqVQEVKyKYME : wthMH3vCcI
岩戸開き
岩戸開きの開始宣言です。
当たるも八卦、当たらぬも八卦
皆さんの判断で決めて下さい。

http://blogs.yahoo.co.jp/martingood0323


5. 2015年9月30日 22:44:15 : 0RngjpCvcI
別に間違ったことが書かれているわけではない。しかし300年は地球の大きな活動のサイクルの中ではほんの一瞬、誤差の範囲。

富士山が将来も活動を続け内部が空洞になり、そこが沈下して将来は阿蘇山のような形になるかもしれないがそうなるのに要する期間は一人の人間の生存する期間よりずっと長い。それでも地球の活動のサイクルではしょせん刹那。


6. 2015年9月30日 23:27:57 : N4qwxcBMP6
毎年、海の事故で亡くなる人がいるように火山の登山も安全でないことは覚悟が必要だと思うし、火山の麓も、例を出して悪いけど先祖が住んではいけないと地蔵で警告していた場所に住み着いて東北震災で津波の被害にあったのと同じで、本当は住んでは駄目なんじゃないかな。

カルデラ噴火だと直近は3万年前だったかな。
これは人が気にする範疇を超えてるので、学術的研究としての知識扱いかな。

イエローストン、トパ、阿蘇、このクラスの本格的なのが来たら、気を付けていても死を待つのみの世界じゃないかな。
最近、オーストラリア付近の海底に新たな壊滅的噴火の痕跡が見つかってなかったかな。
海の底は見えないから探せば沢山あるんだろうね。


7. 2015年10月02日 02:50:48 : w3M1BHSquE
>例えば、4年前の東日本大震災発生後、東北地方を中心に20の活火山で一斉に地震活動が高まった。ところが、それらはまだどこも噴火していない。富士山の直下でも3月15日に地震が起きたが、噴火することはなかった。 “噴火する気のない火山”をいくら揺さぶってみても噴火はしないということなのだろう。
_______________________________________________________________

↑ あらあら、阿修羅のマニアさん達とは 言ってる事が真逆ではないか ( ̄∇ ̄;)

「■富士山は異常なし、地震活動も低下傾向」 ← これもまったくの期待外れでしたなあ マニアさん達
この阿修羅では かれこれもう、15年くらい “秒読み”していたのにね富士山噴火。


8. 2015年10月02日 16:18:00 : O9lZPZArOw
そもそも火山に登る神経がおかしいだろ。

9. 2015年10月02日 21:58:13 : LY52bYZiZQ
Domestic | 2015年 10月 2日 21:21 JST

北海道・雌阿寒岳噴火に警戒を

http://s1.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20151002&t=2&i=1083971711&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=PN2015100201002985.-.-.CI0003
北海道・雌阿寒岳噴火に警戒を

 気象庁は2日、7月から噴火警戒レベル2(火口周辺規制)が適用されている北海道東部の雌阿寒岳で、引き続き、ごく小規模な噴火が起こる可能性があるとして警戒を呼び掛けた。ポンマチネシリ火口から約500メートルの範囲で大きな噴石が飛散する恐れがある。

 1日に上空からの観測や現地調査をした結果、火口周辺で地表面温度の高い範囲が7月よりもわずかに広がった。火口では噴煙の勢いが増していた。刺激臭も強く、火山ガスの放出量が増えている可能性があるという。

 一方、地表面温度が高い範囲の広がりは前回噴火(2008年11月)の直前のレベルには至っていない。


〖共同通信〗

http://jp.reuters.com/article/2015/10/02/idJP2015100201002980


10. 2015年10月10日 04:45:38 : tIBJFq9lsg
巨大噴火については、周知されている想定以上に可能性が高いだろうと感じます。

日経サイエンス誌を読むと、阿蘇山の破局的規模の噴火はうん十万年間隔ということになっています。

それは、火災流で九州北部から中部までが覆われ、火山灰が積もって本州もダメになる規模の奴のことで(北海道と沖縄だけ生存)、朝鮮半島やアメリカにも似たように噴火したら破局的な規模の巨大火山があります。

これは、サイクルがうん十年間隔だから安心だろうと信じたいわけですが、実は、今がちょうど微妙な時期にさしかかっているわけです。

つまり、寒冷化な訳ですが、、まだ温暖化とかいっているのはアナクロで、雲仙、御嶽山、桜島、足下を見れば、実質、地震と火山の時代に入ったことがわかります。

実質、マウンダー氷小期然とした寒冷化サイクルに入っているわけで、神奈川大学の桜井氏の寒冷化関連の著書を読むと、その確信が得られるわけです。

そうすると、何がわかるかというと、別に大きな災害が起きなくても、寒冷化して不作が続くことにより、食糧危機が起きる可能性があることがわかります。

ハイテク化した現代社会において、食料の不作という、いわば原始的な問題により現代文明の曲がり角が訪れる恐れがあるわけです。

また、寒冷化と連動した地震と火山活動の活発化の動きが、その仕組みは桜井氏やスベンスマルク関連の書籍を読むとして、破局的な
規模の巨大噴火をもたらす火山活動とシンクロする可能性があります。

東日本大震災あたりはM9ですが、歴史的にはM9地震の後は巨大噴火が定番であり、日本の場合は雲仙、御嶽山、桜島と小出しで不気味なわけです。

それで、今後も同様のスキームは継続するわけで、日経サイエンスの図なんかをみると、阿蘇山あたりでは、「ちょうど今くらいの時期」が次の巨大噴火が起きても不思議ではない時期にあたるわけで、今回の火山活発化期間に破局的な噴火が起きないとは保証できないでしょう。

これは、火山学者や地震学者、そして太陽活動の研究者、気候学者が学術横断的に調整するべき分野なのだと感じます。

そして、「地球シミュレータ」で2ヶ月前くらいから台風の発生を予測するように、必要なデータを学術横断的にインプットして、特に巨大火山が破局的規模の噴火を起こす可能性を、スパコンでシミュレート&予測するべきでしょう(重要、すでにやっていたり?)。

もっとも、寒冷化による農作物の不足が予測されるほか、世界自然保護基金によると、海洋生物が70〜12年の間に49パーセント減少していて、2050年までにサンゴ礁が全滅する恐れがあるということなので、様々なファクターがきれいなスパイラルを描いて流線型状に破局に向かっているのが現実であり、巨大火山の噴火はその内の一要素に過ぎないのかな、とも感じますが。

何にしても、現実はすでに、自分自身の立身出世やゼニ金を考えていればいいレベルをとっくに飛び超えているわけです。


11. 2015年10月19日 12:27:31 : OO6Zlan35k
「研究室に行ってみた」
予知できる噴火、できない噴火

防災科学技術研究所 火山物理学 藤田英輔(2)

2015年10月17日(土)川端 裕人

阿蘇山、箱根山、御嶽山など、このところ活発化しているように見える日本の火山だが、本当はどうなのか。2011年の東北地方太平洋沖地震の影響は?富士山は?そして、火山についていまどこまで分かっているのか――。地震や地殻変動の観測をもとに地下の現象を解明し、火山防災に取り組み、噴火の予知を目指す藤田英輔さんの研究室へ行ってみた!
(文=川端裕人、写真=藤谷清美)
 火山の噴火は怖い。

 できればないほうがいい。

 とはいえ、日本列島に住む限り、目を逸らして済むものでもない。

火山物理学とは

 ならば、むしろ今分かっている基本的なことは知っておきたい。それこそ、地面の下をのぞき込むみたいに。


 防災科学技術研究所の総括主任研究員、藤田英輔さんの専門は火山物理学。まさに適切なガイドである。

 火山といえば地学で、物理学は物理だろう! と高校の教科の感覚でいるとおかしなかんじがするかもしれないが、「物理学」はどんな学問にだってくっつくことができる特性がある。生物物理学もあれば、経済物理学だってある。なにか探究の対象を物理的な過程として解明しようとしたとき、あらゆる分野に物理学が誕生する。

「火山を研究する者としては、物理屋と地質屋って、自分たちでは呼んでますけど、大体2通りのアプローチがあるんです。その中で、私は物理的なアプローチをする方に入っています。地震とか地殻変動の観測をもとにして、地面の下で何がどう起こっているのかというようなことを考えていく。そして、最終的には噴火の予知ですね。そちらのほうに持っていきたいというのが、基本的な考え方です」


 というふうに藤田さんは、自らの立ち位置を述べた。

 では、具体的にどんなことをして、何を理解しようとするのだろう。

「マグマ溜まりって聞いたことがありますか。火山によって違うんですけど、まず地下数十キロくらいの深いところでマグマが溜まる場所ができて、マグマはまわりよりも軽いものだから、浮力で上がってきます。それが、だいたい深さ5キロから10キロの間ぐらいのどこかで釣り合って滞留するところがあって、箱根にしても桜島にしても、常時、そのあたりにひとつマグマ溜まりがあるんです。それから、それがもっと上がってくると1キロとか、もうちょっと浅いところに小さなマグマ溜まりができて、そこまでいくと、噴火に近くなるわけです」

 高校の地学の教科書にそういう図が出ていたかもしれない。地下深いマグマの池みたいなものから、火道が伸びて火口に至るみたいなやつ。

 ここは、観測点が多く、最近もニュースで取りあげられることが多かった箱根で具体的に見ていこう。藤田さんは、時系列になったグラフを画面に出して指さした。


箱根山における過去の地震活動の比較。水色の線が2015年で6月8日まで速報値を示す。駒ヶ岳観測点を中心とした半径5kmの範囲に震源が決まった地震を積算。「第132回火山噴火予知連絡会資料(その3)箱根山 第14図」(気象庁ホームページより)
[画像のクリックで拡大表示]
「箱根には、いろんな機関がいろんなところで観測点を持っていて、当然、気象庁や、神奈川県の温泉地学研究所も持っています。全部で10カ所以上。それで、地震活動がどんなふうに増えていったかを見たものがこちら。これは地震の回数ですけど、2015年5月の連休前に急激に地震が増えてきているので、そういったことでちょっと活発化しているかなと。下からマグマが上がってきてる。上がってくるときにはバリバリ周りを割りながらくるんで、それによる地震活動だろうなというふうにわかってくるわけです」

 いくつも観測点があると、さらに震源とその深さも特定出来る。それも精度、数百メートル単位で分かる。

バリバリと割りながら

「バリバリと割りながらマグマが入ってきて、そこが震源になっている。この辺が割れてるとか、どの辺から噴きそうとか、そういったことを、観測点がいっぱいあると非常に精密に決めることができます。そういったことを見ながら、我々は噴火について判断するということなんですね」

 ここで疑問。藤田さんは何度か、「バリバリと割りながら」という表現を使った。なんとなく分かるような気もするのだが、あまり普段、使う表現でもない。具体的にどういうことなのだろうか。


「ああ、それはですね」と藤田さんは、手元にあった本を取った。

「この本って、表紙と裏表紙の間をぎゅうっと押しても別に何も起きませんけど、背表紙とその反対側(いわゆる小口(こぐち))をこうやって押すと、ページの間にすき間ができますよね。ちょうどそれと同じで、プレートなどによって押されてすき間ができやすくなっているところを割りながら、上がってくるというような感じなんですね。一番割れやすい方向にピッと割れて、そこを板状になって上がるというような感じになってきます」


本の背と小口を押すとできる隙間のように、プレートなどによって押されてできる弱い部分を割りながらマグマは板状に上がってくるという。
 へえっ、と思う。

 地面の下のマグマは、周囲の岩盤をドロドロ融かすなりなんなりして、まっすぐに地表を目指すようなイメージを抱いていた。だいたい、世の中に出回っている「マグマ溜まり」「火道」「噴火口」などを図示したものでは、まっすぐに描かれていないだろうか。しかし、あれはあくまで模式的なもので、実際には、岩盤を板状にバリバリ割りながら上がってくる。これは、ぜんぜん違うイメージだ。

「浅間山とか桜島とか阿蘇山とか、もう常にマグマが上まで来ているところは、安定した火道ができちゃっていて、そこを使って上がるんですけど、その火道自体も、もともとは割れやすいところをベースにしてますので、本当にきれいな円筒になってるとは思わないんです。だいたい、レンズ状みたいなものになっていて、そういったところを上がってきやすいんですね。これは直接は見られないんですが、古い火道が地面に出てくると、まわりが風化してもマグマの方が固いのでそこだけ残って、こんな形で上がってきているんだと分かります」


一直線ではなく、マグマは板状に上昇する。角度もつくので挙動は3次元的だ。
[画像のクリックで拡大表示]
蒸気と膨張と

 また箱根の場合、マグマが直接来るというよりも、地下のマグマ溜まりの熱が伝わって高温高圧になった熱水が上がってくると考えられているそうだ。たしかにぼくたちが知っている箱根の光景は、マグマがドロドロ出てくるのではなく、蒸気が噴き出すものだ。

「さらにGNSS観測といって、国土地理院がやっているものなんですが、基準点どうしの距離の伸び縮みを見ることで地殻変動が分かる、と。これは衛星から見た画像でも確かめられます。合成開口レーダーというものを持っているいわゆるSAR衛星で見ているんですが、黄色から赤と青っていう方向が、衛星と地面の間が縮むという、要するに地面が膨張しているということになります。で、ちょうどその大涌谷の付近で膨張しているのが、衛星できれいにとらえられてます。毎日、人工衛星が上を飛ぶという訳にはいきませんし、2週間ごとのデータを解析するくらいの頻度で可能です」


SAR衛星で解析した箱根山の地殻変動の推移。下段中央のカラーバーにあるように、山の膨張と収縮を色の変わり方で表している。たとえば、黄色→赤→青の変化は膨張(=衛星との距離は縮小)。日付はデータを比較した2つの時点。(画像提供:藤田英輔、PALSAR-2データの所有権はJAXAに所属)
[画像のクリックで拡大表示]
 これだけの観測ができるので、現在の火山噴火予測は、条件がよい時にはぴたりとハマる。具体例としては、今年(2015年)8月の口永良部島。かなり前から兆候はあって、さらに数日前には、火山研究者たちがいよいよ間近と判断して、住民説明会も開いた。

「避難はこうするっていうのも住民に伝わっていて、いざ噴火という時にもスムーズに順次全島避難できましたね。火砕流が出たらこっちを流れるので、この避難所に逃げろ、というふうに事前に伝えてもあって。実際に住民の方々の意識とか、自治体の長が責任をもって判断をすることとか、いろいろな要素もあって人的な被害を抑えられたんです」

 火山噴火の予知は、本当に直前のことならば、非現実的な話ではないし、実際に、このように役だった例もあるのだ。

 ただし、現在の火山噴火の予知には、いくつかの課題がある。

 ひとつは、「水蒸気噴火(2014年の御嶽山など)のように噴火としては小規模なものや、カルデラ噴火のように超大規模なものについてはよく分からない」こと。これについては、別の章で立ち返る。

終わりがわからない

 そして、もうひとつ、意外な点。

「噴火予知がある程度できるとしても、実は、噴火の終わりについては、我々、わからないんですよ。そこが地震予知と噴火予知の最大の違いで、地震の場合は本震がバーッて起きて、あとはこう、指数関数的に余震が減っていくので、もう終わりですっていうのが基本的には言えるんです。でも、火山の場合はマグマが下がっていっても、またいつ上がってくるか分からない。10キロぐらいのところにマグマ溜まりがあるって言いましたけど、そのさらに深いところにも供給源があって、でも地表からでは、今のところ技術的には、20キロか30キロぐらいまでしかわかんないんです」

 島の火山で全島避難した際、住民がいつ帰島できるのか、なかなか分からない所以である。火山と避難と帰還をめぐる悲喜こもごもは、たしかにずっと繰り返されてきたものだ。


モニターに映し出されている口永良部島の噴火のときは、進歩した観測技術と防災対策のおかげで、スムーズに全島避難を実現できた。だが、噴火の終わりの予知は極めて難しい。
[画像のクリックで拡大表示]
つづく

藤田英輔(ふじた えいすけ)
1967年、島根県生まれ。理学博士。防災科学技術研究所地震・火山防災研究ユニット総括主任研究員。東北大学連携客員准教授。山梨県富士山科学研究所特別客員研究員。1993年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、同年防災科学技術研究所入所。入所以来、火山観測網の運用やそのデータ解析、数値シミュレーションなどにより火山噴火のメカニズムの解明についての研究に従事。近年は特に地震・火山噴火の連動性に関する評価や地下でのマグマ移動現象の解明について取り組むとともに、欧米やアジアの火山コミュニティーとの連携強化に尽力している。
川端裕人(かわばた ひろと)
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、天気を「よむ」不思議な能力をもつ一族をめぐる、壮大な“気象科学エンタメ”小説『雲の王』(集英社文庫)(『雲の王』特設サイトはこちら)、NHKでアニメ化された「銀河へキックオフ」の原作『銀河のワールドカップ』『風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ』(ともに集英社文庫)など。近著は、『雲の王』と同じく空の一族の壮大な物語を描いた『天空の約束』(集英社)、ニュージーランドで小学校に通う兄妹の冒険を描いた『続・12月の夏休み──ケンタとミノリのつづきの冒険日記』(偕成社)。
本連載からは、「睡眠学」の回に書き下ろしと修正を加えてまとめたノンフィクション『8時間睡眠のウソ。 ――日本人の眠り、8つの新常識』(日経BP)、「昆虫学」「ロボット」「宇宙開発」などの研究室訪問を加筆修正した『「研究室」に行ってみた。』(ちくまプリマー新書)がスピンアウトしている。
ブログ「カワバタヒロトのブログ」。ツイッターアカウント@Rsider。2015年10月に有料メルマガ「秘密基地からハッシン!」を開始した。
(このコラムは、ナショナル ジオグラフィック日本版公式サイトに掲載した記事を再掲載したものです)

このコラムについて
研究室に行ってみた

世界の環境、文化、動植物を見守り、「地球のいま」を伝えるナショナル ジオグラフィック。そのウェブ版である「Webナショジオ」の名物連載をビジネスパーソンにもお届けします。ナショナル ジオグラフィック日本版公式サイトはこちらです。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/227278/100200019/


12. 2015年11月07日 00:09:25 : LY52bYZiZQ
Domestic | 2015年 11月 6日 20:08 JST

御嶽山災対本部を廃止

 58人が死亡、5人が行方不明となった御嶽山(長野、岐阜県)の噴火災害について、長野県は6日、阿部守一知事を本部長とする災害対策本部を廃止した。8月に行方不明者の再捜索が終わり、その後のヘリコプターによる目視でも手掛かりを得られなかったため。

 県によると、再捜索中は危険で立ち入れなかった雪渓部分を計6回ヘリで目視したが、山が降雪期に入ったため終了。県警と連携し、来年の雪解け後も不定期にヘリで確認する。

 防災対策は、同本部から切り替わった災害警戒対策本部が担う。


{共同通信}

http://jp.reuters.com/article/2015/11/06/idJP2015110601002263


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 自然災害20掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
自然災害20掲示板  
次へ