ダイナモさんのタイトルは、「四割超が反対」。
JDDの原文記事のタイトルは、「57%が賛成」。

JDDでは42%が反対なんだけど、ダイナモさん(というより時事通信かな？)が、賛成反対の力点をひっくり返して「四割超が反対」と原文を変えたところがミソ。

預言者風刺はよくないよ、対立は避けて仲良くしようね、という自らの主張と解釈を、メガネというか窓枠をつけて、日本の読者に伝えているわけ。

これは印象操作じゃないかな。いや、恣意的で立派な印象操作。

ダイナモさんは、どうしてこういう我田引水の解釈と歪んだ紹介をするのが好きなんだろう。
両方の数字を公平に挙げるのが、誠実で公正な態度というものだろうに。

そうやって真の理解を妨げて、何の意味があるのだろう。
ダイナモさんは、何が目的なんだろう。

宗教支配を拒否する国があるということを、日本の世論に知らせることこそが、異文化理解のためには重要だと思うけどな。
フランスのニュースも、世界中でのイスラム教徒の反発を映像で紹介している。自分たちとは違う価値観の人たちがいるということを。

創価学会や統一教会や神道政治連盟が支配する国とは違う国があるということ。
宗教の政治介入を拒否し、カルトは禁止されている国があるということ。
その由来と背景。そこまでわからねば、近代市民革命や市民社会というものが理解できないと思う。
今、日本人に最も必要なのは、その辺の理解なんじゃないかな。
某宗教政党によって日本の政治が右に固定されている事実や不正選挙を嘆く前に、自分たちの国を相対化する視点を身に着けることが必要だろう。

ついでに言えば、このアンケートでは、保守系の人ほど預言者風刺画に「反対」。
左翼リベラル系の人ほど、預言者風刺画に「賛成」。
「左翼戦線」(共産党を含む左翼政党の連合)の支持者では、「73%が賛成」。

ああ、ダイナモさんって保守派なんだ。
そこのところを言わずに「フランス人は・・・」と一般化してしまうと、実相を伝えられないよ。

保守系で、移民受け入れを嫌がる人ほど、預言者の風刺画に、反対。
左翼系で、移民に心開く人ほど、預言者の風刺画に、賛成。

そして「35歳以下で教育程度の低い女性」が、最もイスラム教徒の気持ちに敏感。つまり風刺画に反対。

まあこの記事を読まなくても、分かり切っていた傾向を確認できる。

保守派は、キリスト教保守派も含むので、風刺画に、反対。
左翼は、移民に寛容な代わり、思想的にもいっそうリベラル。

教育程度の低い若い女は、移民と同じ社会的・知的空間にいるためか、イスラム教徒の気持ちに敏感。

記事には書かれていないけれど、極右政党の立場は、移民排撃(または移民拒否)。
ついでに言うと、一般的に保守派の人の方が移民には拒否的。左翼系でリベラルな人の方が移民受け入れに寛容。

別の板で私に粘着してきたのが、私を在特会並みの排外主義者と呼んでいたが、排外主義の意味の理解が違うので、私は「？？？」だった。
フランスで、移民と多元主義に最も寛容な左翼リベラル派に、表現の自由と預言者風刺画の肯定は「排外主義だ！」と言うとよい。私と同様に「？？？」だろう。