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安倍晋三リビジョニスト説に対する根本的な疑い(神州の泉)
http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/609.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2014 年 4 月 25 日 16:39:47: AtMSjtXKW4rJY
 

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2014/04/post-2faf.html
2014年4月25日


2014年4月23日、毎日新聞の東京夕刊に「特集ワイド:安倍首相の「反米度」測ると 歴史修正主義的発言次々、近い支持者の極論に同調、信頼回復狙い親米的政策」という長いタイトルの記事が載っていた。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140423dde012010002000c.html

記事では、政治学専門の三浦まり上智大学教授が、「親米・反米という軸を安倍さんが意識しているかは分かりません。ですが行動は極めて反米的に見えます」と指摘した。また、三浦まり氏は次のように興味深いことを述べている。

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「小泉純一郎氏は首相在任中に6回も靖国参拝したのに、米政府は反応しませんでした。しかし昨年末の安倍首相の参拝では異例の『失望』が表明された。なぜか。小泉さんは靖国神社と関係の深い日本遺族会の支持票を獲得するため、という政治的な動機が明らかでした。でも安倍さんは違う。思想に基づく参拝と見られています」

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たしかに小泉純一郎氏は何度も靖国神社を参拝しているし、知覧の特攻平和会館で特攻隊員の遺書を見て涙を流している。一方、安倍首相は昨年末に一回だけ参拝している。米国は小泉氏の参拝については無反応なのに、安倍首相に対しては否定的な見解を表明した。

この差異は何だろうかと問いかけることは大事な視点である。その差異について、三浦氏は東京裁判(極東国際軍事裁判)の受け止め方が両者では正反対、小泉氏は東京裁判の肯定派であり、安倍首相は東京裁判を事後裁判だと言って否定しているからだという。

この見解は一見非常に筋が通っていて分かりやすい。この文脈であれば、小泉氏は東京裁判史観に基づく戦後レジームを踏襲しているのでアメリカのお気に入りだったが、安倍首相は東京裁判史観からの脱却を本気で訴え、本音では戦前回帰志向だから、こいつの腹は反米的なんだということになる。

アメリカの対日姿勢の根っこの根っこには、“日本人が東京裁判に少しでも疑いを抱いたら絶対に許さん!こういうやつはまだ芽のうちに摘み取ってやる”というのがある。小泉氏はアメリカにとって尻尾を振る可愛い番犬だが、安倍は戦前復古を本気で考えているから気に入らない。だから両者に対しては徹底的に外交の遇し方を変えるのだという文脈だろう。

これが三浦まり上智大学教授の基本見解だ。表層的にはつけ入るすきがないほど見事に論旨がとおっている。だが、ここで言われる安倍首相の歴史認識が、東京裁判史観を基準にして小泉氏とは全く異なるという見方がはたして本当なのだろうか。三浦まり氏のこの見解が事実を射ぬいているのなら、まことに申し分のない論脈になっているのだが、はたしてそうなんだろうか。

甚だ疑問である。

また三浦まり氏は東京裁判にかんする小泉氏、安部氏両者の違いをこう語っている。

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小泉元首相は、靖国神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯について「戦争犯罪人」と国会答弁した。安倍首相は著書「新しい国へ」(2013年)で「東京裁判は事後法で人を裁いた。国内的には犯罪者ではない」

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これはそのとおりなのである。東京裁判は事後遡及裁判であり、ドイツ・ナチなどを裁いたニュルンベルグ国際軍事裁判を凝らしたものである。このニュルンベルグ裁判は、ナチ党と親衛隊、突撃隊、ゲシュタポを含む国家と党の代理人を訴追した。

1945年8月8日、英米仏ソ四ヵ国がロンドンで調印したロンドン憲章に基づいている。ここでの戦争犯罪規定は「平和に対する罪」「通例の戦争犯罪」「人道に対する罪」、そしてそれらを犯そうとする「共同謀議」の4点を裁判所の管轄とすることになっていた。

これは同憲章によって設立された「極東国際軍事裁判(東京裁判」とも共通している。東京裁判では「平和に対する罪」、「戦争犯罪」、「人道に対する罪」の三つの戦争犯罪概念が規定され、ロンドン憲章と共通している。

ニュルンベルグ裁判、東京裁判が事後遡及裁判であり、その時になって出てきた単独立法であることは当時からさまざまな国で問題視されていた。また東京裁判には独自の「殺人」訴因があり、これはニュルンベルク裁判にもなかった独立訴因であった。連合国側はニュルンベルク裁判と東京裁判との間に統一的な整合性を求めた。法的根拠のない「殺人」訴因は補強根拠として使うためだったといわれる。(以上はウィキペディア参照)

安倍首相の言う東京裁判が事後法であるという認識は、彼の言った“戦後レジームからの脱却”とも整合している。これらの論脈から言えば、安倍首相の歴史認識は“まとも”なのであり愛国的だ。だが、ここで神州の泉は安倍晋三氏に対して根本的な疑問を突き付けざるを得ない。

それは、安倍首相が着手したいくつかの政策や行動を帰納法的に結論づけるかぎり、彼が反米的だとはとても思えないことである。それどころか、安倍首相の対米隷属主義、米国型コーポラティズム(企業と政府のコラボ体制のこと)への完全なる隷属主義をみれば、愛国心のかけらもない人物だという結論に導かれる。

ドイツ・プロイセンのカール・フォン・クラウゼヴィッツは「戦争論」で、戦争と政治目的について重要な考察をしている。政治と言えば経済事象とは切っても切れない関係にある。日本は開戦前にABCD包囲網を敷かれ、欧米列強から石油をはじめとする必需物資の兵糧攻めに遭っていた。

そのような経過や百年に及ぶ極東アジア史の流れを把握しないかぎり、あの戦争を一義的に侵略戦争だったと定義付けるわけにはいかない。これをいうと必ず歴史修正主義(Historical revisionism)、歴史修正主義者(リビジョニスト)だというレッテルを貼って否定にかかるグループがいる。前にも言ったように、戦前と戦後という二価値判断による区分は国家の連続性を捨象し、真相を見誤ってしまうことから、止揚された視点で眺める必要がある。

三浦まり氏は、安倍首相は東京裁判で認定された事実を否定するなどの歴史修正主義的な思想を信じているから、小泉氏とは違って政治的打算ではなく歴史観として東京裁判を否定しているから、手が付けられないと考えられているという文脈でおっしゃっている。そのように『信じている』なら合理的な説明は通用しないのであり、これは米国から見たら『理解できない人物』ということになるともおっしゃっている。

神州の泉は安倍首相に対するこの認識を全く信じることができない。賛同できる部分は『理解できない人物』だというところであろうか。安倍首相の思想や行動には一貫性がない。

アメリカから見た場合、安倍首相は戦後レジームからの脱却、すなわち東京裁判史観に基づいた歴史観からの離脱を志向していて、アメリカはこれに対して厳しく対応しなければならないという見方である。三浦まり氏は安倍首相の行動が「極めて反米的だ」とおっしゃっている。

だが、その話は全く説得力を持たない。

なぜなら、戦後レジームを切り替えて、伝統ある本来の日本の良さ、正しい姿に回帰する心があるのであれば、安倍首相がTPPへの参加意思や国家戦略特区法など、グローバル企業群の要請に対し、頑強にこれを拒まなければ東京裁判史観否定論者の論旨が全く通らないからだ。

日本国と日本人を守ろうとするのであれば、軍事侵略だけではなく、まずはグローバル企業群の経済侵略から防衛するのが一国の宰相というものだろう。今の局面は安倍首相が国民生活を防衛するために、命を懸けてTPPに反対し、国家戦略特区の立法事案に反対すべきところだったはずだ。

ところが事態はそれとは全く反対に進んでいる。だから、三浦まり氏が指摘するように、安倍首相の反米色が濃いという見解は全く的外れである。同時に安倍首相がリビジョニストであるという見方も完全な間違いなのである。

彼はその愛国的な言動とは裏腹に、政治行動そのものが売国になっている。故・田中角栄氏は毀誉褒貶のある特異な人物だったが、今、彼が宰相であったなら、彼はまちがいなく国民のために命を捨てていただろう。彼は東北の寒村に住む人々の生活を都会人並みにすることに心血を注いでいた。そこから日本列島改造論が出た。

同様に、田中角栄氏が今生きていて政治活動をやっていたなら、命懸けで格差の修正に乗り出すだろう。日本国憲法第14条に謳われる「法の下の平等」原則を田中角栄氏は本気で実践する偉大な宰相だった。安倍首相のやっていることはこれとは真逆であり、「1%vs99%」の大格差社会の建設に邁進している。

アメリカが安倍首相の靖国参拝に対し難色を示したことは、安倍首相個人に対してではなく、東京裁判史観を打ち立てたご本尊としてのポジショントークなのである。小泉氏に対してそれをしなかったのは、小泉氏が構造改革という新自由主義を導入した画期的な宰相だったから、批判を免除したと思われる。地球の犯罪者たちも、自分たちの侵略に突破口を設けてくれた日本の宰相に敬意を表したということだろう。


 

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