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南シナ海からの「撤収」はコワモテ中国の本音か:掘削装置の撤去に中国のネット世論は米の圧力に屈したと政府を非難
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/195.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 7 月 26 日 02:01:48: Mo7ApAlflbQ6s
 


 尖閣諸島領海及び周辺海域への不法侵入活動は、その回数を徐々に減らし、気がついたら漁業監視船だけになっていたという戦術を使えば、国内世論をそれほど刺激しないでやめることができる。

 掘削装置まで運び込んで、それを防衛する中国海洋警察とそれを撤去させようとするベトナム巡視船のにらみ合いにまでエスカレートすると、いったん退くだけでもたいへんだ。


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『ニューズウィーク日本版』2014−7・29
P.19

南シナ海からの「撤収」はコワモテ中国の本音か

怖いのは外国の反発より国内批判?
別の海域で新たな攻勢に出る可能性も


 中国とベトナムが共に領有権を主張する南シナ海の西沙群島(パラセル)で、中国が先週不可解な行動に出た。5月初め、沖合に一方的に設置した石油掘削装置をわずか2カ月余りで撤収し、別のプロジェクトのために中国領海内の海南島沖に移動中だと発表したのだ。ベトナムは掘削装置の設置以来、この海域は自国の排他的経済水域(EEZ)だと主張してにらみ合いを続けていたが、思わぬ「休戦」となつた。
 当初予定されていた来月中旬より約1カ月早い撤収に、さまざまな臆測が飛び交った。好天に恵まれて作業がはかどっただけだろうという意見。台風シーズンが近づいているのに乗じてベトナムとの摩擦の原因を取り除いたのではないかという意見。ベトナム軍のある将校などは、「強い反発」で早期撤収せざるを得なかったのだろうと語った。

 それにしても妙なタイミングだ。中国が掘削装置を設置したのはオバマ米大統領のアジア訪問の直後で、ベトナムではなくアメリカへのメッセージだと多くの専門家が主張した。今度は南シナ海などでの中国の行動が「最優先議題」とされた北京での米中戦略・経済対話から1週間足らずでの撤収だ。
 とはいえ、アジア・太平洋地域の安全保障について担当閣僚が話し合う「シャングリラ対話」をはじめ、何カ月間にも及ぶ対中批判も中国の思惑を変えることはできなかった。米中戦略・経済対話が転機になったとは言い切れない。
 むしろ作業を続けるより装置を移動するほうが得だと判断したのだろう。戦術的には掘削装置を設置した目的はおおかた達成された。中国はベトナムの船から装置を守る海軍力も含めて、この海域で掘削作業を行う能力があることを証明した。ベトナムやアメリカ、その他のアジア諸国からの非難には無視や反論で応じ、外部からの批判に屈しないことも証明した。
 設置から2カ月が過ぎ、掘削作業を続けるメリットはほとんど残っていなかった。今回の掘削で石油とガスが発見されたと発表しているので、いつでも再設置できるだろう。今後は収集したデータを解析して「次の段階の具体的な工程表を策定する」予定だという。


国内に「強気」をアピール

 しかし同時に、中国はベトナムとの関係修復にも取り組めるようになる。中国側はこの海域に領有権問題は存在しないと主張しており、本格的な対話に応じる見込みは依然として薄そうだ。それでも掘削装置をめぐる日々の軋轢とそれに伴う中国船とベトナム船のにらみ合いがなくなつた今、それ以外の分野で少しずつ協力を再開することができる。米中関係についても、戦略・経済対話の直前から中国メディアでは前向きな報道が見られるようになつている。

 中国側のデメリットとしては国内の反発が考えられる。装置を撤去したことについて、中国版ツイッター「微博」上では、アメリカの圧力に屈したとして政府批判の嵐が吹き荒れている。

 習近平国家主席は「チャイナドリーム」の実現を最大の目標とし、欧米の「いじめ」に遭った過去から中国を解放するという姿勢を打ち出している。弱腰外交との批判に神経をとがらせ、欧米の要求に屈したという印象を与えまいと必死だ。中国政府が領有権問題で譲歩しない姿勢をアピールするべく、近い将来、南シナ海のどこか別の海域で再び示威行動に出る可能性は大いにある。

シャノン・ティエジ」

 

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