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クルーグマン氏の論説は「経済論理」と「経済政策」をごちゃ混ぜにした見当違い
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/847.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 1 月 25 日 02:22:10: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: なぜ政府を憎むのか 事実を重視した政策論争を  ポール・クルーグマン 投稿者 ダイナモ 日時 2015 年 1 月 24 日 20:45:57)


 クルーグマン氏は、気候変動問題を例に出し、「論理と証拠の関係が明らかに見当違いで、普通の感覚ではどう考えても議論ではないからだ。こうした状況はめずらしくない。実際のところ、事実が本当に重みをもつような大きな政策論争はいま、あまり思い浮かばない。重視されているのは、揺るぎない独断ばかりだからだ。そして本当に問うべきは、「なぜそうなのか」ということである」と説明している。

 しかし、気候変動問題はともかく、クルーグマン氏の専門分野である経済に関する言説を読むと、クルーグマン氏の“嘆き”はそのままクルーグマン氏にも跳ね返るものと言える。

 というのは、クルーグマン氏はサプライサイド(供給重視)経済学を批判する一つの例証としてカンザス州の政策を取り上げているが、その内容はサプライサイド経済学の批判になっているとは言い難いからである。

[引用]
「2012年、右派のサム・ブラウンバック知事はサプライサイド(供給重視)経済学を全面的に支持し、大規模な減税を実施した。減税すれば、結果として景気がよくなり、当初の税収減は埋め合わせ可能だと確約した。州の人々にとっては残念なことに、実験は完全に失敗している。カンザス州経済は活況とはほど遠く、近隣の州に後れをとり、いまや財政危機にある。」

 カンザス州の実状説明をそのまま事実として受け入れるとしても、カンザス州の実験から言えるのは、せいぜい、2012年時点のカンザス州で実施した大規模な減税政策は「供給重視」にはつながらなかったということである。

 日本の地方自治体と異なり、米国では州政府が起債して借り入れをすることは禁じられているので、大規模な減税は、減税しても税収が維持ないし増加する「供給の増大」(供給重視)を伴わない限り、財政収入の減少を招き公共サービスの低下(それは同時に需要の減少を意味する)につながる。
 地域の需要が減少すれば、地域経済も低迷(=供給の低迷)するから、サプライサイドの経済政策とは言えない。

 クルーグマン氏が言うように、「減税は景気刺激策のひとつとして魔法のような効果をもたらす」わけではないが、だからといって、「サプライサイド経済学は何十年も前に消え失せていた」とは言えない。

 カンザス州における減税政策の無効性は、サプライサイド経済学という論理体系に基づく経済政策として減税が常に効果的であるわけではないことを意味している。

 供給側を重視するサプライサイド経済学という立場から、所得再分配のための高所得者向け増税を経済政策として主張しなければならないケースもある。高所得者向け増税で総需要が増大し供給活動が活性化し供給主体の利益が増大するのなら、その増税政策は「供給重視」と言えるからである。
(それにより、増税された高額所得者の可処分所得が前より増加したのなら“文句”はないはずだ)

 サプライサイド経済学の“応用”で重要なことは、経済政策の固定化(決まり文句)ではなく、「供給重視」という経済論理に従いつつ、現実の諸条件を前提に、どのような経済政策を採れば「供給重視」(供給拡大=需要増大)につながるのかという思考である。

 クルーグマン氏は、オバマケア問題についても次のように説明している。

 「医療保険制度改革の関連ニュースが相次いでいるが、支持者でさえ期待していなかったほど好ましい状況で推移している。すでに報じられている通り、保険に未加入の米国人の数は急減しているが、医療費の伸びは鈍い。いまや医療費のせいで家計難に陥った米国人が急減したという証拠も示されている。
 これらはすべて、改革が医療保険の加入率を下げるとか、医療費の急増を招くとかいった悲観的な予測とは、まったく食い違っている。ではオバマケア(医療保険制度改革)が大失敗する運命にあると主張している人々の誰かが見解を改めるのを、目にすることはあるだろうか? 答えはおわかりだろう。」

 このような説明は、クルーグマン氏自身が指摘している「自分に都合のよい観測結果だけをつまみ食いしてはいけない」に相当するおかしなものと言うほかない。

 オバマケアに反対する者たちの主張は、“大失敗する運命”というより、医療保険に入ることを政府が強制すべきではない(個人が判断して選択)というものである。
 そのように考えてオバマケアに反対している人に、「医療費のせいで家計難に陥った米国人が急減したという証拠」を示したからといって、見解を改めることにつながらないのは当然であろう。

 クルーグマン氏が「医療費のせいで家計難に陥った米国人が急減したという証拠」を持ち出すのなら、オバマケア以前に医療保険未加入の人がオバマケア医療保険に加入したことで“国民全体の損得”はどうなったのかを検証しなければならない。
 「可処分所得−医療保険非加入医療費支出」(A)と「可処分所得−(医療保険料+保険非適用医療費)」(B)を比較して、(A)より(B)の金額が大きくなった人のほうが多い場合にオバマケアで経済的に楽になったひとが増えたと言えるからである。

 何より、オバマケアに参加している医療保険会社の利益が増えたかどうかで、オバマケアが一般国民多数派に“利”があったかどうかわかる。
 医療保険会社が支弁する医療費の増加を考慮してもなお医療保険会社の利益が増えたのなら、国民が医療保険料として支払った一部が医療保険会社への“所得移転”になったことを意味する。

※ 参照投稿
「連邦政府機関閉鎖の原因ともなった「オバマケア」の内実:連邦政府が医療保険会社の商品を“押し売り”するという稀代の悪政」
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/872.html

 

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コメント
 
01. 2015年1月26日 10:04:04 : nJF6kGWndY

カンザス州で起こったこと、つまり単なるバラマキ的な減税だけでは、地域内の供給を増やす効果はなく、
過去の日本のバラマキと同様、域内経済の刺激ではなく、よりコストパフォーマンスの高い域外からの購入が増え、財政が棄損するだけで、ダメということだろうな

仮に、域外からの高所得の移転者への期間限定の所得税減税や、中小ではなく生産性の高い企業(特に域外からの移転を優遇)にだけ減税していたら、かなりの効果があっただろう

ただ財政赤字が増やせない場合、教育などの社会保障やインフラ整備が遅れるから、そこをどう設計するかでも、外部からの投資には違いは出てくる

そう単純ではないということだな

http://zenbukuji.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html
個人所得税率は、高所得者で6.45%→4.9%、中所得者で6.25%→4.9%、低所得者で3.5%→3.0%に低下し、零細企業の法人税率はゼロ


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