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所得税改革の論点
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/810.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 5 月 25 日 02:13:08: Mo7ApAlflbQ6s
 

 日経新聞が今週の月曜日から金曜日にかけて連載していた記事です。
 「配偶者控除」など現在進められている所得税改革の大まかな狙いがわかると思います。

※ 関連投稿

「所得控除、夫婦一体で 妻の年収問わず一律76万円 女性の社会進出促す 政府検討「103万円の壁」解消:たんなる増税策!!」
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/792.html


「配偶者控除」に関するものとして、「(3) 移転可能な基礎控除 二重控除の解消策」のなかに、

「二重控除解消のため、配偶者控除の代わりに提唱されているのが「移転的基礎控除」だ。夫婦がそれぞれ基礎控除を持ち、一方の所得が少なくて控除しきれない場合、差額を配偶者に移転して控除できる仕組み。妻がフルタイムの就業、パート、専業主婦のどれでも世帯の控除額は変わらず、「女性の働き方に中立的な税制」になる。」

という説明がある。

 基礎控除は38万円で最低給与所得控除は65万円だから、この説明にかかわる年収レベル(夫婦の一方)は、ゼロないし65万円超〜103万円ということになる。

(基礎控除を使うまでもなく給与所得控除で課税所得がゼロになる所得65万円以下のひとには基礎控除を認めないのであれば、この説明の対象となる年収レベルは65万円超〜103万円)

 「一方の所得が少なくて控除しきれない場合、差額を配偶者に移転して控除できる仕組み」と説明しているが、問題は、年収ゼロのひと(専業主婦主夫)や基礎控除を使わなくても課税所得がゼロになる年収65万円以下のひとにも基礎控除を認めるかどうかである。
 それらにも基礎控除を認めると、それらのひとの基礎控除はまるまる配偶者の所得控除になるので、それらの世帯は、実質的に、これまでの「配偶者控除」がそのまま継続することになる。


 記事は、「妻がフルタイムの就業、パート、専業主婦のどれでも世帯の控除額は変わらず、「女性の働き方に中立的な税制」になる」と結論づけているが、最終可処分所得を基準に考えれば、一方のみが就労している専業主婦(主夫)の世帯はこれまでと変わらず、共稼ぎで一方の年収が141万円未満の世帯は減少してしまうから、「女性の働き方に中立的な税制」とは言えないだろう。

 良いか悪いかは別として、見直しの目的が夫婦共稼ぎの推進であれば、パートで働いても配偶者控除の適用を受けられるので世帯の可処分所得がより増える現行制度の方が理に叶っていると言える。

 一方が給与を得るための就労をしない世帯の最終可処分所得は変わらず、一方がパートで働く世帯の場合は最終可処分所得は減るという見直しが“女性就労を後押し”するとは言えない。

 「女性の働き方に中立的な税制」というのなら、単身世帯+子ども人数・夫婦+子ども人数世帯といった家族構成別に所得税を課す最低所得額を決めたほうがすっきりすると思う。

(仮にだが、例えば、単身世帯は240万円まで非課税、夫婦世帯は360万円まで非課税とし、子ども1人につき60万円ずつプラス。但し、単身世帯の子どもは1人だけプラス100万円。夫婦それぞれが180万円ずつ稼いでいても、一方だけが360万円稼いでいても世帯に課される所得税は同じくゼロ)


※ 参照投稿

「自民 配偶者控除の見直しなど提言へ:見えてこない具体的な見直し案:世帯単位での課税最低所得基準が必要」
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/733.html

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[時事解析]所得税改革の論点

(1) 財源調達機能が低下 控除の整理が課題

 消費税率を8%に引き上げた安倍晋三政権が、法人実効税率引き下げや所得税見直しなどの税制改革に取り組んでいる。
 所得税は1980年代後半から「直間比率の是正」のため、各種控除の拡大や累進税率緩和による負担減が進んだ。経済の低迷もあり、近年の所得税収はピークの91年度より10兆円以上少ない13兆〜15兆円にとどまる。
 給与収入など課税対象は年約250兆円だが、扶養控除をはじめ各種控除を差し引いた課税所得(これに税率をかけて税額を算出)は約110兆円にすぎず、税率を上げても税収は増えにくい構造にある。政府税制調査会は「財源調達や所得再分配の機能が低下している」と問題視。両機能の回復に向け、控除の整理による課税ベース拡大などを提言してきた。

 2014年度税制改正では会社員の給与所得控除が「経費の概算控除としては過大」として16年からの縮小が決まった。今回は配偶者控除の見直しが焦点だ。収入の少ない妻を持つ夫の税負担を軽減する仕組みだが、「女性の就労意欲を阻害する」との批判が強い。
 「世代間の負担公平のため公的年金等控除の見直しを優先すべきだ」(西沢和彦日本総合研究所上席主任研究員)との意見も多い。
 法人税改革との関連も論点だ。安倍政権は法人実効税率の大幅引き下げを目指している。だが、減税の財源を法人税改革だけで捻出するのは難しい。そこで、法人税と密接に関係する所得税改革からも充てることが検討され、オーナー経営者の給与所得控除見直しなどが候補になっている。
(編集委員 谷川健三)

[日経新聞5月19日朝刊P.19]


(2)配偶者控除の見直し 女性就労を後押し

 配偶者控除は、妻の給与収入が年103万円以下なら、夫の所得から一律38万円が引かれ、税負担が軽くなる制度。103万円を超すと適用されなくなるうえ、妻に所得税の負担が生じる。このため、パートで働いても年収が103万円を超えないように勤務時間を調整する主婦が多い。

 103万円を超えても夫には段階的な配偶者特別控除が適用され、世帯の手取り収入は減少しない仕組みになっている。ただ、配偶者控除の対象社員に配偶者手当を支給する企業が多く、今も「103万円の壁」という意識は根強く残る。

 創設は1961年。夫が働き、妻は専業主婦の世帯が一般的だった時代だ。共働きでないと家計を維持できない世帯も多い現在、「所得の高い専業主婦世帯を優遇する制度は時代遅れ」との批判がある。「103万円の壁」への意識を利用して「賃金が低く抑えられている」との指摘もある。

 3月の経済財政諮問会議では「女性の就労に抑制的で弊害が大きい」などと廃止を求める意見が相次ぎ、安倍晋三首相が見直しを指示した。だが、配偶者控除の適用者は1500万人(特別控除も含む)で、見直しへの抵抗は強い。廃止を主張していた民主党政権は結局断念し、自民党は昨年の参院選で制度の「維持」を掲げた。

 見直しても「年収103万円に抑えていた人が追加的に20万〜40万円を得ようと働く程度で影響は限定的」(林宏昭・関西大学教授)との見方もある。女性の社会進出を促すには、保育所不足や長時間労働といった就業環境の改善も不可欠だ。

(編集委員 谷川健三)

[日経新聞5月20日朝刊P.25]


(3) 移転可能な基礎控除 二重控除の解消策

 配偶者控除への批判として「女性の就労阻害」のほかに挙がるのが「二重控除」の問題だ。
 収入を得た本人分の基礎控除、配偶者控除、子供など扶養親族分の扶養控除の3つを基礎的人的控除という。これらの控除は従来、「憲法25条の生存権を保障するための最低限の生活維持に必要な収入への課税免除」との理解が一般的だった。この観点からは、配偶者の最低生活費分を課税対象から外す配偶者控除は必要ということになる。

 ただ、最低生活費分とすると控除は1人1つであるべきだが、現状は妻の収入次第で二重控除になる。例えば夫が会社員で、パートで働く妻の年収が103万円の場合、夫には基礎控除と配偶者控除が適用され、妻にも基礎控除が適用される。妻の最低生活費分が二重に控除されてしまう。
 一方、妻の年収が150万円の場合は夫婦それぞれに基礎控除だけが適用され、専業主婦の場合は夫に基礎控除と配偶者控除が適用される。

 二重控除解消のため、配偶者控除の代わりに提唱されているのが「移転的基礎控除」だ。夫婦がそれぞれ基礎控除を持ち、一方の所得が少なくて控除しきれない場合、差額を配偶者に移転して控除できる仕組み。妻がフルタイムの就業、パート、専業主婦のどれでも世帯の控除額は変わらず、「女性の働き方に中立的な税制」になる。
 この方式はオランダやデンマークで導入され、日本でも支持する学者が多い。森信茂樹・中央大学教授は「103万円の壁への意識が弱まり、就業調整は緩和される」と利点を指摘する。

(編集委員 谷川健三)

[日経新聞5月21日朝刊P.29]


(4) 世帯課税の採用検討 大家族の負担軽減

 所得税の課税単位も論点の一つだ。現行の個人単位課税から、子供が多いほど負担が軽くなる世帯単位課税への変更の可能性が検討されている。
 世界ではフランスが世帯単位の「N分N乗方式」を採用している。家族の所得を合算し、家族構成に応じた除数Nで割って1人当たり所得を算出。これに税率をかけて1人当たり税額を出し、さらにN倍して世帯の税額を得る。累進税率の所得税では所得を分割した方が適用する税率は低くなるため、子供数が多いほど税額は少なくなる。
 同国は夫婦共有財産制で、所得税の導入時から世帯課税だった。当初は合算した所得にそのまま課税する方式だったが、戦争で減った人口を増やすため、1945年にN分N乗方式に移行した。
 日本は戦前は世帯課税だったが、シャウプ勧告に基づき、50年から個人課税に移行した。欧州でもフランス以外の多くの国が70年代以降、世帯課税(家族または夫婦単位)から個人課税に移行している。働く女性の増加などが背景にある。
 日本で世帯課税が浮上したのは少子化対策が狙い。ただ、世帯課税への変更によって最も税負担が減るのは高所得の専業主婦世帯。共働き世帯よりも恩恵を受けるため、政府・与党内にも「安倍政権が目指す女性の活躍推進に逆行する」(麻生太郎財務相)と慎重論が少なくない。
 政府・与党は2005〜06年にも世帯課税を検討した。政府税制調査会は当時、「個人単位課税でも(扶養控除や適用税率などで)N分N乗方式と同様の効果を持ち得る」と結論づけている。
(編集委員 谷川健三)

[日経新聞5月22日朝刊P.24]


(5)法人減税の代替財源 配当課税など候補

 法人減税の財源として租税特別措置の廃止などが検討されている。しかし、法人税改革だけでは足りず、他税からの捻出も必要とみられている。
 所得税ではオーナー経営者の給与所得控除の見直しが候補に挙がっている。オーナー経営者は稼ぎを法人所得と役員給与に分散したうえ、給与は法人段階で経費になり、個人でも給与所得控除の適用を受けられる。この「二重の控除」が個人事業主と比べて不公平として、以前から見直しが課題になっていた。
 株式の配当や売却益など個人の資本所得への課税強化も代替財源の候補だ。これは「企業のあげる所得を法人段階だけでなく、配当や株式売却益まで含めて考える」(田近栄治・一橋大学特任教授)ことに基づく。法人税率を引き下げる一方、企業利益増の恩恵を受ける個人への課税を強化すべきだとの考えである。
 北欧諸国は1990年代、すべての所得を勤労所得と資本所得に分ける「二元的所得税」を導入、資本所得への課税は企業の法人税率と個人の資本所得税率を25〜30%で同水準にした。日本でも法人税率を引き下げ、個人の資本所得課税を強化していけば、「(両方の)税率を合わせることが展望に入ってくる」(諸富徹・京都大学教授)との指摘もある。
 ただ、オーナー経営者への課税強化は政治的な抵抗が強いといわれている。上場株式の配当・売却益に対する所得税率は今年から引き上げられたばかり。一層の税率上げには証券業界などが強く反発するのは必至で、実現は容易ではない。
(編集委員 谷川健三)

=この項おわり

[日経新聞5月23日朝刊P.27]


 

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コメント
 
1. 2015年7月03日 07:57:11 : lTwtVtEi7A
2015年7月3日金曜日
所得税改革:日本の将来のために「公的年金等控除」を廃止すべし
http://surouninja.blogspot.jp/2015/07/Japan-should-abolish-the-unfair-deduction-of-public-pension-income-amid-comming-aging-society.html

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