さらに安倍・黒田によって極端に円安になった今日、円建ての年金資金をわざわざドルに両替して海外債権や海外株式を購入するならば、初めから運用ではなく、国民の財産を溝に捨てて、海外に利益供与している犯罪と言っても過言ではない。

財務厚生官僚は、その積立保険料を出鱈目に運用して失った付けを誤魔化して、今の年金が現役世代の保険料から支給されているとしている。

そして世代間対立を煽り、さらなる年金削減の同調を得ようとしている。

もし保険会社に積み立てるように単純に40年間保険金を積み立てたらどうなるだろう。

60年前は、年利6〜7％の時代である。竹中に金利をゼロにされるまでそれは続いていた。

平均標準報酬３０万円の月額保険料５万円（事業者含む）として、４０年間の複利計算した額は、大凡８０００万円である。

これをさらに複利運用しながら、年２５０万円を３０年間の年金受給で現役世代の負担はいかほどになるだろうか。基本的に不要である。

それが、そうなっていないのは、ひとえに国の年金行政の不始末である。

たしかに制度当初は、年期不足から保険料を十分支払わないで受給した者もいたろうが、それは今の受給者個人の責任ではなく、国の都合で現役世代の保険料を支給したものである。

その時国が、必要な財源を補填していれば、いわゆる積立方式になっていた。現に今の受給者は、上記のように必要なものを積み立ててきたのだ。

その長い時間の歴史を俯瞰しないで、財務厚生官僚の誤魔化しに載ってはまずいのではないか。