維新の党は２２日、衆院選公約「維新が変える。改革メニュー１３」を東京都内の党本部で発表した。消費増税凍結の主張を明確化するため、安倍晋三首相が表明した消費増税法の景気条項の削除への反対を明記した。憲法に道州制や首相公選制を盛り込む「統治機構改革のための憲法改正」を訴えたほか、国会議員歳費・定数の３割削減などの行財政改革や競争政策などが柱で、政権への対決色を強めた。

　首相は２０１７年４月に消費税率１０％への引き上げを確実に実施するとして、景気悪化時に増税を一時停止する景気条項を削除すると表明している。維新が公約に削除反対を盛り込むのは、消費増税に慎重な姿勢を示すことで、政権との違いを強調する狙いがある。

　公約は、「身を切る改革」「徹底行革」で財源を生み出す▽脱・公共事業バラマキの経済政策▽原発フェードアウト（徐々に消滅させる）と「自然エネルギー立国」▽現実的な外交・安全保障政策を貫く−−など１３項目。冒頭で、アベノミクスを「公共事業バラマキ一辺倒」などと指摘。国会議員定数削減など「身を切る改革」も実現せず、天下りも復活したなどと厳しく批判した。

　憲法改正については、１２年衆院選で掲げた「自主憲法の制定」ではなく、「統治機構改革のための憲法改正」を強調した。原発政策では、１２年の公約の「原発フェードアウト」の表現は残したが、前回明記した「２０３０年代までに」との期限は盛り込まなかった。

　集団的自衛権行使については「自国への攻撃か他国への攻撃かを問わず、わが国の存立が脅かされている場合において、現行憲法下で可能な『自衛権』行使のあり方を具体化し、法整備する」とした。

　旧結いの党との合流では、集団的自衛権について、旧維新が基本的に容認方針だったのに対し、旧結いが慎重ですり合わせが難航した経緯がある。合流時の合意では「集団的自衛権の検討を含む自衛権行使の範囲の適正化と法整備」という表現だったが、今回の公約では、より行使容認に傾いた。【飼手勇介】（公約の要旨は後日掲載します）

　◇維新の党衆院選公約の骨子◇
・身を切る改革＝国会議員の歳費と定数を３割カット

・行政改革＝国・地方公務員の総人件費を２割カット

・憲法＝道州制や首相公選制など統治機構改革のための憲法改正

・集団的自衛権＝現行憲法下で可能な「自衛権」行使のあり方を具体化し法整備

・原発＝電力自由化を推進し、原発はフェードアウトへ

消費税＝景気が悪くても消費税１０％に自動的に上げる「景気条項の削除」に反対

・政治とカネ＝国会議員に月１００万円支給されている文書通信交通滞在費の使途を公開

関連記事

衆院解散：「誰のための解散」か　基地反対／弱者配慮を (11月22日 15時52分)
２０１４衆院選：かごしま　継続か“暴走”に歯止めか　解散受け各陣営、選挙戦に突入　／鹿児島 (11月22日 15時51分)
’１４衆院選みやざき：各陣営、態勢作り急ぐ　なお擁立模索の動きも　／宮崎 (11月22日 15時44分)　
２０１４衆院選おおいた：県内各区、少数激戦か　／大分 (11月22日 15時38分)
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141123k0000m010060000c2.html