維新の党の橋下徹共同代表（大阪市長）と松井一郎幹事長（大阪府知事）が衆院選出馬を断念したことで、維新は勢いをそがれ野党再編は遠のきそうだ。維新が再編志向なのに対し、民主党執行部は党の再建を優先しているためだ。橋下氏の影響力低下も避けられそうになく、「果たし状」を突きつけられていた公明党は胸をなで下ろした。

　「なんだ結局、出ないのか…」。再編志向の民主党中堅はこう語り、肩を落とした。

　橋下氏が国政に進出すればがぜん注目され、失速する維新の党勢が回復する可能性があった。勢いを取り戻した維新が前原誠司元外相ら民主党保守系と手を握り、将来的に新党結成−。そんなシナリオがささやかれてきたが、「絵に描いた餅」に終わりそうだ。

　自主再建路線の民主党執行部は、解党が決まったみんなの党や、小沢一郎代表率いる生活の党から前職を受け入れている。今後さらに“膨張”路線を加速させる可能性が高い。逆に維新は、国会議員団に橋下氏の出馬待望論が大きかった分、失望も大きく、さらに失速しかねない。

　小沢鋭仁国会議員団幹事長は不出馬について「残念だ」、別の幹部は「発信力のある橋下氏が出馬しないのはマイナスだ」と語る。「勝手に騒いでおいて、勝手に引っ込めるのはどういうことか…」といった不満もくすぶる。そうした維新を尻目に、公明党の幹部は「橋下氏が出馬していたら手ごわかった。勝算が出てきた」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。自民党閣僚経験者は、こう指摘した。

　「維新の大阪府議団と市議団は、来年４月の統一地方選で厳しい結果になるだろう。橋下氏は政治家として求心力を保つ最後の機会を失った」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141124-00000070-san-pol

　大阪市内のホテルで２３日に開かれた維新の党幹事長の松井一郎大阪府知事（５０）の後援会パーティーで、松井氏が衆院選の出馬断念を明言したあいさつの概要は次の通り。（関係者取材などに基づく）

　大阪都構想に期待していただいた大阪府民、市民の皆さん方に最終的に決定していただく住民投票の実施にあたっては、やはり議会の過半数が必要です。

　今、過半数がない。どうするのか。だから前回の衆院選のとき、公明党の皆さんと話をしたんです。２年前の９月２０日の産経新聞にも載っている。都構想は応援するから選挙には立てないでください、公明党を応援してほしいと。要請を受け、われわれがその踏み絵を踏まされました。公明党だから僕は考え方が違いますけど、都構想を実現するのが皆さんとの約束ですから。

　しかし結果は、出直しをしなければならないというところに追い詰められてしまいました。なんとか政治の状況を変えたい。政治のパワーバランスを組み替えたいと、今回の衆院選にあたって悩みに悩み続けました。約２週間。どういうふうに政治のパワーバランスをつくり変えたら皆さんに約束した都構想実現につながっていくのか。橋下市長と一緒に悩みに悩み続けました。

　しかし今回悩んだことで、一挙に国政で勝負するより、やはりここにいる大勢の皆さんにお約束した通り、地道に一歩ずつ来年の統一地方選を目指したいという覚悟をいたしました。

　僕も橋下市長も今回はこの国政に挑戦することはいたしません。全力で来年の統一地方選を戦い抜きたいと思っています。その結果、必ずや勝利し、他会派に頼らなくても都構想を実現できるようにします。このような地盤をなんとしてでもつくるために、これからこの大阪で戦い続けたいと思っております。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141123-00000567-san-pol

　２３日、維新の党の橋下共同代表と松井幹事長が来月の衆議院選挙に出馬しないと表明しましたが、２４日、松井幹事長が街頭で改めて出馬しない理由を説明しました。

　毎週、維新の党は、大阪府内で大阪都構想をＰＲする街頭演説を行っています。２４日は大阪最南端の岬町で橋下共同代表、松井幹事長がマイクを握りました。

　「（大阪）都構想をやりとげるための住民投票をやろうと。そのためには、軸足を大阪に置いて、僕も橋下徹も国政に挑戦することはいったん引っ込めました」（維新の党 松井一郎幹事長）

　これまで橋下共同代表は、大阪都構想の実現をめぐり、対立する公明党の候補がいる選挙区に自らが出馬する可能性を示唆していました。しかし、来年４月の統一地方選挙に勝つことで都構想実現につなげたいとし、大阪市長にとどまることを決断したとみられます。

　一方で、橋下共同代表が出馬をほのめかしていた大阪３区の前職、公明党の佐藤大阪府本部代表は、驚きを隠せません。

　「（橋下氏と）ガチンコ勝負になるんじゃないかと腹を決めていたので、大変驚いております」（公明党（大阪３区） 佐藤茂樹前衆院議員）

　大阪３区には、共産党の渡部結さんも出馬を表明しています。（24日11:40）

　維新の党共同代表の橋下徹大阪市長と幹事長の松井一郎大阪府知事が衆院選不出馬を支援者の前で表明してから一夜明けた２４日朝、両氏は大阪府岬町で街頭演説を行い、初めて公の場で不出馬の意向を表明した。

　午前１０時ごろから始まった演説では松井氏が先にマイクを握り、「国政に挑戦することは一旦引っ込めた。大阪でとことんやらせていただきたい」と決意表明。続いて演説した橋下氏は「知事がほとんど説明してくれた」と、不出馬の理由について自身はほとんど語らなかった。

　その一方で橋下氏は、大阪府議会での議員定数削減や報酬カットを例に「政権交代したときに国民は民主党に期待したが、議員の数、給料を減らすことはやらなかった。だから維新を作った」と民主批判を展開した。

　松井氏は「大阪（の衆院選）で戦って（政治的）パワーを持って挑むのか、一歩ずつ着実に来春（の統一地方選）に照準を絞って最後の勝負を掛けるのか、難しい判断だったが、大阪都構想は後は住民投票にかけるだけ。そのため軸足を大阪において来春まで戦い抜くしかないという判断をした」。

　橋下氏は「どうか維新を大阪の改革を全国に広めて日本を再生させましょう」と支援を求めて演説を締めくくった。

　この日、橋下氏は松井氏とともに、午後２時からは貝塚市、午後４時からは岸和田市でも街頭演説を行う予定。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141124-00000528-san-pol

大阪はもう失敗しているだろう。