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「原発差し止め訴訟」判決 最高裁でも覆し難い論旨に注目(世相を斬る あいば達也)
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/800.html
投稿者 笑坊 日時 2014 年 5 月 24 日 17:09:38: EaaOcpw/cGfrA
 

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/b7e22c390f41bafb31c766280ca8f453
2014年05月24日

 小泉元総理も唸った福井地裁樋口英明裁判長の判決文。原発の是非に関する議論の課題の誤りを指摘し、国益や国民の安寧にまで言及した判決文は、日本の司法にあって異質な面もあるが、“事情判決”なるものが徹底して行われてきた日本の司法の曖昧さに、警鐘を鳴らしてもいる。法に則り、しかし事情判決と云う超法規な狼藉もせずに、この判決至る過程の中で、国富の概念の神髄をついている部分は画期的だ。最近よく耳にする“幸福度”と云う価値尺度が思い出される。小泉元総理が論評するような「常識的判決」以上のものがこの判決にはある。この判決の性格は、以下の部分に如実に表れている。

 判決の中で、樋口裁判長は
「人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊か な国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」
と論破している下りは、哲学者の境地を思わせる。日本の司法において、ある意味で最も欠如しているものに踏み込んだ点は、驚くべき部分もある。

 判決文の「原子力発電所の稼働は、法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである」ここが、この判決を書く当たっての福井地裁の立ち位置である。人格権は、経済合理性追求の権利の上位に存在するものだから、上位の規範を侵してはならないと云うことだ。経済合理性優位、国富をマネーと云う価値にしか置き換えられない20世紀的普遍の信仰で裁判を行う惰性的流れを押しとどめ、21世紀的な法の運用を考える契機になり得る判決であろ。

 検察の原発訴訟に対する姿勢が、あまりにも秩序維持(既得権益擁護)に傾き“起訴裁量権”の濫用を行い、原発被害者に救いの手を差し伸べようとしなかった経緯と対照的な樋口裁判長の判断だ。筆者は、以前のコラムでも言及しているが、ここ半年くらいの間に、盤石と思えた司法トライアングルに皹が入ったのではないかと予感している。その“皹”がどのようなものか定かではないが、裁判所が、検察と蜜月(今までは起訴権を持つため、実質起訴イコール有罪)の関係にあり、検察が、判決を決定していたような事実関係があった。しかし、警察や検察の質の劣化が目立ち始め、このままの流れを継続することは、裁判所にとっては、検察との無理心中につき合わされかねないと考えても不思議ではない。

 筆者の、上述のような異変が、最高裁を含めた司法に共通の認識であれば、“世界一の安全基準”などと云う信用に当たらない基準に合致しているから“安全”などと言えるわけがない。おそらく、今回作り上げた安全基準も、誤謬のベースをそのままにして、その末節を弄繰り回したのだから、新たな基準を作ったとは言い難い。また、個別の訴訟における瑕疵への言及も厳しく、想定地震がどの程度の規模のものか、常に想定外の地震規模が起きている、と手厳しい。また、福島における事故の原因が確定せず、地震による破損と津波による破損の調査結果にも曖昧さが残る。ある意味で、安倍官邸の原発政策への対応は、法的になんら担保するものがない、と暗に語っているところが凄い。以下は、大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決要旨全文である。


【 大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決要旨
主文
1  被告は、別紙原告目録1記載の各原告(大飯原発から250キロメートル圏内に居住する166名)に対する関係で、福井県大飯郡おおい町大島1字吉見1-1において、大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない。
2  別紙原告目録2記載の各原告(大飯原発から250キロメートル圏外に居住する23名)の請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は、第2項の各原告について生じたものを同原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。

理由
1 はじめに
 ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである。このことは、当然の社会的要請であるとともに、生存を基礎とする人格権が公法、私法を間わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である。  
個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、 格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。人格権は各個人に由来するものであるが、その侵害形態が多数人の人格権を同時に侵害する 性質を有するとき、その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。

2 福島原発事故について
 福島原発事故においては、15万人もの住民が避難生活を余儀なくされ、この避難の過程で少なくとも入院患者等60名が その命を失っている。家族の離散という状況や劣悪な避難生活の中でこの人数を遥かに超える人が命を縮めたことは想像に難くない。さらに、原子力委員会委員長が福島第一原発から250キロメートル圏内に居住する住民に避難を勧告する可能性を検討したのであって、チェルノブイリ事故の場合の住民の避難区域も同様の規模に及んでいる。
 年間何ミリシーベルト以上の放射線がどの程度の健康被害を及ぼすかについてはさまざまな見解があり、どの見解に立つかによってあるべき避難区域の広さも変わってくることになるが、既に20年以上にわたりこの問題に直面し続けてきたウクライナ共和国、ベラルーシ共和国は、 今なお広範囲にわたって避難区域を定めている。両共和国の政府とも住民の早期の帰還を図ろうと考え、住民においても帰還の強い願いを持つことにおいて我が国となんら変わりはないはずである。それにもかかわらず、両共和国が上記の対応をとらざるを得ないという事実は、放射性物質のもたらす健康被害について楽観的な見方をした上で避難区域は最小限のもので足りるとする見解の正当性に重大な疑問を投げかけるものである。上記250キロメートルという数字は緊急時に想定された数字にしかすぎないが、だからといってこの数字が直ちに過大であると判断す’ることはできないというべきである。

3 本件原発に求められるべき安全性
(1)  原子力発電所に求められるべき安全性  1、2に摘示したところによれば、原子力発電所に求められるべき安全性、信頼性は極めて高度なものでなければならず、万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置がとられなければならない。
 原子力発電所は、電気の生産という社会的には重要な機能を営むものではあるが、原子力の利用は平和目的に限られている から(原子力基本法2条)、原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上 は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。しかるところ、大きな自然災害や戦争以外で、この根源的な権利が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い。かような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は、その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても、少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である。このことは、土地所有権に基づく妨害排除請求権や妨害予防請求権においてすら、侵害の事実や侵害の具体的危険性が認められれば、侵害者の過失の有無や請求が認容されることによって受ける侵害者の不利益の大きさという侵害者側の事情を問うことなく請求が認められていることと対比しても明らかである。
 新しい技術が潜在的に有する危険性を許さないとすれば社会の発展はなくなるから、新しい技術の有する危険性の性質やもたらす被害の大きさが明確でない場合には、その技術の実施の差止めの可否を裁判所において判断することは困難を極める。しかし、技術の危険性の性質やそのもたらす被害の大きさが判明している場合には、技術の実施に当たっては危険の性質と被害の大きさに応じた安全性が求められることになるから、この安全性が保持されているかの判断をすればよいだけであり、危険性を一定程度容認しないと社会の発展が妨げられるのではないかといった葛藤が生じることはない。原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。本件訴訟においては、本件原発において、かような事態を招く具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象とされるべきであり、福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しいものと考えられる。

(2)  原子炉規制法に基づく審査との関係
 (1)の理は、上記のように人格権の我が国の法制における地位や条理等によって導かれるものであって、原子炉規制法を はじめとする行政法規の在り方、内容によって左右されるものではない。したがって、改正原子炉規制法に基づく新規制基準が原子力発電所の安全性に関わる問題のうちいくつかを電力会社の自主的判断に委ねていたとしても、その事項についても裁判所の判断が及ぼされるべきであるし、新規制基準の対象となっている 事項に関しても新規制基準への適合性や原子力規制委員会による新規制基準への適合性の審査の適否という観点からではなく、(1)の理に基づく裁判所の判断が及ぼされるべきこととなる。
4 原子力発電所の特性
 原子力発電技術は次のような特性を持つ。すなわち、原子力発電においてはそこで発出されるエネルギーは極めて膨大であるため、運転停止後においても電気と水で原子炉の冷却を継続しなければならず、その間に何時間か電源が失われるだけで事故につながり、いったん発生した事故は時の経過に従って拡大して行くという性質を持つ。このことは、他の技術の多くが運転の停止という単純な操作によって、その被害の拡大の要因の多くが除去されるのとは異なる原子力発電に内在する本質的な危険である。
 したがって、施設の損傷に結びつき得る地震が起きた場合、速やかに運転を停止し、運転停止後も電気を利用して水によって核燃料を冷却し続け、万が一に異常が発生したときも放射性物質が発電所敷地外部に漏れ出すことのないようにしなければならず、この止める、冷やす、閉じ込めるという要請はこの3つがそろって初めて原子力発電所の安全性が保たれることとなる。仮に、止めることに失敗するとわずかな地震による損傷や故障でも 破滅的な事故を招く可能性がある。福島原発事故では、止めることには成功したが、冷やすことができなかったために放射性物質が外部に放出されることになった。また、我が国においては核燃料は、五重の壁に閉じ込められているという構造によって初めてその安全性が担保されているとされ、その中でも重要な壁が堅 固な構造を持つ原子炉格納容器であるとされている。しかるに、本件原発には地震の際の冷やすという機能と閉じ込めるという構造において次のような欠陥があ る。

5 冷却機能の維持について
(1) 1260ガルを超える地震について
 原子力発電所は地震による緊急停止後の冷却機能について外部からの交流電流によって水を循環させるという基本的なシステムをとっている。1260ガルを超える地震によってこのシステムは崩壊し、非常用設備ないし予備的手段による補完もほぼ不可能となり、メルトダウンに結びつく。この規模の地震が起きた場合には打つべき有効な手段がほとんどないことは被告において自認しているところである。
 しかるに、我が国の地震学会においてこのような規模の地震の発生を一度も予知できていないことは公知の事実である。地震は地下深くで起こる現象であるから、その発生の機序の分析は仮説や推測に依拠せざるを得ないのであって、仮説の立論や検証も実験という手法がとれない以上過去のデータに頼らざるを得ない。確かに地震は太古の昔から存在し、繰り返し発生している現象ではあるがその発生頻度は必ずしも高いものではない上に、正確な記録は近時のものに限られることからすると、頼るべき過去のデータは極めて限られたものにならざるをえない。したがって、大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。むしろ、@我が国において記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震に おける4022ガルであり、1260ガルという数値はこれをはるかに下回るものであること、A岩手宮城内陸地震は大飯でも発生する可能性があるとされる内陸地殻内地震であること、Bこの地震が起きた東北地方と大飯原発の位置する北陸地方ないし隣接する近畿地方とでは地震の発生頻度において有意的な違いは認められず、若狭地方の既知の活断層に限っても陸海を問わず多数存在すること、Cこの既往最大という概念自体が、有史以来世界最大というものではなく近時の 我が国において最大というものにすぎないことからすると、1260ガルを超える地震は大飯原発に到来する危険がある。

(2) 700ガルを超えるが1260ガルに至らない地震について
ア 被告の主張するイベントツリーについて  被告は、700ガルを超える地震が到来した場合の事象を想定し、それに応じた対応策があると主張し、これらの事象と対 策を記載したイベントツリーを策定し、これらに記載された対策を順次とっていけば、1260ガルを超える地震が来ない限り、炉心損傷には至らず、大事故に至ることはないと主張する。
 しかし、これらのイベントツリー記載の対策が真に有効な対策であるためには、第1に地震や津波のもたらす事故原因につながる事象を余すことなくとりあげること、第2にこれらの事象に対して技術的に有効な対策を講じること、第3にこれらの技術的に有効な対策を地震や津波の 際に実施できるという3つがそろわなければならない。

イ イベントツリー記載の事象について  深刻な事故においては発生した事象が新たな事象を招いたり、事象が重なって起きたりするものであるから、第1の事故原因につながる事象のすべてを取り上げること自体が極めて困難であるといえる。

ウ イベントツリー記載の対策の実効性について  また、事象に対するイベントツリー記載の対策が技術的に有効な措置であるかどうかはさておくとしても、いったんことが起きれば、事態が深刻であればあるほど、それがもたらす混乱と焦燥の中で適切かつ迅速にこれらの措置をとることを原子力発電所の従業員に求めることはできない。特に、次の各事実に照らすとその困難性は一層明らかである。
 第1に地震はその性質上従業員が少なくなる夜間も昼間と同じ確率で起こる。突発的な危機的状況に直ちに対応できる人員がいかほどか、あるいは現場において指揮命令系統の中心となる所長が不在か否かは、実際上は、大きな意味を持つことは明らかである。
 第2に上記イベントツリーにおける対応策をとるためにはいかなる事象が起きているのかを把握できていることが前提になるが、この把握自体が極めて困難である。福島原発事故の原因について国会事故調査委員会は地震の解析にカを注ぎ、地震の到来時刻と津波の到来時刻の分析や従業員への聴取調査等を経て津波の到来前に外部電源の他にも地震によって事故と直結する損傷が生じていた疑いがある旨指摘しているものの、地震がいかなる箇所にどのような損傷をもたらしそれがいかなる事象をもたらしたかの確定には至っていない。一般的には事故が起きれば事故原因の解明、確定を行いその結果 を踏まえて技術の安全性を高めていくという側面があるが、原子力発電技術においてはいったん大事故が起これば、その事故現場に立ち入ることができないため 事故原因を確定できないままになってしまう可能性が極めて高く、福島原発事故においてもその原因を将来確定できるという保証はない。それと同様又はそれ以上に、原子力発電所における事故の進行中にいかなる箇所にどのような損傷が起きておりそれがいかなる事象をもたらしているのかを把握することは困難である。
 第3に、仮に、いかなる事象が起きているかを把握できたとしても、地震により外部電源が断たれると同時に多数箇所に損傷が生じるなど対処すべき事柄は極めて多いことが想定できるのに対し、全交流電源喪失から炉心損傷開始までの時間は5時間余であり、炉心損傷の開始からメ ルトダウンの開始に至るまでの時間も2時間もないなど残された時間は限られている。
 第4にとるべきとされる手段のうちいくつかはその性質上、緊急時にやむを得ずとる手段であって普段からの訓練や試運転にはなじまない。運転停止中の原子炉の冷却は外部電源が担い、非常事態に備えて水冷式非常用ディーゼル発電機のほか空冷式非常用発電装置、電源車が備えられているとされるが、たとえば空冷式非常用発電装置だけで実際に原子炉を冷却できるかどうかをテストするというようなことは危険すぎてできようはずがな い。
 第5にとるべきとされる防御手段に係るシステム自体が地震によって破損されることも予想できる。大飯原発の何百メート ルにも及ぶ非常用取水路が一部でも700ガルを超える地震によって破損されれば、非常用取水路にその機能を依存しているすべての水冷式の非常用ディーゼル発電機が稼動できなくなることが想定できるといえる。また、埋戻土部分において地震によって段差ができ、最終の冷却手段ともいうべき電源車を動かすことが 不可能又は著しく困難となることも想定できる。上記に摘示したことを一例として地震によって複数の設備が同時にあるいは相前後して使えなくなったり故障したりすることは機械というものの性質上当然考えられることであって、防御のための設備が複数備えられていることは地震の際の安全性を大きく高めるものでは ないといえる。
 第6に実際に放射性物質が一部でも漏れればその場所には近寄ることさえできなくなる。
 第7に、大飯原発に通ずる道路は限られており施設外部からの支援も期待できない。

エ 基準地震動の信頼性について
 被告は、大飯原発の周辺の活断層の調査結果に基づき活断層の状況等を勘案した場合の地震学の理論上導かれるガル数の最 大数値が700であり、そもそも、700ガルを超える地震が到来することはまず考えられないと主張する。*しかし、この理論上の数値計算の正当性、正確性について論じるより、現に、全国で20箇所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以後10年足らずの問に到来しているという事実を重視すべきは当然である。地震の想定に関しこのような誤りが重ねられてしまった理由については、今後学術的に解決すべきものであって、当裁判所が立ち入って判断する必要のない事柄である。これらの事例はいずれも地震という自然の前における人間の能力の限界を示すものというしかない。本件原発の地震想定が基本的には上記4つの原発におけるのと同様、過去における地震の記録と周辺の活断層の調査分析という手法に基づきなされたにもかかわらず、被告の本件原発の地震想定だけが信頼に値するという根拠は見い出せない。

オ 安全余裕について
 被告は本件5例の地震によって原発の安全上重要な施設に損傷が生じなかったことを前提に、原発の施設には安全余裕ないし安全裕度があり、たとえ基準地震動を超える地震が到来しても直ちに安全上重要な施設の損傷の危険性が生じることはないと主張している。
 弁論の全趣旨によると、一般的に設備の設計に当たって、様々な構造物の材質のばらつき、溶接や保守管理の良否等の不確定要素が絡むから、求められるべき基準をぎりぎり満たすのではなく同基準値の何倍かの余裕を持たせた設計がなされることが認められる。このように設計した場合でも、基準を超えれば設備の安全は確保できない。この基準を超える負荷がかかっても設備が損傷しないことも当然あるが、それは単に上記の不確定要素が比較的安定していたことを意味するにすぎないのであって、安全が確保されていたからではない。したがって、たとえ、過去において、原発施設が基準地震動を超える地震に耐えられたという事実が認められたとしても、同事実は、今後、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しても施設が損傷しないということをなんら根拠づけるものではない。

(3) 700ガルに至らない地震について
ア 施設損壊の危険
 本件原発においては基準地震動である700ガルを下回る地震によって外部電源が断たれ、かつ主給水ポンプが破損し主給水が断たれるおそれがあると認められる。

イ 施設損壊の影響
 外部電源は緊急停止後の冷却機能を保持するための第1の砦であり、外部電源が断たれれば非常用ディーゼル発電機に頼らざるを得なくなるのであり、その名が示すとおりこれが非常事態であることは明らかである。福島原発事故においても外部電源が健全であれば非常用ディーゼル発電機の津波による被害が事故に直結することはなかったと考えられる。主給水は冷却機能維持のための命綱であり、これが断たれた場合にはその名が示すとおり補助的な手段にすぎない補助給水設備に頼らざるを得ない。前記のとおり、原子炉の冷却機能は電気によって水を循環させることによって維持されるのであって、電気と水のいずれかが一定時間断たれれば大事故になるのは必至である。原子炉の緊急停止の際、この冷却機能の主たる役割を担うべき外部電源と主給水の 双方がともに700ガルを下回る地震によっても同時に失われるおそれがある。そして、その場合には(2)で摘示したように実際にはとるのが困難であろう限られた手段が効を奏さない限り大事故となる。

ウ 補助給水設備の限界  このことを、上記の補助給水設備についてみると次の点が指摘できる。緊急停止後において非常用ディーゼル発電機が正常に機能し、補助給水設備による蒸気発生器への給水が行われたとしても、@主蒸気逃がし弁による熱放出、A充てん系によるほう酸の添加、B余熱除去系による 冷却のうち、いずれか一つに失敗しただけで、補助給水設備による蒸気発生器への給水ができないのと同様の事態に進展することが認められるのであって、補助給水設備の実効性は補助的手毅にすぎないことに伴う不安定なものといわざるを得ない。また、上記事態の回避措置として、イベントツリーも用意されてはいるが、各手順のいずれか一つに失敗しただけでも、加速度的に深刻な事態に進展し、未経験の手作業による手順が増えていき、不確実性も増していく。事態の把握の困難性や時間的な制約のなかでその実現に困難が伴うことは(2)において摘示したとおりである。

エ 被告の主張について
 被告は、主給水ポンプは安全上重要な設備ではないから基準地震動に対する耐震安全性の確認は行われていないと主張するが、主給水ポンプの役割は主給水の供給にあり、主給水によって冷却機能を維持するのが原子炉の本来の姿であって、そのことは被告も認めているところである。安全確保の上で不可欠な役割を第1次的に担う設備はこれを安全上重要な設備であるとして、それにふさわしい耐震性を求めるのが健全な社会通念であると 考えられる。このような設備を安全上重要な設備ではないとするのは理解に苦しむ主張であるといわざるを得ない。

(4) 小括
 日本列島は太平洋プレート、オホーツクプレート、ユーラシアプレート及びフィリピンプレートの4つのプレートの境目に位置しており、全世界の地震の1割が狭い我が国の国土で発生する。この地震大国日本において、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる。このような施設のあり方は原子力発電所が有する前記の本質的な危険性についてあまりにも楽観的といわざるを得ない。

6 閉じ込めるという構造について(使用済み核燃料の危険性)
(1) 使用済み核燃料の現在の保管状況  原子力発電所は、いったん内部で事故があったとしても放射性物質が原子力発電所敷地外部に出ることのないようにする必要があることから、その構造は堅固なものでなければならない。
 そのため、本件原発においても核燃料部分は堅固な構造をもつ原子炉格納容器の中に存する。他方、使用済み核燃料は本件 原発においては原子炉格納容器の外の建屋内の使用済み核燃料プールと呼ばれる水槽内に置かれており、その本数は1000本を超えるが、使用済み核燃料プー ルから放射性物質が漏れたときこれが原子力発電所敷地外部に放出されることを防御する原子炉格納容器のような堅固な設備は存在しない。

(2) 使用済み核燃料の危険性
 福島原発事故においては、4号機の使用済み核燃料プールに納められた使用済み核燃料が危機的状況に陥り、この危険性ゆえに前記の避難計画が検討された。原子力委員会委員長が想定した被害想定のうち、最も重大な被害を及ぼすと想定されたのは使用済み核燃料プールからの放射能汚染であり、他の号機の使用済み核燃料プールからの汚染も考えると、強制移転を求めるべき地域が170キロメートル以遠にも生じる可能性や、住民が移転を希望する場合にこれを認めるべき地域が東京都のほぼ全域や横浜市の一部を含む250キロメートル以遠にも発生する可能性があり、これらの範囲は自然に任せておくならば、数十年は続くとされた。

(3) 被告の主張について  被告は、使用済み核燃料は通常40度以下に保たれた水により冠水状態で貯蔵されているので冠水状態を保てばよいだけであるから堅固な施設で囲い込む必要はないとするが、以下のとおり失当である。
ア 冷却水喪失事故について
 使用済み核燃料においても破損により冷却水が失われれば被告のいう冠水状態が保てなくなるのであり、その場合の危険性は原子炉格納容器の一次冷却水の配管破断の場合と大きな違いはない。*福島原発事故において原子炉格納容器のような堅固な施設に甲まれていなかったにもかかわらず4号機の使用済み核燃料プールが建屋内の水素爆発に耐えて破断等による冷却水喪失に至らなかったこと、あるいは瓦礫がなだれ込むなどによって使用済み核燃料が大きな損傷を被ることがなかったことは誠に幸運と言うしかない。使用済み核燃料も原子炉格納容器の中の炉心部分と同様に外部からの不測の事態に 対して堅固な施設によって防御を固められてこそ初めて万全の措置をとられているということができる。

イ 電源喪失事故について
 本件使用済み核燃料プールにおいては全交流電源喪失から3日を経ずして冠水状態が維持できなくなる。我が国の存続に関わるほどの被害を及ぼすにもかかわらず、全交流電源喪失から3日を経ずして危機的状態に陥いる。そのようなものが、堅固な設備によって閉じ込められていないままいわばむき出しに近い状態になっているのである。

(4) 小括
 使用済み核燃料は本件原発の稼動によって日々生み出されていくものであるところ、使用済み核燃料を閉じ込めておくため の堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要するということに加え、国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、深刻な事故は めったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるを得ない。

7 本件原発の現在の安全性
 以上にみたように、国民の生存を基礎とする人格権を放射性物質の危険から守るという観点からみると、本件原発に係る安全技術及び設備は、万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆 弱なものであると認めざるを得ない。

8 原告らのその余の主張について
 原告らは、地震が起きた場合において止めるという機能においても本件原発には欠陥があると主張する等さまざまな要因による危険性を主張している。しかし、これらの危険性の主張は選択的な主張と解されるので、その判断の必要はないし、環境権に基づく請求も選択的なものであるから同請求の可否についても判断する必要はない。
 原告らは、上記各諸点に加え、高レベル核廃棄物の処分先が決まっておらず、同廃棄物の危険性が極めて高い上、その危険性が消えるまでに数万年もの年月を要することからすると、この処分の問題が将来の世代に重いつけを負わせることを差止めの理由としている。幾世代にもわたる後の人々に対する我々世代の責任という道義的にはこれ以上ない重い問題について、現在の国民の法的権利に基づく差止訴訟を担当する裁判所に、この問題を判断する資格が与えられているかについては疑問があるが、7に説示したところによるとこの判断の必要もないこととなる。

9 被告のその余の主張について
 *他方、被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが 国富の喪失であると当裁判所は考えている。
 また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。

10 結論
 以上の次第であり、原告らのうち、大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者(別紙原告目録1記載の各原告)は、本件原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから、これらの原告らの請求を認容すべきである。

福井地方裁判所民事第2部
 裁判長裁判官 樋口英明    
 裁判官 石田明彦    
 裁判官 三宅由子  】

注:判決文要旨の中における太字は筆者によるポイントを示すためのもの


 十分に読み込んでみると、この判決要旨が情緒的だとか、科学的根拠がない等と言える部分はない。哲学的見地は若干あるようにもみえるが、許容の範囲だ。逆に、この判決要旨に反駁を加えることは非常に困難な事態を、日本の原子力行政、関連企業は抱えたことになる。仮に、高裁、最高裁に控訴されるとしても、樋口裁判長らの論旨を覆す判決文を書くのは、相当に困難だ。そして、万が一、福島以外の原発において過酷事故でも起きようものなら、上級裁の“事情判決”は、徹底的に世論と対立することになり、最高裁事務総局の荒業も難しい選択を迫られる。筆者は、この判決文を読み、地裁レベルで、国富の概念まで登場する、壮大な判決が書けるのか、多少の疑問を抱いている。つまり、最高裁事務総局のお墨付きが存在している可能性も感じる。

 そのようなシナリオがあるとすれば、日本司法の総本山である米国の意向も反映している可能性もあるだろう。前述したように、警察、検察との“なあなあな関係”の継続で、裁判所の最高法規の番人と云う地位が、国民から疑われる事を忌避する自己保全かもしれない。しかし、いずれにしても、日本の原子力村に対する挑戦状のような判決であり、この論旨で裁判を指揮すれば、わが国の原発の再稼働は、悉く頓挫する。そういう意味でも、この判決の根拠は手厳しい。ここからは筆者の想像だが、最高裁が、今後は、行政立法の思惑(甘え)と異なる判断をしますよ、と云うメッセージにも見えてくる。将来的には、違憲に関する判断にも、巷の事情におもねる事のない、幾分教条的だが、原理原則を逸脱しない、正義の番人になってくれるかもしれない。期待と云うものは、多にして裏切られるものだが、裏切られようと、希望や期待を持った日々の方が、充実感はある。


 

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コメント
 
01. 2014年5月24日 18:06:45 : qABQvdTAB6

>「原発差し止め訴訟」判決 最高裁でも覆し難い論旨に注目


デタラメな主張だね。

この地裁の判決は、最高裁はおろか高裁でも覆るだろう。

なぜかというとこの地裁の判決は、1992年の伊方原発の安全審査についての最高裁判決という判例を無視したものだからだ。

92年の最高裁判決では、「極めて高度で最新の科学的、技術的、総合的な判断が必要で、行政側の合理的な判断に委ねられている」となっており、結果、現在安全審査は原子力規制委員会で行われている。

今回の地裁の判決はこの最高裁判決という判例を無視したもの。
下級審での判例を無視した異常な判決は上級審で是正される。

従って、ここの記事が主張するような最高裁もこの判決という事態にはならない。
次の高裁で判決は覆るだろうね。




[32削除理由]:管理人特別処理

02. 2014年5月24日 18:56:06 : wCcauLJJnM
1992年なら、震災前のこと。
福島ではその安全神話が崩れたんではなかったですかね。

最高裁も震災前の判断は甘すぎた、申し訳ないと言うべきでしょう。


03. 2014年5月24日 19:11:32 : vgPgbrsFTs
 このたびの地裁判決を上級裁判所がもし覆そうというものなら論旨はなにか?
 「人命」よりも「経済」優先あるいは「個人」よりも「国家」ということになる。 まさしく「裁判所の憲法違反」、「司法の崩壊」といえる。

04. 2014年5月24日 19:20:23 : wSotlTLZog
01の権利指向な考えなど無視に限る。
今夜のあいば君も中々冴えている。
この福井地裁の判決要旨を覆すには、
余程勇気ある裁判官じゃないと、怖いだろうね。
最近は裁判官自身が槍玉になる傾向あるので、
一生びくびくな退官後を、過ごしたくはない。
あくまで事情判決で押し通すには、
かなりの蛮勇が必要だろう。

05. 佐助 2014年5月24日 19:42:52 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
この判決は産業革命が躍動するキッカケになる。本当によかった。そして
「日本商品の世界的優位性の法則」が2040年まで継続することが確信できた。
しかし,経済学が、第二次世界信用収縮恐慌の到来を、認識できない。そのために政治経済の指導者は原発廃止を遅延させてしまう。この司法の画期的な英断と燃料電池の普及が産業革命を加速させることになる。「日本商品の世界的優位性の法則」が2060年まで伸びることになる。


地球を破壊させることが確実な第三次世界大戦と人類破壊兵器原発を避けるためには、世界信用収縮恐慌を収拾するため、国益エゴを捨て、とりあえずドル・円・ユーロの三極基軸通貨体制を採用し、固定為替システムに戻し、通貨を安定させるべきだ。次に、キンに頼らずに世界の信用を維持するシステムを構築し、バブルの行動と正常な行動を峻別すべきである。

だが原発推進派の抵抗で産業革命が遅延される,そのために銀行・証券・為替の一時閉鎖を体験するまで,世界信用収縮恐慌は収束しない。この原発推進派の既得権益護持による技術革新の遅延が致命傷となる。

日本商品の世界的優位性は2040年まで継続するが、次々と後進工業国にイニシアチブを奪われる。しかし、米国のようにサービス産業の優位は維持できる。ドル・円・ユーロの三極通貨による固定為替体制が安定すると、サービス分野での優位性は上昇する。この基軸通貨体制により、戦争なしに世界信用収縮恐慌が収束できる。

中国とインドと南アフリカとロシアは溜め込んだドル・ユーロ・円の基軸通貨と保有キンのバスケットのペッグ制によって、間接的に為替レートに、自国通貨を固定化することができる。そうして、その輸出大国を維持することが可能となる。だが、これらの国は、多民族国家&多部族国家であるために、経済常識やキンの価値観は分裂している。そのために、韓国国民が外貨危機の時、ギンを国家に拠出して助けたように、一致して行動することは困難になる。中国の社会主義的システムは2020年までに崩壊する。そして上海と香港バブルの崩壊は,この中国の社会主義的システムの崩壊とは無関係に発生する。

今回は、銀行や信用金庫や郵便局の窓口で投資信託を売っているため、投資信託の解約取付け騒ぎが、銀行の預金引き出しの取付け騒ぎに先行して発生することが避けられない。国破れても山河と国民は消滅しない。だが、人間集団ごとの自己防衛的な思考と行動は、経済信用のシステムを崩壊させて縮小させ、激痛を発生させる。

原発廃止や世界金融危機や通貨の不安から早期に脱出するには,第二次産業革命へ大胆にシフトすることです。第二次産業革命とは「CO2を発生させない動力」への転換革命です。すでに実用化されていますが、大企業は既得権益(設備・技術)を失うため、国家から補助金をもらいながら、ゆっくりと進行させたいと考え抵抗しています。この遅延政策が戦争の危機や世界金融恐慌や通貨の暴落から脱出困難になるのです。

第二次産業革命が本格化するのは,2040年〜2060年だということはすでに分かっている。第二次産業革命は、この動力エンジンを、水素発電&電磁波起電力に移行させて発生する。そのため、CO2を発生させる動力は一掃され、乗用車はエンジンレスとなる。先進工業国は、排ガスをゼロにする車の実用化の目標を、2020年前後に設定している。この目標の実現は困難だった。しかしトヨタやホンダやパナーソニックなどが本命の燃料電池を実用化した。これは産業革命が10年前倒しできることになる。

もともと「水素発電と電磁波起電力」の原理が解明されてないため2020年前後に設定してた先進工業国の、排ガスをゼロ目標が日本で成功することが分かった。だが,原発推進派による既得権益護持に固執し,実用化は遅延されると見られていた。しかし来年,ついに燃料電池搭載の車が発売されることになった。エンジンレスの車は採用されたのです。

産業革命がスタートするので,原発は繋ぎのエネルギーとして後世にそのドラマを残すことになる。


水素発電には色々な方式がある。その共通のネックは電解質膜にある。リチウム電池が1972年以来、たびたび火災発生のトラブルを起こすのは、リチウムイオンが電解質膜を加熱させるためだ。水素発電でも、電解質膜の安定性と効率が成功のカギとなる。原子の振動数が、高分子空間の電解質膜の隙間と共鳴振動すると同期し、増幅加熱する。原子力発電所のパイプ破損が避けられないのも、この原理が無視されているためだ。真の原因が分かれば解決できない現象はない。


燃料電池よりパワーの大きい、水素も酸素もリチウムも必要のない電磁波電池がある
燃料電池から次に電磁波起電力が加速する、道路や線路に電磁波ケーブルを設置し稼働する無人鉱石運搬車やモノレールは、既に実用化されている。磁気浮上鉄道(リニアモーターカー)や電磁波起電力を推進力に使った船や車の試験も終了している。家庭用の電磁波(電子)レンジ、電磁調理器(IHコンロ)、MRI(磁気共鳴画像方式)などは、日常生活の中で活躍している。

これらのテクノロジーが、電磁波起電の原理の応用であることは知られてない。すでに実用化されている電磁波起電力の技術を組み合わせると、乗用車は、全く燃料の補給が必要なく、燃料電池を積まなくても路上を走れる。そして、浮上し飛ぶことも、ビルの壁面に磁石のように張りついて上昇下降することもできる。衝突の心配のない無人運転車になる。電磁波電池は、電池のように電気をため込むのではなく、電磁波を熱変換して使用する永久起電装置である。さらに、百%自給できる家庭用自家発電はもちろん、核廃棄物をつくらない電磁波起電力発電所の建設が可能になる。

そしてコンデンサー電子半導体電池は、電子機器から家庭と工業電力、そして、電車・船・自動車・飛行機・ロケットにも使われ普及するために、第二次産業革命の中心になるもう二十年もすれば,家庭も工場も乗り物も、電子電池電源で動く時代になるので、都市も農業も漁業も本当にかわり、人類は第二次産業革命を謳歌することになる。原発やめて産業革命を加速させるとこのような素晴らしい世の中になる。そしてエンジンレスに成功した巨大な産業・企業が出現するだろう。


06. 2014年5月24日 19:59:28 : gQzUXJBl66
南米ペルーの所有物であった中国奴隷の苦力が横浜で脱走して、それを解放した裁判長は25歳だったとか。
戦争するぞとまで脅されてのこの判決を出したのは、日本が近代国家になるための踏み絵だったのかもしれない。

マリア・ルス号事件を思いだした。


07. 2014年5月24日 20:17:13 : qABQvdTAB6
>>03
>このたびの地裁判決を上級裁判所がもし覆そうというものなら論旨はなにか?

>>01で説明した通り、92年の最高裁判決という判例違反だよ。

明快だね。




[32削除理由]:管理人特別処理

08. 土浦市民T 2014年5月24日 20:39:02 : tiqo5RlV5ht9I : TKJKeahKkI
>07. 2014年5月24日 20:17:13 : qABQvdTAB6
・・・ 01で説明した通り、92年の最高裁判決という判例違反だよ。明快だね。

●お笑い、バカ丸出し

02氏が指摘しているように、92年の最高裁判決は震災前の判決で、世界一安全と言われた原発が2011年に爆発した。もはや、92年の最高裁判決は参考にもならなくなっている。

今回の判決は、それを暗に批判したもので、安全と言われたものが何故爆発したのかの検証も終わっていない、と厳しく現在の原発行政を批判している。

あいば氏の指摘は、まさに時代の流れをとらえていて、妙でもある。


09. 2014年5月24日 21:21:57 : glnvOURP8A
01とか
07とか、
右翼か関電の回し者だろうね。
原発再稼働に必死な陣営の唯一の反論ロジックが、
判例違反www
最高裁の判例に反する判決が常に永遠不滅なら、
永久に日本は明治時代になるねwww
君らは、それが望みだろうが、判例を上書きする知恵くらい、最高裁事務局にはあるよ。現に、それは行われている。
良く調べたまえ、再稼働必死陣営の理論武装はこんなものだろう。


10. 2014年5月24日 22:00:03 : ltqV0hjvZQ
>>01、07=qABQvdTAB6 は、阿修羅常駐ウヨ工作員「真相の道」ですよ。

上の検索で「真相の道」を検索して、こいつが盛んに投稿していたころの文章を探してごらんになってください。

ずっと前からウヨ道まっしぐらのVaka投稿がZAKZAKですから。

ついでに自分の投稿文に、こいつは匿名で自作自演のコメントをZAKZAK入れてました。

こいつの自作自演コメントを探すのも、ウヨという劣種の生態観察としておもしろいですよ。


11. 2014年5月24日 23:28:15 : cRee7HBph2
平成の判決の中でも希有なものだよ。未だ長い腐れ者に巻かれて極めて自己中毒と視野の狭いコメをする御仁が居るとは呆れるばかり(01と07など)。

12. 2014年5月25日 00:54:41 : 1ioo7h1uY6
■樋口英明裁判長

 わが国民主主義確立の歴史に

 その名を残すだろう



13. 2014年5月25日 16:16:15 : 85kpqqjgic

判例違反ってなんだよ。意味ないだろ。第三者の僻みじゃないんだから。

法律では上級審の判断は下級審の審理を拘束するということなんだしね。


今まで長年にわたり同じ性質のほとんどの事件が判例の制約を受けて来たのは事実であっても判例に違反すると言うのは不合理だろ。厳密に事件を審理するなら同種の事件であっても全く違う事実によって異なる事件が成立しているんだ。


下級審を拘束する法律が憲法に違反する問題の方が重大で深刻な問題にたってきたということではないのか。

選挙の違憲状態も昔では考えられなかったことだが、むしろ最高裁判所や高等裁判所の違憲判決が出るまで恐ろしいほど年月を要してきたことこそ日本の司法界の夜明けが遅すぎたという見方もできるだろ。



14. 2014年5月25日 21:56:04 : nlvnyzGTAJ
判例を覆すことは下級審は出来ないというが、最高裁の判断そのものが原発有りきを前提としてその安全審査基準の作成レベルの判断を司法がするものではないとしている。
そもそも前提が下級審の判断基準よりも低いレベルにある。
上級審が偉く下級審が劣るとする考えは劣化している。
司法の最終目的は国民の安全と福祉を最大とすることを目的とするべきであって組織の上位下達を優先すべきではない。
それこそ組織内論理であり本末転倒というべきである。
加えて言えば92年以前にも多数の原発事故隠しが行政レベルで横行しており、司法も含めて原発の是非を判断する情報が共有されていない。
この事故隠しは犯罪行為であり本来行政が告発すべきものであるにもかかわらず、共犯関係にあったことを最高裁は断罪すべきであった。

15. 2014年5月25日 22:38:01 : hU2UKe8pfM
再稼働に関しては、安全よりも経済性(しかも、短期の経済性のみで
原発のライフを通した判断が出来ていない)を優先するという判断を
行っており、判例が前提とする”行政側の合理的な判断”が出来居て
ないのであるから、裁判所が判断するのが相当であろう

16. 2014年5月26日 06:29:54 : EPkDWNcUos
>01、07へ

 今、福島原発事故を契機として、司法、裁判官の世界に改革が進みつつあるようです。

 下記の【参考】記事のように、今回の判決には、審理改革の必要性を指摘する意見が
相次いだ最高裁の原発訴訟特別研究会の影響があるようです。個々の裁判官は独立して
判断するが、原告敗訴が続いてきた原発訴訟の流れが変わる可能性がある。

 皆さん、後ろ向きにならず、前を向いて進みましょう。 

【参考】【原告勝訴の大飯原発訴訟】
   福島事故に向き合う裁判官 背景に最高裁研究会(共同通信)
http://www.47news.jp/47topics/e/253744.php

【参考】原発安全性「本格審査を」 最高裁研究会 裁判官に改革論(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012083102100003.html


17. 2014年5月26日 08:32:54 : EAkIk2fULU
あ、こんなとこに豚六(qABQvdTAB6)が居た。そして論破されてるw

わかり易いねえ、集団的自衛権賛成に小沢批判に原発推進派かw

あとひとつで満貫だね!



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