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10月5日(日) 自治体による護憲イベントの後援拒否は99条の憲法尊重擁護義務違反だ(五十嵐仁の転成仁語)
http://www.asyura2.com/14/senkyo172/msg/402.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 05 日 07:32:05: igsppGRN/E9PQ
 

10月5日(日) 自治体による護憲イベントの後援拒否は99条の憲法尊重擁護義務違反だ
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2014-10-05
2014-10-05 06:55 五十嵐仁の転成仁語


 憲法第99条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と書かれています。自治体や公民館の職員、教育委員会の委員は公務員ですから、このような憲法尊重擁護義務を負っているはずです。

 ところが、最近、地方自治体などによって9条を守れとの趣旨のイベントや俳句を拒否する事例が目立ってきています。安倍内閣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことに深くかかわっているように見えます。

 このような憲法の解釈変更も、明確に第99条に規定されている憲法尊重擁護義務違反であると思います。しかし、その先頭に立っている安倍首相は、このような解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は憲法9条に反するものではなく、憲法が定めている平和国家としての在り方も変わらないと説明しています。

 つまり、集団的自衛権の行使容認をめぐって、第9条を守らないと言っているわけではありません。9条を守るという点に関する限り、政府も9条の会も異なった主張を行っているわけではないのです。

 昨日の『東京新聞』の一面に、調布九条の会の「憲法ひろば」が来年1月に開く創立十周年記念イベントについて、調布市が後援しないことを決めたという記事が出ていました。憲法ひろばの会則が、「『改憲』のくわだてを阻むため…」などと宣言した文化人らの平和団体「九条の会」のアピール文に連帯の姿勢を示している点を問題視したのだそうです。

 市文化振興課の仁藤美保課長は、「『改憲のくわだてを阻むため』との文言が、(後援などの取り扱いに関する)要綱で定める審査基準の『特定の政党を支持し、もしくはこれに反するための政治活動』に当たるので、不承認とした」と説明し、「議論のあることについて、後援すると市の中立の立場が損なわれる場合、承認しないことはある」と話したそうです。

 しかし、「改憲の企てを阻む」ということは憲法を尊重し擁護することであり、それは公務員にとって憲法上の義務にほかなりません。本来、公務員が職責上行うべきことを、9条の会が率先して行っているにすぎないのではありませんか。

 また、9条を守るということが、どうして「『特定の政党を支持し、もしくはこれに反するための政治活動』に当たる」のでしょうか。9条を守るなと言っている政党があり、それに対して「特定の政党」が守れと言っているというのでしょうか。

 自民党や安倍首相も、正面から9条を守るなとは言っていないではありませんか。それがどうして、特定の政党を支持したり、反したりするための政治活動に当たるのでしょう。

 そもそも、9条を守るということに対して「議論がある」という認識も、それに対して市が「中立の立場」にあるというのも間違いです。9条改憲が提起されているわけではなく、守らなくても良いという強い主張があるわけでもなく、公務員は憲法に対して「中立」であってはならず、それを尊重し擁護すべき憲法上の義務を負っているからです。

 以前、さいたま市大宮区の三橋公民館が「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ市民の俳句の月報への掲載を拒否し、大きな問題になりました。その時、引間正己館長は「公民館が選んだと誤解を受ける」と説明し、批判された後も公民館を管轄する市生涯学習総合センターの小川栄一副館長は「集団的自衛権について色々な意見がある中で掲載するのは、偏った表現と受け取られかねない。妥当な判断だった」として「世論を二分するようなものは載せるべきではない」という考えは崩していません。

 これも、憲法99条に照らして大間違いです。「9条守れ」という句を公民館が選んだとしても、憲法尊重擁護義務を果たしたにすぎず、「誤解」するのはこの条文を知らない人だけです。

 「集団的自衛権について色々な意見がある」のは事実ですが、それは9条について「世論を二分」しているわけでもなく、したがって「偏った表現」でもありません。安倍首相自身、集団的自衛権の行使容認は9条の範囲内で、それに反するものではないと言っているのですから……。

 憲法や9条だけでなく消費税や原発、年金や社会保障などの国政上の問題、市政など自治体行政についても様々な議論があることは避けられません。どのような問題であっても賛否両論は存在し、意見の対立はあります。

 これらの問題に対して、「中立」を掲げて関与を避ければ、自治体は非政治化し、ゴタゴタを避けることができるかもしれません。しかし、このような「事なかれ主義」によって政治や行政から住民を遠ざけ、「隔離」して「無菌室」に入れるような態度こそが、地方自治の力を弱めてきたのではありませんか。

 社会教育や政治的なイベントを後援することなどを通じて住民を教育したり啓発したりすることも自治体の重要な役割であり、9条の会の活動などは本来自治体が行うべきことをやっているようなものです。後援するのは当然であり、可能であれば積極的に協力し助成すべき取り組みでしょう。

 選挙の時だけ、政治や行政への関心が低い、議員のなり手がいない、投票に行く人が少ないと嘆く。普段から、「事なかれ主義」によって政治から住民を遠ざけ、「隔離」するようなことをやっていれば、そうなるのは当然の帰結です。

 憲法や9条の会をめぐる一連の後援拒否、掲載拒否の背景には、自治体の政治力を低下させ、自治と民主主義の基盤を掘り崩す悪しきモメントが働いていることを自覚していただきたいものです。同時に、それは憲法尊重擁護義務に反し、憲法99条違反で訴えられる可能性のある犯罪的な行為であるということについても気付いてもらいたいものです。


 

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コメント
 
01. 2014年10月05日 09:01:24 : EwN1p25GIB
調布市文化振興課の仁藤美保課長は憲法違反
に該当する行政処分を平気で行ったと言う事。

他自治体は心して対応する必要がある。
同列はダメと言う事です。


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