日本維新の会の分党で橋下徹、石原慎太郎両共同代表がつくる二つの新党の勢力が５日、確定した。「橋下新党」は野党再編、「石原新党」は自主憲法制定をそれぞれ旗印に掲げ、別々の道を歩み始めた。ともに勢力拡大に全力を挙げる方針で、みんなの党の引き込みなどでしのぎを削ることになりそうだ。

　橋下新党は衆参３７人となり、合流する方向の結いの党の１４人と合わせても、維新分党前の６２人を下回る。橋下氏らは、来年春の統一地方選や次期衆院選をにらみ、今夏に結いと合流し、年内に民主党の非労組系議員らを巻き込んで１００人規模の野党勢力を築くシナリオを描く。
　
橋下氏は５日の記者会見で「できればみんなの党にも入ってもらいたい」と秋波を送った。みんなの一部議員が石原新党のメンバーと「自主憲法研究会」を設立するなど連携の動きがあるため、橋下新党もみんなと政策協議を進めて対抗していく構えだ。

　ただ、集団的自衛権行使について、橋下新党は容認の維新見解を踏襲する方針で、容認に慎重な結いとは隔たりがある。橋下氏は会見で「保守かリベラルかで行動を規律する時代ではない」と、安全保障政策の違いの棚上げを示唆したが、合流しても党内対立を繰り返す可能性がある。

　一方、石原新党は予想を上回る２３人を集めたが、参院は３人にとどまった。自民党の参院勢力１１５人（議長含む）と合わせても過半数（１２２人）には届かない。集団的自衛権行使などで安倍政権への協力に前向きな石原新党は、与党の公明党の賛成がなくても法律を可決できる状況をつくり出すことができれば、発言力が高まる。そのためには、参院で１３議席のみんなの取り込みが重大な意味を持つ。

　石原氏は４日の会見で「他党からも行動を共にしたいとの申し出がある」と説明。新党準備会座長の山田宏衆院議員は５日、記者団に「志を共有できれば、一緒にやっていくことが国民の期待に応える道だ」と、みんなとの連携に意欲を示した。ただ、石原氏の歴史観に対し、みんな内には「復古調」と抵抗感を抱く向きもあり、連携は容易ではなさそうだ。（2014/06/05-22:13）

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014060500983

　■橋下系は３７人に

　日本維新の会に所属する６２議員の分党後の動向が５日、確定した。橋下徹共同代表側は３７人で、石原慎太郎共同代表側には新たにアントニオ猪木参院議員が参加を表明し、２３人となった。「石原新党」には、ほかにも複数の無所属議員が参加の意向を示しており、最終的に２５人以上になる見込み。石原氏側は同日、初の新党準備会を開催し、７月下旬の新党発足に向けた作業に着手した。

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　猪木氏は５日、石原氏の議員会館の事務所を訪れ、行動をともにする考えを直接伝えた。

　猪木氏「元気ですか！！」

　石原氏「元気です！！」

　満面の笑みで記者団にこう叫んだ２人。橋下氏側への参加も取り沙汰された猪木氏だが、記者団には「大阪系には（猪木氏の維新入りに）反対があったが、最終的に石原氏が決断されたと聞いた。一つの義理だ」と説明。参院選出馬時から橋下氏側に不信感があったことを明らかにした。

　石原新党には、維新などの会派に所属していない無所属の衆院議員２人が参加の意向を伝達している。みんなの党の議員にも参加を呼びかけており、さらに人数が増える可能性もある。

　一方、橋下氏側は５日夕、都内のホテルで記者会見を行った。テレビ中継で大阪市から参加した橋下氏は「国のためにどうしても野党再編が必要だ。安倍晋三政権には統治機構改革が欠けている」と述べ、橋下新党は道州制実現などの「改革政党への原点回帰」を目指す考えを示した。

　橋下新党は結いの党（１４人）と合流しても５１人で、民主党（１１３人）を大きく下回る。橋下氏は「民主党の一部とも組めば国民に選択してもらえる野党になる」と語り、野党再編に意欲を示した。

　橋下新党は、国会議員団代表を務める平沼赳夫氏が石原新党に参加することから、代表選を国会会期末の２２日までに実施する考え。松野頼久国会議員団幹事長が代表選出馬に意欲を示している。

　林原由佳衆院議員（比例近畿）は橋下氏側に入るとみられていたが、５日のブログで無所属で活動することを明らかにした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140606-00000090-san-pol