小渕経済産業大臣は、後援会などの政治資金収支報告書を巡る問題について１８日午後、経済産業省で記者団に対し、「今、私がやらなければならないことはしっかり調査することだ」と述べました。

この問題は、小渕経済産業大臣の後援会など２つの政治団体が平成２２年と２３年に開催した「観劇会」で、参加者から集めた会費と劇場に支払った金額の収支が２６００万円余り食い違っていたもので、平成２４年に開催された「観劇会」については、これらの政治団体の政治資金収支報告書に収入も支出も記載されていませんでした。

小渕経済産業大臣は１８日午後、愛知県で行われた国産旅客機の小型ジェット機「ＭＲＪ」の機体を初めて公開する式典への出席を取りやめ、経済産業省で記者団の取材に応じました。

この中で小渕大臣は「今、私の政治資金に関わるさまざまな問題について調査をしっかりやっているところだ。今、私がやらなければならないことは、私自身の政治資金のことに関する問題のために、しっかり調査をすることだ」と述べました。

またＡＳＥＭ＝アジア・ヨーロッパ首脳会議を終えて、１８日午後、イタリアから帰国する安倍総理大臣と会う予定はないと述べました。

　小渕優子経済産業相は１８日、関連政治団体が支持者向け観劇会の一部費用を負担した疑いが指摘されている問題の責任を取り、閣僚を辞任する意向を固めた。政府関係者が明らかにした。安倍晋三首相は小渕氏と近く協議し、事実関係をめぐる調査状況を見極めながら進退を最終判断する見通し。閣僚辞任となれば第２次安倍内閣で初めてとなり、政権運営への打撃は必至だ。小渕氏は同日、公務で愛知県に出張する予定を急きょ取りやめた。

　首相は１８日午後、国際会議出席を終え、政府専用機で羽田空港に帰国。公邸で秘書官らから国内の状況などについて報告を受け、東京都内の私邸に戻った。地域活性化を目指す「まち・ひと・しごと創生法案」などの重要法案を抱え、早期の事態収拾を図りたい考えだ。ただ事実関係が不明なまま問題の幕引きを急げば、世論の反発は強まりかねない。一定の調査結果を示す必要があるとの判断に傾いたとみられる。

　小渕氏は２０日、衆院の「地方創生に関する特別委員会」への出席が予定され、１８日は経産省に登庁して国会対応に備えた。記者団に対し「今やらなければならないことは、政治資金に関する問題のために、しっかり調査をすることだ」と強調。閣僚辞任の意向を問う質問には明言を避けた。

　小渕氏の出張キャンセルは経産省が１８日午前に発表。「現地での混乱を避けるため」と説明している。三菱重工業の小牧南工場（愛知県豊山町）で開かれる三菱航空機の国産初の小型ジェット旅客機「ＭＲＪ」（三菱リージョナルジェット）の機体完成記念式典に出席する予定だった。

　小渕氏の進退に関し政府筋は「最終的には小渕氏が（調査結果を）説明してからだが、情勢は厳しい」と指摘した。自民党幹部は「辞任の流れは変わらない」と述べた。

　民主党の枝野幸男幹事長は１８日、さいたま市で記者団に、安倍首相の任命責任が問われるとの認識を示した。

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/10/18/kiji/K20141018009127600.html