01. 2014年8月29日 07:02:01
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方針転換の石破氏、孤立恐れた 入閣、29日首相に表明 2014年8月29日05時11分 自民党の石破茂幹事長が入閣する意向を固めた。29日に行われる安倍晋三首相との会談で正式表明する。石破氏は当初、入閣しない方針だったが、首相との対立が顕在化すれば、政権基盤を揺るがす張本人として党内で孤立する可能性が高いと判断し、方針転換した。ただ、無役になってでも「ポスト安倍」に備えるべきだと主張してきた石破氏の側近議員から失望の声が出るのは必至だ。 ■側近の失望必至 石破氏を支える議員の間では、首相からどんなポストを提示されても入閣するべきではない、との意見が圧倒的だった。 首相が求めるまま入閣すれば、首相を支えるとの意向を示したことになり、来年の総裁選に立候補する道を封じられるからだ。側近議員の間には「大きな失点はないのに、なぜ安倍さんは幹事長をクビにするのか。ケンカを仕掛けたのは首相の方だ」と反発する声が強く、石破氏に近い自民党の長老も「ここで入閣したら笑われる」とまで語っていた。 しかし石破氏は28日、「入閣の打診を受けたら終わりだ」と迫る側近議員に「断る理由は何か」と繰り返すだけで、入閣拒否を鮮明にしなかった。 石破氏が入閣の意向に傾いたのは、入閣を拒めば自ら政権を揺るがす種をまいたとして党内で孤立。将来の首相に向けた芽を自ら摘みかねないと危惧したからだ。 首相から直接、入閣を求められたのに断れば、石破氏が総裁選に向けて「反安倍」にカジを切ったと見られるのは明らかだ。実際、首相の出身派閥・町村派の町村信孝会長は28日の派閥会合で「俺はこのポストが良いとか嫌だとか言っている。石破さんは一体何者か。来年の総裁選に出たいなんて冗談じゃない」と強く牽制(けんせい)した。 党内の支持は側近議員のごく一部にとどまり、党内で孤立する可能性は高い。石破氏は入閣して存在感を保ちつつ、将来の総裁選をめざす戦略に転換したとみられる。 しかし、石破氏を支えてきた議員が失望するのは間違いない。総裁選を戦う気がないと見なし、「単にポストが欲しかっただけなのか」(石破氏に近い議員)として求心力を急速に失うことが確実だ。近い議員の一人は28日、「俺たちのことを信用してくれていないのか」と語った。 ■首相、波乱要因封じた 石破氏が入閣の意向を固め、最大のライバルを取り込んだことで、首相の政権基盤は当面、安定することになる。 首相は石破氏を閣内に取り込むことに強いこだわりを見せた。2年前の総裁選で首相を上回る地方票を得た石破氏を無役にすれば、来秋の総裁選で首相を脅かす存在になる可能性があるからだ。 今秋以降、首相の前には、福島、沖縄の両県知事選や消費税率10%への引き上げ判断、原発再稼働など数々の課題が待ち受ける。仮に内閣支持率が低下して首相の求心力が弱まれば、無役となった石破氏が、首相への批判勢力の受け皿となる可能性があった。 その石破氏を閣内に取り込んだことで、来秋の総裁選の波乱要因を未然に封じることができた。 一方で首相は、石破氏を幹事長から外すことにはこだわった。 福島、沖縄両県知事選での候補者調整に手間取ったことなどを理由に、官邸内では石破氏の幹事長としての力量を疑問視する声が根強かった。また、官邸幹部の一人は、脱派閥を掲げていた石破氏が、8月7、8日に自らの派閥の勉強会を開いたことについて「あれが一番の間違いだ。石破氏の今後のためにも、政権に協力すべきだったのに」と語った。 石破氏がラジオ番組で、幹事長の続投を要求したことについても官邸内の反発は強かった。首相は周辺に「ラジオでいきなり(幹事長続投を)求められても困るよね……」と漏らしたという。 政権は今年末で衆院任期4年の折り返しを迎え、衆院解散・総選挙が視野に入る。そのため、選挙実務を仕切る幹事長には、自らの意向に忠実な「忠臣」型の幹事長を置きたいとの意向もあったとみられる。 距離感のある石破氏を幹事長から外し、閣内に取り込むという首相のもくろみは、成就した格好だ。 http://www.asahi.com/articles/ASG8X7WBGG8XUTFK00Z.html |