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大村大次郎著『国税調査官が教える なぜ金持ちが増えたのか? 税が格差社会を作った』(グラフ社、2007年)を皆様に紹介し
http://www.asyura2.com/14/senkyo159/msg/476.html
投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 1 月 15 日 21:21:17: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://suinikki.blog.jp/archives/1343650.html

大村大次郎著『国税調査官が教える なぜ金持ちが増えたのか? 税が格差社会を作った』(グラフ社、2007年)を皆様に紹介します(古村治彦の酔生夢死日記)

=転載開始=

2014年01月14日

今回は、大村大次郎著『国税調査官が教える なぜ金持ちが増えたのか? 税が格差社会を作った』(グラフ社、2007年)を皆様にご紹介いたします。

 この本は友人から貰った本の中にあったもので、偶然手にしたものです。大村大次郎という人物については、「節税(脱税といってはマズイようです)指南」の本をたくさん書いている人として、名前だけは知っていましたが、初めて著書を読みました。

 この本の肝は、タイトルにもある通り、「税が格差社会を作った」ということです。「役人が税金を無駄遣いしたり、公益法人を作って天下りをしたりすることで、税金にたかって生きていることで、必要なお金が必要な人や分野に流れない。また、税金の掛け方も問題があり、企業は正社員を増やさない。例えば、消費税は、利益と人件費に消費税の税率がかけられるために、人件費の圧縮の誘因となっている」というのが主な内容です。

 年金(を含む社会保障)と教育は2007年当時から現在まで多くの関心事であると思います。年金と教育には多くのお金がかかり、「そのために税収を上げるためにも消費税の税率アップが必要だ」と思っている(思わされている)人々がたくさんいます(私もその一人でした)が、お金の使い方に無駄が多いことによって、本当に必要なところにお金が回らず、税金で食べている人たちのところにどっさいお金が行くようなシステムになっているということなのです。

 著者の大村は、地方自治体は無駄なことをせずに、住民サーヴィスに専念していれば、そんなにお金を使わないで済む、夕張市が破産してしまったのも、流出し続け、減少し続ける人口に歯止めをかけ、人口を増やそうとして、市役所が全く不得意な観光事業などに手を出したからで、住民が住みやすい、住民サーヴィスに特化していれば良かったのだと主張しています。

 大村の「これから大きな経済成長は見込めない。だから成熟した社会を目指すべきだ」という考えには賛成です。日本は戦争直後から1970年代にかけて「奇跡の経済成長」を達成しましたが、先進国になった今、あのような劇的な経済成長どころか、中規模の経済成長も難しい状況です。そうであれば、私は低成長を前提として、お金の振り分け方をそれに合わせたものにし、必要なところに必要なお金がいきわたるようなシステムへの改良が必要だと考えます。

 この本で書かれているお金の使われ方の改善についての提案には賛成なのですが、税金というものがどのような存在であるのかという点には賛成しかねます。税金は「低ければ低いほど、捕捉される部分が少なければ少ないほど」良いと私は考えます。私たちが日本史の授業で習ったのは、江戸時代、農民に掛けられた税金は五公五民、もしくは四公六民、つまり、40%から50%であったと習います。しかし、実際にはかなりいい加減で三割を切っていたという研究もなされています。これは農民が新田開発を行っても、それを報告しなかったり、生産量もかなり低く見積もられたりしていたためです。

 現在の私たちはどうでしょう。痛みの実感の少ない(物価は高く感じる)消費税は別にして、他の税金や社会保障関係の支払い(国民年金税と呼ぶべき。国民健康保険税と呼んでいるのだし)に汲々として、それで残ったお金でなんとか生活「させていただいている」のが実態です。江戸時代の農民と比べて、対抗できる手段がないだけ、苦しい状況にあると言えます。

 著者の大村は税務署の職員ということもあり、やはり「獲る側、お金を引っぺがして持っていく側」の論理を振りかざします。「税金はその国の文化を表す」ということで、「日本人は助け合いの文化があった、だからお金持ちはそれ相応の高い税金を払うべきだ」ということを書いています。しかし、「助け合い」を国家に強制されて行う理由はありません。

 また、この本で著者の大村は、お金持ちに対する税率が低くなったのが格差社会の一員であると書いています。これは、お金持ちではない人たちのお金持ちに対する劣情を掻き立てる主張であり、「お金持ちが強欲だから問題なのだ」ということになります。しかし、誰がこの日本で一番の強欲でしょうか。私は官僚・公務員であると考えます。

シェークスピアの『ベニスの商人』にはシャイロックという強欲な金貸しが出てきます。そして、契約書にあった「肉1ポンドを切り取る」という条項の履行を要求します。最後は「その条文には血については書かれていない」という、日本風に言えば「大岡裁き」でシャイロックは負けてしまいます。

しかし、日本の官僚や徴税役人であれば、「しかし、契約を結んだ時に血を流さずに肉を切り取ることなど想定しておらず、常識で考えれば血も含まれるはずだ」と言って、「常識解釈権」を用いて、肉を切り取ってしまうことでしょう。彼らは哀れなシャイロックよりも強欲で、強力なのです。

 公務員や官僚は税金の配分の際に、まず自分たちの取り分をしっかり、やや多めに確保して残りのカスを私たちに還元しているのです。ですから税金を払ったほどのサーヴィスを受けられません。人間の感情として、自分の取り分を先に確保するというのは自然なことです。ですから、そのような官僚をお金の配分の決定に関わらせてはいけないのです。大事な決定は国民の代表者である政治家が行うべきなのです、しかし、自民党支配の中でそのようなことが行われてきませんでしたし、これからも難しいでしょう。それでも、それを変えるべきだ、本来あるべき姿に変えるべきだと言い続けなければなりません。

この手の本は注意して読まないと、主張に取り込まれてしまうことがあります。こういう本は嫌らしいほどに猜疑と懐疑を持って読むと良いと考えます。

=転載終了=

 

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コメント
 
01. 2014年1月15日 22:39:15 : p4TlRONmCI

 最近は 法人税が減税になってるから 個人で利益を出すより

 会社に利益を残しておいて 法人税を払う方が得という感じがするよね〜〜

 個人支出 たとえば外車なんかも 会社の経費だから

 個人企業にとっては 楽勝だよね〜〜〜

 


02. 五月晴郎 2014年1月15日 22:42:45 : ulZUCBWYQe7Lk : zR8XMRTwDk
>>1

「愛」のおっさん、個人的なのは別なとこでやってよ。


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