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「7−9月期GDP」 最悪数値が安部首相を解散に追い込む(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/426.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 13 日 07:12:05: igsppGRN/E9PQ
 

          12日の日経平均も年初来高値を更新/(C)日刊ゲンダイ


「7−9月期GDP」 最悪数値が安部首相を解散に追い込む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/154895
2014年11月13日 日刊ゲンダイ


 株式市場は早期解散観測を歓迎した。12日の終値は前日比72円高の1万7197円で、2日連続で年初来高値を更新した。

「不思議な現象です。本来、選挙は市場にとって不安定要素なので、株価は下落します。ところが高値を更新するほど盛り上がった。市場は、解散の裏に消費再増税の延期を嗅ぎ取っています。これはプラス材料です」(株式評論家の杉村富生氏)

 株価は早くも解散を織り込んだことになるが、経済の専門家から聞こえてくるのは、消費再増税の判断材料となる7−9月期GDP(11月17日に速報値公表)の惨状だ。

「政府が望んでいる2〜3%成長はとても無理」(市場関係者)

 10月上旬時点のエコノミスト平均予想は3.6%だった。ところが、その後に公表された経済指標は悪い数字のオンパレード。“黒田バズーカ2”と同日発表だったことで、メディアの注目度は極端に低かったが、9月消費支出は5.6%減と6カ月連続でマイナスを記録。9月実質賃金は2.9%減、9月有効求人倍率は前月より減少し、9月失業率も前月比で悪化した。

■消費増税なんて夢物語

 11日に公表された10月の景気ウオッチャー調査(街角景気)は、前月比3.4ポイント低下。内閣府は「景気はこのところ弱さが見られる」とし、4月以来となる下方修正に踏み切らざるを得なかった。

 直近の7−9月期GDP予想は年率1%台後半が中心だ。0.8%まで下げたシンクタンクもある。

「1%を切る可能性が出てきたのです。再増税は、難しい判断を迫られると思います」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)

 仮に1%を下回っても、世間が受けるイメージはプラス成長だが、GDPはあくまで前期(前の3カ月間)との比較だ。
 4−6月期はマイナス7.1%と最悪だった。そこからプラス1%では、とても景気回復とは言い難い。

「もはや再増税は延期するしかない。しかし、延期はアベノミクスの大失敗を公言するようなものです。解散してしまえば、メディアは選挙報道に染まり、アベノミクスの失策がうやむやになります。そこが狙いでしょう」(市場関係者)

 選挙では補正予算や地方のバラマキをアピールし、「アベノミクスはまだ続く」とでも言って国民をゴマカすのだろう。

 安倍首相が年内解散を焦るとすれば“経済失速”が主因ということだ。


 

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コメント
 
01. 2014年11月13日 07:23:04 : jXbiWWJBCA

高橋洋一の俗論を撃つ!
【第106回】 2014年11月13日 高橋洋一 [嘉悦大学教授]
もう止められない! 「解散風」に大義はある
またぞろ出て来た消費増税派の信じられないロジック
もはや止めることはできない!
安倍首相の外遊中に吹きまくる解散風

 安倍首相が外遊に出発した直後から、ここ数日間、解散風が吹きまくっている。各党ともに、年内解散・総選挙で実働部隊は準備に入っている。解散の大義名分は、消費増税延期か否かだ。

 今安倍首相は外遊中であるので、解散風を吹かすには絶妙のタイミングである。17日に帰国するまで、この風は止むことはない。実際、各党の現場は動き出したので、もう止められないだろう。もし、ここで止めれば、麻生政権の二の舞いになる。そして、タイミングを誤った麻生政権は追い込まれ解散となって、歴史的な大敗を喫して政権交代になった。

 今のところ、11月19日(大安)解散−12月14日(友引)総選挙という日程が、有力になっているようだ。この日程は諸般の事情から考えられたので、先月に筆者のコラムで書いたところだ(政策工房 Public Policy Review)。最近出版した拙著『アベノミクスの逆襲』では、消費増税の解散・総選挙にも言及している(9月執筆)が、もう少し書きたかった。

 国民の声を聞くというのは、一般的に望ましい話だ。ところが消費増税では、あまり国民の声を聞かずに決められてきた。

 民主党に政権交代したとき、消費税増税なんて、まったく公約になかった。野田佳彦・元首相は、選挙前に「シロアリを退治しないと増税はしない」と言っていたのに、シロアリのいいなりで消費税増税法を通してしまった。このとき、協力したのが野党であった谷垣自民党だ。野田、谷垣両氏は財務省の産んだ増税双子だった。

 安倍政権は、消極的に民主党時代に成立した消費税増税法を継承している。周知のとおり、消費税率を来年10月に8%から10%に引き上げるということは、法律上すでに決まっている。12年8月に民主、自民、公明の3党合意に基づいて成立した消費税増税法は、5%だった消費税率を今年4月に8%、来年10月には10%へ引き上げることを規定している。

 この法律の規定をひっくり返すには、新たな法律を制定するか、消費税増税法の改正法案を成立させる必要がある。これには政治の力業が必要だが、現職国会議員の大半はかつて同案に賛成しているため、彼らを翻意させるのは容易ではない。

「消費増税の信を問う」は
衆院解散の大義になる

 そこで、衆院解散で国民の信を問うというわけだ。増税に賛成の人にとっては、この解散は嫌でたまらないようだ。

 そのため、色々な言い方で解散を否定しようとする。1つの言い方は、解散に大義がないというものだ。増税派の野田毅・自民党税制調査会長は、「まともな考えでいけば、常識的に解散はない」と述べ、「大義名分のない選挙はよくない」と語ったと報道された。安倍首相が帰国後に解散を明言したら、野田氏はどう対応するのだろうか。筆者は、野田氏は「1年半の延長ならいい」とあっさりと言うような気もする。

 12日の朝日新聞社説「政治と増税 解散に大義はあるか」はかなりびっくりした。まず事実誤認がある。「3党合意を破棄する」と書かれているが、そうでないだろう。ただ単に、消費税増税法附則に基づく経済条項について、国民の声を聞くというだけだ。首相が、間接民主主義の国会議員と国民との差を感じたら、行使するのが解散権である。この意味で、大義名分はしっかりある。

 何より、国民の声を聞こうとすることを否定するマスコミって何だろうか。筆者はこの社説を見て、「自分たちの軽減税率を断固死守せよ。そのためには世論を無視せよ」と言っているように思えた。

 そう言えば、真偽はわからないが、朝日新聞では増税国会議員を応援せよという本社から支社への指令があったという噂もあった。これが本当なら、マスコミとしてはいかがなものだろうか。

円暴落、国債暴落、ハイパーインフレ
アベノミクス開始前後の「奇妙な言説」

 もう1つの言い方は、増税しないと失望で国債金利が暴騰するというもの。これは結構見ものだと思う。もし正しく予見できるなら、大儲けができる。

 今から2年ほど前になるが、当時の野田首相が解散を明言し、政権交代が確実になり、アベノミクスのインフレ目標・金融緩和が採用されることが確実になった。その前後から、多くの人たちは奇妙なことを言い出した。インフレ目標・金融緩和すると、円暴落、国債暴落、ハイパーインフレになるという説が流行ったのだ。

 しかし、政権交代が起こり、インフレ目標・金融緩和が実際に行われても、円は予測通りに若干安くなり、金利も当初は一時高くなったがすぐに落ち着き、物価はインフレ目標2%に向かって上がり出した、つまり、円暴落、国債暴落、ハイパーインフレになるというのはウソだった。

 こうしたウソは、筆者は本コラムで以前から指摘していた。たとえば、2012年11月29日の本コラム「「安倍緩和」に議論百出!金融緩和に関する6つの疑問に答える」で、山田厚史氏のコラムを批判しているが、同氏はいまだに無理解のようだ。

 また、国債金利の暴騰についても、2013年5月16日付け本コラム「長期金利上昇懸念の『から騒ぎ』」で書いたが、から騒ぎした人が再び騒ぎ出しているのには笑える。

 この増税しないと国債金利が上がるというネタ元は、財務省である。同省が出した「日本の財政関係資料」がある。直近のものは2014年10月に出されている。その17ページに、「財政への信認低下による金利上昇」とあり、「債務残高の増大により政府財政への信認が損なわれることとなれば、金利の急騰がもたらされる」と書かれている。

 その資料として、24ページに、日本、アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ギリシャの金利のグラフがあるが、どうもメモリがおかしいと思ったら、ギリシャだけ右軸と、他の国と違っているのだ。

増税しないと財政再建できないから
国債金利が急騰するというロジック

 たしかに、ギリシャのように30%を超えると経済に悪影響があるだろう。その他の国は一時高くなっても、すぐに落ち着いていることがわかる。少なくとも、経済運営に大打撃を与えたようなものではないだろう。

 ギリシャの問題は、2011年10月20日付け本コラム「ギリシャはデフォルト(債務不履行)常習国 歴史と最適通貨圏理論で解く問題の本質」で書いたが、破綻常習国のギリシャと日本を比較するときには、よく注意しなければいけない。となると、上の財務省資料も途端に説得力がなくなる。

 前回の本コラム「『消費増税で財政再建できる』は大間違い」で書いたように、増税しないほうが経済成長の確率が高まるので、増税しないと財政再建できないから国債金利が急騰するというロジックは信じがたい。

 国債金利の急騰を信じている人は、もし当たれば儲かっているはずだ。まあ、この話も、本当に解散・総選挙になるのであれば、1ヵ月後に答えが出ているだろう。
http://diamond.jp/articles/-/62072


02. 2014年11月13日 07:49:59 : jXbiWWJBCA

「小峰隆夫の日本経済に明日はあるのか」
怪しくなってきた景気

アベノミクス第2幕の課題

2014年11月13日(木)  小峰 隆夫

 この連載では、前回まで人口問題を取り上げてきた。人口問題についてはまだまだ論じたいことがたくさんあるのだが、連載を休んでいるうちに、経済の方が怪しくなってきた。そこで、やや方向転換して当面の経済政策の課題を述べてみたい。

アベノミクスは第1幕から第2幕へ

 アベノミクスは2つのステージに分けると分かりやすい。

 第1幕は、2014年3月までの時期で、経済が順調に拡大し、アベノミクスの成果が大いに発揮された時である。これを支えたのが、「円安・株高」「公共投資」「駆け込み需要」という3点セットであった。

 安倍政権発足前後から、円安・株高が急速に進展した。これは、民主党政権からの政策スタンスの大転換が、サプライズ効果となって市場を動かしたからだと考えられる。株高は経済の雰囲気を明るくし、資産効果を通じて消費を増大させた。円安は製造業の収益を好転させ、輸入物価の上昇を通じて物価上昇率を引き上げ、デフレからの脱却に貢献した。アベノミクス第2の矢である公共投資も景気拡大に寄与した。2013年度の政府固定資本形成(公共投資・実質、以下同じ)は、15.1%の伸びとなった。経済全体の成長率は2.3%で、そのうち0.7%はこの公共投資の増加によってもたらされている。

 そして2014年4月からの消費税率引き上げを控えての駆け込み需要が2013年度の成長率を引き上げた。本年の内閣府「経済財政白書」は、駆け込み需要の規模を、消費だけでGDPの0.5%程度と推計している。この推計は消費だけだが、駆け込みは、住宅投資や設備投資にも発生していたと見られているので、実際の駆け込みの規模はもっと大きかったはずだ。

 この3点セットの効果により、アベノミクス第1幕においては、多くのエコノミストの当初の予想を大きく超えて経済情勢が好転した。この間、エコノミストたち(私も含めて)がいかにアベノミクス後の経済を見誤っていたかについては、本連載でも既に見たところである(「ESPフォーキャストはアベノミクスをどう見ていたか」2014年7月23日)

怪しくなってきた景気

 そのアベノミクスは、2014年4月以降第2幕に入ったというのが私の診断だ。

 円安・株高の動きは一本調子ではなくなった。10月末に、日銀の異次元緩和第2弾が発動され、再び円安・株高が生じているが、第1幕では歓迎一色だった円安に対しては、否定的な評価も目立つようになった。第1幕における円安が「過度の円高」の修正だったのに対して、第2幕での円安は「過度の円安」への動きだと考えられているからであろう。

 伸びきってしまった公共投資にはこれ以上成長をリードする力はない。内閣府の「平成26年度の経済動向について(内閣府年央試算)」(14年7月22日)によると、14年度の公的固定資本形成はマイナス2.3%と見込まれている。そして、駆け込み需要は、4月以降は逆に経済の足を引っ張っている。

 こうした中で、アベノミクス第2幕は、多くの難しい課題に直面することになりそうなのだが、それを象徴するのが、景気の動きが怪しくなってきたことだ。

 以下では、この変調の動きを、日本経済研究センターが毎月行っている「ESPフォーキャスト調査」によってチェックしてみよう。この調査は、日本の第一線のエコノミスト約40人に成長率などの経済の先行きをアンケート調査し、その平均値を公表するというものだ。

 同調査の14年3月の調査結果と最新の14年11月の調査結果を比較することにより、アベノミクス第2幕に入ってからのエコノミストの考え方の変化を探ってみよう。この比較から、次のようなことが言える。

 第1に、14年度の成長見通しが大きく下方修正された。3月の時点では、14年度のGDP成長率(実質)は0.7%と見ていたのが、11月には0.2%に低下している。もはやほとんどゼロ成長の世界だ。このように予想が時を追って下方修正されるのは、景気後退期特有の特徴だから気持ちが悪い。

 需要項目別に見ると、差をもたらした最大の要因は、家計消費(民間最終消費)が当初の予想以上に落ち込みそうなことだ。3月の時点では14年度の家計消費はマイナス0.6%と予想されていたが、11月にはこれがマイナス2.3%となった。これはかなり大きい見通し違いだ。

 14年度に入って家計消費が落ち込んだのは、駆け込み需要の反動と、物価上昇による家計の実質所得の減少が重なったためだ。多くのエコノミストは、駆け込みの動きや実質所得減少の影響を過小評価していたと見られる。

 第2に、景気が下降局面に入ったとする見方が徐々に増えている。

 同調査には、「次の景気転換点はもう過ぎたか」という質問がある。現時点で判明している景気の転換点は2012年11月の谷だから、これに「はい」と答えた人は、既に景気の山を越えた、すなわち現在は景気後退局面だと認識していることになる。3月の時点ではこの質問がなかったので、4月調査で代用すると、この時は「はい」と答えたのはたった1人だった。それが10月調査では11人にまで増えたので驚いたのだが、11月調査ではさらに19人に増えた(「いいえ」は22人)。もはや、景気後退派が約半数となったのだ。

月例経済報告の判断

 民間エコノミストの先行きに対する見方が、景気上昇派と後退派でほぼ拮抗してきたことを見たが、実は政府の見方も微妙である。

 政府の公式の景気判断は、毎月の「月例経済報告」によって示される。私はこの月例報告を作る仕事にかなり長く携わってきたのだが、この報告の冒頭にある「基調判断」という部分が、政府の景気判断を示すものとして重要なところである。プロのエコノミストは、この基調判断の微妙な言い回しの変化を通じて、政府の姿勢を探ろうとして、この部分に注目している。

 この総括判断の文章は、4月以降、月を追って後退してきている。具体的に見よう。

 3月「景気は、緩やかに回復している。また、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が強まっている」→4月「景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる」(5、6月も同文)→7月「景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」(8月も同文)→9月「景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」(「一部に弱さ」が加わった)→10月「景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」(「一部に」が消えた)、という具合だ。

 つまり、4月から6月までは、景気に弱い動きが見られるのは、駆け込み需要の反動だと解釈し、その反動も薄らいでくるはずだと考えていたら、次第に弱い動きが拡大してきているという認識である。ただし、「回復基調は続いている」ということだから、依然として景気は上昇局面という判断は変えていない。

「景気動向指数」では「後退局面入りした」と判断

 もう1つ、あまり注目されていないが重要な指標に「景気動向指数」がある。これには「先行指数」「一致指数」「遅行指数」の3つがある。最も注目されているのは、景気の現状を示すとされる一致指数である。

 さて、この景気動向指数にも判断文がついている。その変化を見ると、3月までは「改善を示している」だったのだが、4月に「足踏みを示している」に変わった(以後、7月まで同文)。そして、8月の判断文は「下方への局面変化を示している」となったのだ(最新の9月も同じ)。これを普通の言葉で言うと、3月までは「景気は良い」という判断だったのだが、4月以降「どちらとも言えない」となり、8月からは「後退局面入りした」となったとなる。

 つまり、同じ政府内で、月例経済報告は「景気の回復は続いている」と判断し、景気動向指数は「景気は後退局面入りした」と判断していることになる。どうしてこんなことになるのだろうか。その理由は、判断文の決め方にある。

 月例経済報告の判断文は、いわば「アート」の世界である。その時々の指標を見ながら、各省とも相談し、最もふさわしい表現を考え、文章を練っていく。なにしろ政府の公式見解なのだから、マーケットに影響するかもしれない。簡単に「景気は悪いです」と言うと、国会で政府の経済運営の責任を追及されかねないし、「だったらさっさと経済対策を打て」と言われそうだ。あれこれ考えると、どうしても「アート」の世界になってしまうのである。

 これに対して、景気動向指数の判断は「ルール」の世界である。この点は世の中にほとんど知られていないのだが、景気動向指数の判断文は、「数字がこういう推移を示したら、こういう判断文にする」ということがルールとして決まっており、恣意的な判断が入り込まないようになっている。そのルール(基準)も公開されている(こちらを参照)。100%透明なのだ。

 私は、この景気動向指数の判断文の基準作りに参画したことがあるのだが、判断をルール化したのは、政治的な判断を排除して、できるだけ客観的な判断を示すよう工夫したからである。私は、その基準作りに参画しながらも「そうは言っても、現実に、政府の判断と景気動向指数の判断が食い違った時に、その客観性を貫けるのだろうか」と、やや半信半疑でいた。そういう点では、今回がまさに試金石だったわけだが、無事、政府の判断とは独立して、ルール通りの判断文が示されたので大変喜んでいる。

 いずれにせよ、過去の景気を踏まえて設定されたルールに則って考えると、景気は後退局面ということになる。このルールに基づく判断が絶対というわけではないが、景気の現状が相当に怪しいということは間違いない。

大注目の7-9月期GDP

 さて、こうした微妙な景気情勢の中で大いに注目されるのが、11月17日に発表される7-9月期のGDPだ。なぜ注目されるのかを整理しておこう。なお、こうして11月17日に発表される統計について詳しく述べているということは、この小論の命もあと数日ということであり、やや悲しいことではあるが、景気問題を論じる際の宿命であり、やむを得ない。

 第1のポイントは、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響がどう出るかである。

 駆け込みの影響は、1-3月期の成長率を高め(6.0%増、実質・年率、以下同じ)、4-6月期の成長率を押し下げた(マイナス7.1%)。ここまでは誰でも分かる。ところが、駆け込みの影響はこれでは終わらない。4-6月期のGDPの水準は、駆け込みの反動によって通常より水準が下がっており、7-9月期にはそれが平常レベルに戻る。このため7-9月期のGDP成長率は高めに出るのだ(駆け込みの反動の反動。この点は、本連載の4月17日「駆け込み需要の影響はどう出るか?」で説明しているので、詳しくはこちらを参照してほしい)。

 この点は専門のエコノミストは誰もが分かっていることであり、事実、ESPフォーキャスト調査の7-9月期の成長率予想は一貫して高めである。ただ、高めではあるが、最近時点では、その高めである度合いが小さくなっている。すなわち、8月調査では4.1%と見ていたのが、10月では2.5%になっている。これは、駆け込みの反動の反動を打ち消すような後ろ向きの要因が出てきたということである。

 第2のポイントは、景気の基調をどう見るかだ。もし、2%を切るような数字が出たら、かなり悪いと考える必要がある。「普通であれば4%程度になってもおかしくないのに、2%になったということであれば、実態はゼロ成長」ということになるからだ

 この点で気になるのが在庫投資の動きだ。4-6月期のGDP成長率は、前期比年率7.1%もの大幅減少となったのだが、在庫投資は5.5%ものプラス寄与度となっている。在庫の積み上がりがなかったら、成長率はマイナス12.6%(!)に達していたわけだ。在庫だけでこれほど成長率が引き上げられるのはかなり異常な姿である。

 これは、需要の落ち込みが思ったより大きかったので、売れ残りの過剰在庫が溜まったのだと考えられる。同じようなことが2008年10-12月期にも起きている。この時はリーマン・ショックによる突然の需要落ち込みで、在庫が積み上がり、在庫投資の成長寄与度がやはり5.7%にも達した。この時は、翌2009年1-3月期に逆に在庫を絞り込む動きが生じたため、在庫投資の成長寄与度が実にマイナス7.5%というすさまじい姿になっている。今回も同様のことが起きると、7-9月期の成長率はかなり引き下げられることになる。

 第3のポイントは、消費税率を予定通り引き上げるかどうかだ。総理を始め多くの政府首脳が「7-9月期のGDPを見て、消費税10%の是非を検討する」と言っている。7-9月期が4%程度の成長であれば、安心して消費税率を10%にできるが、思ったよりも成長率が低かったとすると、引き上げを延期せよという声が高まってくるだろう。

 私自身は、そもそも短期的な景気情勢で長期的な財政健全化の方向を判断することが間違いだと考えているので、多少の経済変動があっても、予定通り消費税率を引き上げるべきだと思うが、現実にはそう簡単にはいかないだろう。少なくとも、当初想定されていたような、「景気の上昇基調は明らかなので、安心して消費税率を引き上げる」ということにはなりそうにない。

 しかし、だからといって、消費税率の引き上げを延期したりすると、政府の財政再建目標の達成はほとんど不可能となるから、今度は財政への信認が揺らぐ可能性が出てくる。

 7-9月期のGDPは、これからのアベノミクス第2幕の行方を左右することになるのかもしれない。

このコラムについて
小峰隆夫の日本経済に明日はあるのか

進まない財政再建と社会保障改革、急速に進む少子高齢化、見えない成長戦略…。日本経済が抱える問題点は明かになっているにもかかわらず、政治には危機感は感じられない。日本経済を40年以上観察し続けてきたエコノミストである著者が、日本経済に本気で警鐘を鳴らす。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20141110/273630/?ST=print


03. 2014年11月13日 12:44:10 : qWuf0Aj3cc
先に解散を打って選挙期間中に内閣として消費税再増税の可否を示すやり方もある。自己の保身のためにはそれがベストかもしれない。果たしてどうなるか。

04. 2014年11月13日 14:26:47 : qWuf0Aj3cc
9月鉱工業生産確報値、前月比+2.9%に上方修正=経産省
2014年 11月 13日 13:42 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKCN0IX09F20141113&channelName=topNews#a=1
1 of 1[Full Size]
[東京 13日 ロイター] - 経済産業が13日発表した9月の鉱工業生産指数確報値は98.0となり、前月比2.9%上昇した。速報値の2.7%上昇から上方修正された。

9月の製造工業稼働率指数は99.9となり、前月比3.6%の上昇だった。製造工業生産能力指数(原数値)は95.0で前月から横ばいだった

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IX09F20141113?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29


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