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田原総一朗×郷原信郎(第1回)「特捜部は正義の味方」の原点となった「造船疑獄事件の指揮権発動」は検察側の策略だった!
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/152.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 05 日 09:09:32: igsppGRN/E9PQ
 

田原総一朗×郷原信郎【第1回】「特捜部は正義の味方」の原点となった「造船疑獄事件の指揮権発動」は検察側の策略だった!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39104
2014年05月05日 現代ビジネス


 WOWOW連続ドラマW「トクソウ」放送記念対談



[左から] 郷原信郎氏、田原総一朗氏、サンキュータツオ氏


サンキュータツオ(以下、サンキュー): 本日は5月からスタートするWOWOW連続ドラマW「トクソウ」の放送を記念いたしまして、テーマとなる地検特捜部の裏側を徹底討論していきます。ゲストは、ジャーナリストの田原総一朗さん、そして、連続ドラマW「トクソウ」の原作『司法記者』を由良秀之の名義でお書きになった元東京地検特捜部の検事であり、現在は弁護士、作家としてもご活躍中の郷原信郎さんです。


専門家のお二人に、そもそも検察とはどんな組織なのかとか、そのなかでも日本最強の捜査機関といわれている特捜部ってどんな組織なのかというところから、お伺いしていきたいと思います。


■これまでの検察ドラマにはリアリティがない


サンキュー: まずは田原さん、ドラマの題材として検察や特捜を採り上げるということについてはどう思われますか?


田原総一朗(以下、田原): いわゆる捜査物というのは多いですが、大体普通は警察ですよね。検察もあるけど、特捜部というのは珍しいんじゃないかな?


サンキュー: たしかに珍しいですね。郷原さん、その辺はどうですか。検察物というのもいろいろドラマがあると思うんですが。


郷原信郎(以下、郷原): 過去にNHKで特捜部が出てくるドラマをやっていた記憶がありますね。随分昔のことですが、他にはあまりないですね。


サンキュー: 実際、検察を扱ったドラマなんかをご覧になって、どう思われていましたか?


郷原: 私に言わせると、ほとんどリアリティがないですね。結局警察モノと検察モノとの区別がついていないんです。ですから、検事がどんどん現場に出て行って、刑事と同じようなことをやっているような、現実とは違うイメージの検察ドラマが大部分ですね。実際の検察の仕事って、基本的には取調室じゃないですか。でも、それだけだとドラマにならないですよね。それ以外の部分というのは、なかなか描けないんですね。


田原: ドラマで描いている検察は、言ってみれば刑事みたいなものなんだね。誤解しているわけですね。


■警察とは違う、検察の役割とは


サンキュー: では、その辺、基本的なことなんですが、検察とはそもそもどんな組織なのでしょうか。警察との違いを含めてお伺いできたらと思います。


郷原: 検察というのは、一般的には警察が捕まえてきた被疑者の事件を捜査して、起訴をするか不起訴にするかを決め、そして起訴した場合には検察官が裁判所で開かれる公判で犯罪事実を立証する、そうして有罪判決を求める。裁判所に対応して検察があるわけで、たとえば地方裁判所に対しては地方検察庁があるわけです。


サンキュー: 裁判では告発する側というか、「この人は重大な罪を犯している」と言う側が検察ですよね。


郷原: それが検察の役割です。まず事件について捜査をして起訴をして公判で立証をして有罪判決を求める。その捜査の段階では、基本的には警察が最初のところを捜査して、事件を発見して犯人を逮捕して検察に連れてくる。


その辺の最初の部分は警察がやるんですよ。ところが、東京地検特捜部のような特捜部というのは、それを最初から検察官がやるんです。事件を認知して掘り起こすところから検察がやって、そして捜査も全部検察がやって、警察が絡まないのが特捜部の事件ということです。



田原: 逆に聞きたいんですが、どういう場合に特捜部が出るんですか? 普通は警察がやってそれを検察が引き継ぐわけですよね。特捜部が扱うのはどういう事件なんですか?


郷原: まず、殺人とか強盗とか、そういう一般の事件というのは、やっぱり警察じゃないと捜査できませんよね。そういうものは、元々検察が前面に出ていって最初からやることはありません。


経済事犯とかあるいは贈収賄のような事件、政治家の事件や経済人の事件、そういうものはやろうと思えばどちらでもできるわけですが、そのなかでもとくに検察官が最初から全部やったほうがいい事件、政治的な圧力にさらされてもキチンと歪められることなくできるとか、複雑な事件で検事の能力が最初から捜査に投入されるべき事件とか、そういう特殊な事件を、警察を通さずに検察が最初から手がけるというのが、もともとの特捜部の役割なんです。


田原: つまり、難しい事件で、下手をすれば警察なんかに任せておくと圧力で潰されてしまうような事件、ということですかね。でも、警察の力ってそんなに弱いんですか?


郷原: 警察にはそういう限界があるから、特捜部という検察の独自捜査の組織が必要だということなんですね。


■造船疑獄は検察の暴走だった


田原: せっかく地検特捜部について元特捜部にいた郷原さんに解説していただいているので、この際お聞きしたいんですが、特捜部ができたのはいつ頃なんですか?


郷原: 特捜部の前身に当たる隠退蔵物資特捜部が出来たのは昭和22年のことで、戦後すぐですね。正式に特捜部が発足したのは昭和24年のことです。


田原: そのきっかけになったのは何ですか?


郷原: 当時の日本は進駐軍の占領下だったんですが、当時進駐軍の下で隠退蔵物資の摘発を専門にやる組織ができて、昭電疑獄などの政治家に絡む事件で特別な検察の組織が必要だということになって、隠退蔵物資の摘発部が特捜部になったんですね。


田原: 僕がいちばん知っている有名な事件としては、造船疑獄というのがありましたね。当時の政権与党である自由党の幹事長だった佐藤栄作さんが逮捕されそうになったけど、犬養健法務大臣は重要法案の審議中だということで逮捕させなかった。あの造船疑獄は特捜部の事件じゃなかったですか?


郷原: 特捜部ですね。あの造船疑獄事件の指揮権発動で特捜部が世の中に非常に大きく認知されることになったんですね。「正義の味方・特捜部の行く手を汚い政治家の手が阻んだ」ということで。


田原: 佐藤栄作さんが当時自由党の幹事長だったんだけど、彼が逮捕されたらその次は池田勇人が逮捕されるはずだった。それで政権が無茶苦茶になった。ところが佐藤栄作の逮捕を指揮権発動で止めたんですよ。


郷原: ただこれは私自身の本のなかでも書いているんですが、世の中の多くの人は「検察の正義が時の政権側の指揮権発動という圧力で阻まれた」という事件だと思っているわけですが、それとは別の見方があるんです。実はあの造船疑獄というのは、検察の暴走だったという見方もあるんですよ。むしろ捜査が行き詰まっていて、やりようがなくなっていたという話です。


河井信太郎という有名な特捜検事がいるんですが、その河井検事が強引なやり方で造船疑獄(※)の捜査を進めていって、世の中的には自由党幹事長の佐藤栄作氏の逮捕必至と思われるところまでいったんですが、捜査の内実はひどいものだった。十分な証拠もなく、法律解釈上も無理筋の事件で、それ以上はどうにもならない状況になっていった。そこで、特捜検察の威信を傷つけないように「名誉ある撤退」という方向に持っていくために、時の検察幹部が吉田首相側に密かに工作をして指揮権発動を行わせたという説があります。


(※) 第二次世界大戦後、日本の計画造船における利子軽減のための「外航船建造利子補給法」制定請願をめぐる贈収賄事件。1954年1月に検察による強制捜査が開始された。政界・財界・官僚の被疑者多数が逮捕され、当時の吉田茂内閣が倒れる発端となった事件の一つ。



■指揮権発動の真相


田原: 特捜部の幹部が時の総理大臣に、裏側では何をやれと言ったんですか?


郷原: 検察の幹部ですね。要するに、吉田首相の側近に「指揮権発動という方法があるよ」と知恵をつけたということです。今にも検察の捜査が自由党の幹部に及ぶというふうにプレッシャーをかけながら、裏側では指揮権発動という方法があるということを仄めかして、吉田首相側が犬養法務大臣に対して、指揮権を発動するよう指示するように仕向けたということですね。


田原: 犬養さんは、あれで政治家として完全に失脚しましたね。


郷原: それで吉田内閣も崩壊したわけです。だから、戦後史のなかでは非常に大きな出来事でした。それが実は検察側の策略だったんじゃないかということは、これは私が言い始めたことじゃないんです。共同通信の政治部の元記者で長く法務・検察を担当していた渡辺文幸さんという人がいて、この人の『指揮権発動―造船疑獄と戦後検察の確立』という本のなかで検察謀略説が詳しく書かれています。朝日新聞の村山治記者も、「人脈記」という連載の中で、この問題を取り上げ、当時の検察幹部から取材した結果などから、実は、造船疑獄の操作が行き詰っていたことを明らかにしています。


田原: これは戦後史を大きく変える発言ですね。戦後史についてはいろいろな本が書かれているけど、検察が佐藤栄作を逮捕しようとしたら、吉田茂は何ともけしからんことに指揮権発動という手段に出た、しかも時の法務大臣の犬養健がそれを受けた、だらしない、ということになっている。


しかも、その犬養は政治家は政治家として失脚したし、これで吉田内閣もダメになった、とんでもない話だ、といわれているけど、実はその裏では特捜部が仕掛けたことだった、というわけですね。


郷原: この指揮権発動があったから、世の中の特捜部に対するシンパシーが物凄く高まったんです。「特捜頑張れ、汚い政治家の圧力なんかに負けるな」と、そういうような世の中の認識の原点がそこにあるんです。


田原: そこまで計算して特捜は吉田を狙ったんですか?


郷原: それは結果的にそうなったのかもしれないですが、少なくともそのときの造船疑獄の捜査の状況は、とても前には進めない状況だったようです。朝日新聞の「人脈記」では、そのことは、相当ご高齢の当時の複数の検察幹部が「今なら話してもいいだろう」ということで取材に応じて証言しています。


田原: 戦後史を大きく書き換える話ですね。


これまでは「吉田茂というとんでもないワンマンな首相が、指揮権発動だととんでもないことを言って佐藤栄作を救った、無茶苦茶だ、そんな無茶苦茶なやり方に時の法務大臣の犬養権が従った、犬養も政治家として失格だ」と、これまでの戦後史ではそうなっているんです。


吉田茂もそんな無茶苦茶をやったから、それが吉田内閣が崩壊するきっかけになったわけですが、ところがそれは実は特捜部がやらせたんだ、というのは本当に大変な話なんですよ。いや、ごめんなさい、話を元に戻そうか(笑)。


■特捜と司法メディアの実態を世の中に訴えたい


サンキュー: そういったわけで、実際に今の話みたいな特捜と政治家、あるいは捜査を巡る関係というのが、作品のなかにも出てきますよね。ここで、郷原さんがお書きになった『司法記者』を原作にした「トクソウ」というドラマのVTRを1分ほど見ていただきましょうか。



連続ドラマW 「トクソウ」
2014年5月11日 日曜夜10:00(全5話)
※第1話無料放送


サンキュー: いろいろな登場人物が出てくるわけですが、まずこの原作小説をお書きになろうと思ったきっかけをうかがいたいと思います。郷原さんは実際に検察でいろいろな経験をなさっていますが、本当のことを言うわけにもいかないだろうというので、フィクションの形で書かれたということだと思うんですが。


郷原: 私が特捜部に所属していたのは1993年で、その頃の自分の体験を交えて、特捜の実態や司法メディアとの非常に歪んだ関係、特捜が一度暴走するとどんな恐ろしいことになるのか、ということを世の中に訴えたいという気持ちがずっとあったんですが、これはなかなか実話としてそのまま表に出せる話ではありませんし、守秘義務というものもあります。


実際の事件自体はそのまま出せないから、フィクションの世界で「こういうことがあり得るんだ」ということを世の中に訴えることはできないかな、と思っていたところ、私の頭の中に、特捜と司法メディアとの関係を描く小説の構想が浮かんだんです。それを途中まで書きかけたんですが、私は推理作家でも何でもないので、密室のトリックというのが思いつかなくて、ずっとそのまま温めていたんです。


それが17年後のちょうど2011年、震災の年ですが、そのあとに少し時間ができたので、真剣にトリックをいろいろ考えて、何とか思いついたので、一気にストーリーを完成させたということなんです。


【第2回】に続く


田原総一朗(たはら・そういちろう)
1934年滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て1977年フリーに。現在は政治・経済・メディア・コンピューター等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。


郷原信郎(ごうはら・のぶお)
1955年島根県松江市生まれ。弁護士。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などを経て、2005年より桐蔭横浜大学法科大学院教授、06年弁護士登録。08年郷原総合法律事務所開設(現・郷原総合コンプライアンス法律事務所)。関西大学客員教授、公正入札調査会議委員(国交省、防衛省)、産業構造審議会商務流通情報分科会安全小委員会委員(経産省)、横浜市コンプライアンス外部委員なども務める。由良秀之のペネームで出版した『司法記者』をはじめ、『独占禁止法の日本的構造』『コンプライアンス革命』『思考停止社会』『特捜検察の終焉』『銀行問題の核心』など著書多数。


 

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