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G20反対、2千人がデモ行進、「世界は商品ではない」 /1%ためのG20に反対....気候変動・エボラ対処、警察暴力・
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/591.html
投稿者 gataro 日時 2014 年 11 月 17 日 14:09:18: KbIx4LOvH6Ccw
 

戦争中断を要求(レイバーネット日本)


G20反対、2千人がデモ行進、「世界は商品ではない」

1%ためのG20に反対....気候変動・エボラ対処、警察暴力・戦争中断を要求(レイバーネット日本)


チョン・ウニ記者 2014.11.16 12:21
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/intl/1416157841958Staff

オーストラリアのブリスベンで開かれたG20首脳会議に反対し、
約2000人が「民衆のデモ行進」を行い、「私たちの世界は商品ではない」と宣言した。


11月15日(現地時間)、ブリスベン中心街のローマストリートに集まったデモ隊は、
G20首脳会議が企業主の議題を強制していると批判したとグリーンレフトウィークリーが報道した。
先住民に対する警察暴力と殺人、気候変化に対する対応、再生エネルギー支援、メキシコ学生43人の失踪など、多様な問題も提起された。


http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/intl/1416157841958Staff

http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/intl/1416157841958Staff

参加者たちは「活動家はテロリストではない」、
「ウクライナから手を引け」、「エボラ危機に動け」、「核禁止、化石燃料禁止」、「警察の黒人殺害をやめろ」、「戦争反対」といった文句を持って、同時代の矛盾と問題に発言した。


デモ行進の後、真っ先にマイクを持ったある先住民活動家は「オーストラリアは民族虐殺と強奪に基づいた植民国家」とオーストラリア政府を批判した。社会団体のBrisCANのアドリアン・スケリットは「富はトルクルダウンするのではなく、下から湧いてくるものだ」とし「豊かな資源が必要な人々に回るように要求しよう」と提案した。


オーストラリア当局はG20首脳会議場の周辺に6000人の警察を投入して警備した。デモ鎮圧のための放水銃と特殊装備も動員した。デモの場所に近い駅ではカバンの検問が実施され、通りでは不審検問も行われた。
G20首脳会議を控えてオーストラリア政府が出した仮面禁止措置により、2人の女性が一時拘留された。


ブリスベン・コミュニティ行動ネットワークのユアン・サンダースは「警察の目的はG20代表団の安全より大衆デモを阻止しようとしている」とし「デモを恐れるのなら、これは民主主義ではない」と話した。


http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/intl/1416157841958Staff

オーストラリア社会運動はG20首脳会議に対して、さらに正しく持続可能な社会の展望を明らかにするために3日間の民衆会議を開いた。


民衆会議のワークショップでは「自由貿易協定、何が問題なのか」、「炭素暴力」、「同時代運動と持続可能な大衆政党」、「資本主義エコーサイド(環境破壊)に対する社会主義者返事-生態社会主義」、「ヨーロッパ社会主義とオーストラリアのギリシャ連帯」、「地球化と女性労働」といった議題が討論された。


この会議には約200人の地域活動家と共に国際労働組合総連盟(ITUC)のシャロン・バロー事務総長をはじめ、地球の友、OXFAMなどの国際団体も参加した。


原文(チャムセサン)


翻訳/文責:安田(ゆ)

著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


 

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コメント
 
01. 2014年11月18日 07:21:00 : jXbiWWJBCA

欧米が“いまさら”ものづくりを自国内に取り戻そうとしている理由

国際生産工学アカデミー会長上田完次・東京大学名誉教授に聞く

2014年11月18日(火)  瀬川 明秀

 欧州、米国とも国策として「ものづくり」を自国内に取り戻そうとしている。「工場は東欧、南米、アジアへ」などという議論はいまや昔の話。各国とも自国内に製造業を取り戻すための政策、大型プロジェクトが目白押しである。
 なぜ、“いま”ものづくりなのか。世界中の製造技術のトップ研究者たちが集う国際組織CIRP(国際生産工学アカデミー)会長である、上田完次・東京大学名誉教授に事情を聞いた。(聞き手は瀬川明秀)

上田完次(うえだ・かんじ)氏
東京大学名誉教授。1972年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了。金沢大学、神戸大学、東京大学の教授を経て2005年 東京大学人工物工学研究センター長、産業技術総合研究所理事などを歴任。工学博士。国際組織CIRP(International Academy for Production Engineering)会長(2014-2015)。著書に『共創とは何か』などがある。
本題に入る前に、CIRP (国際生産工学アカデミー:CIRPという略称は、フランス語の学会名College International pour la Recherche en Productiqueからきている)についてお伺いします。
生産技術の研究者たちの国際組織で、「なかなか入会できない組織」としても有名だと聞きました。

上田:いえいえ、閉鎖的な集まりではないですよ。ただ、正会員は確かに、世界全体で175人に限っていますし、副会員は約150人です。メンバーによる推薦が大前提で、正会員全員の投票で入会を決めてはいます。ですが、リサーチアフィリエイトというドクターをとったばかりの35歳以下の若い研究者にも門戸を広げています。

名誉倶楽部じゃない?

上田:もちろんです。CIRP(国際生産工学アカデミー)は第2次世界大戦後のヨーロッパの復興を進める上で、生産工学に関する国際的な共同研究が必要であるとの認識を持った指導的立場にあった研究者が集って1951年に設立した国際組織です。

 この分野では唯一の国際的な生産工学研究会議で、主に工業先進国の主要な研究者によって構成されています。設計、加工技術、工作機械、表面技術、計測技術、システム最適化など10の専門委員会があり、それぞれが、国際会議を毎年のように開催しています。総会は8月に世界各地の持ち回りで開催され、毎年冬にパリで会議が開かれます。Annals of the CIRPというジャーナルを発行しており、年間140ほどの論文が掲載され年間約50万件がダウンロードされています。

先進国が製造技術を取り戻そうとしている

世界中の研究者たちが50万もダウンロードしている…。スゴイですね。じゃあ世界のものづくりのホットイシューが何かが分かりますね。そこで、CIRP会長である上田先生にお伺いしたいのは、ものづくりのトレンドです。

上田:世界各国とも民間企業レベルでは国際分業システムが確立し「製造機能は東欧、アジア 中南米におけばいい」との発想でものづくり機能をどんどん他国にシフトさせてきました。実際、生産拠点であったアジアは所得水準も上がってきたことで市場としての存在感も高まってきたので、製造機能のみならず設計機能なども海外にシフトしてきました。

ところが、ここ数年、国家レベルでは、各国とも、ものづくりは自前でやっておきたいという動きがでてきた。真逆のような動きですよね。

上田:。理由はいくつかあります。

付加価値のある製品がつくれない?

  「ものづくり」機能を自国にもっていないと付加価値のあるものが産まれない、新しい成長の源が産まれないということがみえてきました。

 日本が生産拠点を海外シフトした結果、何が起きたかといえば競争力の低下です。「生産コストが高いので安い地域で作る」というビジネスモデル一辺倒では限界があるのではないでしょうか。自国の人材、製造技術、資金が流出したまま自分の国にはなかなか還元されない。その結果、新しい価値を創り出す力まで弱体化してきたわけです。

 実は、このような傾向は、キャッチアップとイノベーションの観点から捉えればよく理解できます。日本は戦後復興・高度成長時代から石油ショックの頃までは、基本的にはキャッチアップ型イノベーションでした。米国モデルがあり、テーラー方式(科学的経営管理)を導入し、品質目標も所与でコスト最小化を達成させてきた。労働費用が小さく、為替も円安で安定していた。後続者優位の時代です。これまでの中国などの躍進も基本的にはキャッチアップ型によるものだと言えます。

 その後、我が国は円高誘導のプラザ合意で厳しくなったが、労働費用の上昇、消費者嗜好の多様化、グローバル化という変化に対応し、FMS(多品種少量生産システム)の開発・導入と現場技術(カイゼン、JIT)で乗り越えました。東京大学の藤本隆宏先生が考えたいわゆるインテグラル型です。これは単なるキャッチアップではなく、適応型イノベーションの成功といえます。しかし、最近はその限界も指摘されはじめています。

はい。

上田:先進国で比較的強い競争力を誇っている国はどこかといえばドイツです。ダイムラー、BMWなどのブランド力をもった企業が多く、シーメンス、ボッシュなどのグローバル企業から、製造装置、生産材で世界トップシェアの製品を抱えた中小企業もたくさんあります。日本同様、人材コスト、立地コストなどが高いのに、それでも競争力を維持しています。

 戦後日本と同じように、米国にキャッチアップし、後続国からはキャッチアップされる歴史をたどっているドイツの経験は大きいと思います。必ずしも“すり合わせ型”の現場主義ではなく、イノベーションを実現しています。

 そこには、企業としての研究開発への投資意欲が高いこと、大学や国の研究機関との連携の仕方など、見習うべき点が少なくないのです。

 そのドイツでは、さらに、いま「Industry4.0」(18世紀の産業革命、20世紀初頭のフォード生産システムに代表される大量生産の出現、1970年代から始まった電気・電子技術による自動化に続いて、現在進行中のサイバーフィジカルシステムによる第四次産業革命を意味する)という国家プロジェクトを掲げて、IT技術などコンピュータソフト、情報ネットワーク技術の進化にあわせた次世代のものづくりの研究を始めています。

米国国内に製造拠点を呼び戻せ

強い競争力を維持するため、さらに一歩先へ進もうとしているわけですか。そこで、ほかの国も動き始めています。

上田:米国ではオバマ大統領が「製造業回帰政策」を次々と打ち出し、自国内に製造拠点を呼び戻そうとしている。実際、GEやキャタピラーなどが戻ってきた。もちろん、高コストの条件のまま、コモディティ化した製品をつくっても意味がないので、先進国でも成り立つ「新しいものづくり」をいち早く整備し、世界的な標準モデルをつくりあげるのが米国の狙いでしょう。かつて日独にキャッチアップされて、ITで凌いた米国が、ふたたび生産技術イノベーションに力点を置き始めたのは注目されます。

 たとえば、官民パートナーシップ事業「米国製造イノベーションネットワーク(National Network for Manufacturing Innovation:NNMI)プログラム」では、米国内での先進的製造を促進する製造研究基盤を構築しようとしています。具体的には、連邦予算10億ドルを充てて米国国内で、15の製造イノベーション研究所(Institutes of Manufacturing Innovation:IMIs)を立ち上げます。

英国は米国よりも先に取り組んでいると聞きました。

国際競争力を維持するための新しい研究センターづくりを続けています。昨年は総額4500万ポンドの「製造技術研究投資」の一部を利用し、いくつかのセンターへの助成を決めましたね(エレクトロニクス、生産プロセスへのレーザ技術利用、医療機器、食品生産の4分野の製造技術開発を行う新研究センターに総額2100万ポンドを投資。英国全土から15大学と産業界から60社が参加。英国では、製造業関連のセンターが16カ所できた) 。

上田:これらのセンターでは、市場で競争力ある製品を実際につくるための基盤研究も始めていますね。

多様な技術者たちが集まる場づくりからはじめよ

各国とも、研究センターなど場づくりからはじめているのはなぜですか。

上田:製造基盤づくりはいろんな技術を付き合わせ、統合してできあがる世界です。仮に、どんなにすばらしい固有技術があったとしても、合理的なコストで量産化するには設計段階から、生産ラインづくり、工場運営の生産管理、検査に至るまでのあらゆる技術を統合することが必要です。

 これまでは製造現場でなんとか擦り合わせながら対応してきたわけですが、実はこうした技術を統合し仕上げていく製造基盤づくりには正解もなければ、体系化されたもの、汎用化されたものがないのです。そこで、実際に新しい体系づくりのためにいろんな専門家が集まる場が求められているのです。

 なぜ集まる場が必要なのか、という答えとして参考になるのがドイツです。産学連携といえば、日本でもそれこそ産業技術総合研究所でも人的交流をやってきまたし、大学でも企業との共同研究などもあります。でも、正直、満足いく成果に結びついていない。

 ドイツが面白いのは、産と学に境目がないことです。各州の主要大学のほとんど全てで、例えばアーヘン工科大学、ベルリン工科大学、シュツットガルト大学などの施設内にフラウンホーファー研究所の研究センターが設置されているのです。そこで企業と連携し、企業出身の研究者が大学教授として教えたり、大学の先生が企業連携の製品化技術を推進しているのです。学生も事実上、大学と企業の両者に属していると言えます。

米国シリコンバレーみたく、ITベンチャーの経営者が大学の先生をやり、大学の先生がベンチャーを起こしたり、VCで働くような感じでしょうか。

上田:ええ。私も短期間ですがシュツットガルト大学の客員教授をしていましたが、産業と学術が日常的に連携し相互作用している感覚でした。もちろん、セキュリティ管理上のルールはいくつかあり、どこでも入れるわけではありませんが、同じ敷地内にあるのでいろんな動きが早い。テレビ会議、ネットワーク上でやりとりができる時代でも理論と実践、現場の体系化を加速化させるため、一体化することを重視していることが面白いんです。

その結果、何が起きるのでしょう。研究者自身にもマーケット志向がでてくるとか?

上田:ええ、ドイツでは産学連携で取り組んだプロジェクトには大学教員にも、いろんなインセンティブが働くので必死です(笑)。いろんな意見がありますが、今後、先進国でのものづくりは高付加価値のあるものでしか継続が難しい。その前提に立つならば、どんなに学問的に素晴らしい成果であっても、製品やサービスにしなければ意味がない。さらに市場で受け入れられなければ継続はできないのです。

 各国とも、複合知を集めるための場づくりを進めている段階ですが、おそらく、その次の段階として大事になってくるのが、研究者の働き方です。そのため研究・設計段階から、消費者をまきこんで一緒につくっていくような「共創活動」が大事になると思っています。

研究者と消費者の「共創」とは

あ、共創ですか。最近、消費者と一緒に製品開発をするという…。

上田:いえいえ。消費者の顕在化したニーズに応じるような開発はいまの企業でも難しいことではありません。難しいのは、開発の前の段階。顕在化されてないニーズとシーズを探り当てることです。

 そのためには、極端な話ですが、研究者も論文を発表することのみならず、研究者1人ひとりが直接企業なり最終的な消費者に、自分の研究の魅力を新しい可能性を説明アピールしていくことも大事な仕事になっていきます。

宇宙物理学者が最先端の研究を続ける一方で、「宇宙の魅力」を子供に語り続けるように?

上田:単なるPR活動ではなく、見えないニーズを探り当て、浮かび上がらせるプロセスとして自分の研究・技術のネタをオープンにして広げていくことが今後のものづくりの基盤となります。我々は「研究としての価値」を消費者にも訴える一方で、「一体何に役立つの?」という市場からの疑問をぶつけ合う場をもっと増やす必要があります。供給側余剰だけでなく需要側余剰も上げ、社会的総余剰を上げることに繋がります。このような価値共創型イノベーションが望まれます。

ところで日本はどうでしょうか

ところで、欧米の動きに対して、日本はどうするのでしょうか。

上田:製造基盤の強化という意味では、ようやく動き始めてました。総合科学技術会議が中心になり、各省庁や旧来の技術分野の枠を超えて実施する「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の中で「革新的設計生産技術」分野のプログラムも走り出しました。英国米国などと比べるとスケール的には不十分とも言えますが、これまで、分散していた製造現場での知識なりノウハウを再編成する一方で、情報化技術を活用し時間や場所によらない「ものづくり」のモデルをつくることを目指しています。

ドイツ、米国、英国……各国とも、目指すべき方向は分かるのですが、実際の成果といいますか、具体的な新しいものづくりの形が見えてくるのはいつ頃でしょう?

上田:今年12月11日にCIRPのシンポジウムを東京大学伊藤国際学術センターで開催します。このシンポジウムはCIRP国内委員会委員長の高田祥三早稲田大学教授を中心に構想されましたが、シンポジウムでは米独英国の現状報告と日本側からは内閣府(SIP)の取り組みを紹介します。

 パネルディスカッションでは、各国の取り組みだけでなく、科学技術政策HORIZON-2020についても議論したいと思っております。メーカーのマネジメント層、製造技術の研究者たちの関心事である「グローバルレベルでの新ものづくり」についても議論していきます。このシンポジウムの内容は、そのまま次世代のものづくりの方向を指し示すものになるでしょう。なのでまたご報告できればと思います。

このコラムについて
キーパーソンに聞く

日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141104/273351/?ST=print


02. 2014年11月18日 07:34:50 : jXbiWWJBCA

緊縮に耐えてきたアイルランド、水道料金に怒り爆発
2014年11月18日(Tue) Financial Times
(2014年11月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

旅行時の節水法コンテスト、国連がツイッターで開催
アイルランドはこれまでOECD加盟国で唯一、水道に課金していない国だった〔AFPBB News〕

 「一体やつらはどこにいるんだ?」 ダブリン北郊外の町ドナミードのトンレジー通りを車で走るデレク・バーンズさんは、どうやら獲物を見失ったようだ。獲物とは、水道メーターを設置するバン1台分の技術者だ。20分経ち、多くの袋小路に遭遇した後、探すのを諦めた。

 「もういなくなったんだろう」。紛れもない勝利感を漂わせながら、彼はこう言った。「今日は戻ってこないさ」

 2人の子を持つ36歳のシングルファーザーのバーンズさんは、11月半ば、小雨の降る、風の強いある朝にエアフィールド住宅地の入り口に集まった一握りの抗議者の1人だ。

 彼らにとって、技術者と忌まわしい水道メーターが去ったことは、アイルランド国民は水にお金を払い始めるべきだという考え――今や正式な政府方針――に対する激しい反対運動におけるもう1つの小さな勝利だ。

水道がタダだったアイルランド、「水にお金は払わない!」

 「ここはまっとうな労働者階級の住宅地、ケルトの虎が1度も来なかった地域だ」。ドナミードの代わり映えのしない通りを案内してくれたバーンズさんは、もう過去となったアイルランドの好況期に触れてこう語った。「この辺では誰も水にお金を払いませんよ」

 この誓いの言葉は、アイルランドの老朽化した水道インフラの運営を地方自治体から引き継ぎ、数十億ユーロの費用がかかる近代化プログラムを監督する水道公社アイリッシュ・ウオーターの設立に反対するアイルランド各地の大勢の国民の共感を呼んでいる。

 抗議活動にはダブリンやその他の場所での大規模デモも含まれ、水道料金の徴収を支持しているか否かにかかわらず、すべての政党が守勢に立たされることになった。

 2008年以降、アイルランド国民は6年間の緊縮策に耐えてきた。公共支出の削減、最大13%に上る実質賃金のカット、増税、固定資産税、年金税、その他諸々の金銭的な罰――。その間、大した抗議はなかった。政治家にとって不可解なのは、なぜ水が国民をバリケード構築へ導く問題なのか、ということだ。

 「こんなことは今まで見たことがない」。労働組合ユナイトの幹部で、10月1日に発効した、一般家庭の水の利用に課金する政策に抗議するイベントを組織化する上部団体「ライト2ウオーター」を立ち上げたブレンダン・オーグル氏はこう語る。 「労組主導でもなければ政党主導でもない。この動きには、どこか違うところがある」

アイルランド総選挙、与党大敗で政権交代へ
エンダ・ケニー首相は今週中に、水道料金について最終的な決断を下す〔AFPBB News〕

 アイルランドのティーショク(首相)、エンダ・ケニー氏にとって、水を巡る物議は、閉めることのできない蛇口だ。

 同氏は国民が年間支払わねばならない金額について、今週中に「最終的で明確な決定」を行うと約束した。

 アイルランド政府は今春、「アイルランドの平均的な世帯」では、水道料金が年間240ユーロ以下になると述べた。だが、ラジオのトーク番組には、世帯規模に基づくと最高で800ユーロの支払いを迫られる可能性があると訴える電話が殺到した。

 アイルランドは経済協力開発機構(OECD)加盟国で唯一、水道に課金していない国であり、政府が政策転換のコストを明確にできていないことが、大きな失敗なのかもしれない。

 だが、それが唯一の失敗ではない。アラン・ケリー環境相が今月議会で認めた通り、「スケジュール、課金構造の複雑さ、アイリッシュ・ウオーターのコミュニケーション不足」が野党に「めちゃくちゃ」とのレッテルを張られた問題の一因となった。

トロイカによる救済の代償

 アイリッシュ・ウオーターは、一定の距離を置いた公益事業の構造によって水道事業の将来の借り入れを国のバランスシートから切り離しておくために設立された。

 公社設立は、アイルランドに金融支援を行った「トロイカ」への誓約の結果だった。アイルランドの銀行、不動産セクターが崩壊した後、国際通貨基金(IMF)と欧州機関は2010年に同国に670億ユーロの救済を提供した。トロイカの代表団は今週、ダブリンを訪問する予定で、水が議題となると言われている。

 アイリッシュ・ウオーターは47万5000個の水道メーターを設置し終え、すでに稼働し始めている。

 しかし、野党は、公社が必要な理由を立証しようとする政府の取り組みを弱めた。「政府は、国民が水にお金を支払うべき理由について、思ったほど効果的に正当な主張を展開できていない」とユニバーシティ・カレッジ・ダブリンの政治学者、ニアフ・ハーディマン氏は言う。

緊縮疲れがあからさまな敵意に

 前出のオーグル氏は、抗議活動は緊縮疲れがついにあからさまな敵意に発展したことを物語っていると言う。

 「国民は自尊心を取り戻した」とオーグル氏。「彼らは冬の真っただ中に(抗議のために)街頭に出て、『ああ、我々はついに行動に出ている。自分たちは信念を取り戻した。もう、なめた真似は許さない』と叫んでいる」

By Vincent Boland in Dublin


 

スキャンダルに揺れるメキシコ、抗議行動に火
2014年11月18日(Tue) Financial Times
(2014年11月15/16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ニワトリが何の気なしに歩道をくちばしでつついている。工務店や自動車修理工場が立ち並ぶうらぶれた通りは、夜になると麻薬の売人がうろついて物騒だ。

 メキシコシティの、1968年に警官隊が抗議行動の参加者を300人も銃で虐殺したトラテロルコ広場にほど近い、人々から無視されているこの界隈にはあきらめの雰囲気が漂っている。

うんざりしている国民、43人の学生殺害事件に激怒

 「約束じゃ生きていけないよ」。タクシー運転手のファン・ロペスさんはこう語る。「また1968年みたいなことになる。あのときと同じ感じがする・・・みんなもう、うんざりしてるんだ」

 9月26日に西部のゲレロ州イグアラ市で43人の学生が殺害されたと言われる事件――犯罪組織とつながりのある市長の指揮下にあって腐敗している警察が、学生たちを麻薬密売組織に引き渡して殺害させたとして非難を浴びている――のために、メキシコは暴力的な抗議行動が今にも広がりかねない状況になっている。

「学生43人の遺体を焼いて川に」容疑者供述におののくメキシコ
メキシコ南西部ゲレロ州の州都チルパンシンゴの州政府庁舎の前で、燃える車から離れる同州アヨツィナパの教員養成大学の学生ら〔AFPBB News〕

 ろうそくの明かりで穏やかに死を悼むだけではもう済まなくなっている。

 ここ数日は、教職員組合がアカプルコの道路や空港を封鎖したり、デモの参加者がゲレロ州政府や同州議会の建物、さらには連邦政府があるメキシコシティの国立宮殿の門に火を放ったりしている。

 2年前に成立したエンリケ・ペニャニエト大統領の政権はこれまで、多方面から称賛された改革プログラムを自分の髪型と同じくらい完璧に実行してきたが、ここに来てスキャンダルに見舞われ、事態が政権の手に負えなくなりつつあるとの印象が強まっている。

大統領と中国企業の癒着疑惑も浮上

 大統領は先日、中国企業主導の企業連合が唯一の応札者として先週落札した高速鉄道建設プロジェクトを巡る批判に屈し、36億ドルに達するこの契約を取り消した。間の悪いことに、大統領はこの決断を中国訪問の直前に下すこととなった。

 また、この大失態の直後には、その企業連合のメンバーで有利な扱いを受けていた企業が建てた600万ドルの邸宅を、大統領夫人が所有していることも明るみに出た。

 「メキシカン・モーメント」ともてはやされるほど好調だったメキシコが「メキシカン・メス(メキシコの窮地の意)」に陥ってしまった、とホルヘ・カスタニエダ元外相は指摘する。

 治安が改善し、抜本的な改革も進んでいる新しいメキシコというイメージが、国家を後ろ盾にした暴力や縁故資本主義、手際の悪い政府という悪いイメージの陰に隠れてしまったというわけだ。

 「政権はこの2年間、野党勢力を一歩リードしてきた。何を協議するかを決めてきた」。メキシコ競争力研究所のトップ、ファン・パルディナス氏はそう語る。「今では、こうして話している間にも主導権を失いつつある」

 イグアラ市の事件や、今年6月にメヒコ州トラトラヤでメキシコ軍が民間人を虐殺したとされる事件に対し、大統領は感情を伴った反応を示していない。首脳20カ国・地域(G20)首脳会議から帰国する際には、厳しい非難に直面するだろう。

 あるコンサルタントによれば「もう1つのメキシコでは改革が進行中」で、そちらが現在の状況から打撃を被る公算は小さいそうだが、ペニャニエト政権の国防相であるサルバドール・シエンフエゴス大将でさえ「国家の発展と進歩が危機に瀕している」と警告を発している。

ペニャニエト大統領の遺産を決する対応

メキシコのペニャニエト新大統領就任、治安回復に決意表明
改革を賞賛されてきたエンリケ・ペニャニエト大統領〔AFPBB News〕

 「ペニャニエトの遺産は、向こう4〜6週間における彼の行動をベースに築かれることになる」。通商交渉に携わったこともある著名なエコノミスト、ルイス・デラカイエ氏はそう指摘する。

 「大統領には、一連の出来事に向き合ってこれを乗り切り、その結果を近代的な国を建設するために用いる時間が1カ月ある・・・大統領がそのために費やすコストは、まさに日を追って大きくなっていく」

 ヒューマン・ライツ・ウォッチのホセ・ミゲル・ビバンコ氏によれば、メキシコ政府は治安の問題を「有毒な」ものと見なして避けてきた。

 だが、この治安を企業は最も懸念するようになっており、国際通貨基金(IMF)も11月半ば、「(来年のエネルギー改革入札プロセスが)比較的スムーズに行われること、そして(同プロセスには)透明性があると見なされて投資家や政治家からの信認が維持されることが非常に重要だ」との見解を明らかにしている。

 では、大統領は何をすべきなのか。デラカイエ氏は、既得権益や法の支配、そして司法制度の改革にもエネルギー産業や通信産業の改革と同じくらい真剣に取り組んでいることを、この機をとらえて示す必要があると述べている。

 大統領は、制度強化のための超党派の協約を結ぶという曖昧な約束はしている。だがデラカイエ氏は、政府幹部に確定申告書の公表を義務づけることで透明性の確保に本気であることを示したり、選挙運動が犯罪の温床になるのを防ぐために選挙運動の経費削減や期間短縮を進めたり、連邦レベルの口頭審問制度の早急な導入に取り組むことで司法改革に弾みをつけたりする必要があると主張している。

 お咎めなしで済ませてはならない。2009年にミチョアカン州で38人の職員を逮捕した「ミチョアカナソ」のような汚職摘発があれば強いシグナルを発することになるのだろうが、あのときは結局ほとんどの逮捕者が後に釈放された。

司教たちからも「もうたくさんだ」の声

 数人の現職閣僚が来年の州知事選挙や国会議員選挙に出馬したいとしているため、ペニャニエト大統領は近々内閣を改造せざるを得ないだろうが、すぐにというわけではないかもしれない。急を要するのは、国民がどんな気持ちでいるのかということに改めて向き合うことだ。

 「バスタ(もうたくさんだ)」。メキシコの司教たちは声明を出してそう叫んだ。「抵抗から提案に移行することが必要だ。この国がだめになるのをハゲタカのように待っていてはいけない・・・我々全員が解決策の一部なのだ」

By Jude Webber in Mexico City
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42232


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