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オバマ政権「死に体」下院で民主敗北 イラン核問題やTPP交渉に影響も…(ZAKZAK)
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/568.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 05 日 23:30:05: igsppGRN/E9PQ
 

ケンタッキーの上院選では共和党が勝利を確実にした(ロイター)


オバマ政権「死に体」下院で民主敗北 イラン核問題やTPP交渉に影響も…
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20141105/frn1411051537007-n1.htm
2014.11.05 夕刊フジ


 オバマ米政権の残り任期2年余りの行方を左右する中間選挙の開票が4日夜(日本時間5日朝)、始まった。米主要メディアの速報では、野党共和党が順調に議席を上積みし、下院の多数派維持を確実にした。

 上院でも現職の州で共和党に議席を奪われるなど民主党は大苦戦。共和党が8年ぶりに上院多数派を奪還し、オバマ政権のレームダック(死に体)化は不可避だ。2016年の次期大統領選にも影響しそうだ。

 注目の上院は定数100のうち、36議席が改選対象。現有45議席の共和党が過半数を確保した。米東部時間5日午前0時(日本時間5日午後2時)現在の獲得議席数は、上院が非改選を含めて共和党52、民主党が無所属2を含めて44。下院は共和党224、民主党145。

 共和党は民主党が現職のモンタナ、サウスダコタ、ウェストバージニアの各州で議席を奪還。勝敗の行方を左右する激戦州10州のうち民主党が現職のアーカンソー州で共和党候補が当選確実に。南部ケンタッキー州でも上院共和党トップのマコネル院内総務が議席を守るなど議席を伸ばした。

 民主党はニューハンプシャー州で議席を死守したが、民主現職のルイジアナ州では過半数に届く候補者がおらず、12月の決選投票にもつれこむことが確実になった。

 上院は条約批准や政府高官の人事承認権限を持つだけに、民主党が多数派から転落すれば、オバマ氏が実現を目指す移民制度改革、イラン核問題や環太平洋連携協定(TPP)をめぐる交渉に影響が及ぶ恐れもある。

 共和党は10年の下院奪還後、オバマ政権の主要政策に激しく抵抗。「チェンジ(変革)」という大統領選の約束を破ったとしてオバマ氏の人気も低迷し、指導力への厳しい評価が民主党への逆風につながった。

 米国の市場関係者も「(中間選挙が)どのような結果になってもオバマ政権の政策推進力は回復しない」(米証券アナリスト)との見方が多く、相場への影響は限られた。


 

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コメント
 
01. 2014年11月07日 14:04:36 : jXbiWWJBCA

米下院議長はオバマケア廃止目指す方針、移民政策で大統領けん制
2014年 11月 7日 11:32 JST
[ワシントン 6日 ロイター] - ベイナー米下院議長(共和党)は6日、中間選挙後初の記者会見に臨み、医療保険制度改革法(オバマケア)の廃止、または大幅修正を目指す考えを示した。一方、長らく滞っている石油パイプライン「キーストーンXL」計画の承認と、債務削減は推進する方針を示した。

中間選挙では、共和党が上下両院で過半数を占める勝利を収めた。ベイナー議長は移民制度改革に関し、「大統領が単独かつ一方的に行動すれば、議会で移民制度改革を審議するチャンスがなくなるということを大統領にはっきり伝えた」と述べた。

合法的な滞在資格を証明する書類のない数百万人を救済するため、オバマ大統領は年末までに大統領令を行使するとみられている。これにより、国外退去を迫られるリスクなく、職探しできるような道が切り開かれる可能性がある。

ベイナー議長はまた、雇用促進やキーストーンXL計画など、企業に友好的な法案を成立させる意向を示した。

オバマ大統領はキーストーンXLについて、温室効果ガスの排出量に及ぼす影響を検証中としている。

ホワイトハウスのアーネスト報道官は「議会が特にこの計画に関して何を準備しているのか把握していない」と述べ、関連法案で大統領が拒否権を発動するかどうかには言及しなかった。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IR05P20141107


02. 2014年11月08日 15:12:55 : jXbiWWJBCA

『from 911/USAレポート』第678回

    「「オバマ大敗」の中間選挙、今後の政局は?」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ 『from 911/USAレポート』               第678回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(冷泉彰彦さんからのお知らせ)

もう一つのメルマガ、「冷泉彰彦のプリンストン通信」(まぐまぐ発行)
http://www.mag2.com/m/0001628903.html
(「プリンストン通信」で検索)

先々週から先週までの内容を簡単にご紹介しておきます。

第035号(2014/10/28)
政治的「本籍」と「現住所」の関係とは?
慰安婦問題、名誉回復への<情念>をどう理解するか?
連載コラム「フラッシュバック69」(第19回)
日本の太平洋航空網は大丈夫か?
Q&Aコーナー

第036号(2014/11/04)
日米野球を展望する
どうなるアベノミクス「後半戦」?
連載コラム「フラッシュバック69」(第20回)
「地方再生原論」まずは総論から
70年安保とは何だったのか?
Q&Aコーナー

JMMと併せて、この『冷泉彰彦のプリンストン通信』(毎週火曜日朝発行)も同
じように定期的にお読みいただければ幸いに存じます。購読料は税込み月額864
円で、初月無料です。登録いただいた時点で、当月のバックナンバーは自動配信さ
れます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 それにしても、オバマの民主党は「派手に」負けました。本稿の時点では、上院
で共和党が52、民主党が45(未決定が3議席)、下院では共和党が243で、
民主党が180(未決定が12議席)、知事も民主が3つ減らして、共和党が3つ
増やすという結果ですから、何とも一方的です。

 これで共和党のミッチ・マコーネル上院議員が「多数派の上院院内総務」として
巨大な権力を手にすることになります。下院も共和党が議席を伸ばして戦後最大の
250に到達する勢いですから、正にオバマのホワイトハウスは窮地ということに
なります。

 これがジェネラル・エレクション(大統領選を含む総選挙)であれば、「ランド
スライド(地滑り的)」勝利とでも言うところですが、今回はそうした言い方はあ
まり聞こえてきません。基本的に中間選挙の場合は、野党がいくら勝っても、大統
領の権限が前に立ちはだかっているので、そこで政権を取ることにはならないので
す。ですから「ランドスライド」という形容が適当ではないということがあります。

 これに加えて、今回の中間選挙に関しては特殊な事情があります。それは、歴史
的な「低投票率」という問題です。まだ暫定的な数字しか出ていないのですが、多
くの報道では恐らく34%程度というショッキングな水準になっているようです。
4年前の「ティーパーティー登場劇」で盛り上がった中間選挙では40.9%であ
り、これは中間選挙としてはここ数回の中では高率でしたが、いずれにしても平均
して40前後は行くというのが普通だったからです。ちなみに、大統領選が加わる
「ジェネラル・エレクション」の場合は、これより10%高い50前後になります。

 そんな中で、現在言われている数字がかなり正しく、今回が34%ということだ
としますと、これは大変な問題です。まず、勝った共和党への信任というのは、か
なり消極的なものだということになります。その一方で、2008年にオバマを大
勝させた「女性、若者、マイノリティ」が投票所に来なかったということで、オバ
マにも改めて不信任が突きつけられたという形になります。

 これに加えて、2008年の大統領選と比較しますと、20%近い票が「寝た」
ということは、この票が動くようですと、2016年の大統領選では「何でも起き
得る」ということが言えます。つまり、今回共和党が勝ったからと言って、この勢
いで2016年の大統領選が有利になるということは、「全くと言っていい」ほど
「当てはまらない」のです。

 ところで、仮に34%というような低投票率ですと、多くの国では「憲政の危機」
だというようなことになるわけです。ですから、解散制度のある国では「もう一度
解散して民意を問え」という話になりますし、例えば日本の場合ですと、多くの新
聞が「棄権した人を叱責する」ような社説を掲げたりもします。

 ですが、アメリカではそうしたことは全く起きません。一つには、憲政、つまり
憲法に決められた「民主主義のゲームのルール」に関しては、国民の間に絶対的な
信任があるということがあり、もう一つは、その憲政への信任の中で「棄権が出た」
という現象も一つの民意の表れとして、誰もが冷静に受け止めているということが
あります。

 簡単に言えば、今回の34%という低投票率の中での共和党の上下両院での圧勝
というのは、「それ以上でも以下でもない」ということです。共和党はこの議席を
使って権力を行使していいわけですが、同時に投票所に来なかった巨大な票を含め
た民意の全体に反した政治はできません。そうした制約の中で、これから政治のゲ
ームをオバマも、共和党の両巨頭(ミッチェル上院多数党院内総務、ベイナー下院
議長)もプレーしていかなくてはならないのです。

 低投票率ということには、共和党が「必ずしも勝利者でない」ということに加え
て、もう一つの意味があります。それは、具体的なある政策について、民意が判明
したということは「ない」ということです。例えば2006年の中間選挙において、
共和党は大敗しましたが、そこでは「イラク戦争遂行」が争点として問われ、民意
はこれに対して「ノー」を表明しました。

 また2010年の中間選挙では「景気の戻りが遅い」ということに加えて「不況
下にどんどん財政赤字が拡大するのはダメ」という民意を受けて、均衡予算への模
索が始まっています。

 ですが、今回はそうした具体的な民意は「ない」のです。ですから、例えばブッ
シュ大統領が2006年にはラムズフェルド国防長官(当時)を更迭して、具体的
にイラク戦争の方針転換を図ったとか、2010年にはオバマ大統領が議会に率先
して「財政規律諮問委員会」を作るといった動きに出ていますが、今回はそうした
「具体的なリカバリー策という手」は使えないということになります。

 一部には、「オバマが格差是正ができなかったから」という点を敗北の理由に挙
げているような解説もありますが、これも曖昧です。確かに民主党の消極的支持者
は「格差是正ができなかった」と怒って棄権していると思われます。ですが、共和
党への投票行動ということそのものは「格差の是正は政府がすることではない」と
いう思想を認めたことになるわけで、この点でも民意のありかは曖昧です。

 では、具体的にこれからの政局はどうなっていくのでしょうか?

 とりあえず、選挙が火曜日に終わった週内の動向としては、ホワイトハウスと共
和党の双方が色々なメッセージを出して、いわばアドバルーンを上げている格好で
す。まず上院で多数党の院内総務に内定しているミッチェル議員は「今後は政府閉
鎖を招くようなことはしない」と表明しています。これは「最初はお行儀よく」と
いうこと、そして一連の予算バトル騒動では共和党が世論から見放されたことを受
けてのものと理解ができます。

 一方で、ベイナー下院議長は「オバマケア(国民皆保険制度)の廃止、キースト
ーン・パイプラインの承認、そして国家債務の圧縮を断行する」と息巻いており、
こちらは議席を背景にした対決モードというところです。

 こうした共和党の硬軟取り混ぜたメッセージに対して、オバマ大統領は「対話を
重視する」として、共和党の主要な議員をランチに招待して懇談したりしています
が、一方で国民向けのメッセージとしては「政策には変更はなし」ということを言
い続けています。これに加えて、「今回の改選議席は史上最悪の割り振りだった」
と選挙区の組み合わせに責任転嫁するなど、本当に対話の姿勢があるのか、まだ腰
は定まっていないようです。

 そんな中、具体的にはどんな対立点があるのでしょうか?

 実はたくさんあります。本当に沢山あるのですが、先ほど申し上げたように、中
間選挙として「政策に関して民意が表明された」という格好にはなっていないわけ
で、全ては今後の与野党折衝に委ねられることになります。

 まず税制の問題があります。包括的なテーマとしては「税体系の簡素化」という
提案が共和党から出ていて、内容的には個人に関する減税の恒久化、そして法人減
税という話です。現時点では、オバマの方は「個人に関する減税は合意へ向けて交
渉してもいいが、法人減税はイヤ」という立場です。

 勿論、この「減税」には条件があって、与野党合意している中長期の財政規律に
は反しないということになっています。では、どうして減税論議が可能なのかとい
うと、景気が良くて税収が好調だからです。では、その延長で本当に減税を決めて
いいのかということになると、全ては年明けの景気動向によるということになると
思います。

 次は、エネルギー問題です。基本的に与野党がシャープに対立しているのは、オ
バマ政権が環境問題を理由に国内のエネルギー開発に規制をかけているためで、こ
の点では双方譲れない雰囲気になっているのです。中でも、天然ガス移送の主要幹
線である「キーストーン・パイプライン」に関しては、オバマ政権が規制をかけて
ストップさせているという状況が続いており、この点で妥協ができるかは注目点で
あると思われます。

 医療保険改革、つまりいわゆる「オバマケア」に関しては、今回の大勝を受けた
共和党としては「廃止に追い込む」と意気盛んですが、仮に廃止となれば改革で恩
恵を受ける層にしてみれば「いきなり不利益変更になる」わけです。特に、巨大な
民主党の消極的支持層が猛反発するのは目に見えているわけで、共和党としては
「党内と支持者向けには、廃止・廃止と大声で騒ぐ」一方で、実際の行動に関して
は様子を見ながらということになると思います。

 そもそも、ここ数年の共和党は下院で「オバマケア廃止法案」を通しては、上院
で否決されてきたわけです。それが「上下両院で通し」ても大統領に拒否権を行使
されるということに変わるだけで、オバマの任期中は基本的には動けないと思われ
ます。

 経済の関連では、銀行規制の問題が大きいと思います。リーマンショックの後の
金融危機で「公的資金を入れた」以上は、「大きすぎて潰せない」銀行には、危険
な投資行為はご法度という形で厳しい規制が導入されています。共和党としては、
この規制を何とか「取り払いたい」一方で、オバマとしては2008年以来の経緯
からして譲れないという格好です。

 妙な綱引きになっているのが移民法問題です。今回の中間選挙に関して、オバマ
は「大統領令によって不法移民の合法化を強行」するかどうか迷って、一説によれ
ばそのためにヒスパニック票の離反を招いたということなのですが、では共和党は
こうした改革に反対であるかというと、決してそうでもないわけです。

 今は、共和党としてもヒスパニック票は無視できない中で、問題は「仮に歴史的
な移民法の改革ができた」として、それが「民主・共和どちらの功績になるのか?」
という点が綱の引っ張り合いになっているわけです。だったら、両者が仲良く実施
へ向けて行動すればいいとも思うのですが、そこは政治という魑魅魍魎の世界であ
って、視界は極めて不良です。

 外交に関しては、やはりISIL(「イスラム国」)の問題が大きいわけですが、
オバマとしてはイランでロウハニ政権という穏健派の政権ができている中で、何と
かイランとの対話へ持って行こうとしています。ISILはイランも敵視して挑発
行為を繰り返している一方で、ISILの「被害者」としてイランが警戒している
クルド勢力が「必要以上に自立してしまう」ことに関しては、どうしてもイランと
の調整が必要なためです。

 ですが、共和党は一貫して「イランのイスラム共和国は、アメリカの仮想敵」と
いう姿勢を崩そうとはしていません。核開発問題と、イスラエル敵視政策だけでな
く、そもそもイラン革命前後の経緯からしてもアメリカと「直接対決する敵」とい
う認識を捨てていないのです。ですが、ISILへの対策ということでは、そうば
かり言っていられないわけでオバマは焦っているのですが、今回の選挙で勝った共
和党としてどう出て来るかは注目されます。

 いずれにしても、現在の政局は非常に奇妙な状態になっています。民意としては、
選挙で大敗させることでオバマ政権への不信任を突きつけた一方で、歴史的な低投
票率ということで共和党もまた決して信任されていないという状況が作り出されて
います。また各選挙区の戦いが、各選挙区の地域事情によってバラバラに戦われた
ために、政策に関する民意の出方が曖昧になっているわけです。

 では、これから先は、オバマ大統領、ミッチェル院内総務、ベイナー下院議長と
いった「それぞれのボス」が丁々発止のやり取りをしながら、それこそ「寝技」や
「水面下の駆け引き」などが続いて、要するに個人の政治的な交渉力の「見せ場」
となっていくのでしょうか? また、それに2016年へ向けて野心を抱いた大統
領候補たちが絡んでいくのでしょうか?

 確かにそうした「政界ドラマ」という要素はあるのは間違いありません。ですが、
政治を大きく動かすのはそうではないと思います。全ては、年明けの景気にかかっ
ているからです。年明けに、アメリカが「QE明け」の中でも安定的に成長してい
くのか、またその前に年末商戦をここ数年なかったような「勝利ラッパ」の鳴るよ
うな状態に持っていけるのか、その方が重要です。

 景気の好調が続くようですと、与野党合意も比較的成立しやすくなるでしょうし、
特に税収増の中では政策の自由度も高まるでしょう。ですが、2015年に大きく
景気の腰が折れるようですと、政局は一気に流動化することが予想されます。いず
れにしても、選挙の結果は出ましたが、選挙後の政局はまだ始まったばかりと言え
ます。
    
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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ
消えたか〜オーラをなくしたオバマの試練』。訳書に『チャター』がある。 最新作
は『場違いな人〜「空気」と「目線」に悩まないコミュニケーション』(大和書房)。
またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。

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●編集部より 引用する場合は出典の明記をお願いします。
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JMM [Japan Mail Media]                No.818 Saturday Edition
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【発行】村上龍事務所
【編集】村上龍
【発行部数】92,621部
【お問い合わせ】村上龍電子本製作所 http://ryumurakami.com/jmm/


03. 2014年11月13日 07:44:19 : jXbiWWJBCA

中間選挙で共和党が勝利してもオバマケア修正は難しい

次期大統領選にらみ民主党支持者を敵には回せない

2014年11月13日(木)  The Economist


 米国議会が嘲笑の的となっているのには多くの理由がある。財政政策はその最たるものだ。2010年に共和党が下院で過半数を得て以降、予算を巡って民主党上院議員やバラク・オバマ大統領との間で熾烈な攻防戦を繰り広げてきた。その揚句に、米国は債務のデフォルト寸前にまで追い詰められ、経済は「財政の崖」の瀬戸際まで迫り、ついには16日にわたって政府機能が一部閉鎖された。共和党が上下両院を制した今、こうした状況を改善できる可能性がある。

 最初の関門は間近に迫っている。連邦政府の機能のほとんどは12月11日まで、暫定的な「予算継続決議」に基づいて運営されている。同決議が延長されなければ、政府機能は再び閉鎖されることになる。前回の予算を巡るせめぎ合いの中で、共和党のイメージが著しく傷つけられたことを思えば、同党の指導者たちは同じ状況を再現することを望んではいないだろう。年末までは民主党が上院で過半数を握っているため、議会が予算決議を採択するとみられる4月までは少なくとも継続予算決議が延長されるよう、民主党との妥協点を見出したいと考えるはずだ。

共和党は簡単にはオバマケアの見直しができない

 予算決議は政府の歳出や歳入について大まかな指針を定めるものだ。2010年以降、議会はこれを成立させることができずにいる。そんな事態となった最大の理由は、下院で過半数を制する共和党と上院で過半数を握る民主党の基本理念が、あまりにもかけ離れていたことにある。共和党が上下両院を掌握すれば、重要な委員会に対して、税制やオバマケア、メディケア(高齢者向け公的医療保険制度)に関わる法の見直しを指示することができる。この過程を調停と呼び、予算決議の内容が見直し指示の方針となる。

 こうした見直しが財政赤字の削減につながる限り、修正案は少数派となった上院民主党からフィリバスター(審議を引き延ばして採決を阻止する行為)を受けることはない。フィリバスターを避けるためには通常60票が必要だが、今回は51票の賛成だけでよいからだ。ただし、オバマ大統領は依然として拒否権を発動することはできる。

 共和党は、調停を利用して、積年の目標である税制改革やオバマケアの廃案、メディケアの見直しを進めたいところだろう。しかしながら現実的な理由により、共和党は敢えてそうした行動には出ないこともあり得る。まず、オバマ大統領は、その種の大規模な変更には拒否権を発動するだろう。加えて、共和党の上院議員の多くは、何らの見返りもないままに大胆な改革案を打ち出して、政治的に高い代償を支払うリスクを冒したいとは思っていない。彼らは2016年、民主党が優勢となっている州で再選をかけて出馬することになるからだ。

 かつて共和党の上院議員を務めたジャド・グレッグ氏は「メディケアの支出削減につながると見なされることには何であれ、誰も手をつけようとしない」と語る。グレッグ氏は、かつてメディケア支出の削減に向けて努力した経緯がある。したがって、共和党の指導者たちは、医療機器への課税をはじめとする不人気な政策を廃止するといった、より穏健な目標を模索すると考えられる。そのような穏やかな政策なら、若干の民主党員の賛成票を獲得できるうえ、オバマ大統領の拒否権も回避できるかもしれない。

シークエスターはずっと続く

 共和党はまた、シークエスター(予算を自動的に削減する措置 )を課し続けるかどうか、決めなければならない。これは、国防や、政府諸機関の運営、教育などの支出(ただし政府給付金は除く)に上限を設ける措置で、2021年末まで続くことになっている。共和・民主両党は昨年、上限をわずかに引き上げることで合意したが、この合意は来年9月で期限切れになる。その後、国防支出はGDP(国民総生産)の2.7%と1940年以来最も低い水準に削減されることが見込まれている。他の支出もGDPの2.5%に抑えられる。これは1950年代以来の低い水準だ。

 共和党は国防費については上限を引き上げたい意向と見られる。そのためには数人の民主党上院議員の賛成とオバマ大統領の署名が必要だ。だが、国内支出に対する上限を引き上げない限り、共和党はそのいずれも得ることが困難だろう。そうなると、少なくとも2016年まで何の変更も行われないというのがより蓋然性の高いシナリオということになる。

茶会派の動きを制することができるか

 一方、状況に迫られて、オバマ大統領と共和党はいくつかの面で合意点を見出すことも考えられる。共和党は各種の自由貿易協定を妥結させるため、オバマ大統領に貿易促進権限 を与えるかもしれない。高速道路の建設費と障害者への給付は財源となる基金の残高がゼロに近い。このため、双方が若干の妥協に動くこともあり得る。また、オバマ大統領と共和党は法人税改革――最高税率を引き下げるとともに抜け穴を塞ぐ――については概ね合意している。

 オバマ大統領と共和党の指導者は、中間選挙の翌日、貿易と税制では協力すると話し合った。とはいえ、彼らは互いを信頼していない。さらに、共和党は一枚岩ではない。共和党の新しい上院院内総務、ミッチ・マコネル氏は、テキサス州選出の上院議員、テッド・クルーズ氏が率いる一握りの保守派から妨害を受けかねない。彼らは、予算案がオバマケアを撤廃するものでないならば、法的債務上限の引き上げを拒否する、と主張する可能性がある(クルーズ氏自身は一部廃止で手を打つと述べているが)。そうなると、連邦支出の自動削減、もしくは米国債務のデフォルトという亡霊が、再び頭をもたげてくる。

 共和党は統治能力を証明するにはそうした惨事を回避する必要がある。さもなければ、「2016年に共和党の大統領は誕生しない」という下院院内総務のケビン・マッカーシー氏の予言が的中することになる。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141111/273677/?ST=print


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