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『美味しんぼ』問題 〜真実の隠蔽から表現の弾圧へ〜(兵頭に訊こう)
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/673.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 20 日 22:13:45: igsppGRN/E9PQ
 

『美味しんぼ』問題 〜真実の隠蔽から表現の弾圧へ〜
http://m-hyodo.com/atomic-energy-84/
2014年05月20日 兵頭正俊 兵頭に訊こう


『美味しんぼ』問題を考えていくと、いかに現在の日本政治が劣化し、異様な国になっているかがわかる。


いかに人気があるとはいえ、エンターテイメントのひとつの漫画が、福島の「鼻血」に触れただけで、複数の大臣が恫喝のコメントを出す。県知事が風評被害に触れて威嚇し、大学の学長が圧力をかける。


そしてマスメディアが、「鼻血」の影響で福島に旅行のキャンセルが出ていないかと、はしゃぎ回る。


ことをなるべく大きく膨らまし、 雁屋哲の表現弾圧へと状況を向かわせる。その先頭をマスメディアが走っている。福島県知事佐藤雄平の「見解」を「抗議」として発表したのは、その一例である。


『美味しんぼ』が注目され、弾圧の対象になったのは、作品の影響力が自民党の支持基盤と重なっていたからである。


今日は政治の『美味しんぼ』問題と、メディア(出版社・編集者)の『美味しんぼ』問題とにわけて、考えてみよう。


まず、政治であるが、ツイッターのどのように辛辣な政府批判も、為政者にとってはサンプルデータにすぎない。しかし雁屋哲の『美味しんぼ』は、政府にとっては玉石混淆のビッグデータであったわけだ。



端的にいうと、ビッグデータとしての『美味しんぼ』は、読者に多くのB層を抱え込んでいる。そこは自民党の票田と重なりあうのである。その事実が政治家の危機感に触れた。


『美味しんぼ』の発行部数は、累計で1億部を超えている。『クレヨンしんちゃん』の発行部数が累計で4300万部というのだから、その倍以上の、とにかくけた外れの人気漫画である。



その圧倒的な発行部数と影響力が、ビッグデータとして権力の警戒心を惹起したのである。そして政府は、憲法が保障している表現の自由を軽々と越えてしまった。


このあたりの腰の軽さは、何しろ総理が立憲主義を知らない国なのだから、まるで憲法などなきがごとしである。


エコノミスト誌データ・エディターのケネス・クキエルと、オックスフォード・インターネット研究所教授のビクター・メイヤー=ションバーガーは、共同執筆の「ビッグデータの台頭」のなかで、次のように書いている。


「政府がデータのパワーを過度に信頼するようになることも、もう一つの懸念材料だ。


人類学者のジェームズ・スコットは、 1999年の著作Seeing Like a State で、政府が数量化とデータ収集を重視するあまり、人々の生活を悲惨にすることも多いことを例証している。


例えば、コミュニティを再編(統廃合)しようとする場合、政府は現地で暮らす人々の生活を理解しようともせず、まず地図を取り出して、計画を立てようとする。


農業を集産化しようと、生産の実態に目を向けることなく、むしろ、収穫に関する一連のデータに政府が頼ろうとするのも事実だろう。


人々は長い時間をかけて有機的に交流し、必要性に導かれて行動しているというのに、政府は不完全なデータを、たんに社会の動きを数量化したいという願いゆえに、受け入れてしまっている。


この間違ったデータ信仰が問題を引き起こすこともある。データの間違いゆえに組織が判断を間違え、本来の数字が意味する以上の価値をデータに見出してしまうこともある」(『Foreign Affairs Anthology 』vol.39)


『美味しんぼ』の圧倒的な発行部数と人気に、「政府がデータのパワーを過度に信頼」し、反射神経的に反応してしまったということは否めない。


その背景には「間違ったデータ信仰」があり、読者の多寡によって政治的影響力を判断する間違いを、政府は起こしてしまったのである。


『美味しんぼ』はグルメ漫画であり、それを手にする人は、政治的な、そして思想的な関心をもって手に取るわけではない。政府は明らかに「本来の数字が意味する以上の価値をデータに見いだしてしま」ったのである。


話題になり、騒ぎになると、雑誌は売れる。これは市場経済の鉄則である。政府は、結果的に宣伝役を買って出ており、『美味しんぼ』は発行部数を、少なくともこの2、3号は増やすであろう。


ケネス・クキエルとビクター・メイヤー=ションバーガーは、先の論文の結論を次のようにまとめている。


「ビックデータの世界にあっても、われわれが育むべきは、想像力、直感、知的向上心などの人間の特性にほかならない。結局は社会を進歩させる原動力は人間の英知なのだ。


ビッグデータは資源であり、ツールでもある。それは情報だが、それで因果関係を説明することはできない。理解する糸口は提供できるかもしれないが、情報がどのように位置づけられるかによっては、誤解を生み出すこともある。


ビッグデータがいかに大きなパワーをもっているように見えるとしても、その魅力的な輝きに惑わされて、それが不完全なものであることを忘れてはいけない。


むしろ、われわれは、ビッグデータのパワーだけでなく、それに限界が存在することを認識した上で、このテクノロジーを用いるべきだろう」


いかにグーグルなどがビッグデータを提供してくれても、「われわれが育むべきは、想像力、直感、知的向上心などの人間の特性にほかならない。結局は社会を進歩させる原動力は人間の英知なのだ」。この結論は正しい。


巨大な読者をもつエンターテイメントの作品が、福島を書いた。放射能と鼻血との因果関係が指摘されていても、それに政府が怯える姿勢がまずおかしい。


『美味しんぼ』に指摘される前に、国と県が、その因果関係を調査し、県民の命と健康のために手を尽くすべきだったのである。


自分たちがやるべきことをやっていない後ろめたさが、県民の味方面して、風評被害を声高に喋らせるのである。


さて、『美味しんぼ』問題に関わった人間で、政治家たちに続いてそのダメさが際だったのは、出版社(編集者)である。権力の弾圧に対して作家を守らない。これは70年代の左翼の退潮期から顕著になった。


それは出したい本から、売れる本へとシフトを変更し、それが売れる本でも反体制であれば作家に書き直しを命じる。


さらに反体制であれば書かせない、さらには左翼の権威を批判した作家の本は出させない、とエスカレートしていった。


 

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コメント
 
01. 2014年5月20日 22:22:50 : H2XGhEYiOQ
外資の保険屋は国内のがん保険の販売をやめています。
安倍がいくいまら完全にコントロールしていると嘘を言っても、金勘定に長けたユダ金は事実を知っています。
大本営発表をどこまで信じるつもりですか?

02. 2014年5月21日 00:45:00 : YxpFguEt7k
伊波洋一氏
「「美味しんぼ」の鼻血問題に政府が神経をとがらしている。鼻血問題は政府が“安全”のお墨付きで蓋をした福島第一原発事故問題が何一つ解決していないことを国民に明らかにする。その真実が明らかになることを政府は一番恐れているのだろう。」
https://twitter.com/ihayoichi/status/468770874607165440

憲法21条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

この憲法がなかったら、もっとヒドイ弾圧があったことでしょう。


03. 佐助 2014年5月21日 07:14:21 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
放射能は雨が降ると重さがゼロなので、タバコの煙のように登って行く放射能は、水滴にとりこまれて、地上に落下し数値をあげる。放射能パニックを防ぐには、測定した食品が、加工され口に入るまでの過程で、放射能の数値がどのように変化するかを測定して公表すればパ二ックは起きない。

ところが、安全基準を超えていても、すこしなら健康被害ないとか、安全基準を見直すとか出荷停止せよとか、出荷停止したものは賠償を検討してるとか、ともかく何とか安心させようと発言するから、一層不安になりパニックは増幅されるんじゃよ。パニックは死の不安を連想すると発生するので、どんな場合には死に直結するのか、しないのかを客観的な数値で判定して報道しないと、カイワレと同じように風評被害の元凶とみなされかねない。

原発を復旧維持したい一心から、現象の結果を、希望的観測で無意識にアト推定説明する人たちに振り回されから、ますます不安になる。

イオン化した分子が共鳴振動させるという、分子レベルの原理を認めることで。リチウム電池の発火も同じ原因である。だから、容器やパイプを、共鳴振動応力の発生しない材料に変更するか、マグネシウムやリチウムを、他の原子に変えなければならない。長く使用していれば、リチウム電池は再び、穴を開け亀裂させ腐食させ発火させる。

冷却水には真水ではなくてマグネシウム(Mg)やナトリウムが使われている。イオン化すると強い共鳴振動数によって容器やパイプを酸化または還元して、穴をあけたり、亀裂を発生させたり、腐食させる。この原因の75%は原子が分子化される時に発生させる現象である。そのためにイオン化されたマグネシウムやリチウムを共鳴共振する材料を使うべきでない、今回の福島原発が、自動停止したにもかかわらず、炉心が溶解したのはそのためだ。

福島事故原発は今も放射能が漏れつづけている。冷やせば放射能漏れも高温発熱も低下するという想定は、原子物理学の幻覚なのだ。多くの分子を含む海水を注入して原子設備の腐食・穿孔・発熱は加速し、火に油を注いだために早急に厳重な封鎖をしなければ、日本は放射能汚染列島化が避けられない。


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