★阿修羅♪ > 国際8 > 309.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ベネズエラも、アメリカの犯罪的政権によって打倒されつつある(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/309.html
投稿者 gataro 日時 2014 年 3 月 21 日 20:49:34: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-211b.html


マスコミに載らない海外記事  2014年3月17日 (月)

ベネズエラも、アメリカの犯罪的政権によって打倒されつつある

Paul Craig Roberts

2014年3月14日

読者の皆様
アメリカのジョン・ケリー国務大臣が、月曜までに、プーチンがアメリカの命令に従わなければならないという最後通告をロシアにつきつけた以上、第一次世界大戦をもたらした「愚行の行進」の繰り返しを、全員が目にすることになりそうだ。
私の前回コラム、“ドイツ指導部の破綻、メルケル、ワシントンに身売り”で、ロシアのウクライナへの領土ひき渡しを、私は間違って、全てフルシチョフのせいにした。ウクライナに対する最初のロシア領土の贈り物はレーニンによるもので、最後は1990年代初期のセヴァストーポリだ。今日、ロシア領土が、どのようにウクライナに与えられたに対するアレクサンドル・ソルジェニーツィンの説明を掲載した。一方で、アメリカ傀儡キエフ政権は、アメリカ傀儡キエフ政権と関係を持ちたくないと抗議行動をするロシア人に対する暴力行動を行わせるべく、暴漢を送り込み、ロシアに、ロシア軍はロシア人を保護するつもりだという次の警告を発表させた。東ウクライナにロシア軍を派兵するよう、プーチンを挑発するため、アメリカ政府は明らかに、できる限りのことを行っている。メルケルがヨーロッパを売り渡してしまった以上、ウクライナの出来事の針路は明白に思え、おかげで私には、アメリカによる、進行中のベネズエラ・クーデターに取り組む時間ができた。

ベネズエラも、アメリカの犯罪的政権によって打倒されつつある

Paul Craig Roberts

ウクライナ・クーデターを画策したアメリカは、ベネズエラは見出しにならないようにしている。
核武装したロシアとの対立は、ベネズエラとの対立よりはるかに危険だ。しかしアメリカが、ウクライナとほぼ同時期にベネズエラで解き放った暴力は、アメリカ政府の全くの犯罪性を証明するものだ。

南米は常に、あらゆる金と権力を持つ極少数のスペイン人エリートが、民政治的代表を持たない大多数の先住を支配するという構造だった。ベネズエラで、チャベスが、このパターンを打ち破った。国家を掠奪するのではなく、国民を代表して、国民のために働く先住民大統領が選出されたのだ。チャベスは手本となり、エクアドルとボリビアでも、先住民大統領が選出された。

チャベスは、アメリカ政府から憎悪され、アメリカ売女マスコミに悪魔化された。チャベスが癌で亡くなった際、アメリカ政府は慶賀した。

ボリビア大統領エボ・モラレスは、NSA内部告発者エドワード・スノーデンの政治亡命を受け入れたいと思っていた。その結果、アメリカ政府は、ヨーロッパ傀儡諸国に命じて、ロシアからボリビアへの帰路、モラレス大統領の飛行機に対する領空飛行許可を拒否させた。モラレスの飛行機は、あらゆる外交儀礼に反して着陸を強いられ、機内捜査された。以来モラレスは、アメリカ政府の犯罪人達による屈辱的仕打ちを受け続けている。

エクアドル大統領ラファエル・コレアは、ジュリアン・アサンジの政治亡命を認めて、アメリカ政府の標的となった。アメリカ政府の命令で、アメリカの傀儡イギリスは、アサンジの自由通過承認を拒否し、共産ハンガリーのアメリカ大使館で暮らしたミンツェンティ大司教同様、アサンジは在ロンドン・エクアドル大使館で暮らしている。

チャベスの死に伴い、ベネズエラ先住民のニコラス・マドゥロが大統領になった。マドゥロには、チャベスのカリスマはなく、マスコミを所するごく少数のスペイン人エリートの格好の標的となっている。

アメリカ政府は、マドゥロ攻撃を開始し、ベネズエラ通貨を攻撃し、通貨市場での価値を押し下げた。当時、その多くが裕福なスペイン人エリートの子弟である大学生達は抗議行動に駆り出された。ベネズエラ通貨の下落で、物価が上がり、マドゥロの貧困な先住民支持基盤の間で不満が広がった。クーデターを起こす為にアメリカ政府が利用している暴動、物的損害、混乱を鎮めるのに、マドゥロは、警察に頼らざるを得なかった。治安回復と、クーデター未然に防ぐ為の政府による取り組みに、ジョン・ケリー国務大臣“自国民に対するテロ作戦”だと烙印を押した。

抗議行動を画策し、クーデターをたくらんでおいて、ケリーは自分が解き放った暴力に対して、マドゥロを非難し、マドゥロに“人権を尊重”するよう呼びかけた。

アメリカ政府の脚本は常に同じだ。犯罪をおかして、犠牲者に罪をなすりつける。

もしアメリカ政府がマドゥロ打倒に成功すれば、次の標的はコレアだ。もしアメリカ政府がコレアを追い出し、裕福なスペイン人エリートの傀儡政権を復権させることができれば、コレアがジュリアン・アサンジに認めた政治亡命を、アメリカ政府がエクアドル政府に取り消させることができるようになる。ロンドンのエクアドル大使館は、待ち構えているイギリス警察の手中へとアサンジを追い出すよう命じられ、警察は彼をスウェーデンに送り、スウェーデンは、何であれ、アメリカ政府が要求することを自供するまで拷問できるよう、彼をアメリカに送り返すだろう。

ベネズエラの街路で抗議行動をしている、貧しく、だまされやすいカモ達は、ウクライナで抗議行動に参加した人々同様、自分達自身や他の人々に与える損害が全く分かっていないのだ。スペイン人エリート支配下で、自分達の暮らしがどうだったのかをベネズエラ人は既に忘れてしまった。ベネズエラ国民は、自分達を連中の奴隷に戻そうとするアメリカ政府を支援しようと断固決意したように見える。

もしアメリカ政府がベネズエラとエクアドルを再征服すれば、次はボリビアだ。そして、ブラジルだ。ブラジルはBRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の加盟国であり、アメリカ政府は、この国々がアメリカ・ドルを使わない貿易圏を立ち上げる前に、この組織を破壊するつもりなので、アメリカはブラジルも視野に入れている。

つい先頃、アメリカ幹部が(アメリカ政府)が、ロシアを苦境に陥れ次第、南米の成り上がり連中に対処する予定だと語った。

計画は予定通り進んでいる。

----------

四半期毎のご寄付のお願い

これは四半期毎のご寄付のお願いである。このサイトで情報と分析を継続して欲しいとお考えであれば、このサイトをご支援いただく必要がある。代替は売女マスコミ、別名プロパガンダ省なのだから、このサイトを支援いただくのは賢明なご判断だ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/03/14/venezuela-also-overthrown-criminal-regime-washington-paul-craig-roberts/

----------

朝刊を読むのが恐ろしい。今朝も実に恐ろしかった。
ジャパンハンドラーとして高名なハーバード大教授の、憲法解釈見直しは「支持」という大きな見出し。
三面、その教授と、お仲間?安保法制懇座長代理氏の見直し推進論と、「戦争に巻き込まれる恐れ拡大」という当然の懸念を表明しておられる先生、三人の並列記事。
一日憂鬱になった。

TBS-BS、折しもこの話題を報道。大本営広報ではないので憂鬱さは多少緩和。

「憲法9条を無くすのと同じことです」というのが、阪田元法制局長官の結語だった。

月刊日本三月号、ブログ「神州の泉」「国家戦略特区の規制緩和は6分野だけでは収まらないはずだ」を拝読し、購入にでかけた。

  • 菊地英博「安倍首相よ、新自由主義と決別せよ」
  • 東谷暁 「国家戦略特区はTPPの受け皿だ」

を読みたくて。

巻頭言 再び言う!「亡国に至るをしらざれば、これ即ち亡国」
有名な田中正造の言葉が冒頭にある。

亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問 田中正造
青空文庫で読める。

「再び言う」とあるのは「月刊日本」11月号に「亡国に至るを知らざればこれ即ち亡国」と言う巻頭言を書いた為。11月号巻頭言、田中の活動についてより多く触れられている。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. gataro 2014年3月21日 20:50:59 : KbIx4LOvH6Ccw : UooilxFJBI
マスコミに載らない海外記事 2014年3月17日 (月)
ベネズエラも、アメリカの犯罪的政権によって打倒されつつある
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-211b.html

02. 2014年3月22日 12:21:31 : nJF6kGWndY

責任転嫁しても無意味

石油資源に頼って、愚民迎合のバラマキを繰り返したツケが回ってきただけ

資源がなく自然災害が多くても、優れた国民がいれば、世界トップクラスの豊かな経済大国なれるが

怠惰で無責任で利己的・暴力的な愚民国家は、いくら資源があっても幸せにはなれないという、当たり前の結果だ

 

http://markethack.net/archives/51911860.html 
ベネズエラは確認埋蔵量でサウジアラビアすら凌ぐ世界最大の国であり、本来、こんにち見られているような国民の困窮や経済の混乱があるはずのない立場でした。

2

しかし故チャベス大統領は革命の獅子、シモン・ボリバルのイメージに自分をダブらせたボリバリズムにより「米国は敵だ」と宣言します。もちろん、アメリカはこれまでベネズエラから美味い汁を吸ってきたことは事実なので、そういうスタンスを取るのは当然だと思いますが、それにしても米国はベネズエラの最大の貿易相手(9830万トン/年、2012年実績)だったので、相手から完全に愛想を尽かされる前に、空気を読む必要はあったのではないかと思います。

3

事実、アメリカの方ではベネズエラを必要としなくなりつつあります。アメリカは今後もシェールオイルが増産されるので、そもそも輸入への依存度自体が落ちてくると思われますし、その輸入原油の中に占めるベネズエラの比率はさらに下がっているのです。

4

去年のベネズエラ経済は低成長(+1%)でした。

5

インフレは直近のデータでは+56%となっており、これはイラン(+35.5%)やアルゼンチン(+10.9%)を凌いで世界最悪です。

6

ばらまき政治を反映して、ベネズエラの構造的財政収支はひどいことになっています。

7

政府の負債は雪だるま式に膨らんでいます。

8

ベネズエラの通貨、ボリバル・フェルテは2008年の1ドル=2.122から現在は1ドル=6.2897まで減価しており、耐久消費財などを海外から買う事が困難になっています。

9

2013年以降、ベネズエラの輸出だけでなく輸入も激減しているのはこのためです。

10

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)


 


http://jbpress.ismedia.jp 
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇るが、同国経済はまるでスローモーションの列車事故のような有様だ。インフレ率は年間56%に達しており、生活必需品が慢性的に不足している。過去3週間の暴力的な抗議行動で見られたように、ベネズエラは政治的に分裂している。

 ウクライナ情勢がなかったら、ベネズエラの混乱は世界各地のニュースサイトのホームページで報じられていただろう。ベネズエラの問題はその代わり、見過ごされてしまう恐れがある。これは潜在的に危険な看過だ。

ウクライナとの類似点と相違

 ウクライナとベネズエラには多くの類似点がある。チャベスの後継者であるニコラス・マドゥロは、やはり民主的な選挙で選ばれたが、その後、民主的権利を踏みにじる政府を率いたビクトル・ヤヌコビッチとほとんど同じくらい魅力のない人物であることを証明した。また、ウクライナでの体制転換は、ベネズエラの抗議者たちの期待を膨らませた。

 散発的な学生デモとして始まった動きは、野党勢力がデモに参加した時に勢いづいた。ベネズエラの国家警備隊の残忍さがバイクに乗った政府支持派の民兵の暴力と相まって、事態を悪化させた。これまでに少なくとも17人が死亡した。

 しかし、ベネズエラとウクライナの違いは類似点以上に重要だ。

 ヤヌコビッチ氏が動揺して逃げた腐敗した政治家だったのに対し、「チャビズモ*1」は14年間もベネズエラを支配してきた。その間に、軍から裁判所、メディア、国営石油会社に至るまで、国の重要機関を掌握した。チャビズモは貧困層の間で忠実な支持者を獲得した。こうした人は概して、過去の歴代政権の下よりは自分たちの暮らし向きがよくなったと考えている――少なくとも今までは。

 また、米国を例外として、ベネズエラはウクライナが受けたような厳しい批判を浴びていない。一部の中南米諸国は、批判に激しく対応する国を非難したがらなかった。貴重な商業的利益を失うことを恐れる国もあった。一方、その他の国は見当外れの連帯感に縛られていると感じた。実際、中南米諸国による最も強い批判は、平和を呼びかける弱々しい訴えだった。こうした国はもっと強く出なければならない。特に、ベネズエラの問題は悪化する可能性が高いからだ。

 マドゥロ政権は崩壊しそうにないが、チャベスが後に残した国は、制度的に混乱を来している。産油量は減り続けており、最近の為替相場制度の変更は、迫り来る国際収支の危機に対処する役に立たない。やはりチャベスの遺産である、全政党の弱さは、与党・ベネズエラ統一社会党(PSUV)の内紛と政策の機能不全に見て取れる。

*1=故チャベス大統領の理念や政策に基づく左翼政治思想

ベネズエラ、反政府デモめぐり米国批判 領事館員追放へ
ベネズエラの首都カラカスで破れたベネズエラ国旗を手に警官隊の放水砲前に立つ反政府デモ参加者の学生〔AFPBB News〕

 暴力と犯罪行為は急増した。長年の悪性の悲しい果実だ。実際、ベネズエラの殺人発生率は世界3位の高さだ。こうした状況はすべて、重要な社会的進歩を危うくする。
 


03. 2014年6月11日 12:11:30 : nJF6kGWndY
続報

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/40919
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
「キューバ化」したベネズエラに悩まされる米政府
2014年06月11日(Wed) Financial Times
(2014年6月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

反政府デモとの衝突で警官撃たれ死亡、ベネズエラ
ベネズエラでは今年、反政府デモと機動隊の衝突で40人以上が命を落としている〔AFPBB News〕

 中南米が米国の外交政策においてたまにしか重視されないのは、恐らく、両者が互いに注意を払わない時期が何年も続いたせいなのだろう。確かに、もっと急を要する問題はいつもほかの地域で発生しているように見える。

 しかし、ここに来て、ベネズエラをどう扱うかという頭の痛い問題が浮上している。

 ベネズエラでは今年に入ってから、街頭での抗議行動で40人以上が命を落としている。人権を侵害しているとの批判を浴びている政府と、野党勢力との話し合いは停滞している。その一方で国民は、猛威を振るうインフレ、物資の不足、頻発する犯罪に苦しめられており、首都カラカスは世界で最も殺人事件の多い都市の1つになっている。

 米国にとって4番目に大きな石油供給国であるベネズエラは、重要ではあるものの簡単には解決できない危機にどう対処すべきかという実存的な問題を米国に突きつけている。その意味では、ベネズエラの問題は、米国がほかの国や地域で抱える外交政策上の問題と同じものだが、これには国内要因のひねりが1つ利いている。ベネズエラは「キューバ化」しているのだ。

キューバ系米国人の有力議員らがベネズエラ制裁を求める理由

 米連邦議会では現在、人権侵害を行ったベネズエラ政府高官らの資産凍結とビザ(査証)発給停止を求める法案が計2本審議されている。どちらの法案もキューバ系米国人の有力議員たちが提出したものだ。彼らは「ベネズエラは新しいキューバだ」と考えており、長年にわたるキューバへの禁輸措置を強く支持している。

 ベネズエラとキューバを結びつける理屈はこうだ。ベネズエラは毎年、キューバに何十万バレルもの石油を割安な価格で提供している。共産主義のキューバ政府は、社会主義のベネズエラ政府に医師や高度な訓練を受けた諜報部門のアドバイザーを送り込んでいる。ベネズエラを罰すれば、その最大の同盟国であるキューバを苦しめることにもなる――。

 しかし、連邦議会に提出された法案には目的がもう1つある。ベネズエラの無秩序な状態にキューバが関与していることへの人々の意識を高めることにより、米国の政策を変更させてキューバとの関係拡大に道を開きたいと考えている米国内の勢力に対抗する狙いがあるのだ。かつてサイラス・ヴァンス元国務長官がキューバについて述べたように、「米国人は、この国のことになると物事を冷静に見られなくなってしまうようだ」

 ジョージ・W・ブッシュ政権で国家情報長官を務めたジョン・ネグロポンテ氏をはじめとする元外交官や元軍司令官など40人以上のグループが先日、バラク・オバマ大統領に書簡を送った。キューバ国内の変化を惹起・促進するために米国とキューバ社会との接触を拡大するよう促す内容だった。

 また、次期フロリダ州知事の最有力候補であるチャーリー・クリスト氏でさえ、キューバへの禁輸措置が解除されるのを望むと述べている。わずか10年前でもこれは政治の場では禁句だったが、フロリダの政治はその後変わった。今日ではキューバ系米国人が、キューバへの家族旅行を合計で年当たり50万件近くも行っており、キューバとのつながりを深めることに、少なくとも容易につながれるようになることに関心を寄せている。

 キューバへの禁輸措置に疑問を呈してはならないというタブーが取り払われたことを受け、禁輸措置の支持者はこの政策を防御する主張を行うようになっている。ベネズエラに制裁を科す前述の法案もその一環だ。

 米国際開発庁(USAID)の請負業者アラン・グロス氏がハバナの刑務所に収容されている限り、禁輸措置は解除されないだろうし、完全な解除には連邦議会の議決が必要になるものの、政策の正しさを立証する責任は、禁輸措置を支持する側に移りつつある。

白か黒かの議論ではなくなった対キューバ禁輸措置

 その意味で、キューバを巡る議論は麻薬の合法化――これも中南米では大きな問題になっている――を巡る議論に似ている。この議論はもう、賛成か反対か、白か黒かという形では問われなくなっており、何を禁止し続けて何を合法化するかという段階に入っている。

 これと同様に微妙な議論が、米国は今ベネズエラについて何をすべきかという問題についても展開されている。ベネズエラの腐敗を広く知らしめよ、中南米の国々には、自国では容認されない人権侵害がベネズエラで行われていることを黙認しないよう促せ、といった主張には「イエス」のかけ声が上がっている。

 ところが、制裁を科せという話には発展しない。キューバ式の禁輸措置を導入せよと真剣に主張する人は皆無だ。また、対象を絞った制裁を実行しても、ベネズエラ政府は反帝国主義のスローガンを手に入れるだけとなり、政府高官はほとんど不都合を感じない可能性がある。反ベネズエラの主張がせいぜい生ぬるいものにしかならないのは、ほとんど(全てではない)このためだ。

 さらに、そのようなユニラテラリズム(単独行動主義)を取れば、米国はこの地域でさらに孤立してしまうだろう。いずれにしても、オバマ政権はベネズエラ制裁法案に反対している。

 ベネズエラ人やキューバ系米国人の中には、これに反発する人もいるだろう。反発すれば、多少は溜飲が下がるのかもしれない。だがそれでは、キューバから多くの人々が逃げ出した歴史の重要な教訓を無視することになる。孤立か緊張緩和かという議論はもう50年も続いているが、キューバ政府に変化をもたらすには至っていないのだ。

 従って、ベネズエラへの懲罰や制裁に賛成するのなら、キューバの場合のようにずっと逃げ出したままになる人が出てくる可能性についても併せて考える必要があるだろう。

By John Paul Rathbone in London


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際8掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧