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モルドバ、ロシア産ガス購入停止へ:副首相「全量EU経由、20年までに」 NATO加盟は慎重
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/325.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 8 月 26 日 01:55:45: Mo7ApAlflbQ6s
 


モルドバ、ロシア産ガス購入停止へ
副首相「全量EU経由、20年までに」 NATO加盟は慎重

 【キエフ=田中孝幸】旧ソ連の東欧地域にあるモルドバのゲルマン副首相兼外務・欧州統合相は日本経済新聞のインタビューで、現在は全面的に依存しているロシア産天然ガスの購入を抜本的に減らす考えを示した。6年後の2020年までに欧州連合(EU)からの供給で全量を代替する。ロシアが強く反対する北大西洋条約機構(NATO)への加盟には慎重な姿勢を示した。

 ゲルマン氏は1千立方メートル当たり約400ドルとされているロシア産ガスの供給価格は「国際相場からみても著しく高い」と主張した。「安価で、政治的思惑に左右されないEU産に転換しなければならない」と語った。
 8月中に開通する隣国ルーマニアとのガスパイプラインを3年以内に首都キシニョフまで延伸し、国内消費の35%を賄う計画を提示した。その後の3年間ではEUからの近代的な供給網を全土に広げ、ロシア産ガスの購入を打ち切る考えを示した。
 ロシアはガス価格をテコに供給先の近隣国への影響力を高めようとしてきた。4月には親欧米派が政権を握ったウクライナに実質8割の値上げに踏み切った。モルドバの計画が実現すれば欧ロのはざまにある地域へのロシアの影響力はさらに低下することになる。
 モルドバが6月にEUとの自由貿易協定(FTA)を含む連合協定を締結後、ロシアが打ち出した農産品の輸入制限については「全く不当で受け入れられない」と批判した。事態打開に向けたロシアとの協議が不調に終わった場合、世界貿易機関(WTO)への提訴も検討する考えを表明した。
 同時にEUとの経済統合でロシア依存からの脱却が進んでいると指摘した。モルドバのEU向けの輸出が全体に占める割合は5割超の水準に伸びており「ロシア市場で受ける打撃を埋め合わせつつある」と語った。
 NATO加盟の可能性については「中立をうたっている憲法の改正や国民投票での承認も必要になる」と、実現を急がない姿勢を示した。米国やNATOとの軍事面での実務協力を深める半面、ロシアを過度に刺激するのを避けたい考えをにじませた。
 ロシア系の住民が多く、分離・独立状態にある東部の沿ドニエストル地域に関しては「欧州統合を通じて生活を向上させれば分離の動きは弱まる」と強調した。4月にモルドバ市民にEUへの査証(ビザ)なしの入境を認める協定が発効後、モルドバのパスポートを申請する同地域の住民が増えたことを例に挙げた。
 EUやトルコなどとのFTA締結を受け、中国や中東諸国からの企業進出が加速していると指摘。「モルドバには安価な労働力とEU水準の投資家保護、10億人を超える周辺市場へのアクセスがある」と述べ、日本企業の投資に期待を示した。

モルドバ共和国とは

 ▼モルドバ共和国 ウクライナとルーマニアに挟まれた人口約350万人の内陸国。モルドバ人は文化的にルーマニア人と近い。1991年の旧ソ連崩壊に伴い独立したが、92年には東部の沿ドニエストル地域の独立を目指すロシア系勢力との武力紛争が勃発。停戦後も同地域に中央政府の支配が及ばない状態が続いている。欧州最貧国の1つで、欧州連合への統合を外交の基本方針としている。

[日経新聞8月25日朝刊P.7]

 

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コメント
 
01. あっしら 2014年8月26日 01:59:25 : Mo7ApAlflbQ6s : ySbn3B9Znc

『フォーリン・アフェアーズ・レポート』2014 No.7
P.70〜73

「CFRインタビュー
ロシアの戦略とウクライナ東部――流れは国家内国家へ

チャールズ・キング  ジョージタウン大学教授(国際関係論)


ウウライナ東部に対するロシアの戦略は公的には関与を否定しつつ、水面下で不安定化を画策することだと言われることも多い。これは、ロシアが1990年代に「近い外国」に対してとった戦略アプローチの系譜とみなせる。ロシアは最終的な結果がどうなるかは気に懸けずに、現地情勢への影響力を確保することを重視する。この戦略をとれば、ウクライナ東部における分離独立勢力の将来の地位をめぐって影響力を確保できる。一方、ウクライナ政府が軍事的対応を試みればみるほど、より多くの敵を作り出し、親ロ派を勢いづけてしまう。これは、対ゲリラ戦争に付きまとう古典的な問題だ。国際交渉も、(国連その他の)外部プレイヤーが(分離独立勢力にとっては受け入れられない)領土保全を目的に掲げるために、結局、うまくいかないことが多い。皮肉にも、交渉プロセスそのものが、紛争を長期化させる作用をもっている。・・・ウウライナ政府が明確な勝利を得られないまま、混乱が長期化すれば、親ロシア派が独自の統治構造を作り上げていく危険がある。

聞き手はロバート・マウマホン

■国家VS・事実上の国家

 ウクライナ東部に対するロシアの戦略は、公的には関与を否定しつつ、水面下で不安定化を画策することだと言われることも多い。ロシアはこれまでもこうした二重戦術をとつたことがあるようだ。
 ウクライナ東部に対するモスクワの戦略は、1990年代に「近い外国」に対してとった戦略アプローチの系譜とみなせる。この時期、ロシアと旧ソビエト諸国は、突然国境線となったかつての連邦内の共和国境界線をどうするかをはっきりと決めていなかった。

(モルドバの一部だった)沿ドニエストル、(グルジアの一部だった)アブハジアと南オセチア、(アゼルバイジャンの一部だった)ナゴルノ・カラバフなどで、共和国内部の境界(つまりは分離独立)をめぐって一連の紛争が起き、これらの紛争の一部にロシアは事後的に関与した。

 当時の沿ドニエストルには大規模なソビエトの軍隊が残留していた。社会暴力が深刻になると、モルドバ政府は分離主義勢力、ロシア政府双方からの圧力にさらされた。(モルドバに限らず)多くのケースで分離主義勢力は、ロシアの支援もあって、地域的な管理権を確立することに成功している。
 その後、国家と「国際的には認知されていない事実上の国家」間の「凍結された紛争」という現象が出現した。
 ウクライナの場合も、政府が明確な勝利を得られないまま、混乱が長期化すれば、親ロ派が独自の統治構造を作り上げていく危険がある。


― ウクライナの指導者にとって、そうした「凍結された紛争」の教訓とは何だろうか。

 これまでの「凍結された紛争」では、国際的に承認されている共和国政府側が敗北している。大規模な犠牲を強いられたからではなく、戦闘を継続する気力をなくしてしまったからだ。
 その結果、グルジアのアブハジア、モルドバの沿ドニエストルで、中央政府のライバルとなるような独自の統治体制が形作られていった。時間が経過するとともに、こうした地域を一つの国に収めるのではなく、実質的に分離しているが、体裁だけでも一つの国であるかのように繕おうとする流れが生じた。
 ウクライナの状況はまだそこまで悪化していないし、まだかなりの時間的猶予がある。しかし、1990年代の事態を見守っていたわれわれにとって、(現在ウクライナで展開されている)パターンをみるのは初めてではない。


■今後ウクライナはどうなるか

― 親ロ派が国家統合を妨げる大きな障害を作り出す前に、ウクライナ政府が管理権を再確立できる可能性はどのくらいあるだろうか。

大規模な戦闘を数週間、数カ月にわたって続けるのは、事実上不可能だ。厄介なのは、現在起きているのが、人口密集地帯におけるゲリラ戦であることだ。この環境で政府が東部における軍事的管理を確立しようと強引に試みれば、民間人に犠牲が出る。
 しかも、ウクライナ政府が軍事的対応を試みればみるほど、より多くの敵を作り出し、親ロ派を勢いづける。これは、対ゲリラ戦争に付きまとう古典的な問題だ。実際、政府がウクライナ東部でどの程度政治的正統性を確立できるか、つまり、民衆の支持を得られるかは、非常に重要なポイントだろう。
 1990年代初頭の旧ソビエト地域におけるあらゆる紛争において、多くの共和国政府がこれと同じ問題に直面した。
 共和国側はモスクワに対して「自分たちは自決権をもっている」と主張して中央から離れていったが、その後、共和国内の地域が同様に自決権をもっていると主張し、共和国の中央から離れようと試みるようになった。ウクライナ東部の武装勢力とエリートたちも、現在、これと同じ主張をしている。


― 欧州連合(EU)、欧州安全保障協力機構(OSCE)、国連などの国際的アクターは和平の実現に向けて大きな役割を果たせるだろうか。

 アブハジア、南オセチア、ナゴルノ・カラバフ、沿ドニエストルでの問題をめぐって、国際的アクターは役割をうまく果たせただろうか。
 国際社会は交渉を通じてモルドバ、グルジア、アゼルバイジャンなどが国家的統合(領土保全)を維持していくのを助けようと試みたが、分離独立を求める勢力はまさにその点を問題にしていた。このために、国際社会が交渉を通じて調停を試みるのは非常に難しかった。
 次に、これらの紛争のすべてに対してロシアは最終的な結果がどうなるかは気に懸けずに、現地情勢への影響力を確保することを重視した。ウクライナに対してもこの戦略をとれば、東部の分離独立勢力の将来における地位をめぐって、ロシアは影響力を確保できる。問題は、交渉プロセスそのものが、紛争を長期化させる作用をもっていることだ。
一方、沿ドニエストルなど、1990年以降、いまも国際的な承認を得ていない「事実上の独立国家」は、主権が曖昧な状態でも、紛争さえなければ、長期的に存続できることを立証している。
 残念なことに、ウクライナではいまも紛争が続いている。だが、犠牲者が出るのを避けることがもっとも重要だとすれば、主権が暖昧になっていることはあまり心配すべきではないのかもしれない。


■モルドバは新たな紛争の火種か

― モルドバはまさにEUとの政治経済(連合)協定を結ぼうとしているが、東部の沿ドニエストルはどう動くだろうか。モルドバが新たな火種となる危険はないか。


 モルドバ、ウクライナ、グルジアのような国がEUとの関係を強化しようと試みた場合、共和国内の分離主義勢力がどう動くかは、たしかに重要なポイントだ。
 全般的に言って、EUとの関係強化を概念として受け入れて、市民たちが熱狂的に支持することはない。だが、それによってどのような恩恵がもたらされるかを具体的に想定できる段階になれば、かなり前向きに支持する傾向がある。
 実際、すでにモルドバのパスポートを申請している沿ドニエストル地域の住民たちもいる。モルドバ市民として登録し、モルドバが最終的にEUに加盟すれば、シェンゲン協定によって、ヨーロッパ内を自由に移動できるようになるからだ。
 EU加盟への道を歩き始めれば、EUメンバーになることで得られる恩恵を誰もが考え出す。
 問題はその前段階だ。「EU加盟が良いことか、悪いことか」が争点とされている段階で、EUとの関係強化へと踏み出せば、国内情勢は不安定化する。だが、EU加盟がもたらす具体的恩恵を意識できる段階になれば、変化はスムーズに進む。

― (ロシアはカザフスタン、ベラルーシともに)ユーラシア経済同盟(EaEU)を最近立ち上げた。今後、EaEUかEUかをめぐって旧ソビエト諸国は思い悩むことになるのだろうか。

 EaEUがEUの主要なライバルになることはあり得ない。カザフスタンでさえも、EaEUは基本的に貿易ブロックに過ぎないと表明することで、保険を賭けている。
 たしかに、数カ月前の時点でのプーチンのEaEU構想は壮大なビジョンだったかもしれない。だが、その後何が起きたかを考える必要がある。
 ウクライナは危機に陥り、カザフスタンは保険策をとつている。しかもロシアのクリミア併合がEaEUの拡大にとって大きな障害を作り出している。

Charles King ジョージタウン大学教授(政治学、国際関係論)。専門はナショナリズム、民族政治など。」



02. 2014年8月26日 08:06:17 : MaA2Hd29a2
EU諸国はロシアからガス買ってるんじゃ?
そのロシアから買わないでEUから買った方が安いのだろうか??

03. 2014年8月27日 16:25:07 : ynfucRWbSM
たしかに政治的な判断より、経済的決着が優先されるか?

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