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安倍総理の「歴史認識」と「平和ボケ」  田中良紹 
http://www.asyura2.com/14/senkyo160/msg/325.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 1 月 29 日 00:02:00: igsppGRN/E9PQ
 

安倍総理の「歴史認識」と「平和ボケ」
http://blog.goo.ne.jp/ichimurasan2006/e/775857c642cc0462ea4c92766b36d851
★「田中良紹氏の視点ー(2014/01/27)」★ :本音言いまっせー


スイスのダボスでの安倍総理の発言が世界中で問題になっている。記者から「尖閣問題で、日中が武力衝突をすることはあり得るのか」と問われた安倍総理は、「今年は第一次世界大戦から100年目。英国とドイツは戦争前に貿易で結びつきが深かった。日本と中国も今、非常に経済的な結びつきが強い。だからこそそうならないようにコントロールする事が大事だ」と答えた。

これに質問した記者は驚いた。「武力衝突はありえない」と否定するかと思ったら、日中関係を第一次世界大戦の英独関係になぞらえ、武力衝突を否定しなかったからである。「そうならないようにする事が大事だ」と言うのは当たり前で、それを言わなければ事実上の宣戦布告の意味になる。

この発言で安倍総理の頭の中には現在の日中関係と第一次世界大戦時の英独関係とがダブって存在している事が明らかになった。欧米のメディアが安倍総理の「歴史認識」に疑問を抱きたくなるのも当然である。

「今年は嫌でも戦争を意識せざるを得ない」でも書いたが、第一次世界大戦100周年に当たる今年、欧米ではこの戦争について議論が高まり、戦争の歴史から教訓を得る作業が行われる筈である。そうしたところに、遠い極東の日比谷公園ほどの面積の島をめぐる対立と思っていた尖閣問題を第一次世界大戦に例えられたのである。「ムム、なんだこの歴史認識は」となる。

第一次世界大戦は欧州における帝国主義列強の衝突である。イギリス、フランス、ロシアという大国とドイツ、オーストリア、トルコという新興勢力がぶつかる形になった。しかし戦争の原因は複合的で、同盟関係も複雑であり、決して単純な戦争ではない。すぐに終わると思われたのが足掛け5年に及ぶ人類初めての世界戦争に発展した。

結果としてドイツ帝国、オーストリア帝国、ロシア帝国はいずれも崩壊し、大英帝国の栄光も地に堕ち、莫大な借金を抱えたヨーロッパに代わり世界最大の債権国となったアメリカが世界を主導する時代が到来した。アメリカは帝国主義の植民地支配を終わらせようと「民族自決」を訴え、国際連盟の設立を提唱した。

日本は日英同盟に基づいて参戦し戦勝国の一員となった。そして遅れてきた帝国主義国家として中国にあるドイツの権益を要求した。しかし日本は中国と戦争して勝ったわけではない。ドイツの権益は中国に返還されるべきだと主張する中国国民によって反日運動が起き、天安門広場から始まる「五四運動」はアメリカの民族自決の主張に後押しされ、それが中国共産党を誕生させた。

それを知ってか知らずか安倍総理は尖閣問題と第一次世界大戦とを同列視した。そして「そうならないようにすると言ったのだから問題はない」と開き直った。日本のメディアはそれを擁護して「安倍総理の発言は欧米メディアによって誤解された」、「通訳がおかしかった」という論説に満ちている。

フーテンはこちらの方が「恐ろしい誤解」「恐ろしい平和ボケ」だと考える。何度も言うが「そうならないようにする」と発言するのは当たり前で、それを言わなければそれこそ戦争になる。しかし彼らが問題にしているのは尖閣問題と第一次世界大戦を同一視する安倍総理の「歴史認識」である。彼らには「安倍総理は第一次世界大戦を正しく理解しているのだろうか」という疑問もあるのではないか。

安倍総理が自ら歴史を学び「第一次世界大戦前の英独関係と今の日中関係は似ている」と考え出したとは思えない。安倍総理の周辺にそのような考えを持つ人間が存在し、安倍総理はそうした周辺から吹き込まれた。その影響がダボスで出た。

第一次世界大戦前の英独に領土問題があった訳ではない。戦争の原因は帝国主義国家同士の勢力争いである。つまり安倍総理に吹き込んだ人間は現在の日中関係を帝国主義時代の勢力争いと同様に見ている。尖閣の領有権問題はそのためにある。

国民向けには領土問題を前面に出しながら、米ソ冷戦の時代の対ソ政策と同様に中国の勢いを封じ込める事が日本の使命だと考えている。しかしそう思うためには中国を封じ込める事がアメリカを中心とする世界の主流になる事が前提になる。では世界はそのように動いているのだろうか。

冷戦後における世界の新秩序はいまだ混沌として定まっていない。しかし中国が比重を増していくのは間違いなさそうだ。その中国に脅威を抱いている国があることも事実である。しかしそれがかつての東西対立と同じ構図を作り出すかとなると相当の疑問がある。

かつての米ソとは異なり、米中は経済で抜き差しならない関係になっている。世界経済に占める中国経済の存在も大きい。中国経済がおかしくなればアメリカ経済も世界経済もおかしくなる。そのため米中が対立ではなく協調して世界をコントロールする可能性もある。その時には中国封じ込めに力を入れる日本は目障りな存在となる。

中国の軍事力を「脅威だ」とアメリカは言うが、本音では全くそう思っていない。アメリカの軍事力はずば抜けている。空母を11隻、原子力潜水艦も57隻保有し、しかも世界中の海を航行している艦船をすべて衛星で監視している。これに対して中国は空母1隻、原子力潜水艦8隻を持っているに過ぎない。

アメリカが中国の軍事的脅威を日本に強調するのは別の意図があるからだ。それを見抜けないのはアメリカのソフトパワーに洗脳されているためで、それもこれも戦後のアメリカ依存がもたらす「平和ボケ」のなせる業である。日本はもう一度「歴史認識」を磨き直した方が良い。


 

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コメント
 
01. 2014年1月29日 00:30:07 : dp4XTYfT2A
確かに「平和ボケ」でもしていなければあんなことは言えないわな。

02. 2014年1月29日 01:27:32 : l9XktIYAWE
アホの言う事に、いちいち反応するのもなんだが、・・・そのアホが、内閣総理大臣をやってるのだから、反応せざるを得ないというところ・・・ほんまに、日本は情けない国に成ったわな。

03. 2014年1月29日 01:29:02 : zKhrRT3tBk
無知故に、実(げ)に恐ろしき、ものならば、皆で戦う、明日への希望。

04. 2014年1月29日 07:00:00 : 5PHyeXBWto

>フーテンはこちらの方が「恐ろしい誤解」「恐ろしい平和ボケ」だと考える。

安倍何某は 戦争ぼけ なんです。

平和の意味も理解もできぬアンポンタンだよ。


05. 2014年1月29日 07:57:41 : kXX0mVDAHo

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140117/258404/?n_cid=nbpnbo_mlp

世界が憂う「アベノミクス」の行方
靖国参拝で高まる日本への懸念と苛立ち

ビル エモット  2014年1月29日(水)

 民主主義国家では、物事が悪い方向に向かっているとき、市民や評論家は一様に「より強いリーダーシップ」を求める傾向にある。しかし、ひとたびリーダーシップを手に入れると、むしろ居心地を悪く感じることが多く、リーダーが誰であれ攻撃をし始める。私たちは常に、出すぎた杭を打ちたがるものだ。このことは昨年、安倍晋三首相と日本を世界がどのように見てきたかを説明する際にも、まさに当てはまる。

 過去1カ月ほどで、2014年に安倍首相と彼のリーダーシップの下で日本が果たすであろう役割への楽観と称賛は、懸念と苛立ちに変わった。この心変わりには、いくつかの理由があるが、決定的な要因は2013年12月26日の、安倍首相による故意に挑発的な靖国神社参拝だ。


   安倍首相の動機や判断力に疑念が芽生える

 靖国参拝で、世界が日本と安倍首相個人に進んで敵意を抱くようになることはない。なぜなら、中国に対しても同じように十分な懸念と苛立ちがあるからだ。しかし、既にあった安倍首相の動機や判断力、彼が好む政治問題の優先順位に首をかしげるムードが、積極的な疑念へと変わった。

 1年前のポジティブな見方を考えれば、新たな疑念は際立っている。長年、世界は日本の経済や政治の弱さを嘆き、特に3・11の悲劇と福島第1原子力発電所の大惨事の後は断固たる行動を求めてきた。それが、アベノミクスの誕生で海外での日本のイメージは一変した。この国がようやく、強いリーダーを得たからだ。そのリーダーは、国会で大きな過半数を獲得し、永い眠りから日本を目覚めさせる大胆な政策を実施する準備があると目された。

 安倍首相は、ナショナリストで外交政策ではタカ派として知られていた。それでも、2013年上期までは、それが安倍首相に対する前向きな見方を妨げることはなかった。東シナ海における中国の自己主張に直面した際には、より強く明快な考えを持つ日本は、世界から、特に中国の圧力にさらされていた東南アジア諸国から歓迎された。


   韓国との関係悪化に苛立つ米国

 だが、ここ数カ月で様々な疑念が芽生えた。それらは、2つの根本的な疑問に集約される。

 1つは、韓国との関係悪化だ。安倍首相が、最も近い隣国の民主主義国で、しかも米国の同盟国である韓国との首脳会談すらできないとしたら、彼の断固たるリーダーシップはどこに向かっているのだろうか。

 2つ目は、アベノミクスそのものだ。安倍首相は、選挙の勝利を大衆の愛国的支持に結びつけた。それでも、アベノミクスの「第3の矢」である真の構造改革を始められないとしたら、日本の針路を本当に変えようというアベノミクスに、いったいどんな期待を抱けるというのか。その構造改革とは、農家や医者などの特別利益団体に、根本的な改革と規制緩和を受け入れることを迫るものである。

 日韓関係は、特にワシントンで懸念されている。沖縄の米軍基地問題が(今のところ)解決したという満足感は、日韓の関係悪化という不快感と、靖国参拝が中国よりもむしろ米国を侮辱したとの思いによって消失した。

 この懸念はもっともだ。韓国とのにらみ合いと靖国参拝が暗示することは、日本が強くなったのではなく、かつての弱さを引きずっているという事実だ。強く自信に満ちたリーダーというものは、積年の課題の解決に挑むものだ。特に、韓国のように本質的に友好的な国々とは、国内の政治的な理由から関係を悪化させるのではなく、歴史的な課題の解決に取り組むべきだ。靖国参拝によって、尖閣諸島問題で世界が日本に寄せた共感は、高まるどころか崩れ去った。中国は建前上は反発しているが、内心はほくそ笑んでいる。


   「ナショナリスト」的な態度への黙認も限界

 安倍氏が首相になった時、多くの外国政府や海外投資家は彼の国粋主義的な態度を黙認した。自由民主党内の支持を固め、アベノミクスに必要となる自由化改革に役立つと考えたからだ。しかし、その黙認にも限界がある。時が過ぎ、アベノミクスが金融政策以外はほとんど中身がないことが厄介なことに明らかになってきた。金融政策以外はほぼすべて、基本的に前政権の政策や約束の継続である。新しいのは、「金融の矢」だけだ。

 だからといってアベノミクスが必ず失敗するとは限らない。経済成長率を引き上げるために、デフレからインフレへと効果的に転換できれば、企業や家庭の行動が変わる可能性も理論上はある。それに生産性の向上が続けば、政治的に構造改革がもっと実現しやすい環境になるかもしれない。しかし、金融の矢だけに頼るのは賭けであり、それは日本の強さではなく弱さだ。今年、世界は主に、この日本の弱さに気をもむことになるだろう。

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[22削除理由]:アラシ

06. 新鮮組 2014年1月29日 15:12:13 : hYT1ZzdBhtgo2 : UiKhGzNC6w
マスコミは未だに米中戦争の可能性を説いている。(台中戦争も含む)
日米関係を強固にすれば、日中戦争になれば日米安保のもとアメリカは日本の味方をしてくれる。こんなアンポンタンなことをいって悦に言っているマスコミは何を学んできた、いや何を学んでいるなだろうか。百歩譲って政府がいうのならまだしも客観的立場のマスコミが版で押したように繰り返しているのは全く滑稽だ。
勿論マスコミの言うような構図があったことはあるだろうが世界は常に流動していることを忘れているのか解からないのか私にも解からない。

07. 2014年1月29日 22:47:10 : dp4XTYfT2A
今さらアメリカが中国と戦争する気などない、いや、出来ないっていうのは、特に高学歴でもない私でもわかる。

むしろ日本には「中国と揉めるな」と何度も勧告して来てるようなものだろ?
にもかかわらず・・・何を当てにする気なんだよ?


08. 2014年1月29日 23:58:25 : E8ye7NAxhk
>(第一次大戦の)戦争の原因は帝国主義国家同士の勢力争いである。

それこそ、高校世界史レベルのごく基本的な認識だ。

安倍が今の日中関係をそのころの英独の関係にたとえたということは
日本が帝国主義的野心を持っていることを世界に披露したことに他ならない。
少なくとも、世界に向けてはそういうメッセージを送ったことになる。
国際社会はそういうメッセージだと受け取る。

誰か、安倍の口にガムテープを貼ってくれ。


09. 晴れ間 2014年1月30日 18:01:36 : FhUYgDFvAt2/E : xni5yVaf3k
>第一次世界大戦前の英独に領土問題があった訳ではない。

領土問題はあったんですよ。帝国主義とは、まず領土の分捕り合い。
モロッコ戦争(タンジール、アガディール)。モロッコに侵入しようとしたドイツを、フランスとイギリスの連合で撃退。(イギリスはフランスに味方した。)

中東、バグダード鉄道建設。ドイツ3B政策の華。
「アラビアのロレンス」はイギリス帝国主義の諜報要員。

だから、イギリス人をはじめとする欧米人は敏感に反応したのです。
安倍があんなKYなアナクロ発言をしたのも、歴史認識が足りないからです。
周りが極右の自虐史観主義者ばかりだから、世界史の知識も身につかない。頭にはいらない。



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