[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] 北朝鮮が１日に北京で開かれた外務省局長級協議で日本に提示した北朝鮮内の日本人生存者約３０人のリストに、日本政府が認定した数人の日本人拉致被害者が含まれていると、日本経済新聞が１０日報じた。菅義偉官房長官はこの日、この報道を全面否認した。

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一方でメディアジャックを敢行しておいて一方で政府への挑戦というのはあり得ない。これはＰＭ２点５やＴＰＰ交渉などと同じくマッチポンプ的に風説をばら撒いて政権を維持しようというのが魂胆。これは全く品格も何もない政権のやること。

菅官房長官は「誤報」として否定
「北との交渉への支障を恐れ否定した」との見方も

　今月4日、北朝鮮が日本人拉致問題について「特別調査委員会」を設置し本格的な調査に着手したことで、拉致被害者の安否について関心が高まっている。日本では10日、北朝鮮側が拉致被害者も含まれる「国内の日本人生存者」リストを日本政府に渡した、と報じられた。

　日本経済新聞（日経）は10日「北朝鮮が今月1日、中国・北京で行った外務省局長級協議の際、日本側に提示した『日本人生存者リスト』には、日本政府が公式に認めた拉致被害者が含まれている」と報じた。北朝鮮側が提示したというこのリストには、北朝鮮内に生存している日本人約30人の詳しい情報が記載されており、その中には北朝鮮に拉致された疑いのある「特定失踪者」はもとより、日本政府が認定した複数の拉致被害者が含まれているという。同紙は「北朝鮮が今年初めに作成したこのリストを日本政府が確認したところ、3分の2ほどが日本側の記録と一致した」とも報じた。

　日本政府が現在公式に認定している拉致被害者は17人おり、このうち2002年に帰国した5人を除く12人の送還を北朝鮮に求めている。だが北朝鮮は、12人のうち4人は北朝鮮に入国したこともなく、横田めぐみさん（拉致当時13歳）を含む8人はすでに死亡した、と主張してきた。

　今年5月、北朝鮮と日本が拉致問題についての調査を行うことで合意した時点では、日本国内では拉致被害者が生存している可能性はそれほど高くないとみられていた。安倍晋三首相が北朝鮮に求めた「調査対象」に、拉致被害者だけでなく「特定失踪者」や「（第2次大戦の敗戦当時北朝鮮に残された）日本人の遺骨」「（在日朝鮮人の夫と共に）北朝鮮に渡った日本人妻」も含まれていたからだ。これについて「安倍首相が、拉致被害者が生存している可能性が薄いとみて、『全ての日本人』に調査対象を広げ、何としても成果を出そうとしたのではないか」との見方も浮上していた。ところが、北朝鮮が金正恩（キム・ジョンウン）第1書記の側近である国防委員会のソ・デハ安全担当参事を特別調査委員長に任命し、北朝鮮のあらゆる機関に対しいつでも調査を行える特別な権限を特別調査委員会に付与するなど、前例がないほど積極的な姿勢を見せたため「今回は期待が持てるのではないか」との見方も出始めていた。

　菅義偉官房長官はこの日、日経の報道について「事実と全く異なる誤報」とし、新聞社の関係者を外務省に呼んで抗議した、と発表した。だが、報道内容が具体的である上、日本政府がこれまで北朝鮮との交渉に関する報道をほとんど否定してきたことから、問題のリストの存在も蓋然性があるとみられている。現在のところ、北朝鮮側の本格的な調査はまだ始まっておらず、今回の報道によって今後の交渉に支障が生じる恐れもあることから、日本政府はひとまず否定するしかなかったとの見方もある。

　東京大学の木宮正史教授は「もし報道内容が正しければ、北朝鮮が『日本から得られるものを確実に得たい』との意志を持って、調査が始まる前の段階から相当積極的な姿勢を見せていることになる。（小泉純一郎首相〈当時〉が訪朝し、拉致被害者5人が帰国した）2002年以来12年ぶりとなる拉致被害者の帰還に期待する日本国内の世論も高まっている」と語った。

　今後、拉致被害者の生存が確認され、そのうち1−2人でも帰還が実現した場合、北朝鮮と日本の国交正常化はもとより、日本国内の政治にも大きな影響が及ぶことが予想される。今後の北朝鮮側の調査の状況によっては、安倍首相が年内に訪朝する可能性も排除できない。

東京＝ 安俊勇（アン・ジュンヨン）特派員

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