例の大バカ野郎は、「総理、あなたの判断で決まります」なんて言われて浮かれているようだが、結局のところ、防衛省、外務省をはじめとした霞ヶ関の判断を追認するだけの仕組みに成り下がるのは火を見るより明らか。

アメリカ政府だか日本政府だか、ともかく誰かさんが勝手に始めちまった戦争を、「権限強化」という名目で同僚閣僚からも国会からも切り離された首相がたった一人で止めるなんてことはできない。財界、マスゴミと組んだ官僚組織の前に、自分の拠って立つ基盤から切り離され孤立化した政治家に何ができるというのか。

首相の「天皇化」といってもいいだろう。規定の上では強大な権限が付与されることになるが、実際にはその行使は取り巻きの「家来ども」らによってただの形式的手続きと堕す。

様々な評価もあるようだが、天皇機関説を肯定し、御前会議では開戦決定直前まで国際協調を促し、どちらかというと戦争を忌避するような傾向のあった人物、自然科学系の学術書まで著した知性の持ち主、神聖視された上に憲法を上書きする勅令を発す大権まで与えらていた君主でさえ、自らが統べる政府・軍部をどうすることもできなかった。

安倍ごときお気楽国家主義者、低脳に何ができる？ 売国的独善的霞ヶ関官僚、商売の工夫よりも制度改変で儲けることに熱心な堕落した財界、バカの見本市のようなマスゴミ、そして曲学阿世の守銭奴御用学者らにおだてられ、この愚劣の極みのような人物は、気付かぬままに戦争に追い込まれていてさえ「自ら英断を下した」と死ぬまで悦に入っていることだろう。

今度の戦争は、オール軍部化した霞ヶ関とマスゴミによってはじめられる。ここまでは戦前と一緒だが、敗戦の責任が軍部に帰されることはない。すべて、民主主義の手続きによって選ばれた首相と国会議員、そしてそれを選んだ国民に帰せられる。たとえ今後この国の有権者が戦争を望まない政治勢力に多数派を与えてもだ。それが、いま政府が導入しようとしている制度の帰結である。