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日本の民主主義は生き返ることが出来るか  田中 良紹 
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投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 1 月 25 日 00:04:01: igsppGRN/E9PQ
 

日本の民主主義は生き返ることが出来るか
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20140124-00031950/
2014年1月24日 18時41分 田中 良紹 | ジャーナリスト


第186通常国会が始まった。昨年の185臨時国会はこれまでになくひどい国会で、長年国会を見てきた私は「議会制民主主義の死」を感じてしまった。それだけにこの通常国会がどのような議論を展開するかに強い関心がある。日本の民主主義は生き返ることが出来るのか、それがこの通常国会で問われる。

昨年の臨時国会は当初「成長戦略実現国会」と位置付けられていた。アベノミクスの「第三の矢」について議論するのが国会の課題であった。ところが始まってみると、それがどこかに消え、「日本版NSC法案」と「特定秘密保護法案」を成立させる国会である事が明らかになった。

アベノミクスは当初から「第三の矢」が最も重要な意味を持つと言われてきた。しかし楽天の三木谷浩史社長が薬事法改正を巡って産業競争力会議の委員辞任を表明した事からも分かるように、民間主導になるはずの改革が結局は霞ヶ関主導になり、表の看板とは裏腹に旧来の枠を壊せない事が明らかになりつつあった。

そうした事から成長戦略をまともに議論する事を避け、「日本版NSC法案」と「特定秘密保護法案」の成立に舵を切り替えたのではと私は見ていた。それでは国家の安全保障に深くかかわる「日本版NSC法案」と「特定秘密保護法案」は十全な準備がなされていたのかと言えばそれも違う。

日本版NSCはアメリカの強い要請により第一次安倍政権の頃から検討され、民主党政権でも検討は継続されたが、今回決まった「日本版NSC」は議事録を作成しないと言うのだから、アメリカのNSCと原理が異なる。議事録を作らないというのは将来にわたって国民の目に触れさせまいという事で、それは全く民主主義に反する。

「日本版NSC法案」とセットで成立を目指すことになった「特定秘密保護法案」も民主党政権の時代に検討された経緯があり、安倍政権としては民主党も反対できないと踏んだのだろうが、内容的には問題だらけであった。誰が秘密を指定するか、それを監督するのは誰かなどで諸外国とは異なるのである。

これまでも情報を独占してきた官僚がますます権益を拡大することが容易に想像できる法案であった。さすがにそれは国民の疑念を呼ぶ。すると「日本版NSC法案」に賛成した民主党も「特定秘密保護法案」には賛成できなくなった。そして政府の答弁は国民の疑念を晴らそうとするあまりに、日替わりでころころ変わる意味不明の答弁となった。民主主義に反すると追及されると、成立させた後で施行までの間に様々な措置を講じると答弁して逃げた。そうやって強引に法案を成立させたのである。

法案を成立させた後に安倍政権は「重層的なチェック機関」と称して有識者などによる会議を複数立ち上げたが、これも官僚が得意とする官僚支配のやり方である。有識者によるチェック機関と聞かされると騙される馬鹿な国民もいるが、人選によって有識者会議はいかようにでも操ることが出来る。

私は以前から秘密情報を監視する役割は国会だと主張してきた。国民の代表が国家の中心的役割を果たす事が民主主義の民主主義たる所以だからである。その重要なポイントが臨時国会の議論の中では全く深まらなかった。

今年に入って超党派の国会議員団がドイツ、イギリス、アメリカを視察し特定秘密の指定をどう監視しているのかを調査した。そこで分かったことはどの国でも議会の役割が非常に大きいという事である。それは民主主義国であれば当たり前である。それが法案を成立させた後になって分かったというのでは笑い話にもならない。調査団を迎えた国は法案を成立させた後から勉強に来る日本の議員たちのお粗末さに呆れたに違いない。

ところが森雅子担当大臣は17日の記者会見で「特定秘密保護法案の法改正はしない」と断言した。「運用で対応する」と言うのである。これも官僚お得意のやり方だ。法律に書き込まれた事には官僚が違反することは出来ない。しかし「運用」となると「運用」をする主体は官僚であり政治家ではない。官僚の胸三寸でいかようにでもなるのである。では何のための欧米視察だったのか。そういう問題が残されている。

安倍政権はこの通常国会を「好循環実現国会」と名付けた。先の臨時国会を「成長戦略実現国会」と名付けたのと同じ戦法である。馬鹿な国民には良い経済が始まると思わせ、都合の良いデータだけを並べて見せ、その裏でせっせとアメリカに媚を売る。柳の下に土壌は二匹いると安倍政権は考えているのである。

しかしそれが通れば日本の民主主義は二度死ぬ。思えば昭和11年、日本は東京オリンピックと万博の招致に成功し、国中が湧き上がり、国民は明るかった。翌年に盧溝橋事件が起き、次いで南京が陥落すると戦争景気を期待して国民の顔はさらに明るくなった。政府は「戦線不拡大」を声高に言い続けるから誰も深刻な戦争になるとは思っていない。

それが民主主義を否定して大政翼賛会に組み込まれるのにさほどの時間はかからない。昭和14年に映画法が成立し、15年に新聞法と銀行法が成立して、国民の洗脳と企業の国家管理が始まった。大げさな事を言う気はないが、政府が明るい未来を強調する時には民主主義を弱める動きが出て来るものである。民主主義を二度殺さないために、この通常国会は「民主主義」という視点からしっかり見る必要があると私は思う。


 

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コメント
 
01. 2014年1月25日 00:32:25 : Odv7WZ1Qbs
生き返るも何も
果たして日本は真に民主主義国家であった事があるのかないのか?

民主主義ゴッコをしていただけではないのか?
民主主義を担える立派な大人が日本にいない
日本の民主主義は
結局子供のゴッコ遊びだったのかもしれない

日本の民主主義が大人の民主主義に成らなかった理由
その一つは
政治に対してあまりに冷笑的
かつあまりに非現実的な理想主義に拘泥して
結局地に足のついた政治を語れずに創り出せず
ただただ政治の弱体化を進めてしまった

政治を立て直すしかない
政治を立て直すのは人であり
その人に必要な能力は知と理である
喜怒哀楽を持って政治を決めてはいけない
政治をきめるのは知と理


02. 2014年1月25日 07:28:51 : A7w3nkjpyA
不正選挙であったとするならば
民主主義 もへったくれもない
まずそこを調べることから手をつけていかなければならないだろうね

03. 2014年1月25日 14:17:43 : aBytboGMAw
投票に臨んでは、自分の利益を守ってくれるのは誰かとの視点が必要に思えるが、この国の人々特に、”阿修羅”にも現れるウヨク諸君の立脚点、守るべき実利て何?
と考えてしまいます。


04. 2014年1月25日 17:29:12 : Q3V6f0zWRw
官僚・マスゴミ・財界・連合に対抗するには、是非とも小異を捨てて大道につくために、宇都宮氏と細川陣営とで政策協定を結び宇都宮氏の立候補取りやめを願う。

現状のまま、最後迄行けば、宇都宮氏の政策は実現されないだろう。
政局に絡んでこそ、政策なのだと言うことを彼は学ばなければならない。


共産党は今回の知事選を党勢拡大の手段としか 捉えていない。
再考を促しても 消えゆく運命の 共産党には 馬耳東風。


05. 2014年1月25日 18:32:59 : QBrYpzDGwo
  民主主義ということばに嫌悪感を抱く人も多く、ポピュリズムだ、などとして、大衆迎合の政治を揶揄する人がいるが、我が国は国民から税金を徴収し、それを基本法律の下で行政機関が実務執行するという「租税国家」である。
  租税国家においては納税者が代表を出して税の使途について決定を委ねるという議会制度が不可欠である。
  ただ単にこの資金をこの目的に、というのではなく、法律というルールを作り、そのルールの範囲内で予算化し、実務処理をすることになっている。「国土の均等なる発展」だとか、「福祉政策の充実」だとか、基本法で原理原則を定めてから予算を配分し、執行に入るのである。
  その際に納税者代表が論争し、予算の優先順位を決定するのが議会である。
  従って、本来は代表議員が法案を作り、それに基づいて議会が開かれるべきであるが、我が国は行政機関という執行機関が我がもの顔に法案を作成し、議会はその法案について懇切丁寧に閣僚が説明を受けたあと、何だか良くわからないが賛成で行くよ、という手法である。要は、与党議員は官僚法案の採決要員なのである。
  その結果、議会は天下り官僚や高級公務員の草刈り場と化している。
  その上、政党政治を勧め、政党助成金という飴を与え、最大多数の議員で占めた与党の党首さえ説得が出来れば党議拘束により官僚作成の法案はすんなりと議会を通過するのであるから、政党政治と政党助成金の交付は官僚政治の命綱である。
  同じ意志を持つ者が党派を組むのは論争を省けるので良いが、党議拘束をかけることによって個別の議員に託した有権者の意志はその党の方針の前には効力を持たないことも多い。
  また、折角の議会での論争が、最後の採決には何の影響も無いという事実は、まさに単なる実務執行機関である行政による予算の流用が自在であるということだ。
   政治を議会、政治家を議員と呼ぶことにより、政治は官僚から納税者代表議員に取り戻せる。
   そして政党政治ではあっても党議拘束を外すという寛容な方針を思いきって取ることにより、官僚による予算誘導のための党首や閣僚へのご説明や説得は意味を持たなくなる。それなら政党助成金は出せません、などと脅してくるだろうが、実務機関に過ぎない行政から主権者、納税者代表が仕切られるいわれはないのだから、党議拘束を外したからといって政党助成金は必要なら、交付することを議会で決定すれば良い。
   説得性のある演説、論理的な緻密な調査による演説や反論が展開されることにより、最終的には議員の持論も変わるかもしれない。それこそが、議会の醍醐味である。八百長でない本当の議会とは、一人一党の心意気で採決に望み、最後まで法案の行方がわからない、という議会である。

06. 2014年1月26日 01:16:51 : c8uYroBnUM
有識者 群れて集まる 無識振り

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