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(考論 長谷部×杉田)集団的自衛権の閣議決定を問う  朝日新聞
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/165.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 7 月 06 日 09:20:20: mY9T/8MdR98ug
 

 安倍内閣は、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を認める閣議決定に踏み切った。政権の判断や首相のこだわりだけで国のかたちを根底から変えていいのか。その理屈に正当性はあるのか。議論はこれからではないのか――。長谷部恭男・早稲田大教授(憲法)と杉田敦・法政大教授(政治理論)による連続対談は今回、この問題を考え、論じてもらった。

 ■杉田「立憲主義への挑戦、極めて不当」 長谷部「戦闘参加否定、何の保証もない」

 杉田敦・法政大教授 閣議決定による解釈変更が現実となりました。戦後の安全保障政策の大転換を密室の与党協議で決めた。立憲主義への挑戦であり、極めて不当です。

 長谷部恭男・早稲田大教授 今回容認された集団的自衛権が、何を目的に行使されるのか、はっきりしません。目的を達成できるという合理的な見通しがなければ、軍事行動をとってはならない。これは大前提です。要は、目的は後付けでいいと。とにかく「集団的自衛権」というシンボルが欲しいだけではないのか。

 「名月をとってくれろと泣く子かな」

 杉田 小林一茶ですか。その可能性はありますね。政府は集団的自衛権行使を容認する条件として、他国への攻撃だけで「我が国の存立が脅かされ」、憲法13条にある「生命、自由及び幸福追求の権利」が「根底から覆される明白な危険がある場合」を挙げました。でも、そんな事態とは何かを具体的に示さなければ。首相が例示した「在留邦人を乗せた米艦を自衛隊が守る」は非現実的です。

 長谷部 憲法13条は、国家に対して、国民の生命や自由を守れといっている。その国民の権利が「根底から覆される危険」とは、国家の存立が脅かされる事態以外には考えられません。

 杉田 にもかかわらず、閣議決定では「国家の存立」と「国民の権利」を別に記述し、国民の権利を守るために必要というイメージを振りまいています。国民の権利を拡大解釈し、例えばタンカーが一隻止められただけで武力行使に入る余地を残しているのでは。

 長谷部 かつて日本は「満蒙(旧満州とモンゴル)は日本の生命線」と、満州事変、日中戦争へと突き進みました。最近はホルムズ海峡やマラッカ海峡などが日本の生命線とされ、そこが危なくなって、政府が「明白な危険がある」と認定すれば、集団的自衛権を行使できることになる。明確な歯止めはありません。首相は湾岸戦争やイラク戦争のような戦闘への参加を否定していますが、これも何の保証もない。

 杉田 「新3要件」は、日本の都合だけで自由に行動できるような書きぶりです。実際にはアメリカに言われたら断れないし、「必要最小限度」で止めることもできない。国内向けの言い訳のために、国際社会に誤ったメッセージを発しかねません。

 長谷部 国際社会へのメッセージという点では、一貫して変えられないと言ってきた憲法解釈を、閣議決定で変えたことも問題です。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉で、米国車を、日本の排ガス規制基準に合わせずにそのまま輸出させろという米国の要求に対し、日本は主権を盾に抵抗していると、以前報道されました。私が米国の交渉担当者なら、「主権? 憲法の解釈の問題ですね。変えてください。時の政権の都合で変えられるんでしょ」と言います。憲法が不安定化すれば、そういうことも起き得ます。

 ■長谷部「政府、あやふやなもの得ただけ」 杉田「論争は続く、勝負はついてない」

 杉田 アベノミクスで得た「多数」を使って、選挙でほとんど争点化していなかった集団的自衛権の行使容認という重大な決定を行ったのは、民主政治として問題です。そもそも、この問題は、自公の連立合意に入ってなかった。あえて協議からはずしていたわけです。連立は連立合意の枠内で運営されるべきで、その点も大変おかしい。

 長谷部 一方、野党はバラバラの方向を向いて乱立し、自民党に代わる選択肢が存在しない。そして自民党内でも異論を口にしにくくなっている。小選挙区制の影響が大きいですね。党中央の権力が強すぎるので「首相の悲願だから仕方ない」と流されてしまう。

 杉田 歴史をみても、復讐(ふくしゅう)心など情緒によって行動する政治家が出てきた時、周囲が危険性を過小評価して、重大な帰結につながることがある。

 長谷部 肥大化した自尊心が押さえつけられ、それを跳ね返そうとしてナショナリズムが勃興する。首相のナショナリズムは非常にわかりやすい。「名月」の次は、何をとってくれろと言い出すか。心配です。

 杉田 国民の一部にある、漠然とした「被害感情」が、首相のナショナリズムと響き合っているのではないでしょうか。

 長谷部 そして外務省はその響き合いを利用し、湾岸戦争の時の「巨額の出費をしたのに感謝されなかった」、というトラウマを晴らそうとしている。

 杉田 まるで「リベンジ共同体」です。

 長谷部 でもそれは感謝しない方がおかしいのであって、なぜ感謝されるべきことをした方が変わらねばならないのか。戦争を安易にとらえすぎている外務官僚に、自衛隊入隊を義務づけたらどうでしょう。

 杉田 政府は、閣議決定は法案作成のガイドラインに過ぎない。集団的自衛権行使には個別の法整備が必要で、今後、国会審議があるのだから、とも言っています。しかし、日本は議院内閣制なので、内閣が出した法案はほぼ通る。憲法裁判所がなく、最高裁もなかなか憲法判断しません。内閣の方針が、ノーチェックで法律に反映される可能性が高いので、問題です。

 長谷部 他国を見渡しても、内閣法制局が先頭に立って「違憲」の法律を作るという国は珍しい。

 杉田 ただし、閣議決定が、憲法解釈の最終決定だというのも誤解ですね。

 長谷部 その通りです。閣議決定による解釈改憲は大問題ですが、これで日本が新たな局面に入ったかというと、入っていないと思います。今回政府は極めてあやふやで不安定なものしか得ていません。憲法の解釈をその時々の政権の判断で変えられるという先例を作った結果、後の政権が、集団的自衛権は行使できないと元に戻す可能性がある。今後の法整備や、実際に自衛隊を外国に出す際には「3要件」をめぐって大論争になるでしょう。

 杉田 むしろ、論争の種がまかれたと。我が国と密接な関係とは何か。明白な危険とは何かなど。挙証責任はすべて政府の側にあります。政権側は勝負がついたと思っているかもしれないが、そうではない。

 長谷部 はい。憲法解釈は終わりのないプロジェクトです。非常にわかりにくい「3要件」は、私たちの「武器」にもなる。法律家の腕の見せどころです。

 =敬称略

 ■主権者自ら判断し、歩めばいい

 底が抜けた。そんな感じが否めない。時の政権の都合で、解釈改憲ができるのなら、この国の規範はいったい何によって担保されるのだろうか。戦後69年間積み上げてきたものが限られた人の手でひっくり返された。その事実の上に、果たして、何が新たに積み上がるのだろうか。

 立憲主義は傷められ、政党政治は機能不全に陥っている。だがいま必要なのは、誰かに与えられた処方箋(せん)ではないだろう。長谷部、杉田両氏が提示しているのは、安倍政権によって私たちが今どこに連れてこられたのか、「現在地」を示す地図だ。

 まだ決着はついていない。対話を拒否し、合意形成の手間を省く政府に、黙って従うべきではない。地図を手に、どんな手段でどこを目指すのか。主権者は自ら判断し、歩を進めていけばいいのだ。

 (高橋純子)

 ◆キーワード

 <閣議決定と新3要件> 政府は閣議決定で、集団的自衛権を使うことを「憲法第9条の下で許容される自衛の措置」と位置づけた。前提となる「武力行使の新3要件」に、まず「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生」と他国での戦争参加を明記。さらに憲法前文の「国民の平和的生存権」や13条の「生命、自由及び幸福追求権」に触れ、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」に、「必要最小限度」の武力行使ができるとした。

 <集団的自衛権行使の「事例」> 政府は、集団的自衛権を使う具体的な事例として八つの想定を示した。特に安倍首相は会見で、朝鮮半島の有事(戦争)を念頭に韓国から避難する日本人を乗せた米軍艦を自衛隊が守る事例こそ、集団的自衛権を使わないと対応できないと強調。政府は日本へ原油を運ぶタンカーが通るペルシャ湾での有事を念頭に、海に敷設された機雷の除去も集団的自衛権を使う有力な事例と主張する。


http://digital.asahi.com/articles/DA3S11227881.html  

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